17 / 17
エピローグ・レイクスside
しおりを挟む
ゴミの積もった部屋の中央で、寝台に寝る場所だけを確保して横になる。
もう臭いも、汚れさえ気にしなくなった。
なにをしたって意味がない、俺がいまさら評価を気にしてなんになる。
「……」
アイラと離婚して、十年の月日が流れた。
屋根の染みを見つめて、ふとそんな事を思い出す。
あれから我が伯爵家は栄華を手放し、笑ってしまう程に落ちぶれた。
「当たり前か。弟を幽閉していただけでなく、実の妻を精神病などと偽ったのだから」
ゴミの中からかき出すように、帳簿を手に取る。
伯爵家の資産はもはや絞りカスのように僅かだ。
両親は互いに質素な屋敷に移り住み、一人残った俺は使用人すら雇えずに、ゴミ屋敷で今日もただ人生を浪費する。
「お似合いの最期だ」
いまや俺の評価など地の底で、そこから這い上がる気も起きない。
食欲もなくて、ため息ばかりの日々。
こんな人生を過ごしてなんの意味がある。
「……いっそ」
部屋の奥に置かれているナイフを手に取って、それを首筋に当てる。
こうすれば……楽になれるだろうか。
部屋の一点を見つめながら、ナイフを握る手に力を込め––––
「っ!!」
突然、ナイフを持っていた手が誰かに払われる。
地面に転がったナイフはゴミの山に埋もれてしまった。
なにが起きた、一体だれが!?
「な……おまえ」
止めたのは他でもない、弟のリオンだった。
あいつは俺を睨みつけている。
「なんの用だ。いまさら……」
『兄上、ごめん』
突然、文字を書いた紙をリオンが見せてくる。
それは幾枚かあり、めくられた紙から新たな文字が見えた。
『僕のせいだ』
「なに、なにを言って……お前は関係ない! 俺はただ……お前が邪魔で、疎ましくて……」
『過去の兄上は、僕の事を守ってくれていた。正真正銘の兄上だった』
「黙れ、そんな事を……今さら」
『ごめん、僕のせいで夢を諦めさせて』
書かれた紙を見つめていると、全てを思い出して拳を握る。
思い出してしまったのだ。
俺がリオン、こいつに対して恨みを抱いてしまった過去を……
『おいリオン、あいつがお前を馬鹿にしたんだよな? 待ってろ』
幼かった頃、俺はリオンを馬鹿にする大人にだって歯向かった。
喋れぬ弟をいつだって大人は何も出来ないと陰口を叩き、小馬鹿にしてきた。
悪意のある瞳、差別的な扱い。
耐えられなかった、自らの弟が『喋れない』だけでそんな扱いを受けるなど。
『リオンに謝れ! おじさんが言った事を謝れ!』
社交界でリオンを馬鹿にしてきた大人に対して、そう叫んだ事は何度もあった。
今でも思い出す。
皆は慰めの言葉を吐くが、その実……瞳は差別的にリオンを見つめていた。
俺を見つめる目が、『喋れぬ弟を持った可哀想な兄』として見ているのはよく分かった。
『ごめん、兄上。ぼくがめいわくをかけて』
いつの頃か、リオンがそんな紙を俺に渡してきた事がある。
だけど俺はその紙を破いて笑った。
『なぁリオン。俺はクソな大人が大嫌いだ。お前を喋れないってだけで差別する奴なんて覚える価値もないと思ってる』
あいつ、あの時は目をパチクリとして驚いていたな。
そんなあいつに言った言葉を思い出す。
『俺は兄としてお前を守るし、それが迷惑なんて思って無い。だからずっと支えてやる、それが兄弟だろ?』
そうだった、俺は弟にそう言った。
なのに……なのに。
俺の事を変えたのは、他でもないその大人達だった。
俺は貴族だが、人を教えて導く講師を目指していた。
領主でありながら講師も両立している貴族は多く居る、俺もその一人になりたかった。
だけど……
『うちの学園に通うにしても、弟さんの世話で寮生活ができないんだろう? いくら貴族でも特別扱いはできんよ』
『可哀想な身の上なんだ。わざわざ苦しい道を選ぶ必要もない。領主業で弟君を支えなさい』
俺の夢は目指す前から頓挫して、誰にも聞き入れてもらえなかった。
その時にようやく分かったんだ。
皆が俺を、俺として見ていない。
『不自由を負った弟を世話する兄』として見て、可哀想だと言って夢を否定する。
その弟が居るから、受け入れられないと夢の道を拒絶する。
『弟の同情で周りがチヤホヤしてくれて、良い身分だよな』
『世話のためって言って、学園も途中で抜け出して……講師に特別に授業を付けてもらってるんだと』
夢の道を諦めて、渋々と入った学園でも同学年からは陰口をたたかれた。
『不自由を負った弟を世話する兄』は特別扱いだとみなされた。
ふざけるな、何が特別扱いだ。
誰も俺を見ていない、誰もが俺の夢を否定するこの状況になんの特別がある。
あぁ、もし弟が居なければ俺は夢を追えていたのだろうか。
もし弟が普通だったら、学園でも友人達と切磋琢磨できただろうか。
弟が居なければ、居なければ……そんな思いが、両親が弟を世間的に「消す」という提案を受け入れる土壌を作り上げてしまった。
「お、俺は……」
過去を思い出しながら、リオンからの謝罪を受けながら自らの半生を見つめ直す。
大嫌いだった大人の評価をいつしか気にして、俺こそが大嫌いな大人になっていた。
気付いた瞬間から、後悔が胸に浮かんでくる。
『ごめんなさい、兄上』
「お……俺は……お前に酷い事をしたんだ! いまさら、謝罪なんてするな」
『それでも兄上は、僕に優しくしてくれていた一人です。だからこそ……こんな状況に追い込んでごめん』
「リオン……俺は、お前が居なくなればいいと思ってしまったんだ。俺がクソな大人になっていたんだよ!」
『だけど兄上は、両親に幽閉されている時も、僕が望む勉強に必要な物を届けてくれた。いつだって優しかった』
「違う、違う。俺はただ自分の罪悪感をごまかしていただけだ。俺は……」
『今度は僕が兄上を支えるよ。だって僕らは兄弟だから』
かつて俺自身が言った言葉を、リオンは俺の指先に書く。
同時に差し出されたのは、多くの金銭だった。
『兄上がまた立ち上がれるように、今度こそ僕が支えるから』
「リオン……俺はお前にも、アイラにも取り返しのつかない事をしたんだ。こんな事は……もうやめろ」
『僕が医者になれたのは、紛れもなく兄上のおかげです。なのに兄上を救えないのなら、医療に携わった意味がないんだ』
どうしてお前は、こんな俺をまだ兄として見てくれる。
こんなどうしようもない俺をどうして、肉親として想ってくれるんだ。
俺はお前を疎ましいと思っていた。
居なくなればいいと思っていたのに……
「俺は、最悪で。最低なんだよ。なのに……」
こんなに優しくされて、まだ兄として見てくれている。
それを知ってしまえば罪悪感と後悔が押し寄せる、罪の自覚が心を蝕む。
同時に、苦しめたアイラに対しても、心が罪悪感で満たされていく。
「すまない。リオン……アイラ」
あいつが出て行ってから、遅すぎる謝罪を漏らす。
最悪な大人になった俺を、まだ兄として見てくれているなら。
俺は……
「まだ最期を迎える訳には、いかない」
立ち上がって、ゴミにまみれた部屋から出るように歩き出す。
今後、ずっと俺が生きていく上で犯した罪、その評価は覆る事は無い。
それがたまらなく苦しい、怖い。
だけど。
「俺は、最悪な大人のままでいたくないんだ」
俺は最悪な大人になっていた。
だけどリオンが、それでも兄として見てくれているなら。
俺だって、俺だって兄として変わりたい。
せめて、俺よりも美しい内面を持つ者達が幸せになるような世の中にするために生きてみよう。
俺にはもうそれしか、贖罪の方法などないから。
◇◇◇
三十年後––––
ある貴族家の当主がいた。
彼はその罪によって様々な貴族達に蔑まれながらも、地道に功績を積み上げ続けた。
かつて研鑽していた知識を活かして、少しずつ周囲からの信頼を得たのだ。
その働きで得た財産は孤児院等に寄付し、彼の弟とその妻が進めていた医療の発展に対して反対する貴族達を説得した事もあった。
そんな苦労を重ねた彼は、今は孤児院の子供達に教育を施す講師も兼業していた。
彼は子供達の笑みに囲まれて、彼自身も誰よりも幸せな笑みを浮かべて、今日も夢を叶えた日々を送っている–––
もうそこに、彼が嫌っていた最悪な大人はいなかった。
もう臭いも、汚れさえ気にしなくなった。
なにをしたって意味がない、俺がいまさら評価を気にしてなんになる。
「……」
アイラと離婚して、十年の月日が流れた。
屋根の染みを見つめて、ふとそんな事を思い出す。
あれから我が伯爵家は栄華を手放し、笑ってしまう程に落ちぶれた。
「当たり前か。弟を幽閉していただけでなく、実の妻を精神病などと偽ったのだから」
ゴミの中からかき出すように、帳簿を手に取る。
伯爵家の資産はもはや絞りカスのように僅かだ。
両親は互いに質素な屋敷に移り住み、一人残った俺は使用人すら雇えずに、ゴミ屋敷で今日もただ人生を浪費する。
「お似合いの最期だ」
いまや俺の評価など地の底で、そこから這い上がる気も起きない。
食欲もなくて、ため息ばかりの日々。
こんな人生を過ごしてなんの意味がある。
「……いっそ」
部屋の奥に置かれているナイフを手に取って、それを首筋に当てる。
こうすれば……楽になれるだろうか。
部屋の一点を見つめながら、ナイフを握る手に力を込め––––
「っ!!」
突然、ナイフを持っていた手が誰かに払われる。
地面に転がったナイフはゴミの山に埋もれてしまった。
なにが起きた、一体だれが!?
「な……おまえ」
止めたのは他でもない、弟のリオンだった。
あいつは俺を睨みつけている。
「なんの用だ。いまさら……」
『兄上、ごめん』
突然、文字を書いた紙をリオンが見せてくる。
それは幾枚かあり、めくられた紙から新たな文字が見えた。
『僕のせいだ』
「なに、なにを言って……お前は関係ない! 俺はただ……お前が邪魔で、疎ましくて……」
『過去の兄上は、僕の事を守ってくれていた。正真正銘の兄上だった』
「黙れ、そんな事を……今さら」
『ごめん、僕のせいで夢を諦めさせて』
書かれた紙を見つめていると、全てを思い出して拳を握る。
思い出してしまったのだ。
俺がリオン、こいつに対して恨みを抱いてしまった過去を……
『おいリオン、あいつがお前を馬鹿にしたんだよな? 待ってろ』
幼かった頃、俺はリオンを馬鹿にする大人にだって歯向かった。
喋れぬ弟をいつだって大人は何も出来ないと陰口を叩き、小馬鹿にしてきた。
悪意のある瞳、差別的な扱い。
耐えられなかった、自らの弟が『喋れない』だけでそんな扱いを受けるなど。
『リオンに謝れ! おじさんが言った事を謝れ!』
社交界でリオンを馬鹿にしてきた大人に対して、そう叫んだ事は何度もあった。
今でも思い出す。
皆は慰めの言葉を吐くが、その実……瞳は差別的にリオンを見つめていた。
俺を見つめる目が、『喋れぬ弟を持った可哀想な兄』として見ているのはよく分かった。
『ごめん、兄上。ぼくがめいわくをかけて』
いつの頃か、リオンがそんな紙を俺に渡してきた事がある。
だけど俺はその紙を破いて笑った。
『なぁリオン。俺はクソな大人が大嫌いだ。お前を喋れないってだけで差別する奴なんて覚える価値もないと思ってる』
あいつ、あの時は目をパチクリとして驚いていたな。
そんなあいつに言った言葉を思い出す。
『俺は兄としてお前を守るし、それが迷惑なんて思って無い。だからずっと支えてやる、それが兄弟だろ?』
そうだった、俺は弟にそう言った。
なのに……なのに。
俺の事を変えたのは、他でもないその大人達だった。
俺は貴族だが、人を教えて導く講師を目指していた。
領主でありながら講師も両立している貴族は多く居る、俺もその一人になりたかった。
だけど……
『うちの学園に通うにしても、弟さんの世話で寮生活ができないんだろう? いくら貴族でも特別扱いはできんよ』
『可哀想な身の上なんだ。わざわざ苦しい道を選ぶ必要もない。領主業で弟君を支えなさい』
俺の夢は目指す前から頓挫して、誰にも聞き入れてもらえなかった。
その時にようやく分かったんだ。
皆が俺を、俺として見ていない。
『不自由を負った弟を世話する兄』として見て、可哀想だと言って夢を否定する。
その弟が居るから、受け入れられないと夢の道を拒絶する。
『弟の同情で周りがチヤホヤしてくれて、良い身分だよな』
『世話のためって言って、学園も途中で抜け出して……講師に特別に授業を付けてもらってるんだと』
夢の道を諦めて、渋々と入った学園でも同学年からは陰口をたたかれた。
『不自由を負った弟を世話する兄』は特別扱いだとみなされた。
ふざけるな、何が特別扱いだ。
誰も俺を見ていない、誰もが俺の夢を否定するこの状況になんの特別がある。
あぁ、もし弟が居なければ俺は夢を追えていたのだろうか。
もし弟が普通だったら、学園でも友人達と切磋琢磨できただろうか。
弟が居なければ、居なければ……そんな思いが、両親が弟を世間的に「消す」という提案を受け入れる土壌を作り上げてしまった。
「お、俺は……」
過去を思い出しながら、リオンからの謝罪を受けながら自らの半生を見つめ直す。
大嫌いだった大人の評価をいつしか気にして、俺こそが大嫌いな大人になっていた。
気付いた瞬間から、後悔が胸に浮かんでくる。
『ごめんなさい、兄上』
「お……俺は……お前に酷い事をしたんだ! いまさら、謝罪なんてするな」
『それでも兄上は、僕に優しくしてくれていた一人です。だからこそ……こんな状況に追い込んでごめん』
「リオン……俺は、お前が居なくなればいいと思ってしまったんだ。俺がクソな大人になっていたんだよ!」
『だけど兄上は、両親に幽閉されている時も、僕が望む勉強に必要な物を届けてくれた。いつだって優しかった』
「違う、違う。俺はただ自分の罪悪感をごまかしていただけだ。俺は……」
『今度は僕が兄上を支えるよ。だって僕らは兄弟だから』
かつて俺自身が言った言葉を、リオンは俺の指先に書く。
同時に差し出されたのは、多くの金銭だった。
『兄上がまた立ち上がれるように、今度こそ僕が支えるから』
「リオン……俺はお前にも、アイラにも取り返しのつかない事をしたんだ。こんな事は……もうやめろ」
『僕が医者になれたのは、紛れもなく兄上のおかげです。なのに兄上を救えないのなら、医療に携わった意味がないんだ』
どうしてお前は、こんな俺をまだ兄として見てくれる。
こんなどうしようもない俺をどうして、肉親として想ってくれるんだ。
俺はお前を疎ましいと思っていた。
居なくなればいいと思っていたのに……
「俺は、最悪で。最低なんだよ。なのに……」
こんなに優しくされて、まだ兄として見てくれている。
それを知ってしまえば罪悪感と後悔が押し寄せる、罪の自覚が心を蝕む。
同時に、苦しめたアイラに対しても、心が罪悪感で満たされていく。
「すまない。リオン……アイラ」
あいつが出て行ってから、遅すぎる謝罪を漏らす。
最悪な大人になった俺を、まだ兄として見てくれているなら。
俺は……
「まだ最期を迎える訳には、いかない」
立ち上がって、ゴミにまみれた部屋から出るように歩き出す。
今後、ずっと俺が生きていく上で犯した罪、その評価は覆る事は無い。
それがたまらなく苦しい、怖い。
だけど。
「俺は、最悪な大人のままでいたくないんだ」
俺は最悪な大人になっていた。
だけどリオンが、それでも兄として見てくれているなら。
俺だって、俺だって兄として変わりたい。
せめて、俺よりも美しい内面を持つ者達が幸せになるような世の中にするために生きてみよう。
俺にはもうそれしか、贖罪の方法などないから。
◇◇◇
三十年後––––
ある貴族家の当主がいた。
彼はその罪によって様々な貴族達に蔑まれながらも、地道に功績を積み上げ続けた。
かつて研鑽していた知識を活かして、少しずつ周囲からの信頼を得たのだ。
その働きで得た財産は孤児院等に寄付し、彼の弟とその妻が進めていた医療の発展に対して反対する貴族達を説得した事もあった。
そんな苦労を重ねた彼は、今は孤児院の子供達に教育を施す講師も兼業していた。
彼は子供達の笑みに囲まれて、彼自身も誰よりも幸せな笑みを浮かべて、今日も夢を叶えた日々を送っている–––
もうそこに、彼が嫌っていた最悪な大人はいなかった。
1,968
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
身代わりの恋だと思っていました〜記憶を失った私に、元婚約者が泣いて縋る理由〜
恋せよ恋
恋愛
「君を愛している。一目惚れだったんだ」
18歳の伯爵令嬢エリカは、9歳年上のリヒャルト伯爵から
情熱的な求婚を受け、幸せの絶頂にいた。
しかし、親族顔合わせの席で運命が狂い出す。
彼の視線の先にいたのは、エリカの伯母であり、
彼の学生時代の恋人で「初めての女性」だった……ミレイユ。
「あの子は私の身代わりでしょう」「私はあなただけなの」
伯母ミレイユの甘い誘惑と、裏切りの密会。
衝撃の事実を目撃したエリカは、階段から転落し、
彼と過ごした愛しくも残酷な二年間の記憶だけを失ってしまう。
「……あの、どちら様でしょうか?」
無垢な瞳で問いかけるエリカに、絶望し泣き崩れるリヒャルト。
裏切った男と、略奪を企てた伯母。
二人に待ち受けるのは、甘い報復と取り返しのつかない後悔だった。
🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。
🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。
🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。
🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。
🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!
婚約者が聖女を選ぶことくらい分かっていたので、先に婚約破棄します。
黒蜜きな粉
恋愛
魔王討伐を終え、王都に凱旋した英雄たち。
その中心には、異世界から来た聖女と、彼女に寄り添う王太子の姿があった。
王太子の婚約者として壇上に立ちながらも、私は自分が選ばれない側だと理解していた。
だから、泣かない。縋らない。
私は自分から婚約破棄を願い出る。
選ばれなかった人生を終わらせるために。
そして、私自身の人生を始めるために。
短いお話です。
実兄の嘘で悪女にされた気の毒な令嬢は、王子に捨てられました
恋せよ恋
恋愛
「お前が泣いて縋ったから、この婚約を結んでやったんだ」
婚約者である第一王子エイドリアンから放たれたのは、
身に覚えのない侮蔑の言葉だった。
10歳のあの日、彼が私に一目惚れして跪いたはずの婚約。
だが、兄ヘンリーは、隣国の魔性の王女フローレンスに毒され、
妹の私を「嘘つきの悪女」だと切り捨てた。
婚約者も、兄も、居場所も、すべてを奪われた私、ティファニー16歳。
学園中で嘲笑われ、絶望の淵に立たされた私の手を取ったのは、
フローレンス王女の影に隠れていた隣国の孤高な騎士チャールズだった。
「私は知っています。あなたが誰よりも気高く、美しいことを」
彼だけは、私の掌に刻まれた「真実の傷」を見てくれた。
捨てられた侯爵令嬢は、裏切った男たちをどん底へ叩き落とす!
痛快ラブ×復讐劇、ティファニーの逆襲が始まる!
🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。
🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。
🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。
🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。
🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!
《完結》金貨5000枚で売られた王太子妃
ぜらちん黒糖
恋愛
「愛している。必ず迎えに行くから待っていてくれ」
甘い言葉を信じて、隣国へ「人質」となった王太子妃イザベラ。
旅立ちの前の晩、二人は愛し合い、イザベラのお腹には新しい命が宿った。すぐに夫に知らせた イザベラだったが、夫から届いた返信は、信じられない内容だった。
「それは本当に私の子供なのか?」
婚約破棄されたので公爵令嬢やめます〜私を見下した殿下と元婚約者が膝をつく頃、愛を囁くのは冷酷公爵でした〜
nacat
恋愛
婚約者に裏切られ、蔑まれ、全てを失った公爵令嬢リリアナ。
「あなたのような女、誰が愛すると?」そう言い放った王太子と元友人に嘲られても、彼女は涙を見せなかった。
だが、冷たく美しい隣国の公爵セドリックと出会った瞬間、運命は静かに動き出す。
冷酷と噂された男の腕のなかで、彼女は再び自分を取り戻していく。
そして――彼女を捨てた者たちは、彼女の眩い幸福の前に膝をつく。
「これは、ざまぁを通り越して愛された令嬢の物語。」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる