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気付いたら転生してました。
13.さよならライバル
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「え~と、よろしくお願いします?」
営業スマイルを貼り付けたピーターに会釈する。
こんな買い物の仕方したこと無いから、どうすれば良いかよくわからなし、そんな私の戸惑いとは別に、変な緊張感も漂っている。
とりあえず、ドレスの森へ足を進める。後ろにはピタリとピーターさんが付いてくる。
レイモンドの方を見ると、商会の人に測定されている。
さて、私も何か1つ選ぼう。そうすればピーターさんとこの変な緊張感から解放されるだろう。
吊るされた彩り豊かなドレス。どれも上質な生地で、高そうだ…。
前の世界では、スカートを穿くことすら稀だった私が、毎日ドレス。
毎朝レミが用意してくれるのだが、メリーラントお嬢様は大変乙女主義だったようで、ピンク色を中心とした暖色。リボン、ヒラヒラなフリル……ゴッテゴテ。全体的に派手なんですよ。そして動き辛い!!
なので、新しく買うなら動きやすそうで、出来るだけシンプルなものがいいなぁ。
用意されたドレスを見ていく。
クローゼットの中と何が違うのかわからないぐらい、よく似ているし、ピンクだし、ゴテゴテだし。
(あっ!これでいいや!)
数少ない淡い水色のドレスに目を留める。
胸元に大きく3段フリルがあしらわれている。袖は肩から裾へ向けて少し膨らみ、左右袖の裾にリボンが付いている。
いつものドレスよりは、だいぶマシかと思う。
「これがいいです!」
「はい?こちらでございますか?」
「はい。ダメですか?」
「い、いえ!こちらのドレスに何か付け足されるとかですか?」
「いいえ、このままでいいです。」
「へ?はい?このまま!?.」
「今持ってるドレス、派手なものが多いので、シンプルなのが欲しくて。」
「1点でよろしいのですか?…これだけではあるまい?」
「あ、終わったんでそこに座ってますね。」
「…記憶を失くされたとは聞いたが…。私も好敵手を失ったのか…。」
ブツブツつぶやくピーターさん。キャラが崩壊していますよ?
棒立ちしているピーターさんを無視して端に追いやられていたソファに座った。
レイモンドの方を見ると、お母様と商会の人で、「これはどうか、いやこれだ」と、服を取っ替え引っ替えレイモンドに当て大騒ぎをしている。レイモンドは目を白黒させて、立っているのがやっとの様子だ。
我が弟よ、がんばれ…。
「珍しいですね、メリー様。もうお買い物は終わりですか?」
レミが紅茶を持って来てくれる。
「ありがとう。良いものがすぐ見つかったし、いたたまれない変な空気だったし…。」
「メリー様のお買い物はいつも大変でしたから。…いろいろご要望が多くて、時間もかかっていらっしゃいましたし。因みに商会が持って来た物から選ばれたのは初めてです。」
「あ~、そう。…私も大人になったのよ。」
つまり、あの妙な緊張感は、我儘し放題のメリーラントの所為だったわけだ。
***
夕食後、部屋に戻ると、2つ箱が届いていた。1つはドレスだろうけど、もう1つの小さな箱を開けて見ると、髪飾りだった。
金色の金具に、淡い水色の石が3つ付いている。綺麗な髪飾り。
「レミ、この髪飾り、何か知ってる?」
「そちらは、奥様が追加で購入されたものです。レイモンド様が選ばれたそうですよ。」
レイモンドが……。
前の世界でも、男性からアクセサリーをもらったことも、選んでもらったことも無かったのでちょっとドキッとする。
明日、お礼を言おう。
***
次の日、買ってもらったばかりのドレスを着て朝食の席についた。
「メリー!今日は立派なレディだね!」
「ありがとうございます。お父様。」
「大人っぽいドレスを選んでびっくりしたわ。それにね、あなた、髪飾りはレイモンドが選んですよ。」
「そうなの!この髪飾り、とっても気に入ったわ!ありがとうレイモンド!」
恥ずかしそうに下を向く、レイモンド。
「気に入ってもらえて、良かったです。」
天使の笑顔に、部屋にいた皆が癒された。
営業スマイルを貼り付けたピーターに会釈する。
こんな買い物の仕方したこと無いから、どうすれば良いかよくわからなし、そんな私の戸惑いとは別に、変な緊張感も漂っている。
とりあえず、ドレスの森へ足を進める。後ろにはピタリとピーターさんが付いてくる。
レイモンドの方を見ると、商会の人に測定されている。
さて、私も何か1つ選ぼう。そうすればピーターさんとこの変な緊張感から解放されるだろう。
吊るされた彩り豊かなドレス。どれも上質な生地で、高そうだ…。
前の世界では、スカートを穿くことすら稀だった私が、毎日ドレス。
毎朝レミが用意してくれるのだが、メリーラントお嬢様は大変乙女主義だったようで、ピンク色を中心とした暖色。リボン、ヒラヒラなフリル……ゴッテゴテ。全体的に派手なんですよ。そして動き辛い!!
なので、新しく買うなら動きやすそうで、出来るだけシンプルなものがいいなぁ。
用意されたドレスを見ていく。
クローゼットの中と何が違うのかわからないぐらい、よく似ているし、ピンクだし、ゴテゴテだし。
(あっ!これでいいや!)
数少ない淡い水色のドレスに目を留める。
胸元に大きく3段フリルがあしらわれている。袖は肩から裾へ向けて少し膨らみ、左右袖の裾にリボンが付いている。
いつものドレスよりは、だいぶマシかと思う。
「これがいいです!」
「はい?こちらでございますか?」
「はい。ダメですか?」
「い、いえ!こちらのドレスに何か付け足されるとかですか?」
「いいえ、このままでいいです。」
「へ?はい?このまま!?.」
「今持ってるドレス、派手なものが多いので、シンプルなのが欲しくて。」
「1点でよろしいのですか?…これだけではあるまい?」
「あ、終わったんでそこに座ってますね。」
「…記憶を失くされたとは聞いたが…。私も好敵手を失ったのか…。」
ブツブツつぶやくピーターさん。キャラが崩壊していますよ?
棒立ちしているピーターさんを無視して端に追いやられていたソファに座った。
レイモンドの方を見ると、お母様と商会の人で、「これはどうか、いやこれだ」と、服を取っ替え引っ替えレイモンドに当て大騒ぎをしている。レイモンドは目を白黒させて、立っているのがやっとの様子だ。
我が弟よ、がんばれ…。
「珍しいですね、メリー様。もうお買い物は終わりですか?」
レミが紅茶を持って来てくれる。
「ありがとう。良いものがすぐ見つかったし、いたたまれない変な空気だったし…。」
「メリー様のお買い物はいつも大変でしたから。…いろいろご要望が多くて、時間もかかっていらっしゃいましたし。因みに商会が持って来た物から選ばれたのは初めてです。」
「あ~、そう。…私も大人になったのよ。」
つまり、あの妙な緊張感は、我儘し放題のメリーラントの所為だったわけだ。
***
夕食後、部屋に戻ると、2つ箱が届いていた。1つはドレスだろうけど、もう1つの小さな箱を開けて見ると、髪飾りだった。
金色の金具に、淡い水色の石が3つ付いている。綺麗な髪飾り。
「レミ、この髪飾り、何か知ってる?」
「そちらは、奥様が追加で購入されたものです。レイモンド様が選ばれたそうですよ。」
レイモンドが……。
前の世界でも、男性からアクセサリーをもらったことも、選んでもらったことも無かったのでちょっとドキッとする。
明日、お礼を言おう。
***
次の日、買ってもらったばかりのドレスを着て朝食の席についた。
「メリー!今日は立派なレディだね!」
「ありがとうございます。お父様。」
「大人っぽいドレスを選んでびっくりしたわ。それにね、あなた、髪飾りはレイモンドが選んですよ。」
「そうなの!この髪飾り、とっても気に入ったわ!ありがとうレイモンド!」
恥ずかしそうに下を向く、レイモンド。
「気に入ってもらえて、良かったです。」
天使の笑顔に、部屋にいた皆が癒された。
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