15 / 24
気付いたら転生してました。
13.さよならライバル
しおりを挟む
「え~と、よろしくお願いします?」
営業スマイルを貼り付けたピーターに会釈する。
こんな買い物の仕方したこと無いから、どうすれば良いかよくわからなし、そんな私の戸惑いとは別に、変な緊張感も漂っている。
とりあえず、ドレスの森へ足を進める。後ろにはピタリとピーターさんが付いてくる。
レイモンドの方を見ると、商会の人に測定されている。
さて、私も何か1つ選ぼう。そうすればピーターさんとこの変な緊張感から解放されるだろう。
吊るされた彩り豊かなドレス。どれも上質な生地で、高そうだ…。
前の世界では、スカートを穿くことすら稀だった私が、毎日ドレス。
毎朝レミが用意してくれるのだが、メリーラントお嬢様は大変乙女主義だったようで、ピンク色を中心とした暖色。リボン、ヒラヒラなフリル……ゴッテゴテ。全体的に派手なんですよ。そして動き辛い!!
なので、新しく買うなら動きやすそうで、出来るだけシンプルなものがいいなぁ。
用意されたドレスを見ていく。
クローゼットの中と何が違うのかわからないぐらい、よく似ているし、ピンクだし、ゴテゴテだし。
(あっ!これでいいや!)
数少ない淡い水色のドレスに目を留める。
胸元に大きく3段フリルがあしらわれている。袖は肩から裾へ向けて少し膨らみ、左右袖の裾にリボンが付いている。
いつものドレスよりは、だいぶマシかと思う。
「これがいいです!」
「はい?こちらでございますか?」
「はい。ダメですか?」
「い、いえ!こちらのドレスに何か付け足されるとかですか?」
「いいえ、このままでいいです。」
「へ?はい?このまま!?.」
「今持ってるドレス、派手なものが多いので、シンプルなのが欲しくて。」
「1点でよろしいのですか?…これだけではあるまい?」
「あ、終わったんでそこに座ってますね。」
「…記憶を失くされたとは聞いたが…。私も好敵手を失ったのか…。」
ブツブツつぶやくピーターさん。キャラが崩壊していますよ?
棒立ちしているピーターさんを無視して端に追いやられていたソファに座った。
レイモンドの方を見ると、お母様と商会の人で、「これはどうか、いやこれだ」と、服を取っ替え引っ替えレイモンドに当て大騒ぎをしている。レイモンドは目を白黒させて、立っているのがやっとの様子だ。
我が弟よ、がんばれ…。
「珍しいですね、メリー様。もうお買い物は終わりですか?」
レミが紅茶を持って来てくれる。
「ありがとう。良いものがすぐ見つかったし、いたたまれない変な空気だったし…。」
「メリー様のお買い物はいつも大変でしたから。…いろいろご要望が多くて、時間もかかっていらっしゃいましたし。因みに商会が持って来た物から選ばれたのは初めてです。」
「あ~、そう。…私も大人になったのよ。」
つまり、あの妙な緊張感は、我儘し放題のメリーラントの所為だったわけだ。
***
夕食後、部屋に戻ると、2つ箱が届いていた。1つはドレスだろうけど、もう1つの小さな箱を開けて見ると、髪飾りだった。
金色の金具に、淡い水色の石が3つ付いている。綺麗な髪飾り。
「レミ、この髪飾り、何か知ってる?」
「そちらは、奥様が追加で購入されたものです。レイモンド様が選ばれたそうですよ。」
レイモンドが……。
前の世界でも、男性からアクセサリーをもらったことも、選んでもらったことも無かったのでちょっとドキッとする。
明日、お礼を言おう。
***
次の日、買ってもらったばかりのドレスを着て朝食の席についた。
「メリー!今日は立派なレディだね!」
「ありがとうございます。お父様。」
「大人っぽいドレスを選んでびっくりしたわ。それにね、あなた、髪飾りはレイモンドが選んですよ。」
「そうなの!この髪飾り、とっても気に入ったわ!ありがとうレイモンド!」
恥ずかしそうに下を向く、レイモンド。
「気に入ってもらえて、良かったです。」
天使の笑顔に、部屋にいた皆が癒された。
営業スマイルを貼り付けたピーターに会釈する。
こんな買い物の仕方したこと無いから、どうすれば良いかよくわからなし、そんな私の戸惑いとは別に、変な緊張感も漂っている。
とりあえず、ドレスの森へ足を進める。後ろにはピタリとピーターさんが付いてくる。
レイモンドの方を見ると、商会の人に測定されている。
さて、私も何か1つ選ぼう。そうすればピーターさんとこの変な緊張感から解放されるだろう。
吊るされた彩り豊かなドレス。どれも上質な生地で、高そうだ…。
前の世界では、スカートを穿くことすら稀だった私が、毎日ドレス。
毎朝レミが用意してくれるのだが、メリーラントお嬢様は大変乙女主義だったようで、ピンク色を中心とした暖色。リボン、ヒラヒラなフリル……ゴッテゴテ。全体的に派手なんですよ。そして動き辛い!!
なので、新しく買うなら動きやすそうで、出来るだけシンプルなものがいいなぁ。
用意されたドレスを見ていく。
クローゼットの中と何が違うのかわからないぐらい、よく似ているし、ピンクだし、ゴテゴテだし。
(あっ!これでいいや!)
数少ない淡い水色のドレスに目を留める。
胸元に大きく3段フリルがあしらわれている。袖は肩から裾へ向けて少し膨らみ、左右袖の裾にリボンが付いている。
いつものドレスよりは、だいぶマシかと思う。
「これがいいです!」
「はい?こちらでございますか?」
「はい。ダメですか?」
「い、いえ!こちらのドレスに何か付け足されるとかですか?」
「いいえ、このままでいいです。」
「へ?はい?このまま!?.」
「今持ってるドレス、派手なものが多いので、シンプルなのが欲しくて。」
「1点でよろしいのですか?…これだけではあるまい?」
「あ、終わったんでそこに座ってますね。」
「…記憶を失くされたとは聞いたが…。私も好敵手を失ったのか…。」
ブツブツつぶやくピーターさん。キャラが崩壊していますよ?
棒立ちしているピーターさんを無視して端に追いやられていたソファに座った。
レイモンドの方を見ると、お母様と商会の人で、「これはどうか、いやこれだ」と、服を取っ替え引っ替えレイモンドに当て大騒ぎをしている。レイモンドは目を白黒させて、立っているのがやっとの様子だ。
我が弟よ、がんばれ…。
「珍しいですね、メリー様。もうお買い物は終わりですか?」
レミが紅茶を持って来てくれる。
「ありがとう。良いものがすぐ見つかったし、いたたまれない変な空気だったし…。」
「メリー様のお買い物はいつも大変でしたから。…いろいろご要望が多くて、時間もかかっていらっしゃいましたし。因みに商会が持って来た物から選ばれたのは初めてです。」
「あ~、そう。…私も大人になったのよ。」
つまり、あの妙な緊張感は、我儘し放題のメリーラントの所為だったわけだ。
***
夕食後、部屋に戻ると、2つ箱が届いていた。1つはドレスだろうけど、もう1つの小さな箱を開けて見ると、髪飾りだった。
金色の金具に、淡い水色の石が3つ付いている。綺麗な髪飾り。
「レミ、この髪飾り、何か知ってる?」
「そちらは、奥様が追加で購入されたものです。レイモンド様が選ばれたそうですよ。」
レイモンドが……。
前の世界でも、男性からアクセサリーをもらったことも、選んでもらったことも無かったのでちょっとドキッとする。
明日、お礼を言おう。
***
次の日、買ってもらったばかりのドレスを着て朝食の席についた。
「メリー!今日は立派なレディだね!」
「ありがとうございます。お父様。」
「大人っぽいドレスを選んでびっくりしたわ。それにね、あなた、髪飾りはレイモンドが選んですよ。」
「そうなの!この髪飾り、とっても気に入ったわ!ありがとうレイモンド!」
恥ずかしそうに下を向く、レイモンド。
「気に入ってもらえて、良かったです。」
天使の笑顔に、部屋にいた皆が癒された。
0
あなたにおすすめの小説
解散直後のお笑い芸人が異世界転生、悪役令嬢を真正悪女にプロデュース
たぬきち25番
恋愛
お笑いコンビを解散した桂馬涼は、異世界に転生した。
するとそこにはツッコミどころ満載の悪役令嬢が存在した。
しかも悪役令嬢は、婚約者の王子を伯爵令嬢に取られそうになっていた。
悪役令嬢よ、真正悪女に変われ!!
※他サイト様にも掲載始めました!
【長編版】悪役令嬢は乙女ゲームの強制力から逃れたい
椰子ふみの
恋愛
ヴィオラは『聖女は愛に囚われる』という乙女ゲームの世界に転生した。よりによって悪役令嬢だ。断罪を避けるため、色々、頑張ってきたけど、とうとうゲームの舞台、ハーモニー学園に入学することになった。
ヒロインや攻略対象者には近づかないぞ!
そう思うヴィオラだったが、ヒロインは見当たらない。攻略対象者との距離はどんどん近くなる。
ゲームの強制力?
何だか、変な方向に進んでいる気がするんだけど。
その破滅エンド、ボツにします!~転生ヒロインはやり直し令嬢をハッピーエンドにしたい~
福留しゅん
恋愛
自分がシナリオを書いた乙女ゲームの世界に転生したメインヒロインはゲーム開始直後に前世を思い出す。一方の悪役令嬢は何度も断罪と破滅を繰り返しては人生をやり直していた。そうして創造主の知識を持つヒロインと強くてニューゲームな悪役令嬢の奇妙な交友が始まる――。
※小説家になろう様にも投稿しています。
悪役令嬢の心変わり
ナナスケ
恋愛
不慮の事故によって20代で命を落としてしまった雨月 夕は乙女ゲーム[聖女の涙]の悪役令嬢に転生してしまっていた。
7歳の誕生日10日前に前世の記憶を取り戻した夕は悪役令嬢、ダリア・クロウリーとして最悪の結末 処刑エンドを回避すべく手始めに婚約者の第2王子との婚約を破棄。
そして、処刑エンドに繋がりそうなルートを回避すべく奮闘する勘違いラブロマンス!
カッコイイ系主人公が男社会と自分に仇なす者たちを斬るっ!
転生したら4人のヤンデレ彼氏に溺愛される日々が待っていた。
aika
恋愛
主人公まゆは冴えないOL。
ある日ちょっとした事故で命を落とし転生したら・・・
4人のイケメン俳優たちと同棲するという神展開が待っていた。
それぞれタイプの違うイケメンたちに囲まれながら、
生活することになったまゆだが、彼らはまゆを溺愛するあまり
どんどんヤンデレ男になっていき・・・・
ヤンデレ、溺愛、執着、取り合い・・・♡
何でもありのドタバタ恋愛逆ハーレムコメディです。
【完結】成り上がり令嬢暴走日記!
笹乃笹世
恋愛
異世界転生キタコレー!
と、テンションアゲアゲのリアーヌだったが、なんとその世界は乙女ゲームの舞台となった世界だった⁉︎
えっあの『ギフト』⁉︎
えっ物語のスタートは来年⁉︎
……ってことはつまり、攻略対象たちと同じ学園ライフを送れる……⁉︎
これも全て、ある日突然、貴族になってくれた両親のおかげねっ!
ーー……でもあのゲームに『リアーヌ・ボスハウト』なんてキャラが出てた記憶ないから……きっとキャラデザも無いようなモブ令嬢なんだろうな……
これは、ある日突然、貴族の仲間入りを果たしてしまった元日本人が、大好きなゲームの世界で元日本人かつ庶民ムーブをぶちかまし、知らず知らずのうちに周りの人間も巻き込んで騒動を起こしていく物語であるーー
果たしてリアーヌはこの世界で幸せになれるのか?
周りの人間たちは無事でいられるのかーー⁉︎
完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい
咲桜りおな
恋愛
オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。
見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!
殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。
※糖度甘め。イチャコラしております。
第一章は完結しております。只今第二章を更新中。
本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。
本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。
「小説家になろう」でも公開しています。
【完結】ゲーム序盤に殺されるモブに転生したのに、黒幕と契約結婚することになりました〜ここまで愛が重いのは聞いていない〜
紅城えりす☆VTuber
恋愛
激甘、重すぎる溺愛ストーリー!
主人公は推理ゲームの序盤に殺される悪徳令嬢シータに転生してしまうが――。
「黒幕の侯爵は悪徳貴族しか狙わないじゃない。つまり、清く正しく生きていれば殺されないでしょ!」
本人は全く気にしていなかった。
そのままシータは、前世知識を駆使しながら令嬢ライフをエンジョイすることを決意。
しかし、主人公を待っていたのは、シータを政略結婚の道具としか考えていない両親と暮らす地獄と呼ぶべき生活だった。
ある日シータは舞踏会にて、黒幕であるセシル侯爵と遭遇。
「一つゲームをしましょう。もし、貴方が勝てばご褒美をあげます」
さらに、その『ご褒美』とは彼と『契約結婚』をすることで――。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
もし「続きが読みたい!」「スカッとした」「面白い!」と思って頂けたエピソードがありましたら、♥コメントで反応していただけると嬉しいです。
読者様から頂いた反応は、今後の執筆活動にて参考にさせていただきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる