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蒼玉宮2
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3日の日程で訪れた国境から急ぎ帰ってくると、ルクレツィアが体調を崩しているという。
ラファエロは着替えもせずにそのままルクレツィアの寝室に向かった。
「おかえりなさいませ、王子殿下」
この離宮で最も美しく整えられた女主人の間のドアを開くと侍女のアンナに出迎えられた。アンナは公爵家からついてきた侍女である。もとは王女時代のジュリエッタに仕えていた。子爵家出身の貴族であるが、四十を超えた今も結婚する予定はなくルクレツィアの世話をしている。
「ルクレツィアが体調を崩していると聞いた」
「先ほどからおやすみになっています」
「そうか」
顔だけでも見たくて寝室に向かう。音をたてずにドアを開くと、寝台のルクレツィアの額をなでる細身の騎士の姿が目に入ってきた。
頭に血が上り、気配を消すことも忘れ大股で近づいていくと、騎士が振り向いて「しぃ」っと人差し指を唇にあてた。相手がオクタヴィアだと認識し、幾分冷静さを取り戻す。
「ルクレツィアは?」
「眠ったばかりです」
寝台に横たわるルクレツィアの頬はほんのり赤く火照っていた。
「熱があるのか」
「ええ」
額に当てられたハンカチに板状の氷が包まれていて、姉が妹を看病していたのだと分かった。
「あちらでお話を」
オクタヴィアに促され、ラファエロは不承不承ルクレツィアの寝室を後にした。
「何か用か?」
早くルクレツィアの元に戻りたくて態度がそっけなくなるが、オクタヴィアは気にするそぶりもない。
「ユリウス・レントラーと話をさせてください」
「ユリウス、だと?」
ラファエロは苦虫をかみつぶした。
名ばかりの侍従は魔道障壁に行くたびに新たな兵器の実験にラファエロをひきずりこむ。
今回も近づいた者を自動探知して発射する冷凍光線の実験につき合わされた。早く帰りたくて焦燥にかられたが、国防のためとなれば時間を割かないわけにもいかない。
「ラファエロ様、僕はこれから魔法騎士団に行きます。あの冷凍光線、もうちょっと改良できると思うんですよね」
噂をすれば影がさす。話題の男がひょっこり現れた。
「待て。従妹殿がおまえと話したいそうだ」
歩き出そうとしていた足を止め、ユリウスが振り向いた。
「僕に何か?」
「ルクレツィアのことだ。殿下がいない間、ルクレツィアが体調を崩したことを、君はどう分析する?」
「そうですね、王宮に来てから毎日殿下の魔力を注がれているとはいえ、唾液のみです。ルクレツィア様の体を維持する最低限の魔力量しか受け渡しできないのでしょう。それで離れていた間に魔力切れを起こし、体調を崩されたのではないでしょうか」
「なるほど。この先もこういうことはあるだろう。もし殿下以外の魔力でも問題がないのなら、殿下が留守の間、ルクレツィアに私の魔力を渡したい」
「それは名案です!」
ラファエロが耳を疑う横で、ユリウスは瞳を輝かせた。
「試してみる価値はあります。ルクレツィア様の魔力の器が、つがい以外の魔力も受け付けるのかどうか、大変興味深い」
「駄目だ。許可できない」
思わず大声を出してしまった。たとえ姉であっても、自分以外の人間がルクレツィアにキスで魔力を渡すなど許せるわけがない。
オクタヴィアが不快そうに美麗な眉根を寄せた。
「ルクレツィアのためです」
「駄目だ。彼女は俺のつがいだ」
「貴方の独占欲のために、ルクレツィアの苦しみに目を瞑れと?」
「そんなことは言っていない」
「この先も殿下が職務で留守のたびに体調を崩すかもしれないルクレツィアを放置するつもりですか」
オクタヴィアは激することなく、むしろ冷え切った口調で問いかけた。
「他に方法はないのか」
答えに窮したラファエロはユリウスを睨んだ。こんな男だが頭脳だけはあてになる――…こともある。
「そうですねぇ。おそらく今程度のやり方ではルクレツィア様の魔力の器を満たせないから3日で体調を崩されたんでしょう。ということは、もっと濃い魔力を注げばいいのでは?」
「濃い魔力……」
「精液ですよ。魔力適合と同じことを試みてごらんなさい。今の数百倍の魔力を一気に注入できるはずです」
魔力適合――つまり、ルクレツィアを抱くということだ。考えただけで頭が沸騰しそうになる。非常に魅力的な案ではあるが、大きな問題がある。
「……無理だ。初潮すら迎えていない少女にすることではない」
「確かルクレツィア様は成人されていたはず。問題ないでしょう」
「体の負担が大きすぎる」
ルクレツィアの身長はラファエロの胸半ばほどしかない。この体格差では怪我をさせてしまうかもしれない。
「では、お口から摂取させてみては?」
何を考える間もなく、ラファエロはユリウスの襟元を締め上げた。
「ふざけるなっ!」
あの清らかな少女に、遊女の真似ごとをさせろというのか。
怒りに任せ一発殴りつけようとしたとき、オクタヴィアがぽつりと言った。
「悪くない」
「……?」
顔を向けるとオクタヴィアが思案顔でこちらを見ていた。
「何か言ったか?」
「いや、貴方のことですよ。つがいの執着心だけで強引に事を進めている印象でしたが、なかなかどうして、ルクレツィアのことを大切に思ってらっしゃるようだ。思ったよりも悪くない」
褒められているのか、貶されているのかわからないコメントにどう応えればいいのか。
「いや、すみません。欲にまみれた男なら、その男の提案を喜んで受け入れるでしょう。貴方がそうでなくて良かったということです」
「……そうか」
「でも、他にどんな方法があるんです? 次に魔道障壁に行くとき、ルクレツィア様が体調を崩されてもいいんですか?」
なお言いつのるユリウスを突き放し、ラファエロは考え込む。
魔道障壁には定期的に多量の魔力装填が必要である。国境地帯の平和を保つためにこれを欠かすことはできない。
ルクレツィアを連れて行く――一瞬そんなことを考えたが、すぐに頭の中で打ち消した。馬車で行くとなれば往復3日では済まないし、無理はさせられない。
「仕方がない。次回は私が行きましょう」
諦念を感じさせる声音でオクタヴィアが宣言した。
「従妹殿が?」
「他に方法がない。何日かかるかわかりませんけれどね」
それは願ってもない申し出だった。
「ありがたい」
ラファエロには及ばなくとも、オクタヴィアも高魔力で知られる公爵令嬢だ。
「俺の名を呼ぶことを許す」
「光栄です。ラファエロ殿下」
ルクレツィアへの愛という点で二人は互いを認め合い胸襟を開いた。
「えぇぇぇ、僕の実験はどうしてくれるんですか!?」
ただ一人、場の空気を読まない男の抗議の声が虚しくこだました。
ラファエロは着替えもせずにそのままルクレツィアの寝室に向かった。
「おかえりなさいませ、王子殿下」
この離宮で最も美しく整えられた女主人の間のドアを開くと侍女のアンナに出迎えられた。アンナは公爵家からついてきた侍女である。もとは王女時代のジュリエッタに仕えていた。子爵家出身の貴族であるが、四十を超えた今も結婚する予定はなくルクレツィアの世話をしている。
「ルクレツィアが体調を崩していると聞いた」
「先ほどからおやすみになっています」
「そうか」
顔だけでも見たくて寝室に向かう。音をたてずにドアを開くと、寝台のルクレツィアの額をなでる細身の騎士の姿が目に入ってきた。
頭に血が上り、気配を消すことも忘れ大股で近づいていくと、騎士が振り向いて「しぃ」っと人差し指を唇にあてた。相手がオクタヴィアだと認識し、幾分冷静さを取り戻す。
「ルクレツィアは?」
「眠ったばかりです」
寝台に横たわるルクレツィアの頬はほんのり赤く火照っていた。
「熱があるのか」
「ええ」
額に当てられたハンカチに板状の氷が包まれていて、姉が妹を看病していたのだと分かった。
「あちらでお話を」
オクタヴィアに促され、ラファエロは不承不承ルクレツィアの寝室を後にした。
「何か用か?」
早くルクレツィアの元に戻りたくて態度がそっけなくなるが、オクタヴィアは気にするそぶりもない。
「ユリウス・レントラーと話をさせてください」
「ユリウス、だと?」
ラファエロは苦虫をかみつぶした。
名ばかりの侍従は魔道障壁に行くたびに新たな兵器の実験にラファエロをひきずりこむ。
今回も近づいた者を自動探知して発射する冷凍光線の実験につき合わされた。早く帰りたくて焦燥にかられたが、国防のためとなれば時間を割かないわけにもいかない。
「ラファエロ様、僕はこれから魔法騎士団に行きます。あの冷凍光線、もうちょっと改良できると思うんですよね」
噂をすれば影がさす。話題の男がひょっこり現れた。
「待て。従妹殿がおまえと話したいそうだ」
歩き出そうとしていた足を止め、ユリウスが振り向いた。
「僕に何か?」
「ルクレツィアのことだ。殿下がいない間、ルクレツィアが体調を崩したことを、君はどう分析する?」
「そうですね、王宮に来てから毎日殿下の魔力を注がれているとはいえ、唾液のみです。ルクレツィア様の体を維持する最低限の魔力量しか受け渡しできないのでしょう。それで離れていた間に魔力切れを起こし、体調を崩されたのではないでしょうか」
「なるほど。この先もこういうことはあるだろう。もし殿下以外の魔力でも問題がないのなら、殿下が留守の間、ルクレツィアに私の魔力を渡したい」
「それは名案です!」
ラファエロが耳を疑う横で、ユリウスは瞳を輝かせた。
「試してみる価値はあります。ルクレツィア様の魔力の器が、つがい以外の魔力も受け付けるのかどうか、大変興味深い」
「駄目だ。許可できない」
思わず大声を出してしまった。たとえ姉であっても、自分以外の人間がルクレツィアにキスで魔力を渡すなど許せるわけがない。
オクタヴィアが不快そうに美麗な眉根を寄せた。
「ルクレツィアのためです」
「駄目だ。彼女は俺のつがいだ」
「貴方の独占欲のために、ルクレツィアの苦しみに目を瞑れと?」
「そんなことは言っていない」
「この先も殿下が職務で留守のたびに体調を崩すかもしれないルクレツィアを放置するつもりですか」
オクタヴィアは激することなく、むしろ冷え切った口調で問いかけた。
「他に方法はないのか」
答えに窮したラファエロはユリウスを睨んだ。こんな男だが頭脳だけはあてになる――…こともある。
「そうですねぇ。おそらく今程度のやり方ではルクレツィア様の魔力の器を満たせないから3日で体調を崩されたんでしょう。ということは、もっと濃い魔力を注げばいいのでは?」
「濃い魔力……」
「精液ですよ。魔力適合と同じことを試みてごらんなさい。今の数百倍の魔力を一気に注入できるはずです」
魔力適合――つまり、ルクレツィアを抱くということだ。考えただけで頭が沸騰しそうになる。非常に魅力的な案ではあるが、大きな問題がある。
「……無理だ。初潮すら迎えていない少女にすることではない」
「確かルクレツィア様は成人されていたはず。問題ないでしょう」
「体の負担が大きすぎる」
ルクレツィアの身長はラファエロの胸半ばほどしかない。この体格差では怪我をさせてしまうかもしれない。
「では、お口から摂取させてみては?」
何を考える間もなく、ラファエロはユリウスの襟元を締め上げた。
「ふざけるなっ!」
あの清らかな少女に、遊女の真似ごとをさせろというのか。
怒りに任せ一発殴りつけようとしたとき、オクタヴィアがぽつりと言った。
「悪くない」
「……?」
顔を向けるとオクタヴィアが思案顔でこちらを見ていた。
「何か言ったか?」
「いや、貴方のことですよ。つがいの執着心だけで強引に事を進めている印象でしたが、なかなかどうして、ルクレツィアのことを大切に思ってらっしゃるようだ。思ったよりも悪くない」
褒められているのか、貶されているのかわからないコメントにどう応えればいいのか。
「いや、すみません。欲にまみれた男なら、その男の提案を喜んで受け入れるでしょう。貴方がそうでなくて良かったということです」
「……そうか」
「でも、他にどんな方法があるんです? 次に魔道障壁に行くとき、ルクレツィア様が体調を崩されてもいいんですか?」
なお言いつのるユリウスを突き放し、ラファエロは考え込む。
魔道障壁には定期的に多量の魔力装填が必要である。国境地帯の平和を保つためにこれを欠かすことはできない。
ルクレツィアを連れて行く――一瞬そんなことを考えたが、すぐに頭の中で打ち消した。馬車で行くとなれば往復3日では済まないし、無理はさせられない。
「仕方がない。次回は私が行きましょう」
諦念を感じさせる声音でオクタヴィアが宣言した。
「従妹殿が?」
「他に方法がない。何日かかるかわかりませんけれどね」
それは願ってもない申し出だった。
「ありがたい」
ラファエロには及ばなくとも、オクタヴィアも高魔力で知られる公爵令嬢だ。
「俺の名を呼ぶことを許す」
「光栄です。ラファエロ殿下」
ルクレツィアへの愛という点で二人は互いを認め合い胸襟を開いた。
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