7 / 98
6.なんかずれてんだろ、思考
しおりを挟む
吸血コウモリ10体退治
ブラッドバイパー5体退治
闇イノシシ1体討伐 【BOSS】
鉄鉱石の納品
闇夜草の納品
銅石の納品2
薬草の納品2
つるはしの作成
回復薬の調合
街道のごみ掃除
システムデバイスのクエスト欄に現在表示されているクエストを見てどれにするか悩む。
(最後のごみ掃除ってなんだよ、ゲーム内に来てまでボランティア活動かっての。)
戦闘は人数が多い方が有利だ、それは昨日で分かったからアヤカと合流してからでもいいだろう。夕食前の今の時間は、簡単に出来るクエストがいい。特に納品は重要な気がする。
必要数納品すれば、採集した残りは手持ちアイテムとして残る。作成や調合に必要な事を考えれば、自分のクエストとアヤカのクエスト、2回行う事で数を増やしやすい。
まてよ、クエスト報酬がそれぞれ貰えるなら、やれるだけやって、他人のクエストに合流する方がお得じゃないか?
試してないから分からないけど、後でアヤカのクエストに合流する事で確認しよう。
(ヘルプ読むの面倒だしな・・・)
(ん?)
クエスト欄の右下に、達成報酬という小さなボタンがあり、それが光っているのでタップしてみる。
(おおっ。)
クエスト達成報酬。クエストを完了した数により、達成報酬が受け取れると書いてある。
初めてのクエスト達成
クエスト達成数 3
そこが光っているので、タップしてみるとアイテムが貰えた。3の方はお金だったけど。次に表示されている、クエスト達成数 6、はグレーアウトしている。
(なるほど、おまけみたいなもんか。)
出来るクエストから始める事にした。手始めに街の中で出来そうな、つるはしの作成。
クエストをこなしていかないと、そもそも先に進めないというか、何も揃わないというか、つまりまだチュートリアルの様な気がした。
だから、きっと闇イノシシが最初の関門じゃないかと俺は予想した。
(予想はしてたが・・・)
つるはしの作成に来た俺は、予想通りの展開だと気付く。前回納品した銅石により、つるはしの作成が出来るようになった。その作成に、さらに銅石が必要・・・と。
(えーと、作成には2個必要なんだな。手持ちは4個だから作れるな。)
鍛冶屋のつるはし作成画面には自分の所持個数が表示されている。画面内には、作成するのボタンがあり、タップすれば作成されるのだろう。
(ってか鍛冶屋、俺の鞄の中身は承知って事じゃねーか。)
よくあるゲームの構成だが、携帯でやっているのと違い、データとはいえ自分もNPCも疑似生成され向かい合っている。そのNPCが俺の鞄の中身を把握しているってのには違和感を感じた。
言い換えれば、買い物に行った先の店員が、俺の財布に入っている金額を知っているようなものだ。そう考えると気持ち悪いな。
ゲームだから現実と比べる事自体、無駄だと思うが違和感があるのはしょうがない。
(まあいいや、とりあえず作るか。)
俺は作成ボタンをタップしてつるはしを手に入れた。所持品は全てシステムデバイスにデータとして格納されているため、減った銅石も増えたつるはしの感覚もない。
ゲームなのだからそこまでの現実感は無くてもいい。あまりにリアル過ぎたら、それはそれで面倒だし、ゲームをやる爽快感や楽しみが苦痛に変わりそうだ。
さて次は、鉄鉱石かな。これも予想通りだった。
クエスト情報にはご丁寧に、鉄鉱石を採掘するにはつるはしが必要と記載があった。となれば、鉄鉱石を手に入れれば鍛冶屋で作成できるものが増えるだろうと思う。何が作れるようになるか分からないが、戦闘するのにアイテムや装備を整えるのは優先するものだろう。
(よし、納品クエストに行ってみるか。)
「ふぅ、疲れた。」
VR-HMDを外して部屋から出る。ダイニングに行くと、母さんがちょうどテーブルの上に料理を並べているところだった。
「親父はまだ帰ってないのか。」
夜7時を過ぎた事を示している時計を見ながら、俺は誰に聞くでもなく呟いた。
「昨日がたまたま早かったのよ。」
料理を並べている母さんが、俺の言葉に相槌を打つ。
「ヒナは今日も部活か。」
「ええ、でももうすぐ帰ってくる頃だと思うわ。7時くらいまでって言っていたから、今帰っている途中じゃないかしら。」
別に居ないからと何かあるわけじゃない。単に居ない事を確認しただけだ。
3歳下の妹、雛子は小学校からやっているバスケを、中学になってからも続けている。入学後直ぐに部活に入り、毎日遅くまで部活をしている。
小生意気な妹と顔を合わせなくて済むなら、それに越した事はない。
「じゃあ先に頂きます。」
「ええ。」
帰ってくる時間がバラバラなんで、食事の時間もバラバラだ。ただ食事は1食分を人数分注文するので、それぞれが好きなタイミングで出来立ての料理を食べられるから、時間が合わなくても冷めた料理を口にしなくてもいい。
母さんは親父が帰って来てから一緒に食べるので、テーブルの上にあるのは俺の分だけだ。
「ただいま。」
食べている最中にヒナが帰って来た。
「おかえり、ご飯すぐ食べる?」
「んー、先にシャワー浴びる。部活で結構汗かいたから、さっぱりしたい。」
「それじゃ、その間に用意しておくわ。」
母さんと妹の会話にさして興味も無いが、ちょっと待て。
「俺、飯食ったら風呂行くつもりだったんだよ。早めに終われよ。」
「うざ、きも・・・」
冷めた目線でヒナが言ってくる。俺の扱いはいつもそんなもんだ。何時からなのか憶えていない、気付けばそういう態度をとられていた。
「おにぃはどうせゲームやりたいだけでしょ。疲れて帰った妹に優しさは無いの。」
「うん、ない。」
ヒナは俺が座っている椅子の足を蹴りながら浴室に向かって行った。どうも見下されているようにしか感じない妹の発言だが、そういや最近、そんな事が増えたな。
あいつに関わった所為なんだよな・・・。と思って、鳳隆院の事を思い出す。
この後、クエストに付き合う事を考えると気が重い。
ヒナは母さんに良く似ていて、さらっとした黒髪ストレートで見た目だけならかなり可愛い。ただ目付きが良くない。態度も。まぁ、俺にだけかもしれないが。
面倒なので、家族だとしても家の中で出来れば顔を合わせたくない人物だ。
食べ終わってテレビを眺めながらそんな事を考えていると、ヒナがダイニングに来たので、俺は入れ替わりで浴室に向かった。
部屋に戻ると8時半、約束の時間までもう少しあるが、ログインして準備をしておこうと思った。準備と言ってもそんなに無いが。
クエストはボス以外、ご飯前に終わったので今はやる事がない。次のクエストは、どうやら今表示されているクエストを全て終わらせないと出ないようだった。
(そういや、鉄鉱石で新しい武器が作れた気がするな。)
それを思い出して鍛冶屋に向かう。
(お、あったあった。)
今装備しているのが、ゲーム開始時に貰ったショートソードで、作れるのがアイアンソードだ。鉄鉱石だから無難な名前だな。
(ん?)
その下にアイアンブレードという片手剣があったが、グレーアウトしている。見た目は片刃の片手剣だが、そっちの方が攻撃力が上だった。
(作るなら強い方がいいよな、でもグレーアウトしているって事は、材料が足りないんだろうな。)
アイアンソードは鉄鉱石4、銅石2、動物の骨。ブレードの方は鉄鉱石4、銅石3、闇イノシシの牙。つまりあれか、ボス倒さないと作れないって事か。材料の数もギリだし、作りたいならボス倒してからだな。
今出ているクエストなら、ショートソードでも十分だし、作るのはボスを倒してからにするか。プレイヤーレベルも10になって、ステータスも上昇したし、同じクエストをやるなら二人だったら直ぐに終わるだろう。
そんな事を考えながら、9時も近付いて来たのでクエスト屋に向かった。
クエスト屋に近付くと、既にアヤカが待っているのが見える。
げ・・・
遅いとか言われないだろうな、まだ9時前なんだけど。
理不尽な事を言われそうな気がしてならないが、行かない方が後で怖いのでアヤカの前まで移動する。
「急にクエストが増えましわ。」
第一声がそれだったので、少しほっとした。
「まだチュートリアルレベルだから、今後数も増え難易度も上がっていくだろうな。」
「お互い昨日から始めたばかりなのに、随分と偉そうに言いますわね。」
ゲームをやっている数が違うんだよと言いたいが、面倒だから相手にしない事にしよう。昨日から学んだじゃないか、理不尽には向かって行かない方がいいって。
「どのクエストから行くんだ?」
「何を言ってますの、それを決めるのがユアキスの役目でしょう。」
「俺はアヤカの付き人でも、使用人でも無いっつーの。」
あほか。何を言い出してんだこいつは。
「手伝うと言ったのは嘘ですの!?」
うざい・・・面倒だ・・・
「ゲームは基本自分でプレイするもので、クエスト受けるのも決めるのも本人がやる事だ。手伝うってのはそれをサポートするようなもので、俺がアヤカの行動を決めるのが手伝うじゃない。」
流石にこの辺ではっきりしておかないと、後々面倒な事になりそうだ。
「そう・・・ですわね。」
あれ、妙に大人しい反応だな。もっと理不尽な事を言い返されるかとも思ったんだけど。
「何分、初めての事だらけで甘えていたのは事実ですわ。刀を振りたい、それだけで始めたのですが、それをするためにいろいろ覚える事が必要ですのね。」
まぁ、その通りなんだが。今更感は拭えないが、すんなり受け入れるとは思って無かった。
「じゃぁ、行くクエストを選んでくれ。俺はあくまでそれを手伝うという形だからな。」
「分かりましたわ。」
今日、教室に居た時とは随分と印象が違うな。言っている事が阿呆な事に変わりないが、金持ちの高慢さが無いと言うか。
「これにしますわ、闇イノシシ。昨日は小さい的で、対峙している感が無かったんですの。子供と記載が無いという事は、きっと大きい予感がしますわ。」
うん、まずセオリーから説明が必要なようだな。
・・・疲れて来た。
「BOSSって書いてあるだろ。ゲームのセオリーとしては、最後の方に受けるクエストなんだよ。戦う為に必要な準備ってのが、その他のクエストで、地を固めから挑むのがオーソドックスなパターンだな。」
「そういう事ですのね。」
お、納得したか。
「つまり、勝てる可能性もあるって事ですわね。」
そっちに行ったか!
俺も試してないから無いとは言えないけど、なんで可能性の薄い方に行くかな。俺の説明は逆のつもりだったんだけど、我を優先して都合のいい解釈しやがったな。
「ユアキスの説明した内容は理解しましたわ。それでも、一度対峙してみたいのが武士というもの、付き合って頂けますわね?」
俺の説明必要無かったよな、これ。
しかも武士ってなんだよ、ただの高校生だろうが。いや、ただのじゃなくて令嬢だけど。
それはどうでもいいが、どうせ言っても聞きそうに無いしな、選択権はアヤカにあるって言ったのも俺だし。
「しょうがない。行ってみて駄目だったら、他のクエストから消化するんだぞ。」
「分かりましたわ。」
アヤカのクエストに参加して、俺とアヤカは街の出口へと向かった。俺もレベルは上がっているし、他のクエストも終わっているから、倒せないって事は無いだろうと思っていた。
そうじゃなかったら、自分主導で他のクエストやってたわ。
・・・
「今日は来ないのかと思いましたわ。」
居たよ、そう言えばもう一人令嬢が。
街の門前で佇んでいるアリシアが目に入ると、俺のモチベーションが下がって行くのが分かった。
ブラッドバイパー5体退治
闇イノシシ1体討伐 【BOSS】
鉄鉱石の納品
闇夜草の納品
銅石の納品2
薬草の納品2
つるはしの作成
回復薬の調合
街道のごみ掃除
システムデバイスのクエスト欄に現在表示されているクエストを見てどれにするか悩む。
(最後のごみ掃除ってなんだよ、ゲーム内に来てまでボランティア活動かっての。)
戦闘は人数が多い方が有利だ、それは昨日で分かったからアヤカと合流してからでもいいだろう。夕食前の今の時間は、簡単に出来るクエストがいい。特に納品は重要な気がする。
必要数納品すれば、採集した残りは手持ちアイテムとして残る。作成や調合に必要な事を考えれば、自分のクエストとアヤカのクエスト、2回行う事で数を増やしやすい。
まてよ、クエスト報酬がそれぞれ貰えるなら、やれるだけやって、他人のクエストに合流する方がお得じゃないか?
試してないから分からないけど、後でアヤカのクエストに合流する事で確認しよう。
(ヘルプ読むの面倒だしな・・・)
(ん?)
クエスト欄の右下に、達成報酬という小さなボタンがあり、それが光っているのでタップしてみる。
(おおっ。)
クエスト達成報酬。クエストを完了した数により、達成報酬が受け取れると書いてある。
初めてのクエスト達成
クエスト達成数 3
そこが光っているので、タップしてみるとアイテムが貰えた。3の方はお金だったけど。次に表示されている、クエスト達成数 6、はグレーアウトしている。
(なるほど、おまけみたいなもんか。)
出来るクエストから始める事にした。手始めに街の中で出来そうな、つるはしの作成。
クエストをこなしていかないと、そもそも先に進めないというか、何も揃わないというか、つまりまだチュートリアルの様な気がした。
だから、きっと闇イノシシが最初の関門じゃないかと俺は予想した。
(予想はしてたが・・・)
つるはしの作成に来た俺は、予想通りの展開だと気付く。前回納品した銅石により、つるはしの作成が出来るようになった。その作成に、さらに銅石が必要・・・と。
(えーと、作成には2個必要なんだな。手持ちは4個だから作れるな。)
鍛冶屋のつるはし作成画面には自分の所持個数が表示されている。画面内には、作成するのボタンがあり、タップすれば作成されるのだろう。
(ってか鍛冶屋、俺の鞄の中身は承知って事じゃねーか。)
よくあるゲームの構成だが、携帯でやっているのと違い、データとはいえ自分もNPCも疑似生成され向かい合っている。そのNPCが俺の鞄の中身を把握しているってのには違和感を感じた。
言い換えれば、買い物に行った先の店員が、俺の財布に入っている金額を知っているようなものだ。そう考えると気持ち悪いな。
ゲームだから現実と比べる事自体、無駄だと思うが違和感があるのはしょうがない。
(まあいいや、とりあえず作るか。)
俺は作成ボタンをタップしてつるはしを手に入れた。所持品は全てシステムデバイスにデータとして格納されているため、減った銅石も増えたつるはしの感覚もない。
ゲームなのだからそこまでの現実感は無くてもいい。あまりにリアル過ぎたら、それはそれで面倒だし、ゲームをやる爽快感や楽しみが苦痛に変わりそうだ。
さて次は、鉄鉱石かな。これも予想通りだった。
クエスト情報にはご丁寧に、鉄鉱石を採掘するにはつるはしが必要と記載があった。となれば、鉄鉱石を手に入れれば鍛冶屋で作成できるものが増えるだろうと思う。何が作れるようになるか分からないが、戦闘するのにアイテムや装備を整えるのは優先するものだろう。
(よし、納品クエストに行ってみるか。)
「ふぅ、疲れた。」
VR-HMDを外して部屋から出る。ダイニングに行くと、母さんがちょうどテーブルの上に料理を並べているところだった。
「親父はまだ帰ってないのか。」
夜7時を過ぎた事を示している時計を見ながら、俺は誰に聞くでもなく呟いた。
「昨日がたまたま早かったのよ。」
料理を並べている母さんが、俺の言葉に相槌を打つ。
「ヒナは今日も部活か。」
「ええ、でももうすぐ帰ってくる頃だと思うわ。7時くらいまでって言っていたから、今帰っている途中じゃないかしら。」
別に居ないからと何かあるわけじゃない。単に居ない事を確認しただけだ。
3歳下の妹、雛子は小学校からやっているバスケを、中学になってからも続けている。入学後直ぐに部活に入り、毎日遅くまで部活をしている。
小生意気な妹と顔を合わせなくて済むなら、それに越した事はない。
「じゃあ先に頂きます。」
「ええ。」
帰ってくる時間がバラバラなんで、食事の時間もバラバラだ。ただ食事は1食分を人数分注文するので、それぞれが好きなタイミングで出来立ての料理を食べられるから、時間が合わなくても冷めた料理を口にしなくてもいい。
母さんは親父が帰って来てから一緒に食べるので、テーブルの上にあるのは俺の分だけだ。
「ただいま。」
食べている最中にヒナが帰って来た。
「おかえり、ご飯すぐ食べる?」
「んー、先にシャワー浴びる。部活で結構汗かいたから、さっぱりしたい。」
「それじゃ、その間に用意しておくわ。」
母さんと妹の会話にさして興味も無いが、ちょっと待て。
「俺、飯食ったら風呂行くつもりだったんだよ。早めに終われよ。」
「うざ、きも・・・」
冷めた目線でヒナが言ってくる。俺の扱いはいつもそんなもんだ。何時からなのか憶えていない、気付けばそういう態度をとられていた。
「おにぃはどうせゲームやりたいだけでしょ。疲れて帰った妹に優しさは無いの。」
「うん、ない。」
ヒナは俺が座っている椅子の足を蹴りながら浴室に向かって行った。どうも見下されているようにしか感じない妹の発言だが、そういや最近、そんな事が増えたな。
あいつに関わった所為なんだよな・・・。と思って、鳳隆院の事を思い出す。
この後、クエストに付き合う事を考えると気が重い。
ヒナは母さんに良く似ていて、さらっとした黒髪ストレートで見た目だけならかなり可愛い。ただ目付きが良くない。態度も。まぁ、俺にだけかもしれないが。
面倒なので、家族だとしても家の中で出来れば顔を合わせたくない人物だ。
食べ終わってテレビを眺めながらそんな事を考えていると、ヒナがダイニングに来たので、俺は入れ替わりで浴室に向かった。
部屋に戻ると8時半、約束の時間までもう少しあるが、ログインして準備をしておこうと思った。準備と言ってもそんなに無いが。
クエストはボス以外、ご飯前に終わったので今はやる事がない。次のクエストは、どうやら今表示されているクエストを全て終わらせないと出ないようだった。
(そういや、鉄鉱石で新しい武器が作れた気がするな。)
それを思い出して鍛冶屋に向かう。
(お、あったあった。)
今装備しているのが、ゲーム開始時に貰ったショートソードで、作れるのがアイアンソードだ。鉄鉱石だから無難な名前だな。
(ん?)
その下にアイアンブレードという片手剣があったが、グレーアウトしている。見た目は片刃の片手剣だが、そっちの方が攻撃力が上だった。
(作るなら強い方がいいよな、でもグレーアウトしているって事は、材料が足りないんだろうな。)
アイアンソードは鉄鉱石4、銅石2、動物の骨。ブレードの方は鉄鉱石4、銅石3、闇イノシシの牙。つまりあれか、ボス倒さないと作れないって事か。材料の数もギリだし、作りたいならボス倒してからだな。
今出ているクエストなら、ショートソードでも十分だし、作るのはボスを倒してからにするか。プレイヤーレベルも10になって、ステータスも上昇したし、同じクエストをやるなら二人だったら直ぐに終わるだろう。
そんな事を考えながら、9時も近付いて来たのでクエスト屋に向かった。
クエスト屋に近付くと、既にアヤカが待っているのが見える。
げ・・・
遅いとか言われないだろうな、まだ9時前なんだけど。
理不尽な事を言われそうな気がしてならないが、行かない方が後で怖いのでアヤカの前まで移動する。
「急にクエストが増えましわ。」
第一声がそれだったので、少しほっとした。
「まだチュートリアルレベルだから、今後数も増え難易度も上がっていくだろうな。」
「お互い昨日から始めたばかりなのに、随分と偉そうに言いますわね。」
ゲームをやっている数が違うんだよと言いたいが、面倒だから相手にしない事にしよう。昨日から学んだじゃないか、理不尽には向かって行かない方がいいって。
「どのクエストから行くんだ?」
「何を言ってますの、それを決めるのがユアキスの役目でしょう。」
「俺はアヤカの付き人でも、使用人でも無いっつーの。」
あほか。何を言い出してんだこいつは。
「手伝うと言ったのは嘘ですの!?」
うざい・・・面倒だ・・・
「ゲームは基本自分でプレイするもので、クエスト受けるのも決めるのも本人がやる事だ。手伝うってのはそれをサポートするようなもので、俺がアヤカの行動を決めるのが手伝うじゃない。」
流石にこの辺ではっきりしておかないと、後々面倒な事になりそうだ。
「そう・・・ですわね。」
あれ、妙に大人しい反応だな。もっと理不尽な事を言い返されるかとも思ったんだけど。
「何分、初めての事だらけで甘えていたのは事実ですわ。刀を振りたい、それだけで始めたのですが、それをするためにいろいろ覚える事が必要ですのね。」
まぁ、その通りなんだが。今更感は拭えないが、すんなり受け入れるとは思って無かった。
「じゃぁ、行くクエストを選んでくれ。俺はあくまでそれを手伝うという形だからな。」
「分かりましたわ。」
今日、教室に居た時とは随分と印象が違うな。言っている事が阿呆な事に変わりないが、金持ちの高慢さが無いと言うか。
「これにしますわ、闇イノシシ。昨日は小さい的で、対峙している感が無かったんですの。子供と記載が無いという事は、きっと大きい予感がしますわ。」
うん、まずセオリーから説明が必要なようだな。
・・・疲れて来た。
「BOSSって書いてあるだろ。ゲームのセオリーとしては、最後の方に受けるクエストなんだよ。戦う為に必要な準備ってのが、その他のクエストで、地を固めから挑むのがオーソドックスなパターンだな。」
「そういう事ですのね。」
お、納得したか。
「つまり、勝てる可能性もあるって事ですわね。」
そっちに行ったか!
俺も試してないから無いとは言えないけど、なんで可能性の薄い方に行くかな。俺の説明は逆のつもりだったんだけど、我を優先して都合のいい解釈しやがったな。
「ユアキスの説明した内容は理解しましたわ。それでも、一度対峙してみたいのが武士というもの、付き合って頂けますわね?」
俺の説明必要無かったよな、これ。
しかも武士ってなんだよ、ただの高校生だろうが。いや、ただのじゃなくて令嬢だけど。
それはどうでもいいが、どうせ言っても聞きそうに無いしな、選択権はアヤカにあるって言ったのも俺だし。
「しょうがない。行ってみて駄目だったら、他のクエストから消化するんだぞ。」
「分かりましたわ。」
アヤカのクエストに参加して、俺とアヤカは街の出口へと向かった。俺もレベルは上がっているし、他のクエストも終わっているから、倒せないって事は無いだろうと思っていた。
そうじゃなかったら、自分主導で他のクエストやってたわ。
・・・
「今日は来ないのかと思いましたわ。」
居たよ、そう言えばもう一人令嬢が。
街の門前で佇んでいるアリシアが目に入ると、俺のモチベーションが下がって行くのが分かった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
『召喚ニートの異世界草原記』
KAORUwithAI
ファンタジー
ゲーム三昧の毎日を送る元ニート、佐々木二郎。
ある夜、三度目のゲームオーバーで眠りに落ちた彼が目を覚ますと、そこは見たこともない広大な草原だった。
剣と魔法が当たり前に存在する世界。だが二郎には、そのどちらの才能もない。
――代わりに与えられていたのは、**「自分が見た・聞いた・触れたことのあるものなら“召喚”できる」**という不思議な能力だった。
面倒なことはしたくない、楽をして生きたい。
そんな彼が、偶然出会ったのは――痩せた辺境・アセトン村でひとり生きる少女、レン。
「逃げて!」と叫ぶ彼女を前に、逃げようとした二郎の足は動かなかった。
昔の記憶が疼く。いじめられていたあの日、助けを求める自分を誰も救ってくれなかったあの光景。
……だから、今度は俺が――。
現代の知恵と召喚の力を武器に、ただの元ニートが異世界を駆け抜ける。
少女との出会いが、二郎を“召喚者”へと変えていく。
引きこもりの俺が、異世界で誰かを救う物語が始まる。
※こんな物も召喚して欲しいなって
言うのがあればリクエストして下さい。
出せるか分かりませんがやってみます。
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
捨てられた王妃は情熱王子に攫われて
きぬがやあきら
恋愛
厳しい外交、敵対勢力の鎮圧――あなたと共に歩む未来の為に手を取り頑張って来て、やっと王位継承をしたと思ったら、祝賀の夜に他の女の元へ通うフィリップを目撃するエミリア。
貴方と共に国の繁栄を願って来たのに。即位が叶ったらポイなのですか?
猛烈な抗議と共に実家へ帰ると啖呵を切った直後、エミリアは隣国ヴァルデリアの王子に攫われてしまう。ヴァルデリア王子の、エドワードは影のある容姿に似合わず、強い情熱を秘めていた。私を愛しているって、本当ですか? でも、もうわたくしは誰の愛も信じたくないのです。
疑心暗鬼のエミリアに、エドワードは誠心誠意向に向き合い、愛を得ようと少しずつ寄り添う。一方でエミリアの失踪により国政が立ち行かなくなるヴォルティア王国。フィリップは自分の功績がエミリアの内助であると思い知り――
ざまあ系の物語です。
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
エレンディア王国記
火燈スズ
ファンタジー
不慮の事故で命を落とした小学校教師・大河は、
「選ばれた魂」として、奇妙な小部屋で目を覚ます。
導かれるように辿り着いたのは、
魔法と貴族が支配する、どこか現実とは異なる世界。
王家の十八男として生まれ、誰からも期待されず辺境送り――
だが、彼は諦めない。かつての教え子たちに向けて語った言葉を胸に。
「なんとかなるさ。生きてればな」
手にしたのは、心を視る目と、なかなか花開かぬ“器”。
教師として、王子として、そして何者かとして。
これは、“教える者”が世界を変えていく物語。
異世界へ行って帰って来た
バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。
そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる