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9.振り回されて終わった気がする、休日
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ビッグホーネット10体退治
闇オオカミ3体退治
闇夜からの使者1体討伐 【BOSS】
鉄鉱石の納品2
月光草の納品
赤光原石の納品
ウルマニスの肉の納品
虫網の作成
解毒薬の調合
街道のごみ掃除2
LV1-2の構成はLV1-1とほぼ同じ感じだ。アイテムの制作を含め、チュートリアルを抜けていない感が残る。
「闇夜からの使者、良い響きですわ!」
「全然良くないわ!」
思わず突っ込んだが、LV1-1クエストを制覇して、新たにクエスト情報を受け取って確認したアヤカの第一声がこれだ。
確かに勝てない事は無いのかもしれない。それでも、何を好き好んで難しいクエストからやらなければならないんだ。昨日苦戦したばかりで、一段階上のボスに行こうとする精神が理解出来ない。
システムろくに理解もしていないくせに。
「回復薬も準備しましたわ。」
それでどうにかなるなら、俺でもいけるわ。
「それは分かった、他に武器や防具の作成・強化は行ったのか?」
「レベルが上がれば強くなるものではなくて?」
やっぱりそこもか。
「あぁ、じゃぁ多分無理だ。」
こいつはそんな事すら理解していないのか。お店の説明は一通り聞かなければ先には進めない。つまりアヤカは聞いてないか、聞き流したか、スキップしたかだ。
攻撃後の硬直を短縮するアクセサリは知っていたくせに、基本的な事はほとんど頭に入っていないという。なめくさっているとしか思えない。
ただ、チュートリアル感のあるLV1のクエストで難しいっていうのもどうかと思うけど。そう考えれば、ある程度のゴリ押しは可能なんじゃないかって気もする。実際、闇イノシシはいけたわけで、何かしらの弱点があるかもしれないし。
「行くにしても装備強化くらいはしてから行った方がいいと思うぞ。」
「ゲームを進めるにあたり、強化は必要ですのね?」
「ああそうだ。」
理解してくれたようでなにより。初めのうちからシステムに慣れてもらわないと、毎回頼られる事になりそうで嫌だ、さすがにそれは勘弁。
「分かりましたわ。早速鍛冶屋に行きますわよ。」
だったら、面倒でも教えられる範囲で今教えておいた方が今後のためだな。そう思うと、アヤカの命令にも渋々従うことにする。
「足りませんわ・・・」
一通り説明を聞いた後、アヤカは鍛冶屋を確認してからそう漏らした。
「材料不足ね。」
「そうなんですの。鋼鉄の太刀は作れるのですが、私が欲しいのは黒太刀。見た目が恰好良くて、攻撃硬直10%短縮の特性が付いておりますの。」
そんな特性が!?俺のアイアンブレードは何にも付いてないんだがな・・・
まあいいや。アヤカの都合は俺に関係ないし。
「そうか。ま、がんばれ。俺はもう自分のクエストに戻るわ。」
「何を言っておりますの?闇イノシシを倒しに行きますわよ。」
当然のように言うな。
「もうLV1-1のクエストは全部手伝ったじゃないか。俺だって自分のクエストを進めたいんだよ。」
アヤカに付き合っていたら、本当に進まない。事はないが、ゆっくりペースになってしまう。そうなると、進んでいる人と差が開いていって、取り残された気分になってしまうんだよな。
「私のこと、見捨てるんですの?」
「言い方!」
俺が悪人みたいに言うな!付き合わされているのは俺なのに、立場が逆転しているような言い回ししやがって。
「下民は酷い事を致しますのね。」
「どっから沸いて出てくるんだよ毎回。それに、アリシアに言われる筋合いはねぇ!」
唐突に割り込んでくるなよ。
「人を虫みたいに言わないで欲しいですわ。」
いや似たようなもんだろ。突然現れては俺を貶してくる、俺にとっては害虫とさして変わらないっての。
だけどアリシアって絡めば絡むほど、AIとは思えないんだよな。
「既視感・・・」
静閑の森の入り口を前に、俺は足が止まりその言葉が漏れていた。
「早く進みなさい。」
「強制連行・・・」
足の止まった俺をアヤカが急かす。そのアヤカを恨めしそうに見て俺は呟いた。
「人聞きの悪いことを言わないで欲しいですわ。」
何と言おうと強制連行だって。
結局あの後、アヤカとアリシアに散々な言われようで、諦めて手伝う事にした。これは自分の尊厳を守るための戦いだ。
と、言い聞かせて。
ただ、闇イノシシを倒すこと自体は無駄じゃない。防具作成にも素材を使うからだ。
だったら何故行くのを渋るか・・・自分の好きな時に素材は集めたいし、今は先のクエストを行いたい。なにより一番は、こいつらと関わり合いたくねぇ!
「既視感・・・」
「既視感・・・」
闇イノシシと目が合い、森の入り口に向かって脱兎の如く走り始めたアリシアを見て、俺とアヤカの言葉が重なった。
「足りませんわ・・・」
まじか。俺はちゃんと牙、出たんだけどな。
「出ないのか?」
「いえ、手には入るのですが、4つ必要なところ、あと1つ不足しておりますの。前回2つ出ましたのに、今回1つとか悔しいですわ!」
そういう事か。武器によって必要な数が違うわけだな。俺の片手剣は1つで作成できたから良かったけど、太刀は大きいし攻撃力も高いからなのか。まぁその辺は制作側の意思だから不明だな。
それより、
「つまりもう一回戦うって事か・・・」
「当然。さ、行きますわよ。」
うげぇ・・・
「出来ましたわ!」
イノシシの牙集めから戻ったアヤカは、一目散に武器屋を目指して移動した。武器作成が終わると、目を輝かせて声を上げた。
そりゃ良かったな、俺はしばらくイノシシの相手はしたくないな。
アヤカは今度、街の出入り口に向かって走っていく。きっと、街の中じゃ武器を出せないから、外に行ったんだろうな。おもちゃを得た子供かっての。
俺も一応、武器の確認くらいしておくか。
武器屋メニューの作成をタップして確認する。
・・・
うぉっ!
やべぇ、これは絶対作りてぇ!
紅刃の刀剣、攻撃速度5%上昇+HP吸収効果なんておまけが付いている。純粋に攻撃力も上がるし、作らないわけにはいかないよな。
しかし今回も当然、グレーアウトしているので素材が足りないのだろう。アイアンソード派生の血刃の剣は作れるんだけどな、せっかくだから今持っているブレードを強化したいよな。
作成の不足材料を確認する。
赤光原石2個と血塗られた爪が足りない。赤光原石は一度クエストで採集しているから、また行けばいいだけのこと。問題は血塗られた爪だが、1つも持っていないし、必要数が2つなのでおそらくボスじゃないかと思った。
そう思ってボス情報を見ると案の定、LV1-2のボスである闇夜からの使者にドロップ情報として載っていた。
(やっぱりか。)
そうなると原石揃えつつ、終わっていない他のクエスト行って、ボス戦に行くのが妥当か。
(それで行こう。)
「黒太刀、なかなかの出来でしたわ。」
「うわっ・・・」
そう思って武器屋のメニューから出た瞬間、アヤカがそんな事を言ってきて驚く。
「何を驚いていますの?」
「どっか行った奴が戻って来ていて、いきなり話しかけられたら驚くだろうが。」
「別に話しかけていませんわ、独り言ですもの。」
じゃぁ人の居ないところで言えよ、腹立つ。
「それで、ユアキスは何をしていたのかしら、装備はもう作ったのでしょう?」
「いや、その作った武器の強化が出ていて、性能がさらに上昇するから材料集めたいなと。」
俺が最後まで言う前に、アヤカは武器屋のメニューを開いているようだった。聞けよ。質問をしてきたのはお前だぞ・・・
「確かに、+が表示されていますわ。」
いや、それじゃないな。なるほど、アヤカは表示されいないってことか。つまり作成が条件じゃないんだな。
「いや、それじゃない。」
「どういう事ですの?それは私よりも多く出ているという事ですの?」
「この卑怯な下民め。」
雑魚NPCの発言はこの際無視でいいよな。何故俺を酷く扱うのかよくわからないが。
「そうだ。おそらく表示される条件は、赤光原石じゃないかと思う。」
赤や血の表現を使っていて、材料としても使うんだから、これで間違いないだろう。
「早く案内しなさい。」
・・・
そうなんだ、とか。なるほど、とか。確かにクエストにあったね、とか。普通、会話ってそんな感じじゃないか?いきなり命令からとか意味がわからん。
「クエストであるんだから、それをやればいいじゃねーか。」
あほか。何度も言ってるのに、俺はお前の使用人じゃないって。すぐにそういう態度になるって事は、家でもそうなんじゃないのか?このお嬢様は。
「なるほど、確かにそうですわね。」
最初に気付けよ。
「早速行きますわよ。」
うわ、俺も組み込まれてるよ。俺の意思を確認するとかはないのか・・・
「へいへい。」
とは言えだ、俺も赤光原石が必要な事に変わりはない。出来ればボスもアヤカに攻撃してもらった方が楽に倒せそうだし。そういう事を考えている時点で、俺も他人を利用している事に変わりはないか。
「今度は何処に行きますの?」
「アヤカに聞いてくれ。」
アリシアの相手も面倒になってきたので、適当に返事をする。
そもそもこのNPCは何の理由で同行してくるのか。今のところゲームでの必要性を感じない。何かのイベントかと思っているのだが、そんな気配もない。
ある程度進行すれば、何か起きるのだろうか?
「何て狭量なのかしら、これだから下民は。」
と、罵って見下してからアリシアはアヤカの方へ向かって行った。結局その扱いかよ。本当になんなんだ。
「紅吹雪!!素敵すぎますわ!」
赤光原石をクエストで手に入れたアヤカは速攻で武器屋に向かった。
武器に対する執着がすごいと思わされる。まぁ、刀が好きなんだろうな。それで敵を倒したいからこのゲームを始めたわけで、だからあそこまでテンションが上がるんだろう。
俺も武器を振ってみたいから始めたわけだが、他の要素も楽しもうと思っているだけで、あそこまでの執着はない。
「作れませんわ!」
だろうね。予想通りならボス素材が必要なはず。
「赤光原石があれば作れるんじゃなかったですの?」
そんな事は言ってない。
「表示条件がって言っただろう。」
「そうだったかしら。」
都合の悪い事は覚えてないってやつか?面倒だから勘弁してくれ。
「なにかの爪が必要ですわ。」
「LV1-2のボスを倒すと手に入る素材だな。」
俺がそう言うと、アヤカの口の端が少し上がり、ニヤリと笑ったように見えた。何処で手に入るか知ったら、そういう反応するだろうなとは思っていたけど。
「ユアキスも素材が必要なのではなくて?」
「その通りだよ。」
確認する必要もないだろう。
「当然、行くのでしょう?」
何言ったって連行するくせに。ただ、俺としても願ったりだ。
「ああ、俺も紅刃の刀剣が作りたいからな。」
「わたくしも手伝いますわ。」
俺たちに混じり、腰のレイピアの柄を握りしめてアリシアが言った。その態度は堂々としたものだったが、こいつが役に立たないのは言うまでもない。
立派なのは態度だけだ。どうせ今回も逃げるんだろうよ。
アリシアの行動が範疇だっだのは言うまでもないが、闇夜からの使者は何とか倒すことが出来た。
蝙蝠なんだか吸血鬼なんだかよくわからない見た目だったが、動き回る敵に対し、今度は俺の片手剣が有利に働いた。
爪も必要数の2個が出たので、一回で紅刃の刀剣が完成。
ただ、アヤカの紅吹雪はイノシシの牙同様、4個を必要としたので、もう一度行くはめになった。
時間が時間だったため、それは翌日に持ち越しとなったんだが、日曜日も連れまわされる結果になってしまった。
結局、俺の休日は鳳隆院に振り回されっぱなしだった気がする。
鳳隆院が寝てから、やっと好きに出来る時間が唯一だった。
ビッグアント10体退治
ブラックマンティス3体退治
火竜の子供1体討伐 【BOSS】
鉄鉱石の納品3
日溜草の納品
青光原石の納品
エルブレス魚の納品
つりざおの作成
解痺薬の調合
街道のごみ掃除3
LV1-3も、残りはボスのみで俺の休日は終わった。
ここまでゲームに浸かると、明日の月曜日が憂鬱だ。学校に行くのが面倒というより、家でゲームしていたい。
なんて、誰もが思う事だよな。
それでも、思うだけで済ますのが生活なんだろうな。
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「闇夜からの使者、良い響きですわ!」
「全然良くないわ!」
思わず突っ込んだが、LV1-1クエストを制覇して、新たにクエスト情報を受け取って確認したアヤカの第一声がこれだ。
確かに勝てない事は無いのかもしれない。それでも、何を好き好んで難しいクエストからやらなければならないんだ。昨日苦戦したばかりで、一段階上のボスに行こうとする精神が理解出来ない。
システムろくに理解もしていないくせに。
「回復薬も準備しましたわ。」
それでどうにかなるなら、俺でもいけるわ。
「それは分かった、他に武器や防具の作成・強化は行ったのか?」
「レベルが上がれば強くなるものではなくて?」
やっぱりそこもか。
「あぁ、じゃぁ多分無理だ。」
こいつはそんな事すら理解していないのか。お店の説明は一通り聞かなければ先には進めない。つまりアヤカは聞いてないか、聞き流したか、スキップしたかだ。
攻撃後の硬直を短縮するアクセサリは知っていたくせに、基本的な事はほとんど頭に入っていないという。なめくさっているとしか思えない。
ただ、チュートリアル感のあるLV1のクエストで難しいっていうのもどうかと思うけど。そう考えれば、ある程度のゴリ押しは可能なんじゃないかって気もする。実際、闇イノシシはいけたわけで、何かしらの弱点があるかもしれないし。
「行くにしても装備強化くらいはしてから行った方がいいと思うぞ。」
「ゲームを進めるにあたり、強化は必要ですのね?」
「ああそうだ。」
理解してくれたようでなにより。初めのうちからシステムに慣れてもらわないと、毎回頼られる事になりそうで嫌だ、さすがにそれは勘弁。
「分かりましたわ。早速鍛冶屋に行きますわよ。」
だったら、面倒でも教えられる範囲で今教えておいた方が今後のためだな。そう思うと、アヤカの命令にも渋々従うことにする。
「足りませんわ・・・」
一通り説明を聞いた後、アヤカは鍛冶屋を確認してからそう漏らした。
「材料不足ね。」
「そうなんですの。鋼鉄の太刀は作れるのですが、私が欲しいのは黒太刀。見た目が恰好良くて、攻撃硬直10%短縮の特性が付いておりますの。」
そんな特性が!?俺のアイアンブレードは何にも付いてないんだがな・・・
まあいいや。アヤカの都合は俺に関係ないし。
「そうか。ま、がんばれ。俺はもう自分のクエストに戻るわ。」
「何を言っておりますの?闇イノシシを倒しに行きますわよ。」
当然のように言うな。
「もうLV1-1のクエストは全部手伝ったじゃないか。俺だって自分のクエストを進めたいんだよ。」
アヤカに付き合っていたら、本当に進まない。事はないが、ゆっくりペースになってしまう。そうなると、進んでいる人と差が開いていって、取り残された気分になってしまうんだよな。
「私のこと、見捨てるんですの?」
「言い方!」
俺が悪人みたいに言うな!付き合わされているのは俺なのに、立場が逆転しているような言い回ししやがって。
「下民は酷い事を致しますのね。」
「どっから沸いて出てくるんだよ毎回。それに、アリシアに言われる筋合いはねぇ!」
唐突に割り込んでくるなよ。
「人を虫みたいに言わないで欲しいですわ。」
いや似たようなもんだろ。突然現れては俺を貶してくる、俺にとっては害虫とさして変わらないっての。
だけどアリシアって絡めば絡むほど、AIとは思えないんだよな。
「既視感・・・」
静閑の森の入り口を前に、俺は足が止まりその言葉が漏れていた。
「早く進みなさい。」
「強制連行・・・」
足の止まった俺をアヤカが急かす。そのアヤカを恨めしそうに見て俺は呟いた。
「人聞きの悪いことを言わないで欲しいですわ。」
何と言おうと強制連行だって。
結局あの後、アヤカとアリシアに散々な言われようで、諦めて手伝う事にした。これは自分の尊厳を守るための戦いだ。
と、言い聞かせて。
ただ、闇イノシシを倒すこと自体は無駄じゃない。防具作成にも素材を使うからだ。
だったら何故行くのを渋るか・・・自分の好きな時に素材は集めたいし、今は先のクエストを行いたい。なにより一番は、こいつらと関わり合いたくねぇ!
「既視感・・・」
「既視感・・・」
闇イノシシと目が合い、森の入り口に向かって脱兎の如く走り始めたアリシアを見て、俺とアヤカの言葉が重なった。
「足りませんわ・・・」
まじか。俺はちゃんと牙、出たんだけどな。
「出ないのか?」
「いえ、手には入るのですが、4つ必要なところ、あと1つ不足しておりますの。前回2つ出ましたのに、今回1つとか悔しいですわ!」
そういう事か。武器によって必要な数が違うわけだな。俺の片手剣は1つで作成できたから良かったけど、太刀は大きいし攻撃力も高いからなのか。まぁその辺は制作側の意思だから不明だな。
それより、
「つまりもう一回戦うって事か・・・」
「当然。さ、行きますわよ。」
うげぇ・・・
「出来ましたわ!」
イノシシの牙集めから戻ったアヤカは、一目散に武器屋を目指して移動した。武器作成が終わると、目を輝かせて声を上げた。
そりゃ良かったな、俺はしばらくイノシシの相手はしたくないな。
アヤカは今度、街の出入り口に向かって走っていく。きっと、街の中じゃ武器を出せないから、外に行ったんだろうな。おもちゃを得た子供かっての。
俺も一応、武器の確認くらいしておくか。
武器屋メニューの作成をタップして確認する。
・・・
うぉっ!
やべぇ、これは絶対作りてぇ!
紅刃の刀剣、攻撃速度5%上昇+HP吸収効果なんておまけが付いている。純粋に攻撃力も上がるし、作らないわけにはいかないよな。
しかし今回も当然、グレーアウトしているので素材が足りないのだろう。アイアンソード派生の血刃の剣は作れるんだけどな、せっかくだから今持っているブレードを強化したいよな。
作成の不足材料を確認する。
赤光原石2個と血塗られた爪が足りない。赤光原石は一度クエストで採集しているから、また行けばいいだけのこと。問題は血塗られた爪だが、1つも持っていないし、必要数が2つなのでおそらくボスじゃないかと思った。
そう思ってボス情報を見ると案の定、LV1-2のボスである闇夜からの使者にドロップ情報として載っていた。
(やっぱりか。)
そうなると原石揃えつつ、終わっていない他のクエスト行って、ボス戦に行くのが妥当か。
(それで行こう。)
「黒太刀、なかなかの出来でしたわ。」
「うわっ・・・」
そう思って武器屋のメニューから出た瞬間、アヤカがそんな事を言ってきて驚く。
「何を驚いていますの?」
「どっか行った奴が戻って来ていて、いきなり話しかけられたら驚くだろうが。」
「別に話しかけていませんわ、独り言ですもの。」
じゃぁ人の居ないところで言えよ、腹立つ。
「それで、ユアキスは何をしていたのかしら、装備はもう作ったのでしょう?」
「いや、その作った武器の強化が出ていて、性能がさらに上昇するから材料集めたいなと。」
俺が最後まで言う前に、アヤカは武器屋のメニューを開いているようだった。聞けよ。質問をしてきたのはお前だぞ・・・
「確かに、+が表示されていますわ。」
いや、それじゃないな。なるほど、アヤカは表示されいないってことか。つまり作成が条件じゃないんだな。
「いや、それじゃない。」
「どういう事ですの?それは私よりも多く出ているという事ですの?」
「この卑怯な下民め。」
雑魚NPCの発言はこの際無視でいいよな。何故俺を酷く扱うのかよくわからないが。
「そうだ。おそらく表示される条件は、赤光原石じゃないかと思う。」
赤や血の表現を使っていて、材料としても使うんだから、これで間違いないだろう。
「早く案内しなさい。」
・・・
そうなんだ、とか。なるほど、とか。確かにクエストにあったね、とか。普通、会話ってそんな感じじゃないか?いきなり命令からとか意味がわからん。
「クエストであるんだから、それをやればいいじゃねーか。」
あほか。何度も言ってるのに、俺はお前の使用人じゃないって。すぐにそういう態度になるって事は、家でもそうなんじゃないのか?このお嬢様は。
「なるほど、確かにそうですわね。」
最初に気付けよ。
「早速行きますわよ。」
うわ、俺も組み込まれてるよ。俺の意思を確認するとかはないのか・・・
「へいへい。」
とは言えだ、俺も赤光原石が必要な事に変わりはない。出来ればボスもアヤカに攻撃してもらった方が楽に倒せそうだし。そういう事を考えている時点で、俺も他人を利用している事に変わりはないか。
「今度は何処に行きますの?」
「アヤカに聞いてくれ。」
アリシアの相手も面倒になってきたので、適当に返事をする。
そもそもこのNPCは何の理由で同行してくるのか。今のところゲームでの必要性を感じない。何かのイベントかと思っているのだが、そんな気配もない。
ある程度進行すれば、何か起きるのだろうか?
「何て狭量なのかしら、これだから下民は。」
と、罵って見下してからアリシアはアヤカの方へ向かって行った。結局その扱いかよ。本当になんなんだ。
「紅吹雪!!素敵すぎますわ!」
赤光原石をクエストで手に入れたアヤカは速攻で武器屋に向かった。
武器に対する執着がすごいと思わされる。まぁ、刀が好きなんだろうな。それで敵を倒したいからこのゲームを始めたわけで、だからあそこまでテンションが上がるんだろう。
俺も武器を振ってみたいから始めたわけだが、他の要素も楽しもうと思っているだけで、あそこまでの執着はない。
「作れませんわ!」
だろうね。予想通りならボス素材が必要なはず。
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そんな事は言ってない。
「表示条件がって言っただろう。」
「そうだったかしら。」
都合の悪い事は覚えてないってやつか?面倒だから勘弁してくれ。
「なにかの爪が必要ですわ。」
「LV1-2のボスを倒すと手に入る素材だな。」
俺がそう言うと、アヤカの口の端が少し上がり、ニヤリと笑ったように見えた。何処で手に入るか知ったら、そういう反応するだろうなとは思っていたけど。
「ユアキスも素材が必要なのではなくて?」
「その通りだよ。」
確認する必要もないだろう。
「当然、行くのでしょう?」
何言ったって連行するくせに。ただ、俺としても願ったりだ。
「ああ、俺も紅刃の刀剣が作りたいからな。」
「わたくしも手伝いますわ。」
俺たちに混じり、腰のレイピアの柄を握りしめてアリシアが言った。その態度は堂々としたものだったが、こいつが役に立たないのは言うまでもない。
立派なのは態度だけだ。どうせ今回も逃げるんだろうよ。
アリシアの行動が範疇だっだのは言うまでもないが、闇夜からの使者は何とか倒すことが出来た。
蝙蝠なんだか吸血鬼なんだかよくわからない見た目だったが、動き回る敵に対し、今度は俺の片手剣が有利に働いた。
爪も必要数の2個が出たので、一回で紅刃の刀剣が完成。
ただ、アヤカの紅吹雪はイノシシの牙同様、4個を必要としたので、もう一度行くはめになった。
時間が時間だったため、それは翌日に持ち越しとなったんだが、日曜日も連れまわされる結果になってしまった。
結局、俺の休日は鳳隆院に振り回されっぱなしだった気がする。
鳳隆院が寝てから、やっと好きに出来る時間が唯一だった。
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