デッドエンドウォー シンフォニア

紅雪

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31.俺には無理だ、収拾

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「さぶ・・・」
「嘘付け。」
「いや、言ってみたかっただけだよ。雰囲気もあった方が盛り上がるじゃん?」
え?
マジか。俺は別に盛り上がらない。
「そんなもんか?」
イルセーヌの街が雪景色だからだろう、タッキーはそんな事を言い出した。何度も来ているから、いまさらって感じはするが。むしろ急にどうしたって感じだ。
「えぇ、仮想空間とはいえ、折角非日常に居るんだから、そういう楽しみ方があってもいいじゃん。」
「言われてみればそうだな。剣を振るうだけが仮想じゃないよな。」
「そゆこと。」
タッキーの言う通り、楽しみ方はそれぞれだろう。俺にとっては剣を振るう事だが、それは当然、敵が居てこその楽しみだ。
まぁ、俺以上に武器に執着している奴もいるが。
それはさておき、海外旅行にでも来た気分で景色を楽しむ、とかいうのもありかも知れない。あくまで雰囲気だけの話しだが。
料理は食べれるが味はしないとか、雪国なのに寒くないとか、そんな当たり前よりも、その気になって楽しんだ方がゲームを満喫してると言えるかもな。
「ぶっちゃけ、俺は景色とか割とどうでもいいかな。」
「言うと思ったよ。」
と言われてもな、目的が違うわけだし。景色なんか眺めてる時間があるなら、その分戦闘して装備強化やら進めた方がいい。
「おぅ、何を楽しそうに話してるんだ?」
そこへミカエルが合流してくる。
「頭痛は大丈夫なのか?」
「あぁ・・・」
ミカエルはそう言うと頭を押さえる仕草をする。
「昨日よりはましなんだが、取れはしないなぁ。」
「無理してログインして来なくてもいいんじゃない?寝てた方がいいよ。」
心配した風な態度ではないが、タッキーが一応程度に言った。本人がどうするかの問題なので、こうしろとは言えないよな。
「一応携帯で診察はしてもらったけどさ、特に異常は見当たらないらしい。痛い時は薬でとりあえず抑えろってさ。」
「薬で抑えてゲームか。」
ミカエルの言葉に、俺は苦笑しながら言う。

親父曰く、昔は診察と言えば病院に行ってやってもらうものだったらしい。今じゃ携帯で済まして、病院に行く人の方が珍しい。まぁ、老齢の人は落ち着かず行く人もまだそれなりにいるみたいだが。
携帯には診察アプリってのが存在する。これは医療機関が開発したもので、どの病院に繋ぐかは自分で選べる。いつ診察可能かは、申し込んでから予定時間が病院側から通知される。つまりその間は好きにしていていい。昔みたいに病院の待合室でまつなんて事もなくなったと親父が言っていた。
待合室自体は持病で訪れる患者も多いが、だいたいが罹患した人だ。風邪のように他人にうつるようなものを患った人間が集まるなんて、そうじゃない人も巻き込まれる可能性があった。その危険が減ったというのも、メリットの一つだとも言っていた。
実際に診察が開始可能な時は、2~3分前に診察可能通知が来て準備しろと表示される。医師からの通信に応答すれうばカメラが繋がり問診が始まるわけだ。
瞳孔や口腔内の確認は診療アプリ内のカメラで可能だし、聴診器オプションを利用して携帯を指示通りの場所に近付ければ医師の方で確認が出来るんだそうだ。
注射も薬も配送で来る。注射とは言うが、パッチタイプの薬液が入ったもので、昔あった注射器のように針が付いたポンプ式ではない。あとはガイダンスに従ってプチっとするだけだ。一瞬痛みはあるが、薬液は自動で注入され、二度と使用できない状態になる。
医師が直接来いと言われない限りは、病院に行く必要もないわけだ。手術ですら遠隔で行える時代だ、簡単な手術なら自宅で済む事も多い。

「なんかなぁ、寝るって言っても眠れるならいいが、横になってるだけは飽きる。」
「まぁ、それには同感だ。」
「そう言われると、僕もそうだけどさ。」
多少の頭痛で寝てるだけとか無理だな、だったらゲームするわ。
「それに、ゲームしてる方が楽なんだよな。」
「え、本当に?」
「あぁ。」
好きな事をやってる方が調子良いって事もあるかも知れない。多分それは気のせいっていう可能性の方が高い気はするが。
「今日は9-5からだよね。」
「だな。とりあえずアヤカと姫が来たら始めるか。」
「分かった。それよりアリシア嬢の姿が見えないが・・・」
なるほど、ミカエルはあれだな、アリシアに会いに来てるんだな。だとしたら、頭痛の程度も分からないな、無理してなきゃいいが。
「あいつは神出鬼没だからな、来るかどうかも分からん。」
俺が呆れて言うとミカエルが多少沈んだ。そんなに会いたいか?

「それよりさ、パーティに加えたい奴がいるんだが。」
「女の子!?」
俺の切り出しにタッキーの食いつきが早いな。むしろ女子以外認めないと言いそうな勢いだ。
「俺は構わんが、どんな奴だ?」
「あぁ、もうすぐ来るわ。ログインしたし。」
ログインしたの確認して話しを切り出したんだ。すぐに合流してくるだろう。ミカエルは知らないだろうが、ヒナだと分かった瞬間、タッキーはどんな反応するだろうか。
でもま、女子には変わりないだろ。

「お待たせ。」
そこへ丁度ヒナが合流してきた。
「この人たちがおに・・・ユアキスのパーティの人?」
「あぁ。」
おにぃとか言いそうになったのはしょうがない、見逃しておくか。
「月下美人と言います、よろしくおねがいします。」
誰だよお前。
そしてタッキーの顔が若干にやけているのが分かる。残念だがこの後落胆するがいい。
「なんか若そうだな。」
ミカエルは興味がないのか、それだけ言うと月下を一瞥しただけで周囲に視線を巡らせる。アリシア探しだろう。もう街中探し回って来いよ。
「まぁな、妹だからな。」
「えぇぇっ!?」
ナイスリアクション。俺はそれを待ってたよ、タッキー。
「そう言えばタッキーが言っていたな、そんな事を。」
「ユアキスにこんな可愛い妹がいるなんて、以外でしたわ。」
うるせぇよ。
可愛くねぇし。
「合流するなり失礼な奴だな。」
「お会いできて光栄です、アヤカ様。ユアキスがいつもお世話になってます。」
だから誰だよ!
「あら、礼節も弁えていますし、どこかの馬の骨とは大違いですわね。」
「誰が馬の骨だ!」
まったく、来るなり馬の骨扱いとかアホか。ってかむしろ俺の方がアヤカの世話をしてるっつーの。言ってやりたいが、あの二人相手にそれは危険な気がする。
下手に気が合いでもしたら、それこそゲームの中までって結果になりかねない。

「あ!アリシア嬢、ご機嫌はいかがですか?」
弾んだ声のミカエルの言葉で、アリシアが来たのが分かる。こんな時に来やがったのか。
・・・
面倒事より、俺はクエストに行きたいんだけどな。
アリシアはミカエルを無視して真っすぐにアヤカへと向かっていく。流石に無視はひでぇ、そりゃミカエルもフリーズするっての。
「わたくしの従者を捕まえて、馬の骨扱いは聞き捨てなりませんわ!」
やめろ。
荒らすな。
「従者じゃねぇっての!」
どいつもこいつも好き勝手言いやがって。
「そ、そんな・・・」
月下の驚きには嫌な予感しかしねぇ。
「こんなのが従者なんて、止めた方がいいと思いますよ。」
やっぱりな。まぁいい、今後手伝わなきゃいいだけの事だ。憶えとけ。
「誰ですの、この小娘は?」
おお、良い感じだ、もっと言ってやれ。初めてアリシアの存在に価値が見え出したよ。
「ユアキスの妹だよ。」
「まぁ、そうでしたの。何処となく凛とした感じがすると思いましたわ。それで、ユアキスは使えませんの?」
タッキーの説明に、アリシアの視線から鋭さが消える。それどころか何言いただしてんだアホ。
「まぁ、多少は。」
何に気を使ったかは知らないが、月下は態度を濁しやがった。
「でも、他に居ませんし、今はユアキスで妥協しておきますわ。」
ミカエルの事も見てやれよ。あいつは従順になってくれるって。言おうと思ったが、話しを聞く奴らじゃないのは知っている。
相手にしてらんないから、ここは放置で鍛冶屋にでも行こう。

『何処に行くんですの?』
背中を向けてこっそり歩き出したが、あっさりと回り込まれた。ってか、睨み合うくらいなら同じ行動するなよ。いや、あれか、
「同族嫌悪?」
『黙りなさい!』
「こんな田舎娘と同列にしないで欲しいですわ。」
「こんな辺境娘と同族とか失礼ですわ。」
・・・
アホだな、こいつら。
「終わるまで俺は鍛冶屋に行ってる、終わったら呼んでくれ。」
「あ、待ってよ、僕も行くよ。」
睨みあってるアホどもは放置して歩き出した俺に、タッキーがそう言ってついて来る。そうだよな、こいつらの訳の分からない争いに巻き込まれるくらいなら、別の事をしてた方がいいよな。

・・・
が、俺とタッキーが鍛冶屋前に来て振り向くと、全員居た。
「何故ついて来る・・・」
「私も鍛冶屋に用がありますわ。」
嘘つけ。
「いや、俺は流れだけど。」
ミカエルはアリシアの行く先に、着いていくだけだろ。
「それはそうと月下は武器、何にしましたの?」
「あ、あたしは、槍斧です。」
「まぁ、素晴らしい選択ですわ。何故かこのパーティの男子ときたら、小物ばかりですもの。」
呆れたように言うアヤカだが、こっちが呆れるわ。
「うるせぇよ。」
「武器の選択は自由だろ。」
「僕は何と言われようと、前線には行きたくないだけだよ。」
一斉に文句が出るのも当然だ。そう言えば、月下がなんで槍斧を選んだのか知らないな。聞いてないだけなんだが、自分から言いもしてないから。
「ところで、なんでお前は槍斧にしたんだ?」
大型の武器扱ってみたいとか、まぁ大した理由じゃないだろうが一応聞いてみる。
「え?そりゃぁ、姫につく悪い虫を両断するために決まってるじゃん。」
・・・
うん、間違いなく俺の妹だった。選ぶ理由がぶれてないな。
タッキーが引いているのがよく分かる。これでもうSSSを姫と出して、ニヤける事も出来ないだろう。
「わたくしがレイピアの理由ですが・・・」
聞いてねぇよ。張り合って話し出すな・・・
「お待たせしました。」
そこへやっと姫が合流。助かった、こいつらを収拾出来るのは姫くらいだからな。しかし、ホントにまとまりのないパーティだよな。戦闘はさておき、会話の内容が独特すぎる。
っていうかアホばっかだ。
「それで、月下の話しは決まりました?」
うっ・・・
タッキーとミカエルには話したが、結論には至っていない。それにアヤカにはまだ話してすらいない。
「それが、まだ。」
「あら・・・」
「タッキーとミカエルには切り出したんだがな、その後はもうあの通りだ。俺には収拾出来ねぇよ。」
武器の話しで盛り上がっている女子三人を見て俺は言った。それは察してくれたのか、その言葉に姫は苦笑いする。

「みなさーん。月下は私の友達なんです、出来ればパーティに加えて欲しいのですが。」
少し声を張り、姫がそう言うと会話をやめてみんな聞いていた。
何が違うんだ・・・
「僕は全然いいよ。」
「俺も。戦力は多い方がいい。」
「むしろユアキスの代わりでも、良いくらいですわ。」
言ってろ。
「代わりでいいなら行ってこい。俺は装備でもつく・・・」
「はいはい、そういう事を言わない。」
返す言葉を言っている最中に姫にぶった斬られる。むしろ姫がリーダーをやればいいんじゃないか?
そういや、パーティのリーダーって居ないな。そもそもその存在が必要か?という疑問もあるが、まとめ役が居た方がいい気はする。

「それで、9-5に行く前に、オルデラだけ手伝ってもらえませんか?」
あ、すっかり忘れてた。そういやそうだったな。月下はそこまで進めて止まってたんだった。装備が強くなったとはいえ、オルデラは3人だときつい。
実は一回、全滅させられている。だから今回、この話しが出たんだった。
ただ、オルデラに行くとなるとアーニルケの街まで移動する必要がある。面倒ではあるが。

「みなさん、ありがとうございます。」
みんな普通に了解してくれた事に対し、月下がお礼を言っている。その態度を見る限り、家でのあの態度は俺にだけらしい。
そんな事を思った時、おっさんが鍛冶屋の方に向かって来るのが目に入った。

プレイヤーとすれ違う事自体は珍しい事じゃないが、おっさんは珍しい。単に俺が出くわしてないだけかもしれないが。
乱切りの整っていない髪に無精髭、やる気の無さそうなタレ目は、どう見てもだらしのないおっさんにしか見えない。そのおっさんが周囲を見なが鍛冶屋の方へ向かってくると、両手で両腕を抱く様に腕をクロスさせた。
「さぶっ・・・」
「お前もかよ!」

思わず突っ込んでいた。タッキーが言ってなければ、んなわけねぇだろくらいにしか思わなかっただろう。いや、このパーティが突っ込みどころ満載な所為かもしれない。
「あぁ、なんだ?」
ほら、睨まれたよ・・・
「すいません。少し前に似たような事があって、つい口に出てしまいました。」
「まぁいい。折角の景色だ、情緒ってのを・・・」
その話しはもういい。
そんな事より、おっさんの後ろにいるメイドの方が気になった。名前は蒼文字なんだが、メイドの服装はプレイヤーに存在しない。はず?
女キャラの事は知らないが、見た事はない。
有料コンテンツでコスチュームやアクセサリーなんか売られているが、メイドは無かった筈だ。俺もなんか良さげなコスチュームあったら買ってみようかと思って、チェックはしているんだ。

そのメイドが突然目を見開き驚きの表情になる。コスチューム云々の思考は、その変化で思考から霧散した。それを見た時から、ぶつぶつ聞こえていたおっさんの戯言も、一切耳に届かなくなった。
「ぁ・・・あぁ・・・」
メイドは両手を口に当てて呻きのように声を漏らすと、大粒の涙を流し始めた。

まてよ、このゲーム、プレイヤーから涙なんか流れないよな?
は?
また、変なNPCとかか?
疑問と混乱が巡る中、それを吹き飛ばすように、メイドが大きな声を上げて走り出した。
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