デッドエンドウォー シンフォニア

紅雪

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30.俺にとってはおまけだ、花火

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「まだ中島も城之内も来てないか・・・」
花火が打ち上げられる江田川(ごうだがわ)沿い、そのコンビニ前に17時集合。
今日の花火大会の待ち合わせだ。今は17時の10分前だが、約束している中島も城之内も見当たらないので、溜息のようにその言葉が漏れた。
まぁ、時間前だからどうという話しでもない。単に来てないんだぁ程度に吐いただけだ。

この時代になっても打ち上げ花火の様相は変わっていないらしい。
ただ、至る所にある街頭のディスプレイには中継で映像が流れる。大音量と3D映像で臨場感があり、わざわざ川沿いを訪れず、カフェやレストランから楽しむ人も少なくない。テラス席でビール片手に盛り上がっている人なんかも結構見た事がある。

じゃぁカフェでもいいじゃねぇかって話しだが、現地じゃないと無いものがある。前にも言ったが屋台だ。花火とかどっちでもいいが、屋台飯だけは食べておきたい。子供の頃、親父に連れられて来た時に初めて食べた、イカ焼きの味が衝撃だったのは今でもはっきりと憶えている。
それからは、屋台飯が楽しみになった。一緒に来るのは親から友達に変わりはしたが、目的は変わっていない。



「やほ、雪待、早いね。」
5分前、中島が合流した。城之内とは一緒じゃないようだ。
「いや、俺も5分くらい前に来た。」
「城之内はまだなんだね。」
「ああ。」
「そう言えば、リアルで会うのは終業式以来だね。いっつもゲームで会ってるから、久しぶり感がまったく無いや。」
「言われてみればそうだな。」
中島の言う通り、本当に久しぶり感は無い。昨日も夜遅くまで一緒にゲームをしていたから尚更だ。



腕が切断?された事を、中島と城之内、それと鳳隆院も知らない。
話してないからだ。
悠美には言わないようお願いした。ヒナに関しては、パーティに参加してないので特に何も言ってはいないが。
口留めしたのは、あんな事が起きて強制排出されたなんて言えない。ビビッてセーフティ機能に反応された、ってのを知られたくない。というのもあるが、何も分からない状態でいたずらに情報を口にするべきではないとも思ったからだ。
単なるバグであれば、バグでこんな事になったと笑って言えはするが。あれが本当にバグなのか何なのか。今のところ公式でそんなバグがある事は掲示されていない。はっきりするまでは、気持ち悪いなと思って。



「あ、城之内から連絡来た。」
「なんかあったのか?」
携帯を確認した中島に、もう17時も過ぎているので、何事かあったか聞いてみる。
「うん、ちょっと頭痛が酷いから、今日はやめとくってさ。」
「そりゃ無理しない方がいいな。」
「薬を飲んで落ち着いてはいるらしいけど。」
「ま、安静にしとけって言っとけ。」
「うん。」
言いながら俺は左手を開いたり握ったりしてみる。別に何かあるわけじゃない、単に昨日の出来事を思いだしただけだ。城之内にゲーム内で何か起きたわけでもないが、ゲームの影響でなければいいな。何でそんな事を思ったか自分でも分からない。単にゲームのやりすぎで、疲れて頭痛でも起こしたんじゃないかと、思ったからだろうか。



強制ログアウトの後、不安気な顔で部屋に飛び込んできたヒナには驚いたな。吃驚してHMDをすぐに外して入り口の方を見るとそんな感じだった。
考えがまとまらず、ヒナの方に視線を向けはしたが、暫くはぼーっとしていた。脳が追い付いていかなかったんだろうな。
そうだ!
と思って左手を見てみるが、普通に存在した。そりゃそうだよな、切断されたのはゲーム内なんだから。それでも不安なので動かしたり、握ったりしてみるが、いつもの自分の腕だった。だんだん意識がはっきりしてきて、状況も理解すると、今度は現状の違和感に頭が混乱する。
何故、ヒナは、心配そうな顔で、俺を見ているんだ?
俺の想像ではこうだ、「キモっ。何いきなり消えてんのよ。クエストの途中で居なくなるとか、うざっ。」こんな感じだ。概ね合っているだろう。
想像つくあたり悲しくなる。
「おにぃ、大丈夫なの」
そんな事を考えていると、ヒナがそう言って来たんだ。悪い気はしないが、同時に不安と恐怖も込み上げてくる。何か企んでいるんじゃないかと。
「悪いなクエストの途中で。すぐ戻るよ。」
「それはいいよ、手伝ってもらってるんだし。それより、無理してない?」
どちら様で?
これはヒナの偽物か?
俺の妄想か?
それとも夢を見ているのか?
無理してない?それはヒナじゃないのか?いや、俺の頭か?
「いや、大丈夫だ。ちょっと吃驚しただけだ。悠美が待ってるんだろ?」
「うん。大丈夫なら、お願い。」
よく分からない。強制ログアウトの影響で、まだ頭が混乱しているんだうか。その辺もよく分からない。
でも、その後はいつも通りのDEWSだった。俺もいつも通りの調子だったし。むしろ腕の切断は、夢だったんじゃないかとすら思えた。寝落ちして強制ログアウト食らったって考える方が、自然なんじゃないかと思えるほどに。



「しょうがない、二人で回るか。」
「そだね。花火って確か18時半から打ち上げだよね?」
「あぁ、始まる前に屋台回ろうぜ。」
花火というのは夏の風物詩と言われているらしい。まぁ、風情とか俺にはよく分からないけど、それでも夜空に響くあの音と、夜空を彩る光彩は夏だなと思わされる。それは子供の頃から生活の中に存在したから、そう思うようになったのかも知れない。
「まずイカ焼きだな。」
「僕はからあげ。」
別に18時半を廻っても屋台を見て回る事になんの問題もない。俺としては花火よりも屋台だから。むしろ、打ちあがってからの方が、屋台を見て回るのが楽なんじゃないか。
「焼きそばも買うよね?」
「あぁ。」
「家で食べるからあげってさ、いつも柔らかくてジューシーなんだけどさ、屋台のってカリっとしてるけど固いでしょ。味の濃さといい、ジャンクっぽいところがたまらないんだよね。」
「それ分かる。俺もイカ焼きの醤油の焦げた匂いとか、香ばしい味とか、家の飯じゃ味わえないんだよな。」
花火は程々にして、屋台二周目ってのもありだな。
いや、やろう。
終わり際の怒涛のような打ち上げを見れればいいだろう。情緒が無いと言われるかも知れないが、楽しみ方は人それぞれだろう。好きに楽しんだもの勝ちだ。こうするべきだ、なんて押し付けは、される方としてはなんにも面白くない。

「ねぇ、なんか向こうの方が騒がしいよ・・・」
買ったイカ焼きを早速齧っていると、中島が道路の先を指さしながら声を上げる。
江田川沿いの車道部分は、花火大会のため車両通行止めになっている。屋台も路上に並び、花火大会に来た人で溢れて歩くのも真っすぐ歩けない状況だ。
その人混みが割れる様に左右に移動する。不審な顔をして避ける者、明らかに不快な顔をして避ける者。納得はしていないが、面と向かって何かを言うわけじゃない。そりゃ俺だってトラブルは御免だから、納得いかなくても避けるだろうな。人混みを割って入って来る車なんて、相手にしたくない。
もちろん、車両通行止めだとか、そうじゃなく単に罵声を喚き散らしている奴も少なからずいる。
こんな人混みの中、車両通行止めの場所に入って来る非常識な奴とは関わり合いたくないのが大半の意見だろう。
「まさか車が入って来るなんてね。何考えてんだろ。」
「さぁな、俺らには到底及びもつかない思考の持ち主なんだろうよ。」
「関わらない方がいいよね。」
「そりゃそうだ。とっとと花火見に行こうぜ。」
イカ焼きを齧りながら土手の方に向かう。横目に人混みを割って入って来た車が見えた。車の種類を知らなくても、高そうと思えるような高級車、なんだろう。

丁度そこで最初の花火が上がり始める。まだ暗くなりきっていない空を染める光彩は、地上も照らす。車は綺麗に磨いてあるのか、黒のボディが輝いて見えた。花火の光を反射してか、鏡の様に写してか・・・
って、ちょっとまて・・・なんか見覚えが。
何処かで見たような気もする。
気のせいだろうか。
・・・
あ、轢かれそうになった車だ。
って事はまさか・・・
運転席から降りて来た男が、反対側の後部座席側の扉を開けると、女性が出てくる。花火の光で遠目でもはっきりと分かった。
「あれ、行かないの?」
どうやら足が止まっていたらしい。中島に声を掛けられ我に戻る。つい、車が気になってしまっていたようだ。
「いや、行く。」
「あぁ、車から人が降りて来たんだね。女の人っぽいけど。」
「へぇ、ま、俺らには関係ないじゃん。」
関わらないようにしよう。あんな非常識なのと知り合いと思われたくない。
「あれ、もしかして・・・」
中島も止まった後、車を注視している。おい、気付くな!
「鳳隆院さんじゃない?」
くそっ、気付きやがった。
「他人の空似じゃないのか、それより土手に行こうぜ。」
中島はアレと知り合いだと思われたいのか?俺は嫌だ。そう思って足を動かし土手に向かおうとする。
「あ、こっち見た。」
って、何で手を振ってんだよ!中島の阿呆!
中島の行動で鳳隆院が近寄って来れば、仲間確定だ。だがその前に此処を離れれば大丈夫だろう。既に何人か周囲の人間が、中島と鳳隆院に気付き始めている。このままでは確実に俺も仲間だと思われてしまう。
(よし、中島を切ろう。)
そう決断すると、中島を置いて土手に向かい始める。
!!
何故腕を掴む!?
「雪待、何処に行くんだよ。鳳隆院さんこっちに向かって来てるよ?」
向かって来てるだって?だから逃げたいんだよ!余計な事をしやがって・・・

「お二人とも、奇遇ですわ。」
結局こうなるのか・・・
「雪待様、お久しぶりでございます。その後、お変わりございませんか?」
「あ、あぁ。」
確か高野だったか、この運転手。そんな言葉使いで話しかけられた事が無いので、返事に困る。
「あれ、雪待知り合いだったの?」
「知り合いって程でもない。」
「えぇ、私が雪待様を轢きそうになってしまったのです。」
まぁ、俺の不注意だが。
「へぇ。」
「セバスチャンの所為ではありませんわ、雪待が車の前に飛び出して来たのが原因ですもの。」
そうだけど、鳳隆院に言われるとなんか納得いかん。
「で、お嬢様は社屋で眺めるんじゃなかったのかよ。」
「そう言えば、そう言ってたよね。」
何故わざわざ良い環境があるにも関わらず、こんな人混みで暑い中に飛び込んで来たのか。しかも非常識な方法で。
「お嬢様が今年は近くで楽しみたいと仰いまし・・・」
「黙りなさいセバスチャン。」
「も、申し訳ございません。」
「社会勉強のためですわ。私、世間知らずと言われても致し方ありません。後学のために、私も庶民の立場を体験しようと思いましたの。」
へぇ・・・どうでもいい。
そして多分嘘だな。
「お嬢様、私は買い物をしてまいりますので、ご学友方と一緒に居て頂けますか?」
「えぇ、お願いするわ。」
「確か・・・イカ焼きとフランクフルトでよろしかったでしょうか。」
「な、何でもいいですわ!」
鳳隆院は高野の言葉に顔を逸らし、少し慌てながら言った。
そういう事か。どうせそんな事だろうと思ったよ。
俺らの話しに看過されて此処に来たんだな、おそらく。だけど、過ごしてきた環境が違うお嬢様に、この状況や、食べ物が口に合うんだろうか。
「まぁ、そういう事なら付き合ってやるよ。」
周囲の視線はもう仲間認定だ、今更どうこう言ってもしょうがない。
「僕も。そうなると、来れなかった城之内は残念だったね。」
そういやそうだったな。
「何を偉そうに言っていますの?私を・・・」
「分かってるよお嬢様。」
鳳隆院財閥の令嬢ってのは聞き飽きた。何処か不満そうではあるが、それでもそれ以上は言ってこなかった。

高野が買ってきたイカ焼きとフランクフルトを持って俺らは土手に移動した。高野は車で待機していると言って戻って行った。
始まってから時間も経っている所為か、見れる場所は端しか空いていない。
「これは、どのようにして食べるのです?」
鳳隆院はイカ焼きを眺めながら、首を傾げて言った。
「こうだ。」
俺はイカ焼きの刺さっている串を持って、かぶりつく。それを見た鳳隆院は抵抗があるのか、驚いたあとイカ焼きを見ながら何か葛藤しているようだった。
「社会勉強だろ?」
「分かっていますわ。」
しょうがないので後押ししてやる。
鳳隆院は意を決したようにかぶりついた。
「これは・・・」
一口食べてそれだけ言うと、続けて食べ始めた。花火なんか見やしない、口の端に醤油の跡を付けながら黙々と食べる鳳隆院は、なかなか面白い。普段のキツイ感じもしなかった。
だからか、ちょっと可愛いって思ってしまった。




-CAZH社 自社データセンター 隔離サーバールーム管理室-

「なかなか綺麗なメイドさんだなー。テンション上がるな、アッキー。」
「何でだよ・・・」
禍月が嬉しそうに言うのを、美馬津は呆れて見ていた。
「いやだって、リアルメイドだぞ。上がらない方が嘘だろー。」
「そんな事よりもだ、彼女の扱いをどうするかだろう。」
「しゅにんは固いなー。」
八鍬も呆れて、というよりは半分は苛立ちだろう。声が若干大きくなっている。だが禍月は、そんな事気にもしていないようだった。
「アリシア嬢と近づける必要があるんだけど、確か今はイルセーヌの街に居る筈だよね。」
アリシアに関して、移動はするが、独りで街の外には出ようとしない。彼らがログインして移動しない限りは、その街から出る事はないという、これまで監視してきて分かった傾向から美馬津は言った。
「だなー。圀光のおっさんに連れて行ってもらうか、ユアキスくんがログインしてメルフェアに戻るのを待つか、かなぁ。」
「悠長な事は言っていられない、圀光さんに行ってもらおうか。」
「まーた文句言いそうだな。」
メイドがゲーム内に転移された場所は、静閑の森の中だった。中と言っても、入ってすぐくらいの場所だったが、待機していた圀光は文句を言いながら保護に向かった事から、禍月は面倒臭そうに言う。
「禍月なら、嫌々な圀光さんの腰を上げられるだろう?」
「お主も悪よのぅ。」
以前の対応を見て言った美馬津だったが、禍月はニヤリとしてその話しに乗って来る。
「じゃぁ早速。」

「圀光のおっさん。」
「今度は何だよ?」
圀光に通信を繋げて禍月が呼ぶと、悟っているのか嫌そうな返事が返って来る。声からして面倒事だろうと思っているんだなと美馬津は感じた。
「これからイルセーヌ行くのと、バンされるのどっちがいい?」
「な!・・・」
(前触れも何もないな、初から脅しとか・・・)
禍月の態度に、提案した美馬津も圀光が哀れに思い始めた。
「おいおい、少しは遊ばせてくれよ。ってか休ませろ。」
「なーに言ってんだ。静閑の森に行っただけだろー。何処が疲れるんだ?」
「いや、そこじゃなくてな、出会った嬢ちゃん、混乱して分けの分からない事ばっか言っててよぉ、何とか落ち着かせて街まで戻ってくるの大変だったんだよ。」
(そうだった、アリシア嬢の時は、彼らが相手をしてくれたからもそうだし、アリシア嬢自身が世界に馴染むのが早かったな。)
確保の事だけ考えていたが、圀光の苦労まで美馬津は考えていなかった。
「なるほどなー。だったらその調子でイルセーヌまで行けばいいだけじゃん。」
「鬼かっ!」
「禍月、少しだけ休ませてやれ。」
見かねた八鍬が、流石に圀光を哀れに思ったのか、禍月に言った。
「しょうがないなー、少しだけだぞ。」
「さっすが主任、話しが分かってらっしゃる。」
「じゃ、僕はその間に休憩でもしてこよう。」
渋々了承した禍月と、調子のいい奴だと小声で零した八鍬を見て、今なら時間も大丈夫だろうと思い美馬津は部屋を出て休憩に向かった。
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