デッドエンドウォー シンフォニア

紅雪

文字の大きさ
58 / 98

57.権利くらいくれ、拒否

しおりを挟む
クエストLV14-2 戦鬼シュドマラの撃破

「戦鬼だって、なんか強そうだね。」
「まぁな。」
タッキーがクエスト情報を見て言う。俺もそれには同意した。戦鬼っていう肩書からして、オルデラのような奴を想像してしまう。それでも、訳の分からない肩書が付いているやつより、分かりやすくていいが。

14-1は素材の納品だった。街では常に物資が不足しているという事なんだろう。設定上だけど。
時間もそんな掛からず終わったので、俺たちは次のクエストに向かおうとしていた。

「上等ですわ。」
あぁ、はいはい。
「わたくしの敵ではありませんわ。」
・・・
こいつらは何故こうも自信過剰なんだろうな。

レイピアを抜いて連続突きを見せるアリシアを眺めていると、そのレイピアが新しくなっている事に気付く。
気付いて欲しいんだろうな、だったら触れないでおくか。

「田舎娘は隅でこそこそしていなさい。」
「辺境娘こそ、いつも通り吹き飛ばされていなさい。」
うぜぇ・・・

いや。
「アリシア。」
「なんですの?」
俺は思い直してアリシアに話しかける。アヤカと睨み合うのを止め、怪訝な表情を俺に向けてきた。
「なんで既に武器が新しくなってんだよ。」
俺が聞いた途端、タッキーがあり得ないみたいな顔をしやがったのが横目に映った。それは後でどうにかしてやるとして、アリシアが得意げにレイピアを見せてくる。
「あら、気付きまして。まぁ、わたくしが戦力の要だと、鍛冶屋の主人も分かっているのでしょう。羨ましがらなくてもいいですわ、素材集めくらい手伝ってあげますから。」

やっぱ調子に乗るよな。
「あぁ、頼む。」
内心では調子に乗りやがってとも思ったが、口からは別の言葉を出した。
「熱でもありますの?」
「ねぇよ!」
首を傾げて心配そうに見て来るアリシアに突っ込んで、目を逸らす。
「アヤカと月下の武器を優先で頼むわ。」
「構いませんわ。」
アリシアは得意げに胸を張るが、アリシアを睨んでいたアヤカは、怪訝な表情で俺を見ていた。
そうなるだろうと思ったけどさ。

ただ、親父に言われた言葉が引っ掛かっただけなんだ。その意味はまだ分からないけど、出来るならやっておいた方がいいんじゃないかと思って。
慣れない事をすると疲れるが、二人の諍いも収まったからいいかとも思えた。

「ほら、優しい。」
「そんなんじゃねぇよ。」
近くに居たマリアが、小声で言ってくるが、俺は不貞腐れるように顔を逸らして言った。別に茶化しているわけじゃないだろうが、そういう事を言われるのに、俺が慣れていないんだ。
「ふふ。」
マリアは俺の態度に嫌な顔をするわけでもなく、微笑んだだけだった。多分、見透かされているんだろうな。

「材料を集めるにしても、まずはこのクエストをクリアしないといけないですね。」
「そうだね。早く僕も武器を新しくしたいし。」

姫が断ち切るようにクエストの話しに戻してくれたので、俺は変な気分から解放された。
「だな、そろそろ鬼退治といこうか。」
「うまい事を言ったつもりなら、キモイよ。」
「余計なお世話だ。」
俺的にはうまい事を言ったつもりだったが、月下の突っ込みで笑いに変えられた。

「いいですわね、鬼退治。」
「田舎娘は精々、小鬼でも退治しているといいですわ。」
「わたくしが止めを頂きますわ、辺境娘は悔しがりなさい。」
・・・
またかよ。
「いい度胸ですわ。止めを刺した方に、刺された方が跪くという条件で勝負というのはどうです?まぁ、自身がないなら受けなくても結構ですが。」
「望むところですわ。」
アヤカの挑発にアリシアが乗り、またも睨み合う。
が、勝負事なら別にいいか。この前のように巻き込まれる事も無いだろうし。無いよな、多分・・・



ニベルレイス第7層 闘技場

戦鬼シュドマラの居る場所は、クエスト情報からするとそう記載されている。

「ここが鬼の住処ですか。」
かなり広い広場は、入り口から下るように出来ていた。中央の広場を見下ろして、姫がそう口にする。
中央の広場までは階段が続いており、階段から左右には広場を囲むように座席が並んでいる。観客席なのだろう。
「本当に闘技場なんだね。あそこに居るのが鬼かな。」
タッキーの言う通り、広場の中央には誰かが座っている。やはり、今回も人型の魔獣のようだ。
「そうね。ただあの鬼の横にある、獲物の戦斧はかなり大きいわ。」
獲物って言い方・・・
それはいいとして、マリアは大きいというが、本人よりも大きいような気がするのは、気のせいだろうか。であれば、かなりというレベルじゃない。

「此の地は戦士達の聖域、人間風情が足を踏み入れていい場所ではない。」

階段を下りて進んでいると、広場に居る鬼がこちらを見て言った。
「やっぱり、鬼も喋るんだね。」
鬼は関係ないだろ。人型の魔獣が増えて来たことで、当たり前のように喋るようになってきたな。
「鬼の分際で、人語を操るなど生意気ですわ。」
そこはどうでもいいだろう。

そんな事より、俺は月下の方を見る。気付いた月下は嫌そうな顔をした。まだ何も言ってねぇよと思いながら、鬼の方を指さす。
「みんなの認識は鬼だぞ。」
言ってニヤリと笑ってやると、月下は頬を膨らませて目をそらした。

「我も誇り高き戦士。無益な殺生は好まぬ、故に今引き返すのであれば看過しよう。」

これで鬼退治を馬鹿にした仕返しは成・・・
「うどわぁっ・・・」
俺は身体に衝撃が走り、階段を転げ落ちた。落ちるときに見えたが、俺は月下の蹴りで蹴落とされたようだ。
いやぁ、ここまでやるか?

「言っても聞かぬとあらば、致し方ない。」

シュドマラはそう言うと立ち上がり、戦斧の柄に手を掛けた。
俺は転げ落ちた勢いで、中央の広場内に入ってしまったらしい。なんて間抜けな始まり方だ。
「何してくれてんだ。」
「ユアキスが余計な事を言うのが悪いんだよ。」
いや、納得出来ん。

「貴様らの骸で此の地を汚すわけにはいかん。地底魚の餌にしてくれるわ。」

シュドマラは戦斧を肩に担ぐと、前傾姿勢をとった。身体の周囲には白い闘気のようなものが覆いだす。
(こいつ、オルデラタイプか?だったらやだなぁ・・・)

「もう戦闘は始まっていますよ。」
「無様な事ですわ。」
「恥を知りなさい。」
姫、アヤカ、アリシアが倒れたままの俺を飛び越えて、シュドマラに向かって行く。別に好きでこうなってるわけじゃないっての。
「私は緊張感が無くて、好きよ。」
続いてマリア。いや、そういう問題じゃねぇ。
「え!?じゃぁ僕も。」
アホが湧いた・・・
タッキーは言った後、月下の方を見る。月下は悍ましいものを見るような顔になり、後退った。
「キモっ!!・・・ってかキモっ!!」
かなりの大音声で叫ぶと、無視して月下もシュドマラに向かって走り出した。それはいいが、俺を踏んでいくな!

「よっと。」
俺は掛け声とともに飛び起きる。
さて、抜け殻のように突っ立っているアホは放っておいて、俺も戦闘に参加だ。


シュドマラの戦斧は、予想通り本人よりも多少大きかった。それを片手で軽々と振るうのは、ゲームならではだと思う。

「かてぇ・・・」

オルデラ同様、超重量武器の威力はかなりのものだった。だが、攻撃力はオルデラに劣るものの、防御力が高い。
「やっかいな斧ね。」
マリアが言うように、柄の短い戦斧はかなりやっかいだ。攻撃に対する小回りがきくのもそうだが、盾としても使われる。それをやられると、ダメージがほとんど通らない。
「何か、防御を崩す方法を探す必要がありそうですね。」
そうなんだが、それが難しいんだよな。

姫の矢もタッキーの銃弾も、ほとんど斧の腹で防がれる。俺の攻撃もそうだが、近接の場合ガードからの反撃が早く、避けるのが精々だ。

「回転攻撃の時に、上下から攻めてみるか。」
シュドマラは多方向から攻撃すると、斧を水平に構え身体を回転させる。嫌な防御法だなと思ったが、回転中は上下に隙が出来るなとも思った。
「私が上ですわ。」
「じゃ、あたしは足ー。」
早い者勝ちじゃないっての・・・
「それでいきましょう。」

マリアの合図で、4人が同時攻撃をする。シュドマラが斧を水平に構えたところで、アヤカが跳躍。
回転を始めたシュドマラの頭上にアヤカ、潜り込むように足元には月下が槍斧を構えて攻撃に移行する。だが、シュドマラは通常の回転攻撃ではなく、高速回転を始めた。
これにより月下の攻撃は弾き飛ばされ、アヤカは発生する風圧によって同様に弾き飛ばされた。
もちろん、他の4人の攻撃も同じだ。

「聞いてませんわ!」
まぁ、言ってないが。
「これじゃ攻撃が通らないな。」
「みなさん、注意してください!」
アヤカの不満に、俺も手が無くなった事をぼやいた瞬間、姫が大きな声で警告を発した。

回転しているシュドマラを見ると、その身体が浮き始めていた。
(今度は何をする気だよ・・・)
シュドマラはそのまま上空に行くと、回転の勢いを利用して戦斧を投擲。
「うわっ。」
「げ・・・」
各々がそんなような声を上げながら取り合えず着弾点から離れる。
戦斧が床に着弾すると同時に、爆発が起きた。爆音と共に衝撃波が同心円状に広がると、みんな巻き込まれて壁に叩きつけられた。

「酷い・・・」
月下が不貞腐れた顔をしながら立ち上がって言う。
確かにこれは酷い、HP半分以上減ってるじゃねぇか。ってか、なんで斧が爆発するんだよ・・・
「でも、好機のようよ。回復と攻撃、手分けをして攻めた方がいいんじゃない。」
マリアの言葉でシュドマラを見ると、戦斧の前に着地して柄に手を添えてはいるが、持ち上げる気配はまだない。
「じゃぁ、俺と姫が回復に回って後は攻撃で。」
「まっかせて。」
「言われずとも、そうしますわ!」
まぁ、お前は常にそうだろうよ。
逸早く動いていたマリアが、全体への回復薬を使用すると攻撃に転じる。俺を含め他のメンバーはそれに続いた。




「疲れたぁ・・・」
スニエフに戻ると月下が、緊張の糸が切れたように両腕を垂らして吐き出した。
「やっぱり、体力ありすぎだよね。」
「あぁ、無駄に多いな。」
「こうなるとやはり、早く新しい装備が欲しいですね。」
本当にな。
新しい装備という単語に反応した奴もいるが、それはさておき。

「だらしがないですわ。」
俺らの前に、両手を腰に当てて得意げに立っている奴の方がうぜぇ。一人だけ、いやエメラもだが、攻撃が当たらないからって調子に乗ってやがるな。
「お嬢様は攻撃受けてませんからね。」
「お黙り。」
「失礼しました。」
だけど、実際のところタフだよなぁ。攻撃を受けていないとはいえ、移動から戦闘時間と考えると。

「アリシアは元気だね。」
月下が苦笑いしながら言った。その横で姫が嘲笑うような表情で、口を動かしていたが、ここからじゃまったく聞こえない。
きっとろくな事を言ってないだろう。
「当たり前ですわ。この数か月、どれだけあなた達と歩き回って戦闘したと思ってますの。」
「でも、NPCだもんね。」
タッキーはそう言うが、その認識でいいと思った。本当は、違うんだろうが。アリシアが言っていた事を思えば、逞しくなったのは本当なんだろう。生身なら、これだけ動いていたら、体力と筋力、持久力も当然つくだろう。

「そう言えばお嬢様、太腿あたりが太くなったんじゃないですか?」
「エーメーラー・・・」
「あ、私用事を思い出しました!」
鬼の様な形相でアリシアがエメラを睨むと、この場から凄い勢いで去っていった。エメラの口は滑り過ぎだよな。

「ところで、鬼に止めをさした奴がって話しはどうなったんだ?」
ふと、鬼退治に行く前のアヤカとアリシアの会話を思いだした。
「何の事かしら。」
「今回は勝負が付かなかったのだから、次にお預けですわ。」
惚けるアリシアはさておき、アヤカが阿呆な事を言い出した。俺はちゃんと覚えているぞ、お前らの会話を。
「止めを刺した奴に、刺せなかった奴が跪くんだよな?」
「その通りですわ。」
「今回はマリアが止めを刺したのだから、無効ですわ。」
アヤカとアリシアが睨み合いながら言う。二人の間でそう決めたのだろうが、実のところ聞いている方にとってはそうでもない。
揚げ足取りと言われようと。

「行く前の会話では、止めを刺した奴に、刺せなかった奴がと言っている。」
「それがどうかしまして?」
俺がもう一度はっきりゆっくり言ってやるが、アリシアはまだ汲み取ってくれないようだ。
「何が言いたいんですの?」
それはアヤカも同様だ。仕方がない。

「つまりだ、別にアヤカとアリシアに限定はしていないという事だ。人数も指定していないし、参加の可否も決めていない。という事は今回の勝負、マリアに他のメンバーが跪くという結果になるよな。」
「なっ・・・」
「それは揚げ足取りですわ!」
「あら。」
アリシアが絶句して、アヤカが不満を口にするなか、頬に両手を当てて楽しそう嗤う奴がいる。仕草は恥ずかしがっているように見えるが、あの顔は間違いなく違うな。

「ちゃんと決めないのが悪いんだろ。それに、俺らは毎回巻き込まれているんだ。都合のいい時だけ逃げんなよ。」
アヤカとアリシアの諍いは、否応なくメンバーも巻き込まれる。これに懲りて少しは反省してもらおうと思って言ったのだが。
「屈辱ですわ・・・」
「ユアキスのくせに正論を口にするとは・・・」
もう呆れて言葉も出ねぇよ。
こういう時だけ協調しやがって。

「ま、これに懲りたら喧嘩もほどほどにしとけよ。」
「分かりましたわ。」
素直に頷くアリシア。アヤカも納得はいってなさそうだが、この場は仕方がないというような態度をとる。
まぁ、いいか。
とりあえず今回の件は片付いたなと思って、鍛冶屋にでも行ってみるかと声を出そうとする。

・・・
なんだそれは・・・
言う前に視界に入ったのが、未だに頬に両手を当てたままのマリアだった。マリアは俺の方に視線を送っている。そのマリアの前に傅ずく一人のアホが居た。
つまり、俺にもやれって事か?
「止めを刺した人に、跪くのよね?」
言いやがった。
自分で言いやがったよ、あの女・・・
やっぱり待ってやがったのか。しかもあの微笑には悪意を感じる気がする。

「ユアキスが掘ったんだから、ユアキスからやれ。」
ぐ・・・
月下の言い分に言葉もねぇ。
くそ、やればいいんだろやれば!
半ばやけくそになって、俺はマリアの前に跪いた。なんだろう、この屈辱感・・・
アホは恍惚とした表情をしているし、意味がわからん。

「この借りは返しますわ。」
「次こそ、わたくしの前に跪かせてあげますわ。」
続いてアヤカとアリシアがマリアの前で跪くと、悔しそうに言った。ってか、これまだやるつもりかよ。
「なんかお姫様仕える騎士みたいだね。」
それぐらいの気分でやれば、気が楽なのか。
「屈辱に塗れた顔を見れるのは楽しいですね。」
・・・
一番やべぇのが居た。それを、何故俺の隣でぼそりと言う。

しかしこの光景、他のプレイヤーにも見られてるんだよな。絶対俺ら、変な集まりだと思われてるよ。

「さ、鍛冶屋にいきましょう。」
全員を跪かせて満足したのか、マリアは手をポンと打つとそう言った。

「あ!明日緊急メンテだって。」
みんなが立ち上がり、移動しようとしたところで、システムデバイス開いたタッキーが突然声を上げた。
「げ、マジかよ。」
「えぇ、せっかく明日は休みなのにぃ~。」
「仕方ないですね。」
こんなところで緊急メンテナンスが入るなんて、何かあったのか?そう思ってマリアの方を見てみるが、首を左右に振られただけだった。
どうやらマリアも知らないらしい。
聞かされていたとしても、言えないのだろうが、今のマリアを見る感じでは本当に知らなさそうだ。

「なんですの?緊急メンテとは。」
今の会話を聞いていたアリシアが、首を傾げて聞いてくる。そりゃ、アリシアには分からないよな。
そう思ったところで、なんて説明したらいいだろうな。
「みんな来ない時あったでしょ?」
「えぇ。」
「それ。」
確かに、月下の説明は的を得ているような気もするが、「それ」って・・・
もうちょっと何とかならないのかよ。
「そういう事でしたのね。いつも居なくなる時間があるのだから、わたくしにはあまり関係の無い事ですわね。」
お、おぅ。通じてくれて良かったわ。

「それより、明日出来ないならもう一つくらいやっとく?」
「あぁ、そうだな。俺はいいぞ。」
言って他のメンバーを見る。
・・・
既にアヤカとアリシアが睨み合っていた。
「やりますわよね?」
「当然ですわ。」
「やるなら二人でやれよ。俺は参加しないからな。」
阿呆らしい。
「そんな事、許されると思っていますの?」
別にお前らに許されなくても問題ない。
「あたしはやるぅ。ユアキスを跪かせてやる。」
「なんでだよ!」
それはそれで、かなり屈辱なんだが。リアルに戻ってから何を言われるか、考えるだけで嫌な気分になる。
「私も、もちろん参加します。」
いやぁ、姫が止めを刺した時の事を考えると、光景が目に浮かぶようでもう怖ぇよ。
「私もいいわよ、楽しいから。」
何故だ、何故そんなにやりたがる。一体何が楽しいんだ?そう思ってタッキーに目を向けたが間違いだった。
「マリアが勝ったらいいなぁ。」
くそ、どいつもこいつも。
「満場一致ですわ。」
「俺は賛成してねぇ!」
「ユアキスの意志は関係ありませんわ。」
何が何でもやる気なんだな・・・

次のクエストか、マジで装備考えよう。俺はシステムデバイスで次のクエストを調べる。ボスの弱点とか調べて真面目にやろう。俺が勝ったら無かった事にしてやる。

これは!

「あぁ、次のクエストは採集だ。」

ざまぁみろと思って一同を見ると、マリア以外は俺の一言で硬直していた。
しおりを挟む
感想 22

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~

ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。 王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。 15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。 国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。 これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。  

真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます

難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』" ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。 社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー…… ……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!? ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。 「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」 「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族! 「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」 かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、 竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。 「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」 人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、 やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。 ——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、 「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。 世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、 最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕! ※小説家になろう様にも掲載しています。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

掃除婦に追いやられた私、城のゴミ山から古代兵器を次々と発掘して国中、世界中?がざわつく

タマ マコト
ファンタジー
王立工房の魔導測量師見習いリーナは、誰にも測れない“失われた魔力波長”を感じ取れるせいで奇人扱いされ、派閥争いのスケープゴートにされて掃除婦として城のゴミ置き場に追いやられる。 最底辺の仕事に落ちた彼女は、ゴミ山の中から自分にだけ見える微かな光を見つけ、それを磨き上げた結果、朽ちた金属片が古代兵器アークレールとして完全復活し、世界の均衡を揺るがす存在としての第一歩を踏み出す。

存在感のない聖女が姿を消した後 [完]

風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは 永く仕えた国を捨てた。 何故って? それは新たに現れた聖女が ヒロインだったから。 ディアターナは いつの日からか新聖女と比べられ 人々の心が離れていった事を悟った。 もう私の役目は終わったわ… 神託を受けたディアターナは 手紙を残して消えた。 残された国は天災に見舞われ てしまった。 しかし聖女は戻る事はなかった。 ディアターナは西帝国にて 初代聖女のコリーアンナに出会い 運命を切り開いて 自分自身の幸せをみつけるのだった。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……

タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。

処理中です...