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4.新居
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王宮から少し離れた静かな場所に、その邸宅はあった。貴族の邸宅としてはこじんまりとしており、軍人の家らしく質実剛健な雰囲気を醸し出している。華美な装飾はないが、シンプルで質の良い手入れされた邸宅にシェリルノーラの目には好ましく映った。
アーチ型の石造りの門を入ると、使用人たちが一列になって新しい主人を出迎える。
玄関ポーチにつけた馬車を降りたアデラートはシェリルノーラに手を差し伸べた。そっとその手に置かれた手は、手袋をしていても緊張のためかひんやりとしていた。
列から一歩踏み出した初老の男性が頭を下げた。
「奥方様、ようこそいらっしゃいました。
執事のダラスでございます。これから何なりとお申し付けください。」
「シェリルノーラです。はじめまして。これからどうぞよろしくお願いします」
透き通る声でやや緊張した顔で挨拶をしたシェリルノーラを促し、2階の奥まった位置にある彼のために準備した部屋へ案内する。
淡いクリーム色の壁に落ち着いたグリーンのカーテン。中庭に面したバルコニーに続く窓は、明るい日が射していた。
明るめのグリーンのソファセットに、赤味のあるブラウンのライティングデスク。どの家具も新しく揃えた。もう一つの扉の向こうは寝室だ。
所在無さげに部屋に立つシェリルノーラを
ソファに促す。
しかし、これからどうしたらよいか分からない。自分といると緊張しているようだし、お喋りは苦手だ。それに、こんな厳つい男の一緒にいてはリラックスできないだろう。
ゆっくり休んでもらうには退室した方がいいと結論づける。
「シェリルノーラ様、今日はお疲れになったでしょう。この後はゆっくりお休みください。すぐに人を寄越します。」
シェリルノーラは慣例とは異なり、実家から侍女や使用人を連れてきてなかった。ほんの少しの衣装や身の回りのものなど、最小限の荷物だけで輿入れしてきていた。
この後は執事に任せることにして、踵を返し、ドアノブに手をかけた。
「あっ」と小さな声が背後で聞こえたが、そのまま部屋を後にした。
後は物腰の柔らかな執事や侍女たちに任せた方がいいだろう。いつもの軍服に着替え、何か言いたげな執事に、後は頼むと一言言い置いて屋敷を後にした。
「はぁ?お前さぁ、バカなの?童貞なの?この朴念仁!」
室内にレイノルドの呆れた声が響いた。
今日は友人の結婚式だ。列席は出来なかったけど、どんな顔して宣誓したりしてるのかなーと、午後部屋の前を通ったら在室を示す札がかかっており、新婚の花婿がいつもの仏頂面で山積みの書類仕事をしているではないか。
「どちらでもない。取り消せ。」
「いや、そんな低い声で言われても俺は怖くないもんね!」
この男に問いただすと、結婚式が終わったから花嫁を屋敷に置いて出て来たと言う。あり得ないでしょ。
「お前みたな厳つい強面の、女心も分からない仕事バカの軍人のとこに、せっかく来てくれた子を知らない場所に1人で置いてくるなんて!
うわー!かわいそー。帰ったらもういないんじゃない?初日で破綻じゃない?初夜の前から逃げられんじゃね?陛下に申し訳ないわ!」
「うるさい」
「別にいきなり甘い新婚生活を!とは言わないけどさ!もうちょっと歩み寄れよ。過去から学べ!頑張って会話しろ」
その言葉を無視して、終わったものは決済終了の箱に入れる。しかし、そんなことでめげる男ではなかった。
「で、どんな子だった?かわいかった?お前見て泣かなかった?大丈夫そうだった?」
「うるさい」
「美人だった?教えてよ!いいじゃない!!」
「とてもきれいな青年だった。これでいいか?」
レイノルドは途端、静かになる。目の前の仕事を続ける友人をマジマジと見つめる。
「青年?」
「そうだ。」
「アデラートのきちく!」
アーチ型の石造りの門を入ると、使用人たちが一列になって新しい主人を出迎える。
玄関ポーチにつけた馬車を降りたアデラートはシェリルノーラに手を差し伸べた。そっとその手に置かれた手は、手袋をしていても緊張のためかひんやりとしていた。
列から一歩踏み出した初老の男性が頭を下げた。
「奥方様、ようこそいらっしゃいました。
執事のダラスでございます。これから何なりとお申し付けください。」
「シェリルノーラです。はじめまして。これからどうぞよろしくお願いします」
透き通る声でやや緊張した顔で挨拶をしたシェリルノーラを促し、2階の奥まった位置にある彼のために準備した部屋へ案内する。
淡いクリーム色の壁に落ち着いたグリーンのカーテン。中庭に面したバルコニーに続く窓は、明るい日が射していた。
明るめのグリーンのソファセットに、赤味のあるブラウンのライティングデスク。どの家具も新しく揃えた。もう一つの扉の向こうは寝室だ。
所在無さげに部屋に立つシェリルノーラを
ソファに促す。
しかし、これからどうしたらよいか分からない。自分といると緊張しているようだし、お喋りは苦手だ。それに、こんな厳つい男の一緒にいてはリラックスできないだろう。
ゆっくり休んでもらうには退室した方がいいと結論づける。
「シェリルノーラ様、今日はお疲れになったでしょう。この後はゆっくりお休みください。すぐに人を寄越します。」
シェリルノーラは慣例とは異なり、実家から侍女や使用人を連れてきてなかった。ほんの少しの衣装や身の回りのものなど、最小限の荷物だけで輿入れしてきていた。
この後は執事に任せることにして、踵を返し、ドアノブに手をかけた。
「あっ」と小さな声が背後で聞こえたが、そのまま部屋を後にした。
後は物腰の柔らかな執事や侍女たちに任せた方がいいだろう。いつもの軍服に着替え、何か言いたげな執事に、後は頼むと一言言い置いて屋敷を後にした。
「はぁ?お前さぁ、バカなの?童貞なの?この朴念仁!」
室内にレイノルドの呆れた声が響いた。
今日は友人の結婚式だ。列席は出来なかったけど、どんな顔して宣誓したりしてるのかなーと、午後部屋の前を通ったら在室を示す札がかかっており、新婚の花婿がいつもの仏頂面で山積みの書類仕事をしているではないか。
「どちらでもない。取り消せ。」
「いや、そんな低い声で言われても俺は怖くないもんね!」
この男に問いただすと、結婚式が終わったから花嫁を屋敷に置いて出て来たと言う。あり得ないでしょ。
「お前みたな厳つい強面の、女心も分からない仕事バカの軍人のとこに、せっかく来てくれた子を知らない場所に1人で置いてくるなんて!
うわー!かわいそー。帰ったらもういないんじゃない?初日で破綻じゃない?初夜の前から逃げられんじゃね?陛下に申し訳ないわ!」
「うるさい」
「別にいきなり甘い新婚生活を!とは言わないけどさ!もうちょっと歩み寄れよ。過去から学べ!頑張って会話しろ」
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「で、どんな子だった?かわいかった?お前見て泣かなかった?大丈夫そうだった?」
「うるさい」
「美人だった?教えてよ!いいじゃない!!」
「とてもきれいな青年だった。これでいいか?」
レイノルドは途端、静かになる。目の前の仕事を続ける友人をマジマジと見つめる。
「青年?」
「そうだ。」
「アデラートのきちく!」
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