1 / 53
1.出会いました
しおりを挟む
夏休みの補講を終えた僕は炎天下の中、駅から家までの道を歩いていた。今日は猛暑日になりますと朝のニュースで言ってた。冷やし中華だな。夕飯は冷やし中華一択だ。
あまりの暑さにくらくらすると思ったことは覚えてるんだけど、
ここどこ?
住宅街ではなく、森だ。
樹々のいい匂いがする。森林浴なんて久しぶりだなぁと現実逃避気味に考えていた。
ガサガサッと音がした方をみる。
血の気が引くってこのことか、僕の目の前には紅い目の大蛇がいた。
これ夢だよね。
日本昔ばなしじゃないんだから、こんな大きな蛇、日本にはいないよね。
にしても、怖い!!
逃げなくては、と頭では分かっても、全く動けない。僕に向かい、ゆっくりと蛇が近づいてくる。
蛇が鎌首をもたげた。飛びかかってくる。
その瞬間、僕は強く目をつぶった。
風とズザッという音。その後に、何かがボトリと落ちる気配がした。
おそるおそる目を開けると大きな背中。
足元に血塗れの蛇の頭が落ちていた。
「ひぃっ」
思わず目の前の背中にすがりつく。
背中といってもほぼ腰だ。
フサっと尻尾が当たる。
がちがちの筋肉。
うらやましい……。
ん?尻尾?
「大丈夫か?」
そう振り返った男性。
逆光で顔がよく見えない。
しかしその頭に見慣れない三角の耳が見えた。そこで僕の意識は途絶えた。
あまりの暑さにくらくらすると思ったことは覚えてるんだけど、
ここどこ?
住宅街ではなく、森だ。
樹々のいい匂いがする。森林浴なんて久しぶりだなぁと現実逃避気味に考えていた。
ガサガサッと音がした方をみる。
血の気が引くってこのことか、僕の目の前には紅い目の大蛇がいた。
これ夢だよね。
日本昔ばなしじゃないんだから、こんな大きな蛇、日本にはいないよね。
にしても、怖い!!
逃げなくては、と頭では分かっても、全く動けない。僕に向かい、ゆっくりと蛇が近づいてくる。
蛇が鎌首をもたげた。飛びかかってくる。
その瞬間、僕は強く目をつぶった。
風とズザッという音。その後に、何かがボトリと落ちる気配がした。
おそるおそる目を開けると大きな背中。
足元に血塗れの蛇の頭が落ちていた。
「ひぃっ」
思わず目の前の背中にすがりつく。
背中といってもほぼ腰だ。
フサっと尻尾が当たる。
がちがちの筋肉。
うらやましい……。
ん?尻尾?
「大丈夫か?」
そう振り返った男性。
逆光で顔がよく見えない。
しかしその頭に見慣れない三角の耳が見えた。そこで僕の意識は途絶えた。
434
あなたにおすすめの小説
【完結】最強公爵様に拾われた孤児、俺
福の島
BL
ゴリゴリに前世の記憶がある少年シオンは戸惑う。
目の前にいる男が、この世界最強の公爵様であり、ましてやシオンを養子にしたいとまで言ったのだから。
でも…まぁ…いっか…ご飯美味しいし、風呂は暖かい…
……あれ…?
…やばい…俺めちゃくちゃ公爵様が好きだ…
前置きが長いですがすぐくっつくのでシリアスのシの字もありません。
1万2000字前後です。
攻めのキャラがブレるし若干変態です。
無表情系クール最強公爵様×のんき転生主人公(無自覚美形)
おまけ完結済み
【本編完結済】神子は二度、姿を現す
江多之折
BL
【本編は完結していますが、外伝執筆が楽しいので当面の間は連載中にします※不定期掲載】
ファンタジー世界で成人し、就職しに王城を訪れたところ異世界に転移した少年が転移先の世界で神子となり、壮絶な日々の末、自ら命を絶った前世を思い出した主人公。
死んでも戻りたかった元の世界には戻ることなく異世界で生まれ変わっていた事に絶望したが
神子が亡くなった後に取り残された王子の苦しみを知り、向き合う事を決めた。
戻れなかった事を恨み、死んだことを後悔し、傷付いた王子を助けたいと願う少年の葛藤。
王子様×元神子が転生した侍従の過去の苦しみに向き合い、悩みながら乗り越えるための物語。
※小説家になろうに掲載していた作品を改修して投稿しています。
描写はキスまでの全年齢BL
転生令息は冒険者を目指す!?
葛城 惶
BL
ある時、日本に大規模災害が発生した。
救助活動中に取り残された少女を助けた自衛官、天海隆司は直後に土砂の崩落に巻き込まれ、意識を失う。
再び目を開けた時、彼は全く知らない世界に転生していた。
異世界で美貌の貴族令息に転生した脳筋の元自衛官は憧れの冒険者になれるのか?!
とってもお馬鹿なコメディです(;^_^A
公爵家の次男は北の辺境に帰りたい
あおい林檎
BL
北の辺境騎士団で田舎暮らしをしていた公爵家次男のジェイデン・ロンデナートは15歳になったある日、王都にいる父親から帰還命令を受ける。
8歳で王都から追い出された薄幸の美少年が、ハイスペイケメンになって出戻って来る話です。
序盤はBL要素薄め。
秘匿された第十王子は悪態をつく
なこ
BL
ユーリアス帝国には十人の王子が存在する。
第一、第二、第三と王子が産まれるたびに国は湧いたが、第五、六と続くにつれ存在感は薄れ、第十までくるとその興味関心を得られることはほとんどなくなっていた。
第十王子の姿を知る者はほとんどいない。
後宮の奥深く、ひっそりと囲われていることを知る者はほんの一握り。
秘匿された第十王子のノア。黒髪、薄紫色の瞳、いわゆる綺麗可愛(きれかわ)。
ノアの護衛ユリウス。黒みかがった茶色の短髪、寡黙で堅物。塩顔。
少しずつユリウスへ想いを募らせるノアと、頑なにそれを否定するユリウス。
ノアが秘匿される理由。
十人の妃。
ユリウスを知る渡り人のマホ。
二人が想いを通じ合わせるまでの、長い話しです。
劣等生の俺を、未来から来た学院一の優等生が「婚約者だ」と宣言し溺愛してくる
水凪しおん
BL
魔力制御ができず、常に暴発させては「劣等生」と蔑まれるアキト。彼の唯一の取り柄は、自分でも気づいていない規格外の魔力量だけだった。孤独と無力感に苛まれる日々のなか、彼の前に一人の男が現れる。学院一の秀才にして、全生徒の憧れの的であるカイだ。カイは衆目の前でアキトを「婚約者」だと宣言し、強引な同居生活を始める。
「君のすべては、俺が管理する」
戸惑いながらも、カイによる徹底的な管理生活の中で、アキトは自身の力が正しく使われる喜びと、誰かに必要とされる温かさを知っていく。しかし、なぜカイは自分にそこまで尽くすのか。彼の過保護な愛情の裏には、未来の世界の崩壊と、アキトを救えなかったという、痛切な後悔が隠されていた。
これは、絶望の運命に抗うため、未来から来た青年と、彼に愛されることで真の力に目覚める少年の、時を超えた愛と再生の物語。
祝福という名の厄介なモノがあるんですけど
野犬 猫兄
BL
魔導研究員のディルカには悩みがあった。
愛し愛される二人の証しとして、同じ場所に同じアザが発現するという『花祝紋』が独り身のディルカの身体にいつの間にか現れていたのだ。
それは女神の祝福とまでいわれるアザで、そんな大層なもの誰にも見せられるわけがない。
ディルカは、そんなアザがあるものだから、誰とも恋愛できずにいた。
イチャイチャ……イチャイチャしたいんですけど?!
□■
少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです!
完結しました。
応援していただきありがとうございます!
□■
第11回BL大賞では、ポイントを入れてくださった皆様、またお読みくださった皆様、どうもありがとうございましたm(__)m
前世が教師だった少年は辺境で愛される
結衣可
BL
雪深い帝国北端の地で、傷つき行き倒れていた少年ミカを拾ったのは、寡黙な辺境伯ダリウスだった。妻を亡くし、幼い息子リアムと静かに暮らしていた彼は、ミカの知識と優しさに驚きつつも、次第にその穏やかな笑顔に心を癒されていく。
ミカは実は異世界からの転生者。前世の記憶を抱え、この世界でどう生きるべきか迷っていたが、リアムの教育係として過ごすうちに、“誰かに必要とされる”温もりを思い出していく。
雪の館で共に過ごす日々は、やがてお互いにとってかけがえのない時間となり、新しい日々へと続いていく――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる