拾われた後は

なか

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2.拾われました

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   さらさらのシーツが気持ちいい。
かすかにいい匂い。
   もうちょっと寝てたい……。


   て、そうだ僕!


   がばっと体を起こす。
目を覚ましても知らない世界。ここはどこだろう。
   夢ではないってことだろうか。
   いつの間にか長袖の丈の長いシャツみたいなパジャマを着ている。制服はどうしたんだろ。


   ダブルくらいの大きさの僕が寝てるベッド、サイドテーブルとチェストと椅子しかない部屋。
   木製のアンティークみたい。チェストの上に可憐な白い花が飾ってある。

   見回していたら、ロングのメイドみたいな服を着た優しそうな女性が静かに入って着た。

   目が合うとにっこり微笑む。
その一つにまとめた茶色の髪の頭にも、小ぶりな髪と同じ色の三角の耳。ケモ耳がついてる。


「目が覚めました?大丈夫ですか?お茶飲めます?」

   ぼーとしてるとお茶をカップを注いで渡してくれる。

「はい。ありがとうございます。」

   ぺこりと頭を下げて受け取る。


「か、」

「か?」

「かわいい!何この子!!
髪はツヤツヤふわふわだし、目も黒目がちで、ほっぺはつるつる桃色、ちいちゃな唇はぷるぷる。耳もなんか見たことないかたちだけど、柔らかそう。かわいーい!ご主人様が思わず拐かしてきたのも、わ」

「マリア、うるさいぞ」

   まだまだ続きそうな早口言葉を、低い声が遮った。

「拐かしてなどいない。
拾ったんだ。」

   いい声でなんか変なこと言ったよ、この人。
   黒の軍服っぽい服を着た、細身だけど筋肉質の長身な男性。少し癖のある黒髪を低い位置でひとつにまとめている。キリっとした雰囲気の男前だ。
   無表情なのがちょっと怖い印象を与える。

「気分が悪いとか、どこか痛いとかはないか?大丈夫か?」


   あ!この声、気を失う前に聞いた声だ!


「あのっ、僕、相川遥といいます。
助けてくださってありがとうございます!」

   僕は慌ててベッドの上だったけど、正座して頭を下げた。

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