拾われた後は

なか

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22.また会いました

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   僕はピタサンド1つと付け合せで満腹になってしまった。林檎に似た甘い果物を食べながら、カイルさんがモリモリ食べるのを見る。僕用に2つ、カイルさん用に5つ準備したけど、あと1つだけになっていた。


   こっちにいたんだ、と声が聞こえた方を見ると何故かエミリオさんがいた。夕飯を食べによく現れるけど、お昼に会うのは初めてだ。

「お前、この時間は巡視だろ。」

   カイルさんが呆れたように言って、冷たい目でエミリオさんを見た。エミリオさんは全然気にしていない。

「そうそう、その通り道。何これ、美味しそう~。お仕事頑張る俺にもちょうだい。」

  エミリオさんがバスケットの中を見て、残りの1つに手を伸ばそうとする。

「お仕事お疲れ様です。あの、僕が作ったのでお口に合うか分かりませんが、よかったらどうぞ。昨日カイルさんがとってきてくれたカモなんで、素材はいいんですよ!」

   取りやすいようバスケットを差し出すと、エミリオさんの手が止まった。同時にカイルさんがその手をバシッと叩き落とした。

「カイルさん!」

「えっ、これ昨日カイルが残って自分で狩してたやつ?それをハルカくんが料理したの?ほんと?」

   僕とエミリオさんは違う意味で驚いて、同時に2人してカイルさんの方を向く。

「やらん。」

「うわー。そうきたかー、そりゃ俺も食べらんないよ。」

   エミリオさんはにやにやしてる。どういうこと?

「そーか、そーか。」

「エミリオさん、どうして食べられないんですか?もしかして僕、なにか常識から離れたことしてます?」

   カイルさんは優しくて、きっと失礼なことをしても、何も言わず受け止めてくれるような気がする。僕は知らない間にやっちゃいけないことをやってしまったのだろうか。
   不安になってエミリオさんに慌てて尋ねた。

「うん?大丈夫だよ。気にしないで。」

   エミリオさんは代わりに果物を一切れ食べて、カイルさんと僕を交互に見る。にやにやしたままで、全く説得力がない。


「マリアに何かご飯準備してもらおーっと。邪魔してごめんね~。」

    そう言って、屋敷の中に入っていってしまった。エミリオさん何しに来たの?ご飯休憩かな。
    カイルさんに聞いても、なんでもない気にするなと言われてしまう。本当かな。


  カイルさんは元々僕の倍以上たべるけど、結局何度も美味しいと言って、お弁当を全部食べてくれた。


   その後僕たちはお茶を飲みながら、その東屋で過ごした。ここは風が通って涼しくて気持ちがいい。
   カイルさんがいない間のことなど、他愛もない話をたくさんした。僕は一緒にいられるのが嬉しくて、その間は寂しさを感じなかった。

 

  
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