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第17話 私、本物のメイドさんに遭遇する
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人生で初めて入った『おとこのひと』の私室に対する感想は、意外と味気ないものだった。
何か珍しいものがあるわけでもなく、楽器なんかがたくさんあるわけでもなかった。
石造りの寒々しい部屋にえんじ色の絨毯が敷かれ、備え付けられていた物といえば机と椅子にベッド、何冊かの本に、衣裳棚。それだけだった。
さきほど案内されたカシミールの執務室と比べれば、殺風景もいいところだ。
正直、ちょっとくらい珍しいものがあるかなと期待していた私はかなりがっかりしてしまった。
グラジオスの指示に従い適当な場所に荷物を下ろすと、私はベッドに、グラジオスは椅子に腰を下ろした。
「そういえばさ、グラジオス。私これからどうすればいいのかな?」
「好きにすればいい」
グラジオスは自室に入って落ち着いたのか、若干緩んだ表情で椅子に体重を預けている。
「いやそうじゃなくてさ、私の立場と言うか……。私はその……従騎士とかになるの? 騎士にならないのに?」
「そういう事か。とりあえずお前は俺お抱えの楽士としておくつもりだ。いずれ専用の部屋も準備させよう」
「ホントにっ!?」
つまりグラジオスが私のパトロンになってくれるという事だ。
それ自体はとてもありがたい申し出なのだが……。
「で、でもグラジオスって音楽は禁止されてるんじゃないの?」
「たまに聞く程度であれば、多分禁止されてはいない」
つまり、グラジオスはたまにでなく相当のめり込んで、あまつさえ自分でもやり始めたから怒られたということなのかもしれない。
その事が容易に想像できた私は、とてもとても共感できてしまった。私もよくお母さんに宿題しなさいとか怒られた経験があるからだ。
「なるほどね~」
思わずグラジオスの顔を見て、にやにやと笑っていたら、馬鹿面をするなとか言われてしまった。
多分、見透かされた事への照れ隠しだろう。
「でも……無理だけはしないでね。楽士とか持つだけでも怒られるようだったら、私はメイドとかでもいいから」
メイドの仕事をしながらでも歌えるだろうし、歌うのが仕事のメイドだっていてもいいかもしれない。
あ、メイドさんの服着て歌って踊るとかやってみたいかも。
「……背が低すぎてメイドの仕事は無理だ」
「あんですとぉ!?」
「それに火のひとつも満足に点けられないようなメイドは要らん」
「そ、それは……」
確かにその通りなので反論できない。
というか凄いよね。マッチとかライターも使わず、木をこすり合わせるだけで火を作っちゃうとか。私からしたらまるで魔法だ。
そんな適当な話をしながら休憩していると、コンコンッと部屋の扉がノックされた。
「入れ」
グラジオスの言葉の後、ドアが開いて訪問者が姿を現した。
「お久しゅうございます、殿下……あら?」
「メイドさんだーーっ!!」
そこに立っていたのは、長い金髪を一つの大きな三つ編みにして背中に垂らし、どんぐりのような大きな青い瞳と長いまつ毛のおかげで目元がぱっちりした印象の愛らしい感じのメイドさんが居た。
服はもちろん裾が長く、エプロンドレスやカチューシャもシミ一つない純白だ。何より……。
「…………お、大きい…………」
背の事ではない。背は多分私よりちょっとだけ大きい……百五十後半(二十センチ以内はちょっとなのだ)だろう。
そうじゃなくて、胸部装甲の事だ。ちょっと彼女が歩くだけでどたぷんっって感じで揺れる揺れる。
……うん、この人は敵だ。そう決めた。
「え、えっと……お茶にございます」
メイドさんは、貫く様な私の視線を受け、居心地悪そうに体をゆすりながら(胸揺らすとか私への当てつけかっ!)お茶の道具一式をグラジオスの元まで運んでいった。
「エマ、礼を言う」
「ちょうど殿下が御帰りになったと聞き及びましたので。それでその、誠に申し訳ありません。お客様がいらっしゃるとは思いませんでしたので……」
エマさんはくるりと華麗に私の方を向くと、腰まで折って頭を下げる。
「お客様のお茶はこれから至急用意して参りますので、少々お時間をいただけますでしょうか」
「あ、あえっと、はい。す、すみません」
エマさんのもの凄く丁寧な所作と言葉遣いに、思わず私は謝ってしまった。
……本当にごめんなさい。敵とか思っちゃって。やっぱり体の事で差別するってよくないよね、うん。
「別に雲母……コイツのは要らん」
「じゃあ私がそれ貰うわよ」
エマさんは信じられないようなものを見たという様に、一瞬きょとんとし、
「ああ、えっと。急いで持ってまいりますので!」
と言い残し、慌てて部屋を出て行ってしまった。
「あんな可愛いメイドさんが居るんだ。へ~……」
「な、なんだその言い草は。やましいことは何もない」
……ん? なんでそういう話になるの?
私は単に、可愛いメイドさんだなって思っただけなのに。……他にも居るのかな。あ、執事さんとか居たりして。ついでにセバスチャンとか言われてたら最高なのに。
……でもグラジオスと執事さんだとちょっと絵にならないなぁ。グラジオスだし。
「あ、そういえばメイドさん呼んでないのに来てくれたんだね」
「あ、ああ。エマはよく気の利く女性でな。この部屋の掃除もしてくれている」
「そっかぁ、じゃあ隠してある物とか見つかっちゃうね」
「それは別の所に隠してある」
……あるのか……。そしてさらっと言っちゃうのか。というかこの感じなら多分……。
「もしかして楽譜とか歌詞集とか隠してあるの?」
「まあ、な」
ひゃっほうっ! さっすがグラジオス! 歌馬鹿同盟の相方!
こっちの歌にも興味あったんだよね~。
というか日本語でガッツリ歌っちゃってたから、歌詞が通じないのはちょっと気にしてたりして。
今度グラジオスに翻訳とかお願いしようかな。
「今度見せて見せて見せてっ!! むしろ今でも可!」
「……いずれな」
そういうグラジオスの顔はちょっと誇らしげだ。
自分の宝物を自慢するのって楽しいよね。
「えー、今すぐ見せてよ~、けちー」
「エマがまた来るんだぞ。部屋を開けるわけにいくか」
「ぶー」
どうやらグラジオスは使用人にも気を遣うタイプらしい。エマさんも進んで仕えているみたいだし。まあ、この場所は完全に嫌な場所というわけではなさそうだった。
グラジオスにとっても、私にとっても。
そう考えていたら、再びドアがコンコンッと鳴った。
「度々申し訳ございません。お客様のお茶をお持ちいたしました」
「ああ」
グラジオスの返事を待ってからドアが開き、再びエマさんが入って来た。
彼女の肩は軽く上下しており、かなり急いで厨房とここを往復した事を物語っていた。
「すみません、ありがとうございます」
私はベッドを立ち、エマさんの所まで行くと、手を差し出し……。
「も、申し訳ありませんっ」
何故か謝られてしまった。
……もしかして催促したとか思われちゃった?
「あのあのっ。べ、別に文句とかあったわけではなくてですね。エマさんが急いで持ってきてくださったんで、ちょっと悪いかなって思いまして、お手伝いでも出来ないかなって……」
「え……」
珍獣でも見たような目で見られてしまった。
確かに、王侯貴族とかがまかり通っている世界だと、そういうの珍しいかもしんないけどさ。
日本だと自分から取りに行くのが昔でも普通だったんだぞ。茶碗を踊りながら取りに行くとかあったらしいし。
「い、いえ。これは私の務めでございますので、お客様の……」
「雲母だ」
すかさずフォローを入れたグラジオスに、エマさんは小さくお礼を返して続ける。
「キララ様のお手を煩わせるわけにはまいりません」
「……そ、そですか」
とりあえず納得した私は、ベッドに戻ろうとして、お茶を置く場所が無いことに気付いた。
この部屋、机が壁際に置かれている一つしかないんだよね。というか、多分客を入れる様な部屋じゃないし。
そんな事を、恐らくエマさんも気付いたのだろう。はっとした顔で部屋を見回した後、
「椅子を取ってまいります」
なんて言って走り出そうとしていた。
「待って待って待って! さすがに悪いから。机に置いてくれればいいから。私カップくらい手で持てるし」
「ですが……」
困惑しているエマさんを、最終的に納得させたのは……。
「雲母がそう言っているんだ。それで構わん」
グラジオスの一言で、エマさんは申し訳なさそうに一礼してから私にお茶を手渡してくれた。
「ありがとうございます」
手渡されたお茶は、私の知っているお茶よりだいぶ黒かった。
何か珍しいものがあるわけでもなく、楽器なんかがたくさんあるわけでもなかった。
石造りの寒々しい部屋にえんじ色の絨毯が敷かれ、備え付けられていた物といえば机と椅子にベッド、何冊かの本に、衣裳棚。それだけだった。
さきほど案内されたカシミールの執務室と比べれば、殺風景もいいところだ。
正直、ちょっとくらい珍しいものがあるかなと期待していた私はかなりがっかりしてしまった。
グラジオスの指示に従い適当な場所に荷物を下ろすと、私はベッドに、グラジオスは椅子に腰を下ろした。
「そういえばさ、グラジオス。私これからどうすればいいのかな?」
「好きにすればいい」
グラジオスは自室に入って落ち着いたのか、若干緩んだ表情で椅子に体重を預けている。
「いやそうじゃなくてさ、私の立場と言うか……。私はその……従騎士とかになるの? 騎士にならないのに?」
「そういう事か。とりあえずお前は俺お抱えの楽士としておくつもりだ。いずれ専用の部屋も準備させよう」
「ホントにっ!?」
つまりグラジオスが私のパトロンになってくれるという事だ。
それ自体はとてもありがたい申し出なのだが……。
「で、でもグラジオスって音楽は禁止されてるんじゃないの?」
「たまに聞く程度であれば、多分禁止されてはいない」
つまり、グラジオスはたまにでなく相当のめり込んで、あまつさえ自分でもやり始めたから怒られたということなのかもしれない。
その事が容易に想像できた私は、とてもとても共感できてしまった。私もよくお母さんに宿題しなさいとか怒られた経験があるからだ。
「なるほどね~」
思わずグラジオスの顔を見て、にやにやと笑っていたら、馬鹿面をするなとか言われてしまった。
多分、見透かされた事への照れ隠しだろう。
「でも……無理だけはしないでね。楽士とか持つだけでも怒られるようだったら、私はメイドとかでもいいから」
メイドの仕事をしながらでも歌えるだろうし、歌うのが仕事のメイドだっていてもいいかもしれない。
あ、メイドさんの服着て歌って踊るとかやってみたいかも。
「……背が低すぎてメイドの仕事は無理だ」
「あんですとぉ!?」
「それに火のひとつも満足に点けられないようなメイドは要らん」
「そ、それは……」
確かにその通りなので反論できない。
というか凄いよね。マッチとかライターも使わず、木をこすり合わせるだけで火を作っちゃうとか。私からしたらまるで魔法だ。
そんな適当な話をしながら休憩していると、コンコンッと部屋の扉がノックされた。
「入れ」
グラジオスの言葉の後、ドアが開いて訪問者が姿を現した。
「お久しゅうございます、殿下……あら?」
「メイドさんだーーっ!!」
そこに立っていたのは、長い金髪を一つの大きな三つ編みにして背中に垂らし、どんぐりのような大きな青い瞳と長いまつ毛のおかげで目元がぱっちりした印象の愛らしい感じのメイドさんが居た。
服はもちろん裾が長く、エプロンドレスやカチューシャもシミ一つない純白だ。何より……。
「…………お、大きい…………」
背の事ではない。背は多分私よりちょっとだけ大きい……百五十後半(二十センチ以内はちょっとなのだ)だろう。
そうじゃなくて、胸部装甲の事だ。ちょっと彼女が歩くだけでどたぷんっって感じで揺れる揺れる。
……うん、この人は敵だ。そう決めた。
「え、えっと……お茶にございます」
メイドさんは、貫く様な私の視線を受け、居心地悪そうに体をゆすりながら(胸揺らすとか私への当てつけかっ!)お茶の道具一式をグラジオスの元まで運んでいった。
「エマ、礼を言う」
「ちょうど殿下が御帰りになったと聞き及びましたので。それでその、誠に申し訳ありません。お客様がいらっしゃるとは思いませんでしたので……」
エマさんはくるりと華麗に私の方を向くと、腰まで折って頭を下げる。
「お客様のお茶はこれから至急用意して参りますので、少々お時間をいただけますでしょうか」
「あ、あえっと、はい。す、すみません」
エマさんのもの凄く丁寧な所作と言葉遣いに、思わず私は謝ってしまった。
……本当にごめんなさい。敵とか思っちゃって。やっぱり体の事で差別するってよくないよね、うん。
「別に雲母……コイツのは要らん」
「じゃあ私がそれ貰うわよ」
エマさんは信じられないようなものを見たという様に、一瞬きょとんとし、
「ああ、えっと。急いで持ってまいりますので!」
と言い残し、慌てて部屋を出て行ってしまった。
「あんな可愛いメイドさんが居るんだ。へ~……」
「な、なんだその言い草は。やましいことは何もない」
……ん? なんでそういう話になるの?
私は単に、可愛いメイドさんだなって思っただけなのに。……他にも居るのかな。あ、執事さんとか居たりして。ついでにセバスチャンとか言われてたら最高なのに。
……でもグラジオスと執事さんだとちょっと絵にならないなぁ。グラジオスだし。
「あ、そういえばメイドさん呼んでないのに来てくれたんだね」
「あ、ああ。エマはよく気の利く女性でな。この部屋の掃除もしてくれている」
「そっかぁ、じゃあ隠してある物とか見つかっちゃうね」
「それは別の所に隠してある」
……あるのか……。そしてさらっと言っちゃうのか。というかこの感じなら多分……。
「もしかして楽譜とか歌詞集とか隠してあるの?」
「まあ、な」
ひゃっほうっ! さっすがグラジオス! 歌馬鹿同盟の相方!
こっちの歌にも興味あったんだよね~。
というか日本語でガッツリ歌っちゃってたから、歌詞が通じないのはちょっと気にしてたりして。
今度グラジオスに翻訳とかお願いしようかな。
「今度見せて見せて見せてっ!! むしろ今でも可!」
「……いずれな」
そういうグラジオスの顔はちょっと誇らしげだ。
自分の宝物を自慢するのって楽しいよね。
「えー、今すぐ見せてよ~、けちー」
「エマがまた来るんだぞ。部屋を開けるわけにいくか」
「ぶー」
どうやらグラジオスは使用人にも気を遣うタイプらしい。エマさんも進んで仕えているみたいだし。まあ、この場所は完全に嫌な場所というわけではなさそうだった。
グラジオスにとっても、私にとっても。
そう考えていたら、再びドアがコンコンッと鳴った。
「度々申し訳ございません。お客様のお茶をお持ちいたしました」
「ああ」
グラジオスの返事を待ってからドアが開き、再びエマさんが入って来た。
彼女の肩は軽く上下しており、かなり急いで厨房とここを往復した事を物語っていた。
「すみません、ありがとうございます」
私はベッドを立ち、エマさんの所まで行くと、手を差し出し……。
「も、申し訳ありませんっ」
何故か謝られてしまった。
……もしかして催促したとか思われちゃった?
「あのあのっ。べ、別に文句とかあったわけではなくてですね。エマさんが急いで持ってきてくださったんで、ちょっと悪いかなって思いまして、お手伝いでも出来ないかなって……」
「え……」
珍獣でも見たような目で見られてしまった。
確かに、王侯貴族とかがまかり通っている世界だと、そういうの珍しいかもしんないけどさ。
日本だと自分から取りに行くのが昔でも普通だったんだぞ。茶碗を踊りながら取りに行くとかあったらしいし。
「い、いえ。これは私の務めでございますので、お客様の……」
「雲母だ」
すかさずフォローを入れたグラジオスに、エマさんは小さくお礼を返して続ける。
「キララ様のお手を煩わせるわけにはまいりません」
「……そ、そですか」
とりあえず納得した私は、ベッドに戻ろうとして、お茶を置く場所が無いことに気付いた。
この部屋、机が壁際に置かれている一つしかないんだよね。というか、多分客を入れる様な部屋じゃないし。
そんな事を、恐らくエマさんも気付いたのだろう。はっとした顔で部屋を見回した後、
「椅子を取ってまいります」
なんて言って走り出そうとしていた。
「待って待って待って! さすがに悪いから。机に置いてくれればいいから。私カップくらい手で持てるし」
「ですが……」
困惑しているエマさんを、最終的に納得させたのは……。
「雲母がそう言っているんだ。それで構わん」
グラジオスの一言で、エマさんは申し訳なさそうに一礼してから私にお茶を手渡してくれた。
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