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第95話 子どものように
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一度振り切れてしまった針はもう元には戻らない。
周りにはルドルフさまを守る兵士が大勢居るというのに、私はグラジオスに抱き着いたままだった。
やがてグラジオスの馬が足を止める。
それと同時に、周りの兵士やルドルフさまの乗る馬車を始めとした一団全てが止まっていく。
全部、私の我が儘のせいだ。
その事が分かっているのに、私は自分を止められなかった。
必死でグラジオスにしがみつき続ける。
そんな私の背中を、グラジオスが安心しろとでも言うかのようにポンポンとあやす様に叩く。
「雲母、ちょっと馬から降りるぞ。先に降りられるか?」
私は横に首を振った。
だって、先に降りるってことは離れなきゃいけないから、今の私には無理な話だ。
何があっても離れたくない。
私は衝動の塊みたいなものなのだから、そのタガが外れてしまったらこうなるのは目に見えていた。
この分だと、グラジオスが少し他の女の人と仲良くするだけできっと嫉妬してしまうだろう。
「仕方ない」
グラジオスはそう言ってため息をついたのだが、どこか嬉しそうだった。
グラジオスは私を首にぶら下げたまま馬を降りようとして……バランスを崩して地面に転がってしまう。
幸いな事に柔らかい草花が私達を受け止めてくれたため、傷どころか痛みすら感じなかった。
いや、私が痛みを感じなかったのは、とっさにグラジオスが下敷きになってくれたからだ。
本当に、グラジオスは私をもっと惚れさせてどうしようというのだろうか。
私は自分を抑えきれなくて、グラジオスに強く抱き着く。
先ほどから邪魔になっているのは分かっているけど止められないのだ。
我慢に我慢を重ねたことへの揺り戻しだと思って諦めてもらおう。
「……まったく。雲母、どうした。雲母が意外と寂しがり屋なのは知っていたが、これじゃあまるで赤ん坊みたいじゃないか」
うるさい。今の私は甘えたが爆発しちゃってるの。
私はそう言おうと思ったのだが、相変わらず言葉にはならなかった。
あの時歌えたのは一種の火事場の馬鹿力みたいなものかもしれない。
私が相変わらず話せない事に気づいたのか、グラジオスは安心しろと言いながら私の頭を撫でてくれた。
「とりあえず、起きてルドルフ殿を待とう」
……そうだ。グラジオスはこれからどうするんだろう。
この服装といい、馬に自分の荷物を括りつけているのといい、明らかにこれ、王様辞めて来た感じだよね?
きょろきょろと見回す私に気付いたのか、グラジオスは肩を竦める。
「まあなんだ。許可は取っていないがな。だがこの世の中には王になりたい人間が山ほど居るんだ。貴族連中の誰かが成るだろう」
許可取ってないって……無理やり抜け出して来たってこと!?
なんで私のためにそんなことするの? もー。
「むくれるな。大体俺は音楽で生きていきたかったからな。実はちょうど良かったんだ」
音楽で生きていくって……前言ってたことだよね。
ルドルフさまのところで一緒に宮廷楽士やるってやつ。やれるなら、やりたいけどさ。
「これを期に、ルドルフ殿に頼んでみようと思っている」
そこで私は思い出した。
前にエマとした夢みたいな話を。
グラジオスに出奔してもらい、ずっとみんなで世界中を公演してまわる。
出来たら本当に素敵な事だと思っていたけれど……。
本当に出来るのだろうか。
少しだけ引っ掛かる。
グラジオスはあの箱馬車でのルドルフさまの行動を見ていなかったから……。
私はあの熱い抱擁と言葉を思い出して、気分が少しだけ落ちるのを感じていた。
ルドルフさまが走って私達の所にやって来た時、グラジオスは馬のくつわを持って直立不動の姿勢で、私はその隣でグラジオスの袖を指先で摘んで立っていた。
その周囲には私達を扱いかねた兵士たちが困り顔で棒立ちしている。
「キララ」
ルドルフさまは私が傷ひとつ負っていない事を確認して安堵のため息をつく。
私は慌てて謝罪の意味を込めて、何度も何度も頭を下げた。
「いや、いいんだよ。本当に無事でよかった。もうあんな無茶は絶対にしないで欲しいな」
ルドルフさまは柔らかい微笑みを私に向け、私のした愚かな行動を許してくれた。
その後、グラジオスへと視線を向ける。その視線は今までの友好的なものとは打って変わり、明らかに敵意が籠められていた。
「何故、あなたかここに居るのかなグラジオス殿」
その刺々しい物言いに、私の頭の中で警鐘が鳴る。
私が話せたら何とかして間に入って和解を試みるのだけど……本当にもどかしい。
「ルドルフ殿下」
グラジオスはそう言うとルドルフさまの正面で膝を折った。
それは臣下の礼であり、一国の王が決してしてはならない行動だ。
でもグラジオスは自称ではあるものの、もはや国王ではない。
「私は雲母の傍に居たい。そして雲母もこうしてそれを許してくれています。願わくば、私達を引き離さないで頂きたいのです」
「へぇ」
「先だってお願い申し上げましたが、私を宮廷楽士としてお雇い頂きたいのです。雲母と共に」
ルドルフさまは、そう願い出たグラジオスの後頭部を憎々し気に見下ろして、
「断る」
即断する。
「私は今非常に不愉快だ。キララは私のもののはずだ。なのに君はそれを認めずこうして此処に居る。それなのに君を雇えだって? あまつさえ傍に居る?」
ルドルフさまのボルテージはどんどん上昇していく。
きっとそれは独占欲とでも言うべきものなのだろう。私の歌を独り占めできると考えて居た矢先、グラジオスへ歌ってしまった。
不機嫌になって当然だ。
これは間違いなく私が悪い。
ルドルフさまの心を踏みにじってしまったのだから。
だから私はルドルフさまにまたも頭を下げる。
ごめんなさいと謝罪の意思を込めて。
でも、ルドルフ様の怒りは治まらなかった。
「キララ。君は謝らなくていい。悪いのはこの男だ」
違います。悪いのは私です。
全部私の我が儘から出た問題なんです。だから罰するのなら私を罰してください。
話せない以上、細かい内容が通じる事はない。でも悪いのは私であると必死に主張する。
何度も何度も頭を下げたのだが……。
「原因はこの男なんだ、キララ。私はこの男が許せない」
怒りの矛先が私に向かう事は無かった。
私はどうしようかと頭を悩ませ――。
「まさか、ルドルフ殿下も雲母に恋慕の情を?」
急に、そんな事をグラジオスが言い出した。
ルドルフさまは私を愛さないと約束してくれた。だからそれだけは無いと、思いたかったが……。思い出してしまう。
先ほどの熱い腕の感触を。
「恋慕だと……? 私がそんなものを持つわけがないっ!」
ルドルフさまはすぐに否定する。
ただその顔は……とても辛そうだった。
「私がそんなくだらない感情を持つはずがないっ。私はその感情をこの世で最も無駄な感情だと考えて居るし、嫌悪してすらいる。愛している? そんなものは上辺だけのただの戯言だっ」
何があったのかは分からない。
どんな経験と想いがあってその結論に至ったのか、神ならざる身としては理解できるはずも無かった。
たった一つ分かる事は、その言葉を言う度、ルドルフさまが傷ついていくという事だけ。
ああ――と納得する。
ルドルフさまは私だったのだ。
愛してはいけないと戒めていた私と、愛することを止めたルドルフさま。
きっとルドルフさまには私が自らと同じように見えていたのだろう。
だから私をこれほど気にかけていてくれたのだ。
「キララ、私の元に帰ってくるんだ。でもその男は要らない。その男は捨てて帰ってくるんだ」
ルドルフさまは私に手を伸ばし、慟哭する。
今まで見たことも無いような表情で、親を求める幼子の様に私を求める。
「ルドルフ殿下……」
グラジオスも少し通ずるところがあったのだろう。
父を求めて、求めても拒絶され続けた過去を持つグラジオスなのだから。
「貴様が私の名を呼ぶなっ。キララを愛するなどという戯言を言う貴様がっ」
――ルドルフさま……。
私は手を伸ばす。ルドルフさまに向かって。
胸が苦しかった。
ルドルフさまも同じように苦しいだろう。
そうではないと言ってあげたかった。
だって私は愛そのものは信じていたから。
愛することを止めてしまったルドルフさまにもその事を気付いてほしかった。
ナターリエがあれほど愛を注いでいたのだから、ルドルフさまの中にも真実の愛は必ずある。
言葉を声に出せたのなら……いや、届かないだろう。
きっと聞こうとはしないはずだ。
自分の中で既に生まれてしまった答えを覆すのは容易ではないから。
だから私は――。
周りにはルドルフさまを守る兵士が大勢居るというのに、私はグラジオスに抱き着いたままだった。
やがてグラジオスの馬が足を止める。
それと同時に、周りの兵士やルドルフさまの乗る馬車を始めとした一団全てが止まっていく。
全部、私の我が儘のせいだ。
その事が分かっているのに、私は自分を止められなかった。
必死でグラジオスにしがみつき続ける。
そんな私の背中を、グラジオスが安心しろとでも言うかのようにポンポンとあやす様に叩く。
「雲母、ちょっと馬から降りるぞ。先に降りられるか?」
私は横に首を振った。
だって、先に降りるってことは離れなきゃいけないから、今の私には無理な話だ。
何があっても離れたくない。
私は衝動の塊みたいなものなのだから、そのタガが外れてしまったらこうなるのは目に見えていた。
この分だと、グラジオスが少し他の女の人と仲良くするだけできっと嫉妬してしまうだろう。
「仕方ない」
グラジオスはそう言ってため息をついたのだが、どこか嬉しそうだった。
グラジオスは私を首にぶら下げたまま馬を降りようとして……バランスを崩して地面に転がってしまう。
幸いな事に柔らかい草花が私達を受け止めてくれたため、傷どころか痛みすら感じなかった。
いや、私が痛みを感じなかったのは、とっさにグラジオスが下敷きになってくれたからだ。
本当に、グラジオスは私をもっと惚れさせてどうしようというのだろうか。
私は自分を抑えきれなくて、グラジオスに強く抱き着く。
先ほどから邪魔になっているのは分かっているけど止められないのだ。
我慢に我慢を重ねたことへの揺り戻しだと思って諦めてもらおう。
「……まったく。雲母、どうした。雲母が意外と寂しがり屋なのは知っていたが、これじゃあまるで赤ん坊みたいじゃないか」
うるさい。今の私は甘えたが爆発しちゃってるの。
私はそう言おうと思ったのだが、相変わらず言葉にはならなかった。
あの時歌えたのは一種の火事場の馬鹿力みたいなものかもしれない。
私が相変わらず話せない事に気づいたのか、グラジオスは安心しろと言いながら私の頭を撫でてくれた。
「とりあえず、起きてルドルフ殿を待とう」
……そうだ。グラジオスはこれからどうするんだろう。
この服装といい、馬に自分の荷物を括りつけているのといい、明らかにこれ、王様辞めて来た感じだよね?
きょろきょろと見回す私に気付いたのか、グラジオスは肩を竦める。
「まあなんだ。許可は取っていないがな。だがこの世の中には王になりたい人間が山ほど居るんだ。貴族連中の誰かが成るだろう」
許可取ってないって……無理やり抜け出して来たってこと!?
なんで私のためにそんなことするの? もー。
「むくれるな。大体俺は音楽で生きていきたかったからな。実はちょうど良かったんだ」
音楽で生きていくって……前言ってたことだよね。
ルドルフさまのところで一緒に宮廷楽士やるってやつ。やれるなら、やりたいけどさ。
「これを期に、ルドルフ殿に頼んでみようと思っている」
そこで私は思い出した。
前にエマとした夢みたいな話を。
グラジオスに出奔してもらい、ずっとみんなで世界中を公演してまわる。
出来たら本当に素敵な事だと思っていたけれど……。
本当に出来るのだろうか。
少しだけ引っ掛かる。
グラジオスはあの箱馬車でのルドルフさまの行動を見ていなかったから……。
私はあの熱い抱擁と言葉を思い出して、気分が少しだけ落ちるのを感じていた。
ルドルフさまが走って私達の所にやって来た時、グラジオスは馬のくつわを持って直立不動の姿勢で、私はその隣でグラジオスの袖を指先で摘んで立っていた。
その周囲には私達を扱いかねた兵士たちが困り顔で棒立ちしている。
「キララ」
ルドルフさまは私が傷ひとつ負っていない事を確認して安堵のため息をつく。
私は慌てて謝罪の意味を込めて、何度も何度も頭を下げた。
「いや、いいんだよ。本当に無事でよかった。もうあんな無茶は絶対にしないで欲しいな」
ルドルフさまは柔らかい微笑みを私に向け、私のした愚かな行動を許してくれた。
その後、グラジオスへと視線を向ける。その視線は今までの友好的なものとは打って変わり、明らかに敵意が籠められていた。
「何故、あなたかここに居るのかなグラジオス殿」
その刺々しい物言いに、私の頭の中で警鐘が鳴る。
私が話せたら何とかして間に入って和解を試みるのだけど……本当にもどかしい。
「ルドルフ殿下」
グラジオスはそう言うとルドルフさまの正面で膝を折った。
それは臣下の礼であり、一国の王が決してしてはならない行動だ。
でもグラジオスは自称ではあるものの、もはや国王ではない。
「私は雲母の傍に居たい。そして雲母もこうしてそれを許してくれています。願わくば、私達を引き離さないで頂きたいのです」
「へぇ」
「先だってお願い申し上げましたが、私を宮廷楽士としてお雇い頂きたいのです。雲母と共に」
ルドルフさまは、そう願い出たグラジオスの後頭部を憎々し気に見下ろして、
「断る」
即断する。
「私は今非常に不愉快だ。キララは私のもののはずだ。なのに君はそれを認めずこうして此処に居る。それなのに君を雇えだって? あまつさえ傍に居る?」
ルドルフさまのボルテージはどんどん上昇していく。
きっとそれは独占欲とでも言うべきものなのだろう。私の歌を独り占めできると考えて居た矢先、グラジオスへ歌ってしまった。
不機嫌になって当然だ。
これは間違いなく私が悪い。
ルドルフさまの心を踏みにじってしまったのだから。
だから私はルドルフさまにまたも頭を下げる。
ごめんなさいと謝罪の意思を込めて。
でも、ルドルフ様の怒りは治まらなかった。
「キララ。君は謝らなくていい。悪いのはこの男だ」
違います。悪いのは私です。
全部私の我が儘から出た問題なんです。だから罰するのなら私を罰してください。
話せない以上、細かい内容が通じる事はない。でも悪いのは私であると必死に主張する。
何度も何度も頭を下げたのだが……。
「原因はこの男なんだ、キララ。私はこの男が許せない」
怒りの矛先が私に向かう事は無かった。
私はどうしようかと頭を悩ませ――。
「まさか、ルドルフ殿下も雲母に恋慕の情を?」
急に、そんな事をグラジオスが言い出した。
ルドルフさまは私を愛さないと約束してくれた。だからそれだけは無いと、思いたかったが……。思い出してしまう。
先ほどの熱い腕の感触を。
「恋慕だと……? 私がそんなものを持つわけがないっ!」
ルドルフさまはすぐに否定する。
ただその顔は……とても辛そうだった。
「私がそんなくだらない感情を持つはずがないっ。私はその感情をこの世で最も無駄な感情だと考えて居るし、嫌悪してすらいる。愛している? そんなものは上辺だけのただの戯言だっ」
何があったのかは分からない。
どんな経験と想いがあってその結論に至ったのか、神ならざる身としては理解できるはずも無かった。
たった一つ分かる事は、その言葉を言う度、ルドルフさまが傷ついていくという事だけ。
ああ――と納得する。
ルドルフさまは私だったのだ。
愛してはいけないと戒めていた私と、愛することを止めたルドルフさま。
きっとルドルフさまには私が自らと同じように見えていたのだろう。
だから私をこれほど気にかけていてくれたのだ。
「キララ、私の元に帰ってくるんだ。でもその男は要らない。その男は捨てて帰ってくるんだ」
ルドルフさまは私に手を伸ばし、慟哭する。
今まで見たことも無いような表情で、親を求める幼子の様に私を求める。
「ルドルフ殿下……」
グラジオスも少し通ずるところがあったのだろう。
父を求めて、求めても拒絶され続けた過去を持つグラジオスなのだから。
「貴様が私の名を呼ぶなっ。キララを愛するなどという戯言を言う貴様がっ」
――ルドルフさま……。
私は手を伸ばす。ルドルフさまに向かって。
胸が苦しかった。
ルドルフさまも同じように苦しいだろう。
そうではないと言ってあげたかった。
だって私は愛そのものは信じていたから。
愛することを止めてしまったルドルフさまにもその事を気付いてほしかった。
ナターリエがあれほど愛を注いでいたのだから、ルドルフさまの中にも真実の愛は必ずある。
言葉を声に出せたのなら……いや、届かないだろう。
きっと聞こうとはしないはずだ。
自分の中で既に生まれてしまった答えを覆すのは容易ではないから。
だから私は――。
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