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第十七話
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「珠美さん、お疲れさまです」
「いえ、尚先生こそ。お仕事お疲れさまです」
尚先生がキラッキラの笑みを浮かべて私をまっすぐに見つめている。
こういうシチュエーションを今まで脳内妄想恋愛機で色んなイケメンとしてきたが、こんなにドキドキしてキュンキュンすることはなかったように思う。
尚先生は、誰もが振り返るほどの美丈夫だ。そりゃもう、そこらへんの俳優さんなんか目じゃないほどの輝きを放っている。
そんな男性が私だけを見て、ニッコリとほほ笑んでいる。ぶっ倒れそうなんですが、どうしましょう。
妄想恋愛なら、ここで胸キュン! して終了なのだが、現実はまだまだドキドキシーンが続いていく。
食事が終わるまでの時間に萌え死にしそうで怖い。尚先生を前にしていつまでもつか。
それが問題だ。
尚先生に連れられてきたのは、お寿司屋さんだった。
と言っても、どこかモダンでおしゃれな雰囲気のお店だ。ちょっと見ではお寿司屋さんとは気が付かないかもしれない。
店内に入ると、カウンター席もあるが、小上がりの個室がいくつかあった。その一室を予約してくれていたようだ。
尚先生に促されるままその一室に入った。
なんでも今日の料理は大将にお任せをしたらしい。今からとてもたのしみだ。
「珠美さんに労ってもらうと一日の疲れも吹っ飛びますね」
「そ、そ、そうでしょうか」
私、絶対に頬が真っ赤になっているだろう。
これだけ明るい店内では尚先生にすべてお見通しだ。そう考えれば考えるほど、顔の火照りは止まらない。
私はおしぼりで手を拭きながら、先ほどまでのことを思い返した。
なんとか定時に仕事を終わらせた私は澤田税理士事務所に向こうとしたのだが、なぜかフジコまで一緒に着いてきたのだ。
「ちょ、ちょっと! フジコ」
「何よ、珠美」
「何よじゃないわよ。どうしてフジコが着いてくるのよ? フジコの家は真逆でしょ?」
「そうよ。わかってるわよ、そんなこと」
わかっていると言いながらも着いてくるフジコに苦言をする。
「あのね、フジコ。わかっているんでしょ?」
何でもお見通しのフジコさま。お昼休憩のときに私が尚先生と今夜会うことに勘づいたはず。
私は肯定しなかったけど、フジコならわかっているはずだ。
それなのに私に着いてくるっていうのはどういうことだろう。
澤田税理士事務所はすぐそこだ。それなのにフジコはまだ私に着いてくる。
「あ、尚先生がいるわよ」
「っ!」
フジコの言うとおり。事務所の前で私たちに向かって手を振っている人物がいる。尚先生だ。
尚先生を見ても、フジコはまだ私に着いてくるつもりなのか。
チラリと隣にいるフジコを見ると、彼女も私を見ていてニッと意味ありげに笑った。
全くもって悪い予感しかしない。
フジコを止めようとしたのだが、私が制止するより前にフジコは足早に尚先生のところに行ってしまった。
慌ててフジコを追いかけようとしたのだが、運悪く信号は赤になってしまう。
なにかしら真剣な顔をして話す二人。どんな話をしているのか、内容が気になってしまう。
しかし、なかなか信号は青になってくれない。早く早くと気ばかりが焦るが、どう念じても信号は青にはならない。
やっと信号が青になる。慌てて横断歩道を渡り、二人の元へ行こうとした。
だが、フジコが今来た道を戻ってきた。
「フジコ!」
批難しようとしたが、フジコの声にかき消された。
「やっぱりあの人に賭けて良かったわ」
「え?」
振り向きフジコの背中を見ると、彼女は前を向いたまま手を挙げた。
「楽しんできてね、珠美」
それだけ言うとフジコはこちらを振り返ることもなく、歩いて行ってしまった。
「珠美さん!」
尚先生の声が聞こえる。慌てて前を向くと、もうすぐで信号が赤になってしまう。
小走りをして渡り切ると、尚先生が笑顔で待っていてくれた。
「お待ちしておりましたよ、珠美さん。では、行きましょうか。予約を取っておきましたので」
いつものように恋人繋ぎをされてしまい、思わず叫びそうになってしまった。
ドキドキしすぎてぶっ倒れそうになり、フジコと何を話していたのか聞きそびれてしまった。
ゆずの香りがする食前酒を一口飲んだあと、私は思いきって聞いてみることにした。
「尚先生」
「なんですか、珠美さん」
ただ私の名前を言っただけなのに、どうして胸がキュンと鳴くのだろう。
他愛もないことでキュンキュンしていたら、どう考えても今夜を乗り越えられそうにもない。
コホンと一つ咳払いをしたあと、私は尚先生を見た。
「さっき、フジコと何を話していたんですか?」
「ああ、気になりますか?」
食前酒のグラスを置きながら、尚先生は流し目をして私に言う。その色気は半端なく、逃げ出したくなるほどカッコいい。
それに気になる。ものすごく気になる。
なんせ、『あの』フジコだ。世間話だけで済むわけがないのだ。
正直に「気になります」と伝えると、尚先生はニッコリとほほ笑んだ。
「特には話しませんでしたよ」
「絶対に嘘だと思います」
間髪入れずに否定すると、尚先生は困ったように肩を竦めた。
「はい、嘘をつきました」
「そうですよね」
「でも、内容は教えてあげませんよ。ただ彼女と意見は一致した。お互い協力していきましょうということで合意しましたけどね」
「……」
何を合意したというのだろう。きっと恐ろしい内容に違いないから聞きたくないけど、聞いておかなければ後々自分の身が危うくなる。
何度か尚先生に聞いてみたのだが、「内緒です」とほほ笑むだけ。
「さぁ、お料理が来ましたよ。いただきましょう」
「うわぁ……美味しそうです」
感嘆の声を上げる私に、料理をもってきた大将が豪快に笑った。
「お嬢さんの口に合うといいんだがなぁ。まぁ、ゆっくりしていってよ」
「ありがとうございます!」
嬉々として答える私を見たあと、尚先生に視線を向けて大将はニンマリと笑った。
「よぉ、尚。ついにこのときが来たのか?」
「まだ口説いている真っ最中ですけどね」
二人の会話の意味がわからず首を傾げていると、大将は尚先生の肩をバシンと力強く叩いた。
「まぁ、頑張れよ」
「言われなくても頑張りますよ」
「相変わらず可愛げのねぇガキだな」
「お互い様ですよ」
二人のやりとりを見ると、昔からの仲良しといった雰囲気だ。
大将が料理を運び終えて部屋をでたあと、尚先生は困ったようにほほ笑んだ。
「実はこのお店の大将と親父は幼馴染みでね。家族でよく食べにくるんですよ」
「ああ、それで。尚先生のことを知っていたんですね」
「ええ。大将が昔からよく言っていたのですけどね。彼女を連れて来い、と。あんまりにしつこかったから言ったんです。結婚したい女性が出来たら連れてくると」
「!」
まさかの言葉にボンと音を立てて身体中が熱くなった。
先ほどの大将と尚先生の会話の意味がわかり、ますます身体が熱くなる。
「珠美さんを口説いている最中ではあるんですけど、実は結婚も視野に入れていますから」
「えっと、あの……はい?」
戸惑う私に、尚先生はフフッと目を細めて笑う。
「珠美さんには早めに私のことを好きになってもらいたいと思っているんですけどね」
「っ!」
ストレートすぎる言葉の数々に、私はもうどうしていいのかわからない。
私の脳内妄想恋愛機では、こんなに積極的で甘い言葉の数々をこれでもかこれでもかと言うイケメンはいなかった。
残念ながら対処方法を知らない。私が慌てていると、尚先生は腰を上げて顔を覗き込んできた。
急に近づいた距離に驚いて目を丸くしていると、尚先生は熱っぽく囁いた。
「早く私の女になってくださいね、珠美さん」
カチンと固まった私に、尚先生は「さぁ、食べましょう。味は保証しますよ」そう言って話題を変えたが、私はいつまで経っても尚先生の言葉の呪縛に囚われたままだ。
「い、い、いただきます!!!」
慌てて箸を取り、お料理の数々に口を付けたが……尚先生お墨付きの料理なのに、堪能する余裕は私には皆無だった。
「いえ、尚先生こそ。お仕事お疲れさまです」
尚先生がキラッキラの笑みを浮かべて私をまっすぐに見つめている。
こういうシチュエーションを今まで脳内妄想恋愛機で色んなイケメンとしてきたが、こんなにドキドキしてキュンキュンすることはなかったように思う。
尚先生は、誰もが振り返るほどの美丈夫だ。そりゃもう、そこらへんの俳優さんなんか目じゃないほどの輝きを放っている。
そんな男性が私だけを見て、ニッコリとほほ笑んでいる。ぶっ倒れそうなんですが、どうしましょう。
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それが問題だ。
尚先生に連れられてきたのは、お寿司屋さんだった。
と言っても、どこかモダンでおしゃれな雰囲気のお店だ。ちょっと見ではお寿司屋さんとは気が付かないかもしれない。
店内に入ると、カウンター席もあるが、小上がりの個室がいくつかあった。その一室を予約してくれていたようだ。
尚先生に促されるままその一室に入った。
なんでも今日の料理は大将にお任せをしたらしい。今からとてもたのしみだ。
「珠美さんに労ってもらうと一日の疲れも吹っ飛びますね」
「そ、そ、そうでしょうか」
私、絶対に頬が真っ赤になっているだろう。
これだけ明るい店内では尚先生にすべてお見通しだ。そう考えれば考えるほど、顔の火照りは止まらない。
私はおしぼりで手を拭きながら、先ほどまでのことを思い返した。
なんとか定時に仕事を終わらせた私は澤田税理士事務所に向こうとしたのだが、なぜかフジコまで一緒に着いてきたのだ。
「ちょ、ちょっと! フジコ」
「何よ、珠美」
「何よじゃないわよ。どうしてフジコが着いてくるのよ? フジコの家は真逆でしょ?」
「そうよ。わかってるわよ、そんなこと」
わかっていると言いながらも着いてくるフジコに苦言をする。
「あのね、フジコ。わかっているんでしょ?」
何でもお見通しのフジコさま。お昼休憩のときに私が尚先生と今夜会うことに勘づいたはず。
私は肯定しなかったけど、フジコならわかっているはずだ。
それなのに私に着いてくるっていうのはどういうことだろう。
澤田税理士事務所はすぐそこだ。それなのにフジコはまだ私に着いてくる。
「あ、尚先生がいるわよ」
「っ!」
フジコの言うとおり。事務所の前で私たちに向かって手を振っている人物がいる。尚先生だ。
尚先生を見ても、フジコはまだ私に着いてくるつもりなのか。
チラリと隣にいるフジコを見ると、彼女も私を見ていてニッと意味ありげに笑った。
全くもって悪い予感しかしない。
フジコを止めようとしたのだが、私が制止するより前にフジコは足早に尚先生のところに行ってしまった。
慌ててフジコを追いかけようとしたのだが、運悪く信号は赤になってしまう。
なにかしら真剣な顔をして話す二人。どんな話をしているのか、内容が気になってしまう。
しかし、なかなか信号は青になってくれない。早く早くと気ばかりが焦るが、どう念じても信号は青にはならない。
やっと信号が青になる。慌てて横断歩道を渡り、二人の元へ行こうとした。
だが、フジコが今来た道を戻ってきた。
「フジコ!」
批難しようとしたが、フジコの声にかき消された。
「やっぱりあの人に賭けて良かったわ」
「え?」
振り向きフジコの背中を見ると、彼女は前を向いたまま手を挙げた。
「楽しんできてね、珠美」
それだけ言うとフジコはこちらを振り返ることもなく、歩いて行ってしまった。
「珠美さん!」
尚先生の声が聞こえる。慌てて前を向くと、もうすぐで信号が赤になってしまう。
小走りをして渡り切ると、尚先生が笑顔で待っていてくれた。
「お待ちしておりましたよ、珠美さん。では、行きましょうか。予約を取っておきましたので」
いつものように恋人繋ぎをされてしまい、思わず叫びそうになってしまった。
ドキドキしすぎてぶっ倒れそうになり、フジコと何を話していたのか聞きそびれてしまった。
ゆずの香りがする食前酒を一口飲んだあと、私は思いきって聞いてみることにした。
「尚先生」
「なんですか、珠美さん」
ただ私の名前を言っただけなのに、どうして胸がキュンと鳴くのだろう。
他愛もないことでキュンキュンしていたら、どう考えても今夜を乗り越えられそうにもない。
コホンと一つ咳払いをしたあと、私は尚先生を見た。
「さっき、フジコと何を話していたんですか?」
「ああ、気になりますか?」
食前酒のグラスを置きながら、尚先生は流し目をして私に言う。その色気は半端なく、逃げ出したくなるほどカッコいい。
それに気になる。ものすごく気になる。
なんせ、『あの』フジコだ。世間話だけで済むわけがないのだ。
正直に「気になります」と伝えると、尚先生はニッコリとほほ笑んだ。
「特には話しませんでしたよ」
「絶対に嘘だと思います」
間髪入れずに否定すると、尚先生は困ったように肩を竦めた。
「はい、嘘をつきました」
「そうですよね」
「でも、内容は教えてあげませんよ。ただ彼女と意見は一致した。お互い協力していきましょうということで合意しましたけどね」
「……」
何を合意したというのだろう。きっと恐ろしい内容に違いないから聞きたくないけど、聞いておかなければ後々自分の身が危うくなる。
何度か尚先生に聞いてみたのだが、「内緒です」とほほ笑むだけ。
「さぁ、お料理が来ましたよ。いただきましょう」
「うわぁ……美味しそうです」
感嘆の声を上げる私に、料理をもってきた大将が豪快に笑った。
「お嬢さんの口に合うといいんだがなぁ。まぁ、ゆっくりしていってよ」
「ありがとうございます!」
嬉々として答える私を見たあと、尚先生に視線を向けて大将はニンマリと笑った。
「よぉ、尚。ついにこのときが来たのか?」
「まだ口説いている真っ最中ですけどね」
二人の会話の意味がわからず首を傾げていると、大将は尚先生の肩をバシンと力強く叩いた。
「まぁ、頑張れよ」
「言われなくても頑張りますよ」
「相変わらず可愛げのねぇガキだな」
「お互い様ですよ」
二人のやりとりを見ると、昔からの仲良しといった雰囲気だ。
大将が料理を運び終えて部屋をでたあと、尚先生は困ったようにほほ笑んだ。
「実はこのお店の大将と親父は幼馴染みでね。家族でよく食べにくるんですよ」
「ああ、それで。尚先生のことを知っていたんですね」
「ええ。大将が昔からよく言っていたのですけどね。彼女を連れて来い、と。あんまりにしつこかったから言ったんです。結婚したい女性が出来たら連れてくると」
「!」
まさかの言葉にボンと音を立てて身体中が熱くなった。
先ほどの大将と尚先生の会話の意味がわかり、ますます身体が熱くなる。
「珠美さんを口説いている最中ではあるんですけど、実は結婚も視野に入れていますから」
「えっと、あの……はい?」
戸惑う私に、尚先生はフフッと目を細めて笑う。
「珠美さんには早めに私のことを好きになってもらいたいと思っているんですけどね」
「っ!」
ストレートすぎる言葉の数々に、私はもうどうしていいのかわからない。
私の脳内妄想恋愛機では、こんなに積極的で甘い言葉の数々をこれでもかこれでもかと言うイケメンはいなかった。
残念ながら対処方法を知らない。私が慌てていると、尚先生は腰を上げて顔を覗き込んできた。
急に近づいた距離に驚いて目を丸くしていると、尚先生は熱っぽく囁いた。
「早く私の女になってくださいね、珠美さん」
カチンと固まった私に、尚先生は「さぁ、食べましょう。味は保証しますよ」そう言って話題を変えたが、私はいつまで経っても尚先生の言葉の呪縛に囚われたままだ。
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