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二話
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「・・・・・・が今日の予定になります」
メイドさんが秘書のように今日の予定を教えてくれた。 なんだか社会人になった気分だ。
「剣術とか、魔法覚えたりとか俺必要あるの? あいつらにやらせとけばいいんじゃないの? 」
「いえ、ハヤト様とシュウ様は絶対にと命じられていますので」
「命令に逆らったらどうなるの?」
「私共の首が飛ばされます」
「またまたー、嘘でしょ?」
「本当でございます」
「あーあ、俺になんかあんの? それと、そんな硬っ苦しい喋り方じゃなくていいよ。 どうせ年上でしょ?」
「ハヤト様は魔力をかなりお持ちのようです。 それと女性に年齢の話をするのはどうかと」
「見るからに分かるからいいじゃん。 てか、魔力なんか持ってる気しないけど」
「それはきっと指輪のせいでございます。 魔力を抑え込まれておりますので」
「お、じゃあ指輪外してみようか」
「お、おやめ下さい!」
メイドはそう言って俺の腕を押さえつけてきた。
魔力が出ると何かあるのだろうか? 確かに大きな魔力を持ってて、それで魔法を使ったら大惨事だろう。 よし、気をつけよう。
「あー、メイドが襲ってくるー、誰かふがふが」
「おやめ下さい!」
メイドに手で口を塞がれた。 俺は開放された片方の手でメイドの手を叩く。 すると、口から手が離れた。
「何をそんなに焦ってるんだよ。 そんなに大きな声はだしてないだろう? それともチクってやろうか」
すると、メイドの顔色がさらに悪くなった。
「だが、言うことを聞いてくれるならチクらないでやろう」
メイドさんは自分の体を腕で抱いて後ろに数歩下がった。 俺はそのメイドさんを笑顔で見る。
「わ、わかりました」
メイドさんは覚悟を決めたようにキュッと目を瞑る。
「そうか、じゃあ敬語をやめてくれ。 歳上に敬語で話されるのはなんだかなぁ。 それと気軽に接してくれ。 命令だから聞かないと別のお願いするぞ?」
「わ、わかったわ。 ・・・・・・変な命令されると思ったのに」
「じゃあ、ついでにそっちの方も」
「じょ、冗談よ。 でも、元気になってよかったわ」
「あー、昨日は色々あったんだよ。 いつまでもグズグズしていたらダメだからな。 あ、そういえば名前なんて言うんだ?」
「マリヤ=メルカ」
「へー、で、マリヤ? メルカ? どっちで呼べばいい?」
「どちらでもいいけど、出来ればマリヤ」
「おーけーマリヤ・・・さん? 歳上だけど、マリヤでいいか」
「その方がいいわ」
「じゃ、もう寝るわ。 ・・・・・・俺に戦いは向いてないからな」
俺はそう言って布団の中に潜ろうとする。 すると、マリヤが布団を剥ぎ取ろうとしてくる。
「ちょっとカッコよく言って寝ようとしないで! 私が怒られるの!」
「やめろ! 俺はそんな大変なことしたくない! 頑張って鍛えた上に一瞬で死んだりとか、見込みなくて鍛えて時間の損だなんて言われたくない!」
「急にネガティブにならないで!・・・・・・きゃっ!」
マリヤが強く引っ張ってくるため、俺も少しだけ力を入れると、マリヤが倒れ込んできた。 顔はかなりの至近距離まで来ており、綺麗な顔が目の前に晒される。 強く引っ張っていたためか、息づかいは荒く、少し乱れた姿からは色気があった。
「なぁ、異世界ってのはこんな美人ばっかなのか? それなら俺は急いで城から出ないと行けなくなるんだが」
「し、知らない! ちょ、ちょっと少しづつ近づくのやめて!」
マリヤと騒いでいると、扉がガチャりと開いて誰かが入ってきた。
俺はそちらを見ると、どうやら入ってきたのは爽やかイケメンの周のようだ。 周はこちらを見てから気まづそうに目をさ迷わせている。
「よう! 俺、今日はメイドさんといいことするから行けないって言っといて・・・」
「周様! どうかこの方を一緒に連れて行ってくださいませんか?」
「えっ、えーっと」
「そ、そんな! 俺にやれって言ったのに!」
「そ、そうなのかい!?」
「言ってません!」
「えー、でもほら、周さんや。 この状態を見てみ? メイドさんからベッドの上に来てるよ?」
「ほ、本当だ!」
「本当じゃありません!」
「はぁ、恥ずかしいのか・・・・・・それで周。 お前これからどうすんの? 魔王倒すの?」
「うん! みんなで挑めばきっと・・・・・・」
「じゃあさ、負けた場合は? 勇者が勝てる確証はあるのか? ・・・・・・この世界の勇者だって殺されたんだぜ? それにさ、もしかしたら前に負けて死んだ勇者って召喚された勇者かもな? この世界に召喚された勇者はこの世界の勇者ってことになってるのかもしれないし」
「そんな!」
「それは違います!」
「可能性の話だ。 それと、みんなでって、あの三人もだよな? よく考えろよ。 ・・・・・・勇者が特別なら、他は特別じゃない可能性もある。 お前が魔王と戦いながらも三人を守れるなら連れていけばいいし、無理ならやめとけ。 まぁ、とは言ってもあの二人はついて行くかもだけどな」
「ぼ、僕はどうしたら」
「ばーか。 魔王が攻めてきてないならまだ猶予はあるだろう。 時間ならまだある。 急ぐ必要はない。 今出来ることは強くなること。 ・・・・・・それに逃げてもいいんじゃねぇの?」
「どうゆうこと?」
「もしお前が逃げてもそう簡単にはほろびねぇだろ。 それに、相手もお前がどこにいるか分からないから攻めづらいかもしれない。 お前が生きている内は安全かもしれないぜ?」
「そ、それじゃあこの世界の人達が・・・・・・」
「そこまで弱いのか? それとお前は一人でどれだけ出来るんだろうな?」
「・・・・・・」
「ハヤト!」
「まぁ、俺も偉そうに言っているが、周の考えもあっているかもしれない。 だってさ、俺の身体能力めちゃくちゃ高くなってるみたいだし」
「確かに。 それは僕達四人とも同じだよ」
「まぁ、それはあとで調べるとして。 なぁ、マリヤ。 お前さっき布団どれくらいの力で引っ張った?」
「布団・・・ですか?」
「そうだ。 俺から剥ぎ取ろうとしただろう。 どれくらいの力で引っ張った?」
「えーっと、その・・・・・・本気で、です」
「やっぱり。 多分だけど、俺と周が軽く引っ張っただけで布団破けんじゃね?」
「あははっ、多分ね」
「これだけの身体能力があればそこらの兵士よりは強いだろうな。 だから、周の考えも間違がってない。 ・・・・・・だけどさ、もし俺らのうち誰かが死んだら周は耐えられるのか?」
「・・・・・・」
「まぁ分からんわな。 てなわけで、俺にはいい案があるんだよ」
「だんな案なんだい!?」
「くっくっく。 聞いて驚け! 周、お前がチーターになればいいんだ! そんでもって、魔王を瞬殺して帰ってくればいい!」
「そ、それだぁ!」
「・・・・・・」
「てなわけで周よ。 お前は誰も傷つかなくて戦わなくてもいいように強くなるんだ!」
「わかった! それじゃあ行ってくる!」
周はそう言って部屋から出て行った。 そして、冷めた目で俺を見るマリヤ。
「じゃ、おやすみ」
「おやすみじゃありません! なんてことしてくれたんですか! 他の勇者の方々に戦っていただければ・・・・・・」
「被害を減らせたかもしれないのに、か? ダメだよ。 俺は少なくとも見ず知らずの人よりも知人の優先をする。 そこにはもちろんマリヤも入ってるけどな。 あ、それと敬語」
「そ、そんなこと言っても無駄よ!」
「無駄も何も、俺は俺のために行動したんだ。 隼人が誰か庇って怪我でもしたらどうする。 1回勇者が殺られてんだ。 考えないとダメだろう。 それに、はっきり言って俺達は邪魔じゃないのか?」
「ど、どうしてそう思うの?」
「だって、元々召喚の目的はあいつ一人だろう。 聞いたぞ。 あいつの足元を中心に光ったって。 俺達は巻き込まれただけかもしれないっていか、ぶっちゃけそうだろう」
「確かにそうだけど・・・・・・。 でも、あなたの力も借りたいの。 だって、今度こそ魔族達を倒せるかもしれないから」
「魔族達を倒してどうなんだよ? やめといた方がいい。 魔物を生み出してることなんてどうせ嘘だろう。 ちょっと見た目が変化しただけの知的生命体だろうに」
「そうだとしても! 魔族達を倒せば被害は減るわ!」
「あははははっ、それこそ勘違いだろうに。 俺達の世界の話は聞いてないのか? 異世界召喚って初めてじゃないんだろ?」
「記録に残っているだけで・・・・・・。 ハヤト様たちの世界はどうなっているの?」
「平和なのかなぁ? 少なくとも俺は殺し合いなんて見たことないな。 紛争の起きてる国なんかもあるけど、平和だよ。 ただ、それまではずっと戦争状態だった。 人間同士のな」
「・・・・・・」
「あれ? 人間同士での争いは珍しくないの?」
「国同士の戦争はよくあるもの。 魔王がいるから今はなんともないけど、死んだら領土の奪い合い」
「やっぱりそうなんじゃん。 魔族が滅んだら次は他の種族か? そのあとは人間同士か? それで、次は隠れ家に潜んでいた魔族や他の種族が出張ってくるか? なぁ、戦争の終わる見込みなんてないんじゃないか? もしも魔王が話の通じるやつなら同盟を結ぶのも良いかもな」
「無理よ。 反乱が起きるわ」
「そこで周だ。 あの心優しいイケメンくんは俺の言葉を聞いたら実行してくれるかもな? まぁそれで魔王に殺されたらおしまいだけど」
「絶対やめて! そんなことしたら」
「冗談だよ。 あ、でもいいこと思いついた」
「何?」
「俺が勇者のふりして魔王と和解する。 そうすれば、全て終わりかもな」
俺はそう言って笑った。 すると、何故かマリヤは悲しそうな顔で俺を見ている。
「上には私が言っておくから、あなたは今日は寝てて。 ・・・・・・あなたの今の顔はまるで奴隷にそっくりね」
マリヤはそう言って部屋を出て行った。
「奴隷にそっくりねぇ。 元気になってると思ったんだが、空元気か? 今の自分の感情もよくわかんねぇ。 ただ、このまま消えてなくなってしまえばどれだけ楽だろうか?」
俺はそう言って眠りについた。
メイドさんが秘書のように今日の予定を教えてくれた。 なんだか社会人になった気分だ。
「剣術とか、魔法覚えたりとか俺必要あるの? あいつらにやらせとけばいいんじゃないの? 」
「いえ、ハヤト様とシュウ様は絶対にと命じられていますので」
「命令に逆らったらどうなるの?」
「私共の首が飛ばされます」
「またまたー、嘘でしょ?」
「本当でございます」
「あーあ、俺になんかあんの? それと、そんな硬っ苦しい喋り方じゃなくていいよ。 どうせ年上でしょ?」
「ハヤト様は魔力をかなりお持ちのようです。 それと女性に年齢の話をするのはどうかと」
「見るからに分かるからいいじゃん。 てか、魔力なんか持ってる気しないけど」
「それはきっと指輪のせいでございます。 魔力を抑え込まれておりますので」
「お、じゃあ指輪外してみようか」
「お、おやめ下さい!」
メイドはそう言って俺の腕を押さえつけてきた。
魔力が出ると何かあるのだろうか? 確かに大きな魔力を持ってて、それで魔法を使ったら大惨事だろう。 よし、気をつけよう。
「あー、メイドが襲ってくるー、誰かふがふが」
「おやめ下さい!」
メイドに手で口を塞がれた。 俺は開放された片方の手でメイドの手を叩く。 すると、口から手が離れた。
「何をそんなに焦ってるんだよ。 そんなに大きな声はだしてないだろう? それともチクってやろうか」
すると、メイドの顔色がさらに悪くなった。
「だが、言うことを聞いてくれるならチクらないでやろう」
メイドさんは自分の体を腕で抱いて後ろに数歩下がった。 俺はそのメイドさんを笑顔で見る。
「わ、わかりました」
メイドさんは覚悟を決めたようにキュッと目を瞑る。
「そうか、じゃあ敬語をやめてくれ。 歳上に敬語で話されるのはなんだかなぁ。 それと気軽に接してくれ。 命令だから聞かないと別のお願いするぞ?」
「わ、わかったわ。 ・・・・・・変な命令されると思ったのに」
「じゃあ、ついでにそっちの方も」
「じょ、冗談よ。 でも、元気になってよかったわ」
「あー、昨日は色々あったんだよ。 いつまでもグズグズしていたらダメだからな。 あ、そういえば名前なんて言うんだ?」
「マリヤ=メルカ」
「へー、で、マリヤ? メルカ? どっちで呼べばいい?」
「どちらでもいいけど、出来ればマリヤ」
「おーけーマリヤ・・・さん? 歳上だけど、マリヤでいいか」
「その方がいいわ」
「じゃ、もう寝るわ。 ・・・・・・俺に戦いは向いてないからな」
俺はそう言って布団の中に潜ろうとする。 すると、マリヤが布団を剥ぎ取ろうとしてくる。
「ちょっとカッコよく言って寝ようとしないで! 私が怒られるの!」
「やめろ! 俺はそんな大変なことしたくない! 頑張って鍛えた上に一瞬で死んだりとか、見込みなくて鍛えて時間の損だなんて言われたくない!」
「急にネガティブにならないで!・・・・・・きゃっ!」
マリヤが強く引っ張ってくるため、俺も少しだけ力を入れると、マリヤが倒れ込んできた。 顔はかなりの至近距離まで来ており、綺麗な顔が目の前に晒される。 強く引っ張っていたためか、息づかいは荒く、少し乱れた姿からは色気があった。
「なぁ、異世界ってのはこんな美人ばっかなのか? それなら俺は急いで城から出ないと行けなくなるんだが」
「し、知らない! ちょ、ちょっと少しづつ近づくのやめて!」
マリヤと騒いでいると、扉がガチャりと開いて誰かが入ってきた。
俺はそちらを見ると、どうやら入ってきたのは爽やかイケメンの周のようだ。 周はこちらを見てから気まづそうに目をさ迷わせている。
「よう! 俺、今日はメイドさんといいことするから行けないって言っといて・・・」
「周様! どうかこの方を一緒に連れて行ってくださいませんか?」
「えっ、えーっと」
「そ、そんな! 俺にやれって言ったのに!」
「そ、そうなのかい!?」
「言ってません!」
「えー、でもほら、周さんや。 この状態を見てみ? メイドさんからベッドの上に来てるよ?」
「ほ、本当だ!」
「本当じゃありません!」
「はぁ、恥ずかしいのか・・・・・・それで周。 お前これからどうすんの? 魔王倒すの?」
「うん! みんなで挑めばきっと・・・・・・」
「じゃあさ、負けた場合は? 勇者が勝てる確証はあるのか? ・・・・・・この世界の勇者だって殺されたんだぜ? それにさ、もしかしたら前に負けて死んだ勇者って召喚された勇者かもな? この世界に召喚された勇者はこの世界の勇者ってことになってるのかもしれないし」
「そんな!」
「それは違います!」
「可能性の話だ。 それと、みんなでって、あの三人もだよな? よく考えろよ。 ・・・・・・勇者が特別なら、他は特別じゃない可能性もある。 お前が魔王と戦いながらも三人を守れるなら連れていけばいいし、無理ならやめとけ。 まぁ、とは言ってもあの二人はついて行くかもだけどな」
「ぼ、僕はどうしたら」
「ばーか。 魔王が攻めてきてないならまだ猶予はあるだろう。 時間ならまだある。 急ぐ必要はない。 今出来ることは強くなること。 ・・・・・・それに逃げてもいいんじゃねぇの?」
「どうゆうこと?」
「もしお前が逃げてもそう簡単にはほろびねぇだろ。 それに、相手もお前がどこにいるか分からないから攻めづらいかもしれない。 お前が生きている内は安全かもしれないぜ?」
「そ、それじゃあこの世界の人達が・・・・・・」
「そこまで弱いのか? それとお前は一人でどれだけ出来るんだろうな?」
「・・・・・・」
「ハヤト!」
「まぁ、俺も偉そうに言っているが、周の考えもあっているかもしれない。 だってさ、俺の身体能力めちゃくちゃ高くなってるみたいだし」
「確かに。 それは僕達四人とも同じだよ」
「まぁ、それはあとで調べるとして。 なぁ、マリヤ。 お前さっき布団どれくらいの力で引っ張った?」
「布団・・・ですか?」
「そうだ。 俺から剥ぎ取ろうとしただろう。 どれくらいの力で引っ張った?」
「えーっと、その・・・・・・本気で、です」
「やっぱり。 多分だけど、俺と周が軽く引っ張っただけで布団破けんじゃね?」
「あははっ、多分ね」
「これだけの身体能力があればそこらの兵士よりは強いだろうな。 だから、周の考えも間違がってない。 ・・・・・・だけどさ、もし俺らのうち誰かが死んだら周は耐えられるのか?」
「・・・・・・」
「まぁ分からんわな。 てなわけで、俺にはいい案があるんだよ」
「だんな案なんだい!?」
「くっくっく。 聞いて驚け! 周、お前がチーターになればいいんだ! そんでもって、魔王を瞬殺して帰ってくればいい!」
「そ、それだぁ!」
「・・・・・・」
「てなわけで周よ。 お前は誰も傷つかなくて戦わなくてもいいように強くなるんだ!」
「わかった! それじゃあ行ってくる!」
周はそう言って部屋から出て行った。 そして、冷めた目で俺を見るマリヤ。
「じゃ、おやすみ」
「おやすみじゃありません! なんてことしてくれたんですか! 他の勇者の方々に戦っていただければ・・・・・・」
「被害を減らせたかもしれないのに、か? ダメだよ。 俺は少なくとも見ず知らずの人よりも知人の優先をする。 そこにはもちろんマリヤも入ってるけどな。 あ、それと敬語」
「そ、そんなこと言っても無駄よ!」
「無駄も何も、俺は俺のために行動したんだ。 隼人が誰か庇って怪我でもしたらどうする。 1回勇者が殺られてんだ。 考えないとダメだろう。 それに、はっきり言って俺達は邪魔じゃないのか?」
「ど、どうしてそう思うの?」
「だって、元々召喚の目的はあいつ一人だろう。 聞いたぞ。 あいつの足元を中心に光ったって。 俺達は巻き込まれただけかもしれないっていか、ぶっちゃけそうだろう」
「確かにそうだけど・・・・・・。 でも、あなたの力も借りたいの。 だって、今度こそ魔族達を倒せるかもしれないから」
「魔族達を倒してどうなんだよ? やめといた方がいい。 魔物を生み出してることなんてどうせ嘘だろう。 ちょっと見た目が変化しただけの知的生命体だろうに」
「そうだとしても! 魔族達を倒せば被害は減るわ!」
「あははははっ、それこそ勘違いだろうに。 俺達の世界の話は聞いてないのか? 異世界召喚って初めてじゃないんだろ?」
「記録に残っているだけで・・・・・・。 ハヤト様たちの世界はどうなっているの?」
「平和なのかなぁ? 少なくとも俺は殺し合いなんて見たことないな。 紛争の起きてる国なんかもあるけど、平和だよ。 ただ、それまではずっと戦争状態だった。 人間同士のな」
「・・・・・・」
「あれ? 人間同士での争いは珍しくないの?」
「国同士の戦争はよくあるもの。 魔王がいるから今はなんともないけど、死んだら領土の奪い合い」
「やっぱりそうなんじゃん。 魔族が滅んだら次は他の種族か? そのあとは人間同士か? それで、次は隠れ家に潜んでいた魔族や他の種族が出張ってくるか? なぁ、戦争の終わる見込みなんてないんじゃないか? もしも魔王が話の通じるやつなら同盟を結ぶのも良いかもな」
「無理よ。 反乱が起きるわ」
「そこで周だ。 あの心優しいイケメンくんは俺の言葉を聞いたら実行してくれるかもな? まぁそれで魔王に殺されたらおしまいだけど」
「絶対やめて! そんなことしたら」
「冗談だよ。 あ、でもいいこと思いついた」
「何?」
「俺が勇者のふりして魔王と和解する。 そうすれば、全て終わりかもな」
俺はそう言って笑った。 すると、何故かマリヤは悲しそうな顔で俺を見ている。
「上には私が言っておくから、あなたは今日は寝てて。 ・・・・・・あなたの今の顔はまるで奴隷にそっくりね」
マリヤはそう言って部屋を出て行った。
「奴隷にそっくりねぇ。 元気になってると思ったんだが、空元気か? 今の自分の感情もよくわかんねぇ。 ただ、このまま消えてなくなってしまえばどれだけ楽だろうか?」
俺はそう言って眠りについた。
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