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前略、夢と過去と
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「はて?」
ここはどこだろうか、いや待って、大丈夫。
学園だ、元の世界の、あたしの通っていた。
「帰ってきた……わけじゃないよね」
これは夢だろう、自分で夢とわかる夢を、明晰夢というだったか。
その証拠に、誰もあたしを気に留めない、というかすり抜ける。
「あぁ、なるほどね」
ここは夢、しかも過去の。
まぁ、夢だから確証はないけど、あたしが着ている制服が中等部のものなのでそう思う事にした。
あたしの通っていた学園は、中高一貫校、しかもとても大きな校舎に全ての生徒がいる、なかなかに楽しい学園だった。
「ヤバいな、あたし」
あたしのいる教室、目の間にいる男子生徒。
記憶よりも少し幼い、友達の名前が思い出せない、いや…分からない?
「ちょっと薄情すぎやしない?」
あたしはこんなに、冷たい人間だっただろうか。
たしかに記憶力はあまり良くないが、友達の名前を忘れるのはちょっとヤバい。
……夢だから記憶がぼやけていると、言い訳をしておこう。
「ごめんね」
その申し訳なさから逃げるように、あたしは久しぶりの校舎を、少し歩いてみる事にした。
日付を見る、夢のくせにやけに具体的な、今から3年前の日付。
別にこの日付に意味はない、なんてことはない日常だ。
ただ、この日のあたしはまだ今のあたしじゃない、変わるのはここから2ヶ月ほど先の話だ。
「部活に顔をだそうかな……」
他意はない……ちょっとしか。
夢の中なのに、場面転換などの気が利かない事に少し腹を立てながら、とりあえず部室を目指すことにした。
「相変わらず、遠いなぁ……」
学園が広いなら目的地も遠い、当たり前だ。
それにしても……
「あたしの学園生活は、こんなにも女っ気のないものだっただろうか?」
0ではない、だが声をかけるほどの友達に男子が多いのだ。
かつてはあたしも1人の女の子として、暇さえあれば、恋バナに花を咲かせてはずなのに。
……いや、バカ共と『彼女にしたい女子ランキング』を作った記憶しかない。
友達の名前も思い出せないのに、そんな事ばかり覚えてる、忘れたというより抜け落ちてる。
つまり……
「あのエセ天使め……!」
思い当たる、あれしかない。
あたしがネオスティアにくるまでに、3度強い衝撃があった。
1度目は流れ星。
2度目はハンマー。
3度目は落下。
その全てがエセ天使の仕業だった。
つまりだ、あたしはネオスティアにきてから、衝撃的な事が多く、記憶が薄れてるんじゃない。
物理的な衝撃で、記憶が抜け落ちてるのだ。
「今度会ったら、ただじゃ置かない」
心の中で報復を誓い、部室への足を速めた。
「んん?」
懐かしい部室を軽く見終わりグラウンドへ、陸上部の仲間たちを見に来た。
見に来たのだが……こんな部員は陸上部にいただろうか?
「誰だコイツ?」
あたしに似てる?いや、あたしはそこまで特徴がない、そしてこの男子生徒にも。
つまり、よくいる顔だ、顔は。
「陰気な顔だなぁ」
陰気と言うかなんというか、とにかく明るさとは真逆の表情、その追い込まれたような顔が、暗さに拍車をかけている。
「部活は楽しくやるものだ」
謎の部員は1人で走ってる、必死に、グラウンドの隅で、ちょうどこの頃のあたしのように。
「まぁ、気持ちはわかるけどさ」
1人は楽だ、今でもそう思うあたしがいる。
でもさ。
「1人はつまらない」
そう呟いた時、謎の部員は転けた、追い込みすぎ、そりゃあ足だってもつれる。
間抜けな部員を見ていると……
あぁ……そうだよね。
ここはあたしの過去の夢、それならいない方がおかしい。
綺麗な長い髪。身体は小さくとも、その自信に満ち溢れた瞳は頼もしさを感じさせる。
1人だけ高等部の制服姿で、女生徒は倒れた謎の部員に駆け寄る。
手を差し出す、倒れた部員に。
そいつはあろうことかその手を振り払った、そんなところまであたしの真似をしないでほしい。
その手は振り払ってはいけない、なぜなら、自分がその後に申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
それでも女生徒は、謎の部員に何かを話している。
そして、太陽の方角、あたしを指差して、何かを自信ありげに言っている。
「明日は前にしかない」
あたしの記憶通りなら、初めてこの言葉を聞いたのはこんな場面だった。
正直、今でもちょっとだけ恥ずかしいし、ありふれた言葉だ。だけど……
「いい言葉だ」
あたしを……太陽を指差す、必然的に目が合うわけで。
言葉がでない、過去の、夢の映像だとしても、その楽しげで、夢のある表情を見ていると、自然に言葉がこぼれてた。
「先輩、あたし、同い年になっちゃいましたよ」
女生徒……先輩は笑った、あたしにではなく、謎の部員に向けて。
それでもなんだか嬉しくて、伝わらないけど伝えたい事が溢れてきて。
それを伝える為に駆寄ろうとした時、あたしの夢は終わった。
ここはどこだろうか、いや待って、大丈夫。
学園だ、元の世界の、あたしの通っていた。
「帰ってきた……わけじゃないよね」
これは夢だろう、自分で夢とわかる夢を、明晰夢というだったか。
その証拠に、誰もあたしを気に留めない、というかすり抜ける。
「あぁ、なるほどね」
ここは夢、しかも過去の。
まぁ、夢だから確証はないけど、あたしが着ている制服が中等部のものなのでそう思う事にした。
あたしの通っていた学園は、中高一貫校、しかもとても大きな校舎に全ての生徒がいる、なかなかに楽しい学園だった。
「ヤバいな、あたし」
あたしのいる教室、目の間にいる男子生徒。
記憶よりも少し幼い、友達の名前が思い出せない、いや…分からない?
「ちょっと薄情すぎやしない?」
あたしはこんなに、冷たい人間だっただろうか。
たしかに記憶力はあまり良くないが、友達の名前を忘れるのはちょっとヤバい。
……夢だから記憶がぼやけていると、言い訳をしておこう。
「ごめんね」
その申し訳なさから逃げるように、あたしは久しぶりの校舎を、少し歩いてみる事にした。
日付を見る、夢のくせにやけに具体的な、今から3年前の日付。
別にこの日付に意味はない、なんてことはない日常だ。
ただ、この日のあたしはまだ今のあたしじゃない、変わるのはここから2ヶ月ほど先の話だ。
「部活に顔をだそうかな……」
他意はない……ちょっとしか。
夢の中なのに、場面転換などの気が利かない事に少し腹を立てながら、とりあえず部室を目指すことにした。
「相変わらず、遠いなぁ……」
学園が広いなら目的地も遠い、当たり前だ。
それにしても……
「あたしの学園生活は、こんなにも女っ気のないものだっただろうか?」
0ではない、だが声をかけるほどの友達に男子が多いのだ。
かつてはあたしも1人の女の子として、暇さえあれば、恋バナに花を咲かせてはずなのに。
……いや、バカ共と『彼女にしたい女子ランキング』を作った記憶しかない。
友達の名前も思い出せないのに、そんな事ばかり覚えてる、忘れたというより抜け落ちてる。
つまり……
「あのエセ天使め……!」
思い当たる、あれしかない。
あたしがネオスティアにくるまでに、3度強い衝撃があった。
1度目は流れ星。
2度目はハンマー。
3度目は落下。
その全てがエセ天使の仕業だった。
つまりだ、あたしはネオスティアにきてから、衝撃的な事が多く、記憶が薄れてるんじゃない。
物理的な衝撃で、記憶が抜け落ちてるのだ。
「今度会ったら、ただじゃ置かない」
心の中で報復を誓い、部室への足を速めた。
「んん?」
懐かしい部室を軽く見終わりグラウンドへ、陸上部の仲間たちを見に来た。
見に来たのだが……こんな部員は陸上部にいただろうか?
「誰だコイツ?」
あたしに似てる?いや、あたしはそこまで特徴がない、そしてこの男子生徒にも。
つまり、よくいる顔だ、顔は。
「陰気な顔だなぁ」
陰気と言うかなんというか、とにかく明るさとは真逆の表情、その追い込まれたような顔が、暗さに拍車をかけている。
「部活は楽しくやるものだ」
謎の部員は1人で走ってる、必死に、グラウンドの隅で、ちょうどこの頃のあたしのように。
「まぁ、気持ちはわかるけどさ」
1人は楽だ、今でもそう思うあたしがいる。
でもさ。
「1人はつまらない」
そう呟いた時、謎の部員は転けた、追い込みすぎ、そりゃあ足だってもつれる。
間抜けな部員を見ていると……
あぁ……そうだよね。
ここはあたしの過去の夢、それならいない方がおかしい。
綺麗な長い髪。身体は小さくとも、その自信に満ち溢れた瞳は頼もしさを感じさせる。
1人だけ高等部の制服姿で、女生徒は倒れた謎の部員に駆け寄る。
手を差し出す、倒れた部員に。
そいつはあろうことかその手を振り払った、そんなところまであたしの真似をしないでほしい。
その手は振り払ってはいけない、なぜなら、自分がその後に申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
それでも女生徒は、謎の部員に何かを話している。
そして、太陽の方角、あたしを指差して、何かを自信ありげに言っている。
「明日は前にしかない」
あたしの記憶通りなら、初めてこの言葉を聞いたのはこんな場面だった。
正直、今でもちょっとだけ恥ずかしいし、ありふれた言葉だ。だけど……
「いい言葉だ」
あたしを……太陽を指差す、必然的に目が合うわけで。
言葉がでない、過去の、夢の映像だとしても、その楽しげで、夢のある表情を見ていると、自然に言葉がこぼれてた。
「先輩、あたし、同い年になっちゃいましたよ」
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それでもなんだか嬉しくて、伝わらないけど伝えたい事が溢れてきて。
それを伝える為に駆寄ろうとした時、あたしの夢は終わった。
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