これがあたしの王道ファンタジー!〜愛と勇気と装備変更〜

プリティナスコ

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前略、若干と途中と出発と

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 懐かしい夢を見ていた。
 あたしは基本的に夢を見ない、見ても内容なんてまるで覚えてない。

「たまには良いものだね」

 そんなあたしが夢を見た、懐かしい気持ちにさせてもらった。

「ところで、リリアンは何をしてるの?」

 もはやおなじみになった、眠っているあたしを見下ろすリリアン。
 あたしは今も寝そべったままだ、いつも何を見てるんだろうか。

 ……なんだか嫌な予感がする、よく当たる感じの、聞いてみるか。

「ねぇ、もしかしてリリアンって、夢とか覗ける……?」

「……若干でしたら」

「若干!?」

 飛び起きる、嘘だと言ってほしい、マズいところまで見られたのか聞いてみよう。

「ちょっと待って!?若干てどうゆうこと!?」

「少々、多くはないが、と言う意味です」

「そうゆう意味を聞いてるんじゃないよ!!!」

 いや、あたしの言い方も悪かった、あたしはどれくらい見たのかが聞きたかったんだ。
 ……だとしても、ちょっとバカにされてるような?

「夢を覗けるのは本当ですけど、あなたの夢は覗きにくかったです」

「えぇ……覗かないでほしいんだけど……」

 やっぱり謎の多いメイドだ、見えるはずのないものを気合で見たり、夢を覗いたり。

「……ごめんなさい」

 おや珍しい、リリアンから素直に謝るなんて、あたしとしては、過去を見られたくないだけだからそこまでする必要は……

「その……友人がいないんですね、今日の夢は教室で皆さんから無視されて……」

「違うよ!?いや、あってるけど!違うよ!」

 誤解だ、あれは夢だから周りがあたしを見てないだけで、本当は友達いっぱい!
 リリアンの誤解を解きながら、2人で地上へ向かった、久しぶりにカゴを背負って、もちろんお別れの為に。

 途中、最初に出会った3人組に謝りに行く、ちょっと殺されかけたけどなんとかなった。 

 途中、道具屋さんにお金を払いに行く、不意打ちしたせいですごい目で見られた。
 
 そして、しばらくあたしにお金は渡さない、とリリアンに叱られた。

 途中、学校を見た、壁を登った話をしてリリアンに、スキルポイントを無駄使いしたのを思い出させてしまった。

 途中、『漢の鍛冶工房』へ寄った、中では2人のバンチョーが話し込んでいた、またも壊してしまった武器を受け取って、お礼を伝えて外にでた。

 途中、途中、途中、途中、出発するだけなのに、随分と寄り道できるくらいに、この街を知った。

 もう、お別れは昨日の内にすませた。
 ギン、ラヴさん、アニキさんとは、昨日のプリン騒動の前にさよならを言っておいた。
 別れを惜しんで、再会を願って。

「セツナ……いや、アネキ……姉御か?」

 そんなセリフを思い出す、仁義だ何だの言ってたがギンはそんなキャラじゃない、もっとテキトーな不良だ。
 
「そして友達だ」

 今のあたしが言う、うん、それでいい。

「さぁ行こうか!次こそ港町?」

 ふむ……、リリアンは少し考え込んで。

「少し寄り道をしましょうか、魔法学園『アロロア』に行きましょう」

 おや珍しい、リリアンから寄り道の提案なんて、『アロロア』?聞いたことのない場所だ。

「行けば分かります、さぁ、出発です」

 りょーかい、惜しむように振り返り、そして街の外へ歩きだす。
 
 死闘が行われた、学校の屋上。
 そこにある3つの人影に、あたしは気が付かないフリをしてリリアンの背中を追った。
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