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前略、剣と選択肢と
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「新しい武器がほしい!」
『テンカ』を出発して、リリアンからの珍しい提案により、『アロロア』なる場所へ向かうあたしたち。
その道中にあたしは叫んだ、唐突に。
「静かにしてください」
冷たく言い放たれる声。
声の主は、もはやあたしの相方と言えるだろう。
あたしよりも全体的に小さめの体躯、黒い髪、黒い瞳、静かで、一見冷たさを与える雰囲気。
そこまでなら、どこにでもいる印象を感じるが、ここからが問題だ。
メイド服、かわいい、似合ってる、問題はそれが日常になっている事だろう。
そして、両手、両足の枷。
それを繋ぐ鎖、そして、小さく目立たないが、首輪が巻かれている。
今でこそ慣れたが、最初は足の鎖を引きずる音が怖かった。……今も怖い。
「それで?どうしたって言うんですか」
冷たく言い放たれた言葉、それでもその後に、改めて聞き直してくれる、そんな優しさを持っているのがリリアンだった。
その優しさに甘えて、あたしはいきなり叫びだした理由を話した。
「そのさ、どっちの意味でもいいんだよ、新しい種類の武器って意味でも、自分だけの武器でも」
あたしはこの世界の人間ではない、元の世界から、エセ天使の勘違いにより消され、異世界、ネオスティアに転生した。
そのあたしに与えられたスキルは【ウエポンチェンジ】、実際には与えられたわけではないけど。
とにかく、このノーモーションで武器を入れ替えられるのが、あたしのメインウエポンだ。
「あたしの剣……市販品だし……」
信じられるだろうか、ここまで結構な旅をしてきた、いろんな人とぶつかった、いろんな経験も戦いもあった。
それでもなお、あたしの剣は全て店で買うことができる、しかもそんなに高くない。
もしかしたら、刃がついてない分さらに安いかも。
「前はすぐに昇格したのにさ」
そう、最初に行った村で、事件を解決した時に、あたしの武器は1段階上のものになった。
所持していた4種類の剣全てが、大盤振る舞いだ。
……まぁ、1番安い市販品が、ちょっと高い市販品に変わっただけなんだけどさ。
「昇格、もう随分と聞いてませんね」
おや?リリアンの黒い大剣は、昇格によって手に入れたものではないのだろうか?
「リリアンの剣は昇格じゃないの?買ったの?」
もし、あんな剣が買えるなら夢のある話だ、あたしも欲しい。
……装備できるかは分からないけど。
「買えるはずがないでしょう、鍛冶師に作らせました」
残念、でもそうか、鍛冶師なら武器を作ることもできるよね、直してもらってばっかりで忘れてた。
その場合、ランクはどうなるのだろうか?
最近、話に出てこないので忘れがちだが、装備にはランクがある、自分の習得しているスキル以上の武器は使いこなせないのだ。
まぁ、そのあたりは今度聞こうか。
「剣はいいですよ」
急にリリアンはそんな事を言い出した、珍しいな、リリアンが自分の好みを語るなんて。
「下手にいろんな武器に手を出すより、基礎です」
なるほどね、いくらか経験を積んでも、あたしはまだまだ弱い。
いつかの為に、今は基礎を身につけろって事だろう、世界を救うわけじゃないとしても。
「そうだね、よし、頑張ろう!」
気持ち新たに、身体を伸ばす、晴れ晴れした気分だ。
「それに……」
ふむ……、と唸るリリアン。
なんだろう、最近のリリアンはこんなふうに言い淀む、言葉を選んでいるように。
「私の剣の振るい方、教えましょうか」
なんだか決意したように、リリアンはそう言った。
言葉を選んだ割には、疑問符のない、教える事を確定した話し方だけど。
ふむ、あたしは勘がいい、リリアンの表情は本当は自分の奥義を教えたくはない、そんな感じだろう。
なら、断るのが礼儀だろう、リリアンを傷つけないように、先約があるのでって感じで。
「ありがと、でも大剣の振るい方なら、孤高なる暗黒騎士から教わる予定だからさ」
無理しないでよ、そんな感じで伝える。
もちろん嘘じゃないし、プリンの時は失敗したけど、今回は完璧だ。
ピタッ、とリリアンは立ち止まる、そして顔をあげる。
……なんか怒ってる?
「遠慮する事はありません」
ニコッ、不自然なくらいにいい笑顔で、リリアンはどこからか、先程の話に出てきた大剣を取り出す。
1度はあたしの命を奪った黒い大剣を。
「いや、あの……ちょっと……」
待って!待って!待って!
あたし選択肢間違えた!?誰も傷つかないような、そんな答えを選んだのに!?
「学びなさい、その命で、再び」
「なんでぇぇぇぇえええ!!!!!」
そんな絶叫と共に、あたしは今日もネオスティアを走る、今は命の為に。
『テンカ』を出発して、リリアンからの珍しい提案により、『アロロア』なる場所へ向かうあたしたち。
その道中にあたしは叫んだ、唐突に。
「静かにしてください」
冷たく言い放たれる声。
声の主は、もはやあたしの相方と言えるだろう。
あたしよりも全体的に小さめの体躯、黒い髪、黒い瞳、静かで、一見冷たさを与える雰囲気。
そこまでなら、どこにでもいる印象を感じるが、ここからが問題だ。
メイド服、かわいい、似合ってる、問題はそれが日常になっている事だろう。
そして、両手、両足の枷。
それを繋ぐ鎖、そして、小さく目立たないが、首輪が巻かれている。
今でこそ慣れたが、最初は足の鎖を引きずる音が怖かった。……今も怖い。
「それで?どうしたって言うんですか」
冷たく言い放たれた言葉、それでもその後に、改めて聞き直してくれる、そんな優しさを持っているのがリリアンだった。
その優しさに甘えて、あたしはいきなり叫びだした理由を話した。
「そのさ、どっちの意味でもいいんだよ、新しい種類の武器って意味でも、自分だけの武器でも」
あたしはこの世界の人間ではない、元の世界から、エセ天使の勘違いにより消され、異世界、ネオスティアに転生した。
そのあたしに与えられたスキルは【ウエポンチェンジ】、実際には与えられたわけではないけど。
とにかく、このノーモーションで武器を入れ替えられるのが、あたしのメインウエポンだ。
「あたしの剣……市販品だし……」
信じられるだろうか、ここまで結構な旅をしてきた、いろんな人とぶつかった、いろんな経験も戦いもあった。
それでもなお、あたしの剣は全て店で買うことができる、しかもそんなに高くない。
もしかしたら、刃がついてない分さらに安いかも。
「前はすぐに昇格したのにさ」
そう、最初に行った村で、事件を解決した時に、あたしの武器は1段階上のものになった。
所持していた4種類の剣全てが、大盤振る舞いだ。
……まぁ、1番安い市販品が、ちょっと高い市販品に変わっただけなんだけどさ。
「昇格、もう随分と聞いてませんね」
おや?リリアンの黒い大剣は、昇格によって手に入れたものではないのだろうか?
「リリアンの剣は昇格じゃないの?買ったの?」
もし、あんな剣が買えるなら夢のある話だ、あたしも欲しい。
……装備できるかは分からないけど。
「買えるはずがないでしょう、鍛冶師に作らせました」
残念、でもそうか、鍛冶師なら武器を作ることもできるよね、直してもらってばっかりで忘れてた。
その場合、ランクはどうなるのだろうか?
最近、話に出てこないので忘れがちだが、装備にはランクがある、自分の習得しているスキル以上の武器は使いこなせないのだ。
まぁ、そのあたりは今度聞こうか。
「剣はいいですよ」
急にリリアンはそんな事を言い出した、珍しいな、リリアンが自分の好みを語るなんて。
「下手にいろんな武器に手を出すより、基礎です」
なるほどね、いくらか経験を積んでも、あたしはまだまだ弱い。
いつかの為に、今は基礎を身につけろって事だろう、世界を救うわけじゃないとしても。
「そうだね、よし、頑張ろう!」
気持ち新たに、身体を伸ばす、晴れ晴れした気分だ。
「それに……」
ふむ……、と唸るリリアン。
なんだろう、最近のリリアンはこんなふうに言い淀む、言葉を選んでいるように。
「私の剣の振るい方、教えましょうか」
なんだか決意したように、リリアンはそう言った。
言葉を選んだ割には、疑問符のない、教える事を確定した話し方だけど。
ふむ、あたしは勘がいい、リリアンの表情は本当は自分の奥義を教えたくはない、そんな感じだろう。
なら、断るのが礼儀だろう、リリアンを傷つけないように、先約があるのでって感じで。
「ありがと、でも大剣の振るい方なら、孤高なる暗黒騎士から教わる予定だからさ」
無理しないでよ、そんな感じで伝える。
もちろん嘘じゃないし、プリンの時は失敗したけど、今回は完璧だ。
ピタッ、とリリアンは立ち止まる、そして顔をあげる。
……なんか怒ってる?
「遠慮する事はありません」
ニコッ、不自然なくらいにいい笑顔で、リリアンはどこからか、先程の話に出てきた大剣を取り出す。
1度はあたしの命を奪った黒い大剣を。
「いや、あの……ちょっと……」
待って!待って!待って!
あたし選択肢間違えた!?誰も傷つかないような、そんな答えを選んだのに!?
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