攻撃力999、近接無双の回復術師 ~お前みたいな劣等遺伝子は絶対に孕みたくないと、恋人に奈落に突き落とされて10年が経過した~ ~

白石新

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キビリス村攻防戦 ~オーク200体相手に無双する~ その10

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 ――これで後方の憂いなく戦える


「あちらはお任せします」

「元々な、俺はアタッカーの剣士じゃなく、タンク職の戦士だったんだよ」

「タンク?」

「Cランクってのは剣士としてで、タンクとしては実はBランク下位でな……」

「……それで?」

「予想外の強敵に出くわしたことがあってな、敵を食い止めている最中に、味方は逃げ出しちまって……まあ、捨てられたんだ……。で、九死に一生を得たんだが、それ以降、俺は剣士になった。Cにランク落ちて収入も減ったが……もうあんな思いをするのは嫌だったからな」

 俺と……似たようなものか。
 確かにタンク職は一番の危険も伴う。
 そして、信頼している仲間であっても、簡単に見捨てられたりするもんだ。

「だから、強敵に一人で立ち向かうお前の怖さは良くわかる。向こうを片付けたら、必ず救援に来るからな」

「ええ、お願いします」

 俺がそう言うと、ホフマンさんは俺の背中を平手でバンと叩いた。

「全部終わったら一緒に酒を飲もう。俺のおごりだっ!」

「ええ、遠慮なくごちそうになりますよ」

 そうしてホフマンさんは、いつものように「ガハハ」と笑って、そのまま教会の壁に張り付いているオークに向けて切り込んでいったのだった。







 で、まあ、ホフマンさんの気持ちは、正直な話……凄いありがたい。

 悪い人ではないと思っていたが、どうやら馬鹿がつくほどのお人良しな感じらしい。

 普通はそういう経験をすると、人間不信になるもんだが……。

 と、そこでオークキングが俺に向けて馬鹿デカい棍棒を振り落としてきた。

 最小限で紙一重の動きで避ける……とまではいかなかったが、軽く横に飛んで攻撃を避ける。

 再度振り落とされる棍棒。

 そして、再度、俺は軽く横に飛んで避ける。

 振り落とされ続ける棍棒、そして――


 ――避ける、避ける、避ける避ける避ける。


 オークキングは純粋な筋力は凄まじいのだろう。
 が、動きが鈍重だ。

 さきほどのオークの軍勢に比べれば、向こうの手数が少ない分……明らかに対処が楽だ。

 そうして、オークキングが棍棒を振り落としてきたところで、斬馬刀での――


 ――上段への切り上げで、迎撃っ!


 そして、スパっという軽い音。

 棍棒と斬馬刀での打ち合いになり、鍔迫り合いになるかと思っていたんだが……勢い余ってオークキングの得物を斬っちまったようだ。


「ウボァ?」

 
 ボトリと、切断された棍棒の落下音。

 一瞬だけ放心状態になったオークキングだったが、その隙は当然見逃さない。

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