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キビリス村攻防戦 ~オーク200体相手に無双する~ その10
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――これで後方の憂いなく戦える
「あちらはお任せします」
「元々な、俺はアタッカーの剣士じゃなく、タンク職の戦士だったんだよ」
「タンク?」
「Cランクってのは剣士としてで、タンクとしては実はBランク下位でな……」
「……それで?」
「予想外の強敵に出くわしたことがあってな、敵を食い止めている最中に、味方は逃げ出しちまって……まあ、捨てられたんだ……。で、九死に一生を得たんだが、それ以降、俺は剣士になった。Cにランク落ちて収入も減ったが……もうあんな思いをするのは嫌だったからな」
俺と……似たようなものか。
確かにタンク職は一番の危険も伴う。
そして、信頼している仲間であっても、簡単に見捨てられたりするもんだ。
「だから、強敵に一人で立ち向かうお前の怖さは良くわかる。向こうを片付けたら、必ず救援に来るからな」
「ええ、お願いします」
俺がそう言うと、ホフマンさんは俺の背中を平手でバンと叩いた。
「全部終わったら一緒に酒を飲もう。俺のおごりだっ!」
「ええ、遠慮なくごちそうになりますよ」
そうしてホフマンさんは、いつものように「ガハハ」と笑って、そのまま教会の壁に張り付いているオークに向けて切り込んでいったのだった。
で、まあ、ホフマンさんの気持ちは、正直な話……凄いありがたい。
悪い人ではないと思っていたが、どうやら馬鹿がつくほどのお人良しな感じらしい。
普通はそういう経験をすると、人間不信になるもんだが……。
と、そこでオークキングが俺に向けて馬鹿デカい棍棒を振り落としてきた。
最小限で紙一重の動きで避ける……とまではいかなかったが、軽く横に飛んで攻撃を避ける。
再度振り落とされる棍棒。
そして、再度、俺は軽く横に飛んで避ける。
振り落とされ続ける棍棒、そして――
――避ける、避ける、避ける避ける避ける。
オークキングは純粋な筋力は凄まじいのだろう。
が、動きが鈍重だ。
さきほどのオークの軍勢に比べれば、向こうの手数が少ない分……明らかに対処が楽だ。
そうして、オークキングが棍棒を振り落としてきたところで、斬馬刀での――
――上段への切り上げで、迎撃っ!
そして、スパっという軽い音。
棍棒と斬馬刀での打ち合いになり、鍔迫り合いになるかと思っていたんだが……勢い余ってオークキングの得物を斬っちまったようだ。
「ウボァ?」
ボトリと、切断された棍棒の落下音。
一瞬だけ放心状態になったオークキングだったが、その隙は当然見逃さない。
「あちらはお任せします」
「元々な、俺はアタッカーの剣士じゃなく、タンク職の戦士だったんだよ」
「タンク?」
「Cランクってのは剣士としてで、タンクとしては実はBランク下位でな……」
「……それで?」
「予想外の強敵に出くわしたことがあってな、敵を食い止めている最中に、味方は逃げ出しちまって……まあ、捨てられたんだ……。で、九死に一生を得たんだが、それ以降、俺は剣士になった。Cにランク落ちて収入も減ったが……もうあんな思いをするのは嫌だったからな」
俺と……似たようなものか。
確かにタンク職は一番の危険も伴う。
そして、信頼している仲間であっても、簡単に見捨てられたりするもんだ。
「だから、強敵に一人で立ち向かうお前の怖さは良くわかる。向こうを片付けたら、必ず救援に来るからな」
「ええ、お願いします」
俺がそう言うと、ホフマンさんは俺の背中を平手でバンと叩いた。
「全部終わったら一緒に酒を飲もう。俺のおごりだっ!」
「ええ、遠慮なくごちそうになりますよ」
そうしてホフマンさんは、いつものように「ガハハ」と笑って、そのまま教会の壁に張り付いているオークに向けて切り込んでいったのだった。
で、まあ、ホフマンさんの気持ちは、正直な話……凄いありがたい。
悪い人ではないと思っていたが、どうやら馬鹿がつくほどのお人良しな感じらしい。
普通はそういう経験をすると、人間不信になるもんだが……。
と、そこでオークキングが俺に向けて馬鹿デカい棍棒を振り落としてきた。
最小限で紙一重の動きで避ける……とまではいかなかったが、軽く横に飛んで攻撃を避ける。
再度振り落とされる棍棒。
そして、再度、俺は軽く横に飛んで避ける。
振り落とされ続ける棍棒、そして――
――避ける、避ける、避ける避ける避ける。
オークキングは純粋な筋力は凄まじいのだろう。
が、動きが鈍重だ。
さきほどのオークの軍勢に比べれば、向こうの手数が少ない分……明らかに対処が楽だ。
そうして、オークキングが棍棒を振り落としてきたところで、斬馬刀での――
――上段への切り上げで、迎撃っ!
そして、スパっという軽い音。
棍棒と斬馬刀での打ち合いになり、鍔迫り合いになるかと思っていたんだが……勢い余ってオークキングの得物を斬っちまったようだ。
「ウボァ?」
ボトリと、切断された棍棒の落下音。
一瞬だけ放心状態になったオークキングだったが、その隙は当然見逃さない。
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