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外伝
リコと島主の魚釣り
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犬人族のリコは、尻尾を左右に揺らしながら、早朝の港を軽快に歩いていた。足取りは弾み、上機嫌そのものだ。
「ふんふんふん」思わず、鼻歌が漏れる。
春の日差しはまだ薄く、肌寒さを感じる朝だが、澄んだ空気が心地よい。彼女の目的は市場への買い出し。港に隣接する市場では、今朝も新鮮な魚介類が並び始めている。
リコの仕事は孤児院のメイド、つまり家政婦であり、孤児たちの食卓を預かる役目を担っている。
その孤児院を運営するヴァレンシア商会は港の取引をほぼ独占しており、特別に安く仕入れられるし、良いものを届けてくれる。
しかし、リコはわざわざ港まで足を運ぶのを楽しみにしている。自分で調理するものを選ぶのは、彼女の日課の一つだった。
市場には漁船から次々と卸された魚や貝が所狭しと並べられている。朝の光を浴びて魚の鱗がきらりと輝き、活気に満ちた声が飛び交う。
「おっ、リコ。今日も元気そうだな!」
「リコちゃん、この時期はイワシが一番だよ! どうだい!」
「いやいや、ムール貝にしときな。身がふっくらしてて、スープに入れたら最高さ!」
リコは市場の人々に可愛がられている。彼女が孤児院の買い出しを任されていることもあり、特別に競売前の品を選べる権利を持っていた。
「でも、買いすぎるとメグミねぇねに怒られちゃうんだよね」
「ははは……」市場の人々は一瞬、気まずそうに顔を見合わせる。
メグミはヴァレンシア商会の新しい商会長だ。その厳しさは前任者の若い頃を思い起こさせると噂されている。
「冗談だよ」とリコは笑ってみせるが、実際にはよく怒られている。それでもリコ自身は慣れているので、あまり気にしていないようだ。
必要な買い物を終えたリコは、再び港を散歩することにした。買ったものは市場の人たちが後でまとめて届けてくれるため、手ぶらで歩ける。
堤防沿いにはいくつかの釣り竿が並び、何人かの釣り人が糸を垂らしていた。その中に一人、不器用そうに釣り糸を見つめる人物を見つける。
「島主様、今日は何か釣れた?」
「ああ、リコか。まだだ」島主は難しい顔で釣竿を握りしめてた。
周りの釣り人たちは次々と魚を釣り上げているが、島主だけは釣果がない。
「あいつら、きっと釣り人スキルを使っておる。だから、私とは比べ物にならん」
「ふうん。頑張って」リコは肩をすくめると、足を止めずに歩き出した。
孤児院とは反対の方向へ向かっているリコに、島主が不審そうに声をかける。
「どこへ行くんだ?」
「秘密」
軽く振り返ったリコは、秘密基地を目指して歩き出した。
「ふんふんふん」思わず、鼻歌が漏れる。
春の日差しはまだ薄く、肌寒さを感じる朝だが、澄んだ空気が心地よい。彼女の目的は市場への買い出し。港に隣接する市場では、今朝も新鮮な魚介類が並び始めている。
リコの仕事は孤児院のメイド、つまり家政婦であり、孤児たちの食卓を預かる役目を担っている。
その孤児院を運営するヴァレンシア商会は港の取引をほぼ独占しており、特別に安く仕入れられるし、良いものを届けてくれる。
しかし、リコはわざわざ港まで足を運ぶのを楽しみにしている。自分で調理するものを選ぶのは、彼女の日課の一つだった。
市場には漁船から次々と卸された魚や貝が所狭しと並べられている。朝の光を浴びて魚の鱗がきらりと輝き、活気に満ちた声が飛び交う。
「おっ、リコ。今日も元気そうだな!」
「リコちゃん、この時期はイワシが一番だよ! どうだい!」
「いやいや、ムール貝にしときな。身がふっくらしてて、スープに入れたら最高さ!」
リコは市場の人々に可愛がられている。彼女が孤児院の買い出しを任されていることもあり、特別に競売前の品を選べる権利を持っていた。
「でも、買いすぎるとメグミねぇねに怒られちゃうんだよね」
「ははは……」市場の人々は一瞬、気まずそうに顔を見合わせる。
メグミはヴァレンシア商会の新しい商会長だ。その厳しさは前任者の若い頃を思い起こさせると噂されている。
「冗談だよ」とリコは笑ってみせるが、実際にはよく怒られている。それでもリコ自身は慣れているので、あまり気にしていないようだ。
必要な買い物を終えたリコは、再び港を散歩することにした。買ったものは市場の人たちが後でまとめて届けてくれるため、手ぶらで歩ける。
堤防沿いにはいくつかの釣り竿が並び、何人かの釣り人が糸を垂らしていた。その中に一人、不器用そうに釣り糸を見つめる人物を見つける。
「島主様、今日は何か釣れた?」
「ああ、リコか。まだだ」島主は難しい顔で釣竿を握りしめてた。
周りの釣り人たちは次々と魚を釣り上げているが、島主だけは釣果がない。
「あいつら、きっと釣り人スキルを使っておる。だから、私とは比べ物にならん」
「ふうん。頑張って」リコは肩をすくめると、足を止めずに歩き出した。
孤児院とは反対の方向へ向かっているリコに、島主が不審そうに声をかける。
「どこへ行くんだ?」
「秘密」
軽く振り返ったリコは、秘密基地を目指して歩き出した。
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