【完結】王国魔法騎士団の赤い薔薇 〜男前騎士団長は幼馴染の聖女(男)から狙われてます〜

葉瀬満月(はせみつき)

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第34.5輪 魅惑のご褒美

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 精霊のご褒美を期待していなかったグラキエスは、白い部屋の中心に置かれた寝台へ目を丸くする。再び、薄い布一枚となった精霊は寝台へ腰を下ろすと、一糸纏わない姿になった。

 露わになった素肌は、いつものイグニスと違って仄かにピンク色をした白い肌、所々花のような艶がある。
 グラキエスが育てた小さな二つの花はぷっくりして艶めき、下半身に垂れ下がる分身も魅力的すぎるピンク色だ。徐ろに股を開いてみせる精霊は、理解して行動しているのか疑問しかない。絶対にイグニスではあり得ない行動をしている。
 精神は精霊で、見た目は少し装いの違うイグニスだ。グラキエスの分身は素直に反応して窮屈そうなほど、ズボンの上から勃ち上がる。

「ほう。男とはそうやって勃起するものなのだな」
「……精霊様……本気ですか? 刺激が強すぎる……」
「ああ、本気だ。依代も了承している――いや、渋々か」

 渋々でも了承するイグニスの精神に興奮して更に膨らみを増したグラキエスの答えは一つだった。
 寝台へ歩み寄ってすぐ、精霊のイグニスを押し倒す。無礼は気にしないという言葉通り、初めてしたときと同じく舌先を胸の小さな二つの花へ寄せた。
 一舐めしただけで硬くなる可愛らしい胸の飾り。

 反対の手でも優しく揉んでいくと、すぐに硬く尖り腰が揺れる。当の精霊は無表情で反応していない。明らかに反応しているのはイグニスの肉体だった。

「……イグニス、反応して可愛い……」
「ああ、そのようだ。貴様に、その小さい物を舐められた途端、依代が小鳥のように鳴きだした」
「え……さすが、精霊様の表現方法。ああ、僕にも聞こえたらいいのに……」

 精神体のイグニスを責めている感覚で卑猥な音を鳴らしながら、吸っていくと下半身もそそり立っていく。

「……待ってね」

 グラキエスが優しい言葉で告げながら一撫でしただけで、とろとろと愛蜜を滴らせる分身に「かわいい」と囁いた。
 丹念に上半身を舐め回してから、薄くなっていた痕を再び濃くして満足する。今頃イグニスの精神体は狂ったように喘いでいるだろうと、妄想しながら下半身へ体をずらしていった。

「精霊様、イグニスはどうですか?」
「そうだな。貴様が先ほど教えてくれたような喘ぎ声を上げている。心地が良い声だ」
「イグニスは可愛いですから……でも、精霊様とはいえ、あげませんよ?」
「ふむ。聖女が精霊を敵に回すと……? 面白い男だ。心配するな、寵愛している者へ不純な動機は芽生えない」

 一切動じない精霊に感心しながら、愛蜜を溢れさせて腹部へ滴ったそれを舐め取って見せる。すぐに反応して震える体を優しく撫でた。
 グラキエスを好きかもしれないと自覚したイグニスは、すべての愛撫に過剰な反応をしてしまっている。

 先端は舐めないようにして、くびれや裏筋を舐める度揺れる腰を押さえた。腰を押さえることで、快感の逃げ場を失くした体はビクビクと愛らしく震えている。
 チュッと先端を軽く吸って、先走りが漏れ出す中、絶頂を迎えないよう調整して同じことを繰り返していた。

「その行為は苦しそうに悶えた声を上げているな。だが、気持ちよさそうでもある」
「そうですか……イグニスのえっちに震える顔と声も聞きたいな」
「ふむ。少しだけなら……褒美の追加だ」

 意味深なことを口にする精霊へ顔を上げた直後だった。グラキエスの耳に疑うほど、甲高い艶めかしい声が聞こえてくる。
 同時に、精霊だったときは一切感じなかった感情も伝わってきた。

「はっ……ぁん……や、ぐらす……!」
「え……イグニス? ご褒美……それなら」

 先ほどと同じようにチュッと吸って、ビクビクと脈打つ分身から口を離して絶頂を止める。その都度、愛らしい喘ぎ声が部屋中に響き渡った。

「ふぅ、ん……ぁっ、ぁっ……ぁん!」

 涙でぐちゃぐちゃになった顔を晒すイグニスの仰け反る体を押さえて、更に感度を上げる。逃げるような動きで腰を振るイグニスはすぐに犯したいほど艶めかしく男を誘っていた。
 そろそろ限界を迎えて絶頂するだろうところで、親指で蓋をするグラキエスにビクビクと腰を震わせるイグニスの顔を覗き込む。

「ねぇ、イグニス……イきたいよね? その可愛い口でお願いしてみて」
「ハァ、ハァ……ぁ……この、変態聖女……!」
「お願いしてくれないと……このまま、僕の息子をしゃぶってもらおうかな」

 上半身を起こしたイグニスは、急に精神を交換されただけで混乱していた。しかも、精霊が裏切って勝手に自分の体をグラキエスへ献上してしまう始末。
 精霊に絶大的な恩恵を受けているイグニスに、拒否権はなく渋々許可をした。自分は表に出ていないから感じたりもしないだろうと思っていたイグニスの考えはまたも甘い。

 与えられる刺激はイグニスの精神を犯し、分からないはずの五感がすべて押し寄せてきた。何度も絶頂を迎えるほどの快楽に溺れていたときに、意識がハッキリして驚いた。
 止まるはずのない喘ぎ声を響かせて、グラキエスを喜ばせる。羞恥心でおかしくなりかけていたときに降ってきた言葉はとても暴力的だった。

 だけど、分身を人質に取られて拒否権はない。顔を背け震える唇を辛うじて動かす。

「……イきたい……」

 消え入りそうな声だったが、当然地獄耳の男は聞き逃さない。それなのに、下品な笑みを浮かべるグラキエスの要求は終わらなかった。

「ああ、ごめん。聞こえなかった……それと、イかせて欲しいか……。思い切り足を開いて、正面を向いて言って」
「なっ……調子に乗るんじゃねぇ‼」
「じゃあ、交渉決裂かなー……このまましちゃおう」

 有言実行とばかりに反対の手で開かれていない蕾を撫でられ肩が揺れる。蕾へ挿入するために周りを解す動きを見せるグラキエスは策士だ。
 ギュッと唇を噛みしめるイグニスから恐怖は感じない。ただ、羞恥心でとろとろに溶かされた心だけが刺さっていた。

 少しずつ自ら股を開くイグニスを視姦する。見られているのは、正面を向いていて分かっていた。そして、見られていることで興奮している自分に気づいたイグニスは息を荒くする。
 角度的に蕾は見えないが、グラキエスからはとても良い眺めだった。限界まで開き切るとイグニスは唾を飲み込む。

「ハァ……ハァ……。その指で、イかせて……くれ……」
「――とても良い眺め……。それなのに、指で? もう一回言ってくれる?」
「ぐっ……く、口で……」
「吸われるのと、しゃぶられるの……どっちが良い?」
「ハァ……しゃぶ……って……」

 恍惚とした表情で涙を流しながら震える唇を動かして出た言葉で、妖艶な笑みを浮かべるグラキエスの唇が先端へ触れた。それだけで、体が痙攣しそうになり蓋が開かれると強く吸われた瞬間、決壊したように押し寄せてくる。

「ぁっ! ァァアッ‼ ぁん‼ ふん、や……ひゃん!」

 声にならない声で鳴きながら、強く腰を押さえられたことでビクビク震える体は痛いほど中心を刺激した。最後まで飲まれたあと、未だにビクビクする腰を撫でられ小さな喘ぎ声が漏れる。もう、最後までしたかのような顔をするイグニスに近づいてくるグラキエスの唇が触れた。

 苦みを感じながらも、舌を入れられて吸われる。ぼんやりする感情を無理矢理浮上させようとする熱い口付けに、再び体中が熱くなっていった。

 暫くして離れていく唇を物欲しそうな顔で見てしまうイグニスだったが、何かを発する前に表情は変わる。

「褒美の追加は終いだ。本人を愛でたいなら早く済ませることだな」

 一切表情を変えないのに笑われている感覚が襲うグラキエスは、精霊の思いどおりのままイグニスを犯していった。

 深夜を迎えると、素知らぬ顔で体から抜け出た精霊は満足そうに言葉も交わさず消えていく。残された二人は少しの間、沈黙していた。

 まさか、最終的にあまり日を置かず二度目の行為をする羽目になるなどと思っていなかったイグニスは、羞恥心で下を向いている。
 恍惚とした表情でぼんやりするグラキエスだったが、徐ろにイグニスの顎へ手を添えた。ビクッと肩が揺れ、顔を上げるイグニスは目を泳がせる。

「ねぇ、僕が精霊様としてたとき、イグニスもずっと気持ち良かった?」
「……うるせぇ」
「あっ、照れてる。可愛いなぁー」
「っ……照れてねぇ‼」
「でも、精霊様とする前のイグニスの方がずっと可愛かったからね」
「ぐっ……余計なこと言うんじゃねぇ!」

 顔から火が出る勢いでグラキエスの脳天へ、理不尽な怒りの鉄槌が下された。
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