【完結】『悪役令息』らしい『僕』が目覚めたときには断罪劇が始まってました。え、でも、こんな展開になるなんて思いもしなかった……なぁ?

ゆずは

文字の大きさ
11 / 12

十一幕 イヴ*4

しおりを挟む



 アデラール様はとにかく可愛らしくて綺麗で美しい人だ。

「あ、あん、あんんっ、いゔ、いゔ、もっと……もっとっ」
「アデラール様……アデラール様……!!」
「あうんんん」

 途中で体に飛んだ白濁も潮も、じわりじわりと滲む汗も、全身を綺麗にすることはできたけれど、なんだか勿体ないと思って、そのままアデラール様の開花した花弁のようなその場所に僕のペニスを挿入した。
 ……もちろん、正常位だ。
 涙やよだれでぐちゃぐちゃになったアデラール様の顔を見ながらしたかったし、ぎゅっと抱きしめられながら、抱きしめながら、したかったから。

 潮を噴いたアデラール様は、蕾どころか全身から力が抜けていた。
 とろりとした目元で僕を見て、半開きの口からは舌を覗かせる。
 卑猥で、淫靡で、美しい人。
 ふと、何も確認しなかったけれど、僕が抱く方で良かったんだろうか、と思った。……アデラール様が僕を抱きたいとおっしゃったなら、僕はそれでもよかったのだけど。
 ……でも、挿れたい衝動は抑えられなかったから、お伺いは次回以降にしよう。

 ペニスの先がアデラール様の奥の窄まりにあたる。
 僕は一旦体を起こして、両手があいて不満そうに僕を見るアデラール様を見下ろした。
 上気した頬と体。
 赤く尖って熟れた果実のような乳首。
 白い肌に散らばるキスマークにこらえきれずつけてしまった噛み跡。
 体液に濡れそぼった薄い下生えは、髪色と同じ黒色。
 何度も達してゆるく頭をもたげてるだけのペニスはピンク色で花茎という言葉がよく似合う。
 そして、僕のペニスを思い切り咥え込んで離さない、目一杯広げられたアナル。
 ……ああ、すごい。
 本当にアデラール様を抱いてる。
 アデラール様の中に僕が埋まってる。

「いゔ………いゔぅ……」

 手を伸ばして切なそうに僕を呼ぶ声に、心臓が鷲掴みされたような痛みを訴えた。
 可愛い…!!
 可愛い、可愛い、可愛い……!!!!

「アデラール様……!!!」

 僕だけのアデラール様。

「ひん……!!!」
「大好きです……愛してます、愛してます……!!」
「ひ、ひっ、あ、あ…っ、お、っきぃ、いゔ、おっきく、しないで…ぇ…っ」
「無理です。奥に……入ります…っ」

 緩みかけていた奥の窄まりに、腰を揺らめかせながら、下腹部をわずかに圧迫させながら、僕のペニスの先端が入り込んだ。

「ーーーーっっ!!!」

 声も出せないままのけぞるアデラール様。
 白濁ではなくさらさらの液体が、アデラール様の花茎からプシっと飛び散った。

「あ、ああ、ああっ、あん、あんっ」
「アデラール様……、アデラール様……、……っ」
「いゔ……っ、あ……ぁんんっ、い、いい、いく、また、いくぅぅっ」
「僕もです……アデラール様…………アデル様……!!」

 ガツガツと腰を打ち付けて、最奥を何度も突き上げる。
 アデラール様の尻と僕の下腹部が、これでもかと打ち合い、パンパンと弾けるような音が部屋に響いた。

「い………あ、ああー…………!!!」
「っ」

 どろどろの体を抱きしめ合いながら、僕たちの身体の間でアデラール様が放った熱い体液を感じ、アデラール様の最奥で僕は我慢し続けた熱を弾けさせた。

「あ………あついぃ……」

 射精が中々止まらない。
 その間もアデラール様はイき続けているようで、ビクンビクンと体を震わせながら僕のペニスを熱い内腔で締め付けてきた。
 愛しい人の中で果てることがこれほどまでに甘美だなんて。僕はそんなこと何も知らなかった。

「アデル様……もっと……っ」
「ひぁぁ」

 種が尽きるまで注ぎたい。
 アデラール様をもっとトロトロにドロドロにしたい。
 僕はそんな欲求のまま、アデラール様を抱き続けた。




 時々、アデラール様に口移しで果実水を飲ませた。
 不快かと思い、ベッドや体にも浄化魔法をかけて綺麗にした。
 けど、ペニスは抜かなかった。僕が注いだ子種も消すことはしなかった。
 ほんの少し腰を引いていくと、僕が放った白濁が隙間からこぼれ落ち、それを見ながら突き上げるたび、白濁が泡立つ。それをみるとなおさら興奮した。
 引いていたカーテンの隙間から柔らかな日差しが入ってきても、僕はアデラール様を解放することができなかった。
 アデラール様は時々意識を飛ばしてしまうから、その間だけは僕も軽くだけ仮眠を取ったけど。
 ……種が尽きるまで抱くと決めたけど、何故か尽きる様子がない。僕、そんなに精力化け物だったかしら?
 でも、アデラール様を愛するためなのだから、きっとこれでいいんだ。

 明るくなって、薄暗くなって、夜の帳が落ちてまた明るくなる。
 水分だけじゃなくて食事も摂らないとアデラール様が痩せてしまうから、日に何度かは台所に向かって温かいスープを用意したり、インベントリに入れておいた食事を摂ったりした。
 もちろん、アデラール様とは繋がったままだ。
 落ちないように魔法で拘束もした。
 台所と寝室の移動は全部転移魔法を使ったけど、台所では少しは歩くから、その間下から突き上げると子猫のような鳴き声を出して漏らしたりしてた。

 ………そんな蜜月を過ごしていた僕がペニスをアデラール様の中から抜いたのは、初夜から三日目の朝のことだった。




しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

当て馬的ライバル役がメインヒーローに喰われる話

屑籠
BL
 サルヴァラ王国の公爵家に生まれたギルバート・ロードウィーグ。  彼は、物語のそう、悪役というか、小悪党のような性格をしている。  そんな彼と、彼を溺愛する、物語のヒーローみたいにキラキラ輝いている平民、アルベルト・グラーツのお話。  さらっと読めるようなそんな感じの短編です。

義兄の愛が重すぎて、悪役令息できないのですが…!

ずー子
BL
戦争に負けた貴族の子息であるレイナードは、人質として異国のアドラー家に送り込まれる。彼の使命は内情を探り、敗戦国として奪われたものを取り返すこと。アドラー家が更なる力を付けないように監視を託されたレイナード。まずは好かれようと努力した結果は実を結び、新しい家族から絶大な信頼を得て、特に気難しいと言われている長男ヴィルヘルムからは「右腕」と言われるように。だけど、内心罪悪感が募る日々。正直「もう楽になりたい」と思っているのに。 「安心しろ。結婚なんかしない。僕が一番大切なのはお前だよ」 なんだか義兄の様子がおかしいのですが…? このままじゃ、スパイも悪役令息も出来そうにないよ! ファンタジーラブコメBLです。 平日毎日更新を目標に頑張ってます。応援や感想頂けると励みになります。   ※(2025/4/20)第一章終わりました。少しお休みして、プロットが出来上がりましたらまた再開しますね。お付き合い頂き、本当にありがとうございました! えちち話(セルフ二次創作)も反応ありがとうございます。少しお休みするのもあるので、このまま読めるようにしておきますね。   ※♡、ブクマ、エールありがとうございます!すごく嬉しいです! ※表紙作りました!絵は描いた。ロゴをスコシプラス様に作って頂きました。可愛すぎてにこにこです♡ 【登場人物】 攻→ヴィルヘルム 完璧超人。真面目で自信家。良き跡継ぎ、良き兄、良き息子であろうとし続ける、実直な男だが、興味関心がない相手にはどこまでも無関心で辛辣。当初は異国の使者だと思っていたレイナードを警戒していたが… 受→レイナード 和平交渉の一環で異国のアドラー家に人質として出された。主人公。立ち位置をよく理解しており、計算せずとも人から好かれる。常に兄を立てて陰で支える立場にいる。課せられた使命と現状に悩みつつある上に、義兄の様子もおかしくて、いろんな意味で気苦労の絶えない。

シナリオ回避失敗して投獄された悪役令息は隊長様に抱かれました

無味無臭(不定期更新)
BL
悪役令嬢の道連れで従兄弟だった僕まで投獄されることになった。 前世持ちだが結局役に立たなかった。 そもそもシナリオに抗うなど無理なことだったのだ。 そんなことを思いながら収監された牢屋で眠りについた。 目を覚ますと僕は見知らぬ人に抱かれていた。 …あれ? 僕に風俗墜ちシナリオありましたっけ?

ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました

あと
BL
「お兄ちゃん!人肌脱ぎます!」 完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け 可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…? 攻め:ヴィクター・ローレンツ 受け:リアム・グレイソン 弟:リチャード・グレイソン  pixivにも投稿しています。 ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。

批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください! ユィリと皆の動画つくりました! お話にあわせて、ちょこちょこあがる予定です。 インスタ @yuruyu0 絵もあがります Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

【完結】悪役令息の役目は終わりました

谷絵 ちぐり
BL
悪役令息の役目は終わりました。 断罪された令息のその後のお話。 ※全四話+後日談

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

処理中です...