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番外編
運命はすぐ傍に④
しおりを挟む母様から言われたように、学院を休み、王太子の仕事をこなせるだけこなした。
そして、三日目の昼過ぎ、やっと兄上からお呼びがかかった。
急いで部屋に向かうと、いつにもまして艶めかしい雰囲気を纏った兄上が、薄衣を纏ってベッドに腰掛けていた。
「…兄上?」
「イサーク」
嬉しそうに呼ばれ、私は駆け出し、座る兄上を力の限り抱きしめていた。
「兄上……お体は……っ」
「ん、もう大丈夫」
「よかった……っ」
「……あのね、イサーク」
「はい……兄上?」
兄上は私から体を離すと、薄衣の裾を持ち上げ、その体を私の目の前に晒した。
胸の上にはプクリと膨らんだ桃色の飾り、下着を身に着けていないのか、陰茎は緩く勃ち上がり、ぷつりと先走りを滲ませていた。
……そして、臍の下。薄い下生えの上に、乳首と同じような桃色の花が咲いていた。
「――――っ!!」
「花籠が、出たんだ」
「兄上……っ」
「これで、言えるよ。イサーク、僕と結婚して。僕だけのものになって。お願い。愛してる、イサーク」
「兄上………っ」
気づけば兄上を掻き抱き、ベッドに押し倒していた。
「イサーク……っ」
「愛してます……愛してます、兄上………エリアス……私のエリアス……っ」
今まで一度も触れなかった唇に、己のそれで触れた。
何度も角度を変えて触れ合わせ、薄く開いた唇の隙間に舌を潜り込ませる。
「んんぅぅ」
ちゅるちゅる吸いながら、舌を絡めて口内を犯した。唾液が溜まったのか、兄上は何度も喉を鳴らしていた。
何度も何度も吸い付き、やっと唇を離したときには、兄上の唇は濡れて赤くぽってりとしていた。
ツンと上を向いた乳首にも愛撫を施した。指先でつまんで舌で転がし唇で吸った。
「ひあ、あ、あっ」
「エリアス…可愛い、私のエリアス……っ」
「きゃぁぁんん!!」
熟れた乳首をかしりと齧った途端、兄上の体は弓なりに反り、達したようだった。
「あ……ぁ……、ぁん、ぁん」
体の震えが止まらない。
そのうち、爽やかな、それでいて甘い香りがし始める。
私は胸から顔を離し、兄上の両足を押し広げた。
「やぁ……」
白濁に濡れ小さく震える陰茎は相変わらず可愛い。
そして蕾からは、とろとろと液体が流れ出してきていた。
考えることなく、私はその蕾に舌を這わせていた。
「ひぁ…!?」
母様の匂いと違う甘い匂い。これが愛液か。
蕾を舐めれば舐めるほど、愛液はどんどん溢れてくる。
舌先を尖らせ蕾の中に入れると、そこは酷く熱く、柔らかく解れていた。
「あ、や、だめ、やだ、きたない、やめて…っ」
「汚くないです。エリアスの体はどこもかしこも綺麗です。……愛液には浄化作用もあるんですよ。聞いてませんか?」
「ふぇ……?な、に…?なに……?」
「ふふ……。いいですよ。エリアスは何も考えず私に委ねてください」
「あ、ん、んぅ、いさー、く」
思う存分蕾も中も舐め犯し、袋ごと陰茎を口にいれた。
二度目の吐精を全て飲み込み、花籠に口付けた。
「エリアス……」
「いさー……く」
「私の子を孕んで下さい」
「あ………」
片足を私の肩に載せた。
片手で蕾を広げ、限界まで勃起した自分のペニスの先端を潜り込ませる。
「ひぁ、ぁ………ぁ………」
「エリアス……っ」
初めてのはずのアナルが、私を飲み込んでいく。
毎回、兄上が意識を落としてから指でほぐしてはいたけれど。
「……ああ……っ、すごい……エリアス……っ」
「ひゃっ、あっ、あっ、あっ」
飲み込まれる。
奥へ奥へ誘われる。
全てが収まる前に、亀頭が壁のようなところにあたった。
「エリアス……大丈夫ですか……?」
「あ……だ、いじょ、ぶ……、あつい……、あつい、よ、イサーク……っ」
「私もです」
体を倒して兄上にのしかかった。
少し腫れの引いた唇を舐めて口付ける。
「んぅ………ふ、ぅん……っ」
口付けながら腰を揺らした。
ゆっくりと引いてゆっくりと押し込む。それを、何度も繰り返し。
アナルの中は熱く蠕き私を求めている。
愛液はずっと溢れてくるらしく、動くたびに濡れた音が響いた。
父上に教えられた揺籠の口。
何度も抽挿を繰り返し、乳首を指でひねり上げた。
「ひあっ、あっ、ああ……!?」
兄上が達した瞬間に奥の窄まりという場所を貫いた。
「あ、あうっ、あっ、あっ、あっ」
「熱いです……っ」
「そこ……らめ、へん、へん……っ」
「駄目じゃないですよ」
「やぁぁぁんんっっ」
一度抜けた狭い箇所は、容易に開くようになった。全力で腰を振るい、奥に入るたびに口を探す。
「兄上……もっと感じてください……っ」
「いさあくぅ」
「愛してます……愛してます…!」
「ぃあっ、ひぅ、ひうっ」
くたりとした陰茎を擦り上げた。
感じて。
もっと快楽を得て。
腰を打ち付け、陰茎をこする。
そのうち、ペニスの先端が何かにひっかかった。
「………っ、あっ」
ビクリと兄上の体が震えた。
私は思わず唇を舐めて――――兄上の腰を鷲掴みにして腰を押し付けた。
「きゃぁぁぁぁ――――……!!!」
「……っ、兄上……っ、兄上……っ」
「やら………やら………こわれる、やらぁぁっ、やめ、や、や…っ」
「やめません……私の子を……孕んで下さい……!!!」
口が開いた。
先端から感じるのは、包み込まれるような兄上の魔力だ。
「ああぁんん、ああぁんん…!!」
「兄上……兄上………っ」
「や………っ」
涙を流して口角から涎も垂らした兄上が、私に向かって両手を伸ばしてきた。
「いさぁくっ」
「っ」
「ちゅーして……っ」
「………兄上っ」
揺籠を容赦なく犯しながら、請われるままに兄上を抱きしめて口付けた。
「は………はぅ」
「兄上……っ」
「らめ……それ、や、あっ」
「兄上…?」
「なまえ………っ」
興奮しきった私はいつの間にか『兄上』と呼んでいた。
兄上はそれが不満だったのか。
……なんて可愛い人なんだろう。
「エリアス」
「っ」
耳元で、耳を舐めて、息を吹き込むように名を呼ぶ。
それだけで私の体の下で兄上の体はビクビクと震え、中を締め付けてくる。
「エリアス、愛してます……っ」
「あんんっ」
「エリアス……エリアス………!」
「いさ…く、好き……好き……!こだね……いさぁくのこだね、ちょうだい……っ」
「………っ、くっ」
蠕き締まる内腔に、堪えることはできなかった。
揺籠の中に熱を放った。
「あ………」
兄上の陰茎からは熱いものが流れ出し、兄上と私を濡らしていった。
「あ……あつい……」
「ええ……熱いです」
「いさぁ…くの、いっぱい……」
「はい。……出しました。……ですが、まだ貴方の中にいたいです……エリアス……っ」
「うん………もっ、とぉ……っ」
私達は暫く睦み合った。
互いの体もベッドもどろどろにしながら。
私達の体の間で、兄上の花籠に鮮やかな色がついたことにも気づかないまま。
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