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本編
11話 報われる愛
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『なんて、自分勝手な娘。なんて自分勝手な家族なんだ!!!』
私はびくびくしていた。
恐る恐るみんなを見ると、唖然とした顔をしている領民のみんな。
みんな、生活がかかっている。
国王の息子と領主の娘が婚約までして、侮辱されたからと言って、弱音をあげて婚約破棄するなんて言語道断。
領民のために我慢するのが、領主の娘の役割だろう。
そう思っても無理はないし、そう言われて当然だ。
「ふざけるなっ!!!」
(ほら・・・やっぱり・・・)
私は再び俯く。
「うちの姫様を、侮辱しただぁ!!?」
「許せないわ!!!」
(え?)
私はみんなを見る。
ある老人の女性は私を見て同情して涙をながし、ある少年は怒って地団駄を踏む。
先ほどよりも怒りに包まれた領民のみんなは今にも暴動を起こして、ダイダム王国へ乗り込みかねない勢いだった。
「ちょっ、待って!!!」
私は慌てて叫ぶと、みんなびっくりした顔をして私を見る。
「私、姫じゃねーし」
アハハハッ
領民のみんなが今度は笑う。
「いや、笑い事じゃないでしょうが、みんな」
なんだか、涙が出てきてしまった。
これは呆れた涙だ。
「田舎の領地とはいえ、みんな危機管理能力なさすぎでしょ・・・。みんなの一番の商売相手を・・・他のところとだって、商売できなくなるのよ?それに、ライアン、ロギーあなたたちは、行商人としていろんな町へ行くのが楽しいって言ってたじゃない?」
私は二人の青年を見る。
「リンおばあちゃん、ジャスティンおじいちゃん、ナタリアちゃん、アーネットちゃん、ロンくんだって、他国のおいしいワインや果物を食べたいでしょ?」
私はおばあちゃんやおじいちゃん、子どもたちを見る。
「それよりも・・・だいじなもんが・・・ある」
リンおばあちゃんが、前に出てくる。
「わしゃ、家族が大切じゃ」
リンおばあちゃんの言葉にみんなが耳を傾ける。
「えぇ、だから・・・」
リンおばあちゃんが、よぼよぼの手で私の手を握る。
「この手も大好きじゃ。だから、ええんじゃ。シャーロット様、あんたも家族じゃ・・・」
涙が溢れてしまった。
これは、そう・・・うれし涙だ。
「私だって!!!みんなのために・・・、みんなのために・・・ううううぅぅっ」
私は泣き崩れてしまった。
そんな私をリンおばあちゃんが優しく抱きしめてくれる。
「ごめんなさい・・・、ごめんなさい・・・迷惑をかけて・・・本当にごめんなさい」
「なぁ~に、迷惑をかけ合うのが家族じゃけぇ・・・、なぁ」
リンおばあちゃんはゆっくりと振り返る。
私もみんなのところを見ると、さっきまでの怖い顔をしていた人は一人もいなかった。
「なんで、みんな・・・笑顔なのよぉ・・・みんなのばかぁ・・・」
お父様も、お母様も・・・そして、領地のみんなもいい笑顔で笑っていた。
それが、嬉しくて、でもみんなに迷惑かけるのが悲しくて、私だけ泣いているのが悔しくて・・・涙が止まらなかった。
私はびくびくしていた。
恐る恐るみんなを見ると、唖然とした顔をしている領民のみんな。
みんな、生活がかかっている。
国王の息子と領主の娘が婚約までして、侮辱されたからと言って、弱音をあげて婚約破棄するなんて言語道断。
領民のために我慢するのが、領主の娘の役割だろう。
そう思っても無理はないし、そう言われて当然だ。
「ふざけるなっ!!!」
(ほら・・・やっぱり・・・)
私は再び俯く。
「うちの姫様を、侮辱しただぁ!!?」
「許せないわ!!!」
(え?)
私はみんなを見る。
ある老人の女性は私を見て同情して涙をながし、ある少年は怒って地団駄を踏む。
先ほどよりも怒りに包まれた領民のみんなは今にも暴動を起こして、ダイダム王国へ乗り込みかねない勢いだった。
「ちょっ、待って!!!」
私は慌てて叫ぶと、みんなびっくりした顔をして私を見る。
「私、姫じゃねーし」
アハハハッ
領民のみんなが今度は笑う。
「いや、笑い事じゃないでしょうが、みんな」
なんだか、涙が出てきてしまった。
これは呆れた涙だ。
「田舎の領地とはいえ、みんな危機管理能力なさすぎでしょ・・・。みんなの一番の商売相手を・・・他のところとだって、商売できなくなるのよ?それに、ライアン、ロギーあなたたちは、行商人としていろんな町へ行くのが楽しいって言ってたじゃない?」
私は二人の青年を見る。
「リンおばあちゃん、ジャスティンおじいちゃん、ナタリアちゃん、アーネットちゃん、ロンくんだって、他国のおいしいワインや果物を食べたいでしょ?」
私はおばあちゃんやおじいちゃん、子どもたちを見る。
「それよりも・・・だいじなもんが・・・ある」
リンおばあちゃんが、前に出てくる。
「わしゃ、家族が大切じゃ」
リンおばあちゃんの言葉にみんなが耳を傾ける。
「えぇ、だから・・・」
リンおばあちゃんが、よぼよぼの手で私の手を握る。
「この手も大好きじゃ。だから、ええんじゃ。シャーロット様、あんたも家族じゃ・・・」
涙が溢れてしまった。
これは、そう・・・うれし涙だ。
「私だって!!!みんなのために・・・、みんなのために・・・ううううぅぅっ」
私は泣き崩れてしまった。
そんな私をリンおばあちゃんが優しく抱きしめてくれる。
「ごめんなさい・・・、ごめんなさい・・・迷惑をかけて・・・本当にごめんなさい」
「なぁ~に、迷惑をかけ合うのが家族じゃけぇ・・・、なぁ」
リンおばあちゃんはゆっくりと振り返る。
私もみんなのところを見ると、さっきまでの怖い顔をしていた人は一人もいなかった。
「なんで、みんな・・・笑顔なのよぉ・・・みんなのばかぁ・・・」
お父様も、お母様も・・・そして、領地のみんなもいい笑顔で笑っていた。
それが、嬉しくて、でもみんなに迷惑かけるのが悲しくて、私だけ泣いているのが悔しくて・・・涙が止まらなかった。
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