7 / 12
7
しおりを挟む
「あ~~~っ、やばいな~~、ヤバイ」
白紙にボールペンで円を描きながら笑う楓。
(お兄ちゃんより、あの女がキモい。キモキモい。空っぽのお兄ちゃんが優しいとか言って、自分は選んでやった感だして、お兄ちゃんと私の容姿を見下して、私が喋らなければ「思春期なら」とか、「私もわかるよ」とか勝手に私の気持ちを理解した気持ちになってるのも気持ち悪い。気持ち悪い。ただ長生きしているだけで大人の自分はなんでもわかってるみたいな感じがキモい。その余裕の笑顔がキモい。無難な美人ってのがキモい。素顔知らないけどキモい。あいつの方が汚れてるし、私の方が・・・)
自分の左手の手の甲をじーっと見つめる楓。
(私の血の方が絶対にきれい・・・)
「血ってきれいだなぁ、きれいきれい」
(あの女がお兄ちゃんの初めてのデートも、初めてのキスも、初めての結婚も。全部、全部奪ってったんだなぁ。可哀想なお兄ちゃん。何も知らずに、初めてを失っていって・・・。でも、自業自得。どんくさいのが悪い。頭を働かせないのが悪い、お兄ちゃん)
丸と線だけで兄の慎一をモチーフにした棒人形を描く楓。
(あぁ、私もあのどんくさいお兄ちゃんから奪いたいなぁ・・・。空っぽのお兄ちゃんにはもう何もないかなぁ・・・)
「あっ・・・」
何も考えずにいたら楓はハートを描いていた。
「あるじゃん。最初で最後の最高のモノが・・・」
ニターっと笑う楓。
棒人形の顔を表す丸の部分と胴体を現す縦線のつなぎ目。首のあたりを何度も横線を入れる。
「キシシッ」
赤いボールペンの横線は繋がっていること否定する切れ目の線であり、まるで血しぶきであるような線になった。激しければ激しいほど、楓の心は高揚した。今度は犯行現場のように包丁を描いた。もちろん、棒人形だし、思い付きだから誰かに持たせるなんて器用に描けるはずもなく、ただ描いただけ。
「ははっ」
猫のような声を出しながら、自分に、その文字に、その絵に酔いしれる楓。違う用紙に今度は抱き着くように刺殺している絵を描いてみた。溢れる高揚感がいっぱいになって来た楓は自分の左手の手首を見る。
「んーーーっ」
血を抜けばすっきりする気がするけれど、自分の血を抜くのは勇気が必要だった。さっきは自分の手の甲にボールペンをブッ刺して、血を出そうと思い、今度は手首を掻っ切ってやろうと思っている楓。
「あっ・・・そうだ」
(別に自分のじゃなくてもいいじゃん)
「お兄ちゃんの血は・・・どんな色だろうなぁ・・・)
白紙にボールペンで円を描きながら笑う楓。
(お兄ちゃんより、あの女がキモい。キモキモい。空っぽのお兄ちゃんが優しいとか言って、自分は選んでやった感だして、お兄ちゃんと私の容姿を見下して、私が喋らなければ「思春期なら」とか、「私もわかるよ」とか勝手に私の気持ちを理解した気持ちになってるのも気持ち悪い。気持ち悪い。ただ長生きしているだけで大人の自分はなんでもわかってるみたいな感じがキモい。その余裕の笑顔がキモい。無難な美人ってのがキモい。素顔知らないけどキモい。あいつの方が汚れてるし、私の方が・・・)
自分の左手の手の甲をじーっと見つめる楓。
(私の血の方が絶対にきれい・・・)
「血ってきれいだなぁ、きれいきれい」
(あの女がお兄ちゃんの初めてのデートも、初めてのキスも、初めての結婚も。全部、全部奪ってったんだなぁ。可哀想なお兄ちゃん。何も知らずに、初めてを失っていって・・・。でも、自業自得。どんくさいのが悪い。頭を働かせないのが悪い、お兄ちゃん)
丸と線だけで兄の慎一をモチーフにした棒人形を描く楓。
(あぁ、私もあのどんくさいお兄ちゃんから奪いたいなぁ・・・。空っぽのお兄ちゃんにはもう何もないかなぁ・・・)
「あっ・・・」
何も考えずにいたら楓はハートを描いていた。
「あるじゃん。最初で最後の最高のモノが・・・」
ニターっと笑う楓。
棒人形の顔を表す丸の部分と胴体を現す縦線のつなぎ目。首のあたりを何度も横線を入れる。
「キシシッ」
赤いボールペンの横線は繋がっていること否定する切れ目の線であり、まるで血しぶきであるような線になった。激しければ激しいほど、楓の心は高揚した。今度は犯行現場のように包丁を描いた。もちろん、棒人形だし、思い付きだから誰かに持たせるなんて器用に描けるはずもなく、ただ描いただけ。
「ははっ」
猫のような声を出しながら、自分に、その文字に、その絵に酔いしれる楓。違う用紙に今度は抱き着くように刺殺している絵を描いてみた。溢れる高揚感がいっぱいになって来た楓は自分の左手の手首を見る。
「んーーーっ」
血を抜けばすっきりする気がするけれど、自分の血を抜くのは勇気が必要だった。さっきは自分の手の甲にボールペンをブッ刺して、血を出そうと思い、今度は手首を掻っ切ってやろうと思っている楓。
「あっ・・・そうだ」
(別に自分のじゃなくてもいいじゃん)
「お兄ちゃんの血は・・・どんな色だろうなぁ・・・)
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】ゆるぎとはな。
海月くらげ
恋愛
「せんせえ、もうシよ……?」
高校生の花奈と、聖職者であり高校教師の油留木。
普段穏やかで生徒からも人気のある油留木先生。
そんな男が花奈にだけ見せる表情がある。
教師×生徒 禁断TL小説
田舎の幼馴染に囲い込まれた
兎角
恋愛
25.10/21 殴り書きの続き更新
都会に飛び出した田舎娘が渋々帰郷した田舎のムチムチ幼馴染に囲い込まれてズブズブになる予定 ※殴り書きなので改行などない状態です…そのうち直します。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる