泡沫のゆりかご 二部 ~獣王の溺愛~

丹砂 (あかさ)

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本編

第21 移り香に揺れて 8 ※

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腕の中に抱き寄せられたまま唇を柔らかく食まれていく。思わず開いた唇の隙間から入り込んだギガイの舌が、レフラの舌を絡め取った。

そのまま弱い舌裏を愛撫され、耳殻まで同時に弄われる刺激はハッキリとした快感をレフラへ与えて、その心地良さに思わず鼻から甘い声が抜けていく。

「ふうっ……ぁっ…ぁぁ」

ゆっくりとレフラのペースに合わせたその愛撫は、身体をとろりと溶かしていった。

時折髪を梳いてくれていた指が背中をなぞって、腰のくぼみへ辿り着く。そのまま双丘の間から入り込んだ指が後孔へと添えられた。そのまま押し当てられたギガイの指を、求めるようにハクハクと開閉してしまうのが恥ずかしかった。

そんなレフラの窄みの中心に、ツプッとギガイが指先だけを差し込んでくる。そのまま浅く出し入れされれば、さらに強請るようにトロリと蜜が溢れ出てしまい、滑りと濡れた音が増していった。

「…ぁ、っあ、ギガイっぁ、さまぁ…っ……」

後孔の疼きのままにレフラがギガイの方を仰ぎ見る。

「気持ち良さそうだな」

フッと笑ったギガイが指を奥へ差し込んで、そのままゆっくりと出し入れした。時折クリクリと弄られる内部の痼りに身体をビクビクと跳ね上げれば、その度にギガイが宥めるようにキスをくれる。

「っあ…ふぅっ…ぁぁ、あぅっ…」

増やされる指も快感を煽る動きも、レフラが欲しがるままに与えられていく状況に、身体がトロトロに溶けていた。

「ギガ、イさま…もぅ、ほし…ぃ…もう、いれ、てぇ……」

だからそういって素直に強請ってみた時も、すぐに与えてくれると思ったのだ。

「今日はお前だけで良い。このままイッてしまえ」

それなのに聞こえてきたその言葉に、レフラの心は堪えきれずにぐずってしまう。

「やだぁ、やだ、ギガ、イさま、いれて…やぁ……」

額をギガイの身体に押し付けて、レフラがイヤイヤと首を振る。

だって欲しいのは快感だったわけじゃない。それなのにこんな風に1人だけで果てて、終わるように言われてしまったのだ。

そんな熱を交わすことができない交わりはイヤだった。だから。

「いっしょ、がい、い…やだぁ…ギガイ、さま…いっ、しょがいい……」

強請る声が涙混じりの声になる。

「ーーッ!!」

息を詰める音が聞こえてギガイの方へ目を向ければ、ギガイが苦々しい顔をレフラの方へ向けていた。

「お前にムリをさせないようにしているのに、そうやって煽るな」

そんなことを言われても、せっかく2人で交われる夜だと思ったのだ。そんな時に1人で果てる行為だけでは虚しさが募ってしまう。それにレフラだってギガイに気持ち良くなって欲しかった。

「おね、がい…で、す…いっしょ、に、したい、です……」

「……お前は…」

そう言ったあと、ギガイが何かを飲み込むような表情をした。

せっかくレフラのためにと堪えている中で煽ってしまう言葉だったのかもしれない。でもその結果激しく求められたのだとしても、ギガイと交われない状況よりはマシだった。

だけど今日のギガイは本当にレフラにムリをさせる気はないようだった。

「キツかったら素直に言え」

コクコクと頷いたレフラを確認し、ギガイがレフラの身体を持ち上げる。

「あぁッ!! あっ、あぁっ、あ…ぁぁ……」

そのまま腕で支えながらギガイの屹立の上に降ろされれば、濡れた音を立てながらレフラの後孔がギガイのモノを飲み込んでいった。

「あぁぁ、ふっ、ふかい……」

「苦しいなら抜くか?」

「やっ、やです! ぬいちゃ、やだっ……ぁぁ」

とっさに締め付けた後孔がギガイの形を認識して、喜ぶように蠢いていく。奥まで太く固い熱でいっぱいにされて、そのままゆっくり揺すられる。それだけで快感の波が柔壁から身体全体に伝わった。

「…きもち、いいか?」

ギガイの声音が少しだけ掠れていた。

「…は、い……ギガ、イさま、は? 」

「あぁ、そうだな」

いつもの挿入に比べればかなり穏やかな動きだった。ギガイにとってはもしかしたら、物足りない刺激かもしれない。

それでも感じてくれているような声にレフラの奥がまたゾクリと蠢いた。その蠢きはギガイにもそのまま伝わったのだろう。

「お前は、本当に愛らしいな」

クククッと笑う声がした。
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