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第一章2人の未来(みく)
Future(未計算の値) ーmarineside
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あんなことがあっても、私の子供たちは私のお腹の中で踏ん張っていてくれた。あっちの子供たちも大過なく生まれてくるのだから、それは『絶対に生まれなければならない』ということなのだろう、
そして、まったく何事もなかったかのようにそれからの日々は進んでいき……私は男の子と女の子の双子を産んだ。
女の子の名前はほのか。あっちの秀一郎さんの妹さんの名前をいただいた。あの時、ママが流産せずに生まれて来たのが女の子なら、きっとその名をつけていたろうと思ったから。
そして、男の子の名前は達也……
実は、あっちの私が産んだのも男の子と女の子の双子だった。あっちの方は夫婦で相談して、男の子の方を龍太郎さんの一字を取って龍也くんと名づけたのだ。女の子の方はほのかちゃんは実際にいるので、志穂さんの一字をとって穂波ちゃんと名づけた。
私も本当は龍也と付けたかったのだが、龍太郎さんを連想させるその字は、秀一郎が父親だと連想されるかもと、充てることはできなかった。なので、「たつや」という音に合わせて達也と名づけたのだ。
同じようで同じではない私たち、それは未計算のデータ部分を解析することで、個々の検査結果に雲泥の差が出てしまう……まるでコンピューター用語の『Future』そのものだ。
私は子供が生まれて半年で働き始めた。いつまでも親に頼ってばかりはいられない。とは言え、日常の子供たちの世話など、家族の協力なしにはとてもやれるもんではないんだけど、だからこそ経済的な負担はできるだけかけたくなかった。
保育所への送り迎えは、フルタイムで働き始めた私の代わりに、大学生の明日香が受け持ってくれた。と言うより、私が父親で明日香が母親みたいに、あの子は子供たちの面倒を見てくれた。
そして、秀一郎はそんな明日香を訪ねてくる。
「子育てデートなのよ」
明日香はそう、笑って言った。
秀一郎も、
「僕(私が彼を突き放したときから、彼は私の前でも僕と言うようになっていた)は兄弟がいないからね、赤ちゃんって新鮮なんだよ」
と言う。口ではそう言ってはいるけど、自分の子供だという気持ちで見ているのが、私にはありありと分かった。
「じゃぁ、さっさと結婚して2人で子供作りゃいいじゃん」
わざと呑気そうに言った私に、秀一郎は何とも言えない当惑した表情を見せていた。
そして……子供たちが3歳になった春、秀一郎と明日香は結婚した。
第一部Fin
そして、まったく何事もなかったかのようにそれからの日々は進んでいき……私は男の子と女の子の双子を産んだ。
女の子の名前はほのか。あっちの秀一郎さんの妹さんの名前をいただいた。あの時、ママが流産せずに生まれて来たのが女の子なら、きっとその名をつけていたろうと思ったから。
そして、男の子の名前は達也……
実は、あっちの私が産んだのも男の子と女の子の双子だった。あっちの方は夫婦で相談して、男の子の方を龍太郎さんの一字を取って龍也くんと名づけたのだ。女の子の方はほのかちゃんは実際にいるので、志穂さんの一字をとって穂波ちゃんと名づけた。
私も本当は龍也と付けたかったのだが、龍太郎さんを連想させるその字は、秀一郎が父親だと連想されるかもと、充てることはできなかった。なので、「たつや」という音に合わせて達也と名づけたのだ。
同じようで同じではない私たち、それは未計算のデータ部分を解析することで、個々の検査結果に雲泥の差が出てしまう……まるでコンピューター用語の『Future』そのものだ。
私は子供が生まれて半年で働き始めた。いつまでも親に頼ってばかりはいられない。とは言え、日常の子供たちの世話など、家族の協力なしにはとてもやれるもんではないんだけど、だからこそ経済的な負担はできるだけかけたくなかった。
保育所への送り迎えは、フルタイムで働き始めた私の代わりに、大学生の明日香が受け持ってくれた。と言うより、私が父親で明日香が母親みたいに、あの子は子供たちの面倒を見てくれた。
そして、秀一郎はそんな明日香を訪ねてくる。
「子育てデートなのよ」
明日香はそう、笑って言った。
秀一郎も、
「僕(私が彼を突き放したときから、彼は私の前でも僕と言うようになっていた)は兄弟がいないからね、赤ちゃんって新鮮なんだよ」
と言う。口ではそう言ってはいるけど、自分の子供だという気持ちで見ているのが、私にはありありと分かった。
「じゃぁ、さっさと結婚して2人で子供作りゃいいじゃん」
わざと呑気そうに言った私に、秀一郎は何とも言えない当惑した表情を見せていた。
そして……子供たちが3歳になった春、秀一郎と明日香は結婚した。
第一部Fin
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