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.はなれちゃいや♡【乳首責め】
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「へ、担当変更ですか、?」
「今度は若手の担当になってもらおうと思って」
突然の宣告に口を開けて驚くことしかできない。確かに、マネージメントにおいて長期的に同じ者が務めることはデメリットも発生するけれど、急に自分が言われると受け止めきれない。
「大丈夫、晶くんの壱樹くんはもう立派に育ったし」
「で、も……、はい。わかりました」
どうにか取り消せないかと口を開いたがどうせこの社長のことだから決定事項だと口を閉ざした。一から育てた俺の可愛い壱樹はついに巣立ってしまうらしい。スカウトから表情管理、メンタルまで手塩に育て今やトップモデルとなった壱樹はもはや可愛すぎてマネージャーとモデルの関係が壊れてしまっていたから、逆に今回はいい機会かもしれない。そろそろ俺も壱樹に依存するのをやめないと。
「あきらさん~、終わりました?」
「んっ、いい子で待ててえらいな」
「えへへ、もっと褒めて~」
廊下に出れば壱樹に抱きしめられる。恵まれた体格と涼しげな容姿に反して性格は甘えん坊な壱樹は触れ合うことと褒められることが大好きだ。刷り込みのように俺に懐いた壱樹の仕草に無いはずの母性が芽生えて毎回ドキドキしてたまらなくなる。担当モデルにこんな感情を抱くなんて良くないことはわかっていたけれど、いざ離れるとなるとつらい。同じ事務所なんだから四六時中は会えなくても話をすることはできるから、何とか頑張ろう。
「ん~?あきらさん何かありました?」
「いやなんでもないよ」
変更の件は社長から告げるらしいから俺から何も言うことができない。それにあっさりした反応だと俺の心が壊れてしまうかもしれなくて怖い。
「あきらさん、吸わせて?」
「っ、もちろん」
チュパッチュッ、レェッチュ、ヂュヂュッパッ
「んっ、んぅ……ッ~、ひっ、あ……ッんぁ、っ!」
「ん、は……っあきらさん、っちゅ、あきらさんのおっぱいあまい、っんちゅ、」
望まれるままに露わになった胸に吸い付く姿は赤ちゃんのように可愛らしい。けれど、響く音と乳首に纏わりつく舌技は厭らしくぞくぞくとした快感が背筋を駆け上る。
仕事場である楽屋で憧れの的である壱樹とこんな行為をしていることに背徳感と優越感でぐちゃぐちゃになって、全てに興奮してしまう。膝枕に乗っけられた頭の重みと腰を抱く腕の体温が大好きで前のめりに抱きしめれば、強まった吸引にびくんっと肩を跳ねさせる。
「は、あきらさんのおっぱい、大きくなっちゃったね」
「ぁ、ひっ、いちきがっ、ぁ……いっぱい吸うからぁ、っ~、」
「俺のせいであきらさんの身体えっちになっちゃったの嬉しい」
ちゅっと音を立てて離れた唇に纏う唾液が乳首を濡らしていると思うと、舌先がひどく疼いた。浅ましくキスを求める自分の欲に誤魔化すように、もっとと口にする。疲れた壱樹に漬け込んで始まったこの爛れた関係はもうすぐ終わってしまう。
「あきらさん?なに、考えごとしてるの?」
「んぅ、?いちきは、いつでも綺麗だから」
「ごまかした?、」
「ん、ーぃっ、なんでもないよ、ほんとうに」
「ちゅ、まあいっか」
壱樹には隠し事がバレてしまう、隠しているつもりなのに。無意識に寂しさがでていたのか、髪を撫でる指先に整えられた指先が絡められる。咎めるように甘噛みされた快感で押し殺す声が鼻に抜ける。
壱樹には及ばない演技力でへら、と頬を緩めれば、追及は後に伸ばされた。
「ふ~、ちゅ、はッ……あきらさん、だいすきっちゅ、っ、あきらさんは?」
「ぅんんッ、っ~ー、はぅ、ンッ、俺も、ひッぃあっ、~~ッぁ、」
自分から見ても膨らみも筋肉もない貧相な胸を揉まれ、吸われるたびにどうしようもない多幸感と罪責感に襲われる。見上げる壱樹の可愛さを独り占めしてるなんて、何かの罰が下されるべきだ。その罰はマネージャーを外れることなのだろう。
「ぁ、は……ぅ、いちき、んッ」
「あきらさんえっち、抱きたい」
「ひ、ぅ……し、ごとあるんだから、だめ、~~ぁ、う、っ」
赤く腫れた乳首が唾液に濡れ、吐息に触れるたびにジン、と甘い痺れが走る。熱い吐息は媚薬のように触れるたびに感度を引き上げ、覗く舌に肌が粟立つ。
「ッぅ、は……ンぃ、っい、ちきぃ、もっそろそろ、ぉッあ、!」
「やだ、まだいちゃいちゃしたい」
いつまでもこうしていたいけれど、今は合間の時間で後が迫っている。わがままで可愛い一言一言は甘えているだけだとしてもときめいてしまうこっちの身も案じてほしい。
時間がないことをわかっているくせに唇を離さない壱樹を静止する手は絡まった指先に拘束されている。
「ぁ、あとで、すきなことっしていい、ぁッからね?」
「言いましたからね」
「ん、?ぅん、いった」
強めに確認されたそれに頷けば、壱樹はやっと離れて身支度を整え始めた。晒された肉体美に鳴らした喉を気づかれないよう、思考を逸らす。次は雑誌の撮影だから、私情を挟むのはいけないと分かっていても、毎回気分を上げてしまう。
「俺の一番綺麗なとこ見ててね」
「っ、うん」
ポージングができないと半泣きになる壱樹に「壱樹が一番綺麗だよ、自信持って、」と慰めていた言葉は今も残って、切り替えはその言葉でできている。何度も何度も周りの厳しい言葉に砕けそうになって泣く壱樹を繋ぎ止めて、持たせた自信は絶対のものとなってトップモデル壱樹を作り上げた。もう周りからの評価は最高で俺なんかに聞かなくてもいいのに、終わりには「どうだった?綺麗?」と必ず問う壱樹は綺麗という言葉が大好きなようで何よりも綺麗で壱樹だけが一番だと語れば、嬉しそうに破顔する。そこには下心などなく、純粋な綺麗という言葉への喜びでできているもんだから、自分の生まれてしまった下心でその美貌にどき、と跳ねる心臓が疚しい。
「晶さん、夜ご飯は俺の家でいいですよね?」
「あー、うん」
「?俺の料理はやですか?」
「ぁえ、そんなことない!壱樹の料理はめっちゃ美味しい!から好きだよ!」
断じて、壱樹の料理が嫌というわけではないけれど、壱樹の料理がもう食べられなくなると思うと寂しくて言葉に詰まった。いつの日か突然始まった壱樹の自炊は俺を味見役に毎日続けられ、いつのまにかその腕はかなり高く、自炊の味を超えて誰しもが絶賛するものになっていた。けれど、それを趣味だと公表するわけでもなく俺だけに振る舞われるのは些かもったいないと感じてしまう。
「んふふ、今日は晶さんの大好きな親子丼ですよ」
壱樹の親子丼はほんのり甘くて鶏肉がぷりぷりで卵がふわふわでどこの店よりも俺好みで美味しい。思わず緩んだ表情に笑う壱樹の可愛さといったら何年一緒にいても目を奪われてしまう。
「おいしいですか?」
「もう、壱樹が作るの以外食べられないぐらい美味しい」
「俺が、一生作ってあげますからね」
「それは嬉しいな」
よく流れで壱樹が一生と言ってくれる言葉にいままでは甘えていたけれど、冗談でももう望むことができないのは少し悲しく感じることに気づいてしまった。けれど、それは今後マネージャーを続けるとしても必ず起こっていたことでいつかは壱樹が見つけた見合う人に振る舞う料理を笑顔を、おこぼれで貰ってしまっていただけだ。
「ごちそうさま」
「俺が洗うからいいんですよ」
「俺がやりたいからだめ」
なぜかお金を受け取ってくれない壱樹に妥協案として皿洗いは俺がやることに決めた。料理も片付けも全てやってもらうなんて堕落して壱樹なしでは生きていけなくなっちゃうからだめだと言ってるのに聞いてくれない。
「ッ、こら」
「俺のご飯いっぱい食べて、晶さんがもちもちになってくれて嬉しいです」
両脇から差し込んだ腕を腹に巻きつけて、覆い被さる身体の大きさとか体温に意識して、さわさわと撫でる掌に焚き付けられそうになる簡単な身体が恨めしい。浮いた骨が無いかと確認するように何度も何度も指先を這わせ、伸びる皮膚をむにむにと揉まれるとじわじわと熱を孕んだ奥に、はッと声が上擦る。バレないように声を堪えるのに前のめりになった身体がはしたなくナカに質量を求めて擦り付けてしまう。
「ほしいですか?」
「、ぁっあ……え、っんんぅ」
「ナカの気持ちいいとこいっぱい擦られて、」
「ッ~ー、!」
「深くてダメなとこをぐちゃぐちゃにドチュドチュッて突かれて、」
「ッ!ぁふ、ッ~~、」
「奥にいっぱい出されて種付けされたいですよね?」
「~ーぁっは、ひっ……~っほし、ぃ」
ぐい、ぐい、と突かれる快感を意識させられるままに求めたナカが疼いて何も考えられない。僅かな刺激を呼び水に身体を煽ろうとシている時の声色で思い出させるように、流し込まれる甘言に敗北する俺は既に壱樹の虜になってしまっている。
「抱っこしてあげます」
「ぇ?ぁ、ッ~~、」
ほんとに壱樹はずるい。そんなのかっこよすぎてだめなのに軽々と横に抱かれた身体と顔の近さに直視できない。
「知ってました?俺このためにジム通ってるの」
「~ーっうそ、いわないの、」
冗談でもそんなこと言われたら頭が蕩けてしまう。熱くて仕方がない顔を見られたくなくて必死に覆いながら自分の好きの重傷具合を悟る。担当モデルと爛れた関係になった末に私情でしか見られなくなったなんて、あるまじき事態すぎる。
「ぁッ~~、!は、ひっッぁいちき、いちッんッぅあッ、むぅっ!んッんん、ぅ~~ーッ!!」
「はッは、あきらさんっかわいいッ、ちゅー好きですか、ぁ?」
「す、ちゅッぃ、ちゅぅしてッぇ~、んむッんんっ~、!!」
パチュッパチュッと捏ね回される奥が気持ちよくてぱか、と開いた唇を塞ぐ舌先に恍惚として差し出した舌が愛撫される。戯れに逃げれば甘噛みで躾けられてべろ、と舌体を合わせ、とろとろの唾液が混ざり合えば媚薬を飲んだように身体が高まった。
「ぉ~っ、!?ぁッは、それぇっだめになっひゃうぅッ、~ーッぁああ!!」
「ふふ、だめになって?」
「な、ぁるッぇ、ぃうッ~、!いく、ッ~~ーっ!?ぉおッいちひ、んんんぅ~ーッ!!」
何度も何度も突かれる弱点に頭が真っ白になって、快楽で塗り潰される感覚に精液を吐き出す。シーツに縫いつけられた掌で感じる体温が嬉しくて、恋人のように絡まる指同士を締め付けた。
「あ、いちっいちき、きもちぃ?っ~ぁ、!はげし、ぃッ、~ーッ!?ッ!!!」
「気持ちいい、ですよっ!ずっと、えっちしましょうね?」
「ん、~ッする、ッぅ、!いちきろ、えっちしゅる、ッ!~ーッぉ、~~ぁああッ!!」
この瞬間だけは独り占めできていると思ってしまう俺はどこまでもずるくて、巧言だとわかっていても歓喜に身体を震わせた。
「晶さん、なんか社長から一人で来いってきたんだけど、無視しちゃダメ?」
「いい話かもしれないよ」
「えー、あきらさんも一緒に行きましょうよー」
不機嫌に唇を突き出した壱樹はどうしても俺も連れていきたいと駄々を捏ねている。拒否の連絡を送ろうとするから代わりに了承を送る。すると、より拗ねて長い手足が身体に巻きついて、封じられてしまった。
「なんで、送っちゃったの。いい話ならあきらさんも一緒でいいのに」
普段から人の機微に過敏な壱樹なりに察しているらしい。壱樹は人との関わりを毛嫌いするから、マネージャー変更は確かにいい話ではない。騙すような形で別れるのは責任感もなくて、最低だと思うけれど会ったら縋ってしまいそうだから仕方ないと思うしかない。
「いってらっしゃい」
「終わったら連絡しますから」
すっかり不貞腐れてしまった壱樹に苦笑いを返して引き継ぎの資料に加えておくことを思い出す。甘えん坊でコロコロと機嫌が変わる壱樹に手を焼いたことも多かったけれど、俺自身も楽しく仕事をすることができた。案外、俺が無意識に壱樹の人見知りを利用して担当変更を遠ざけていたのかもしれない。
後で次の担当の引き継ぎをするからと帰宅を許された身でどこにも行けるのに久々の僅かな休暇でも何もする気が起きなくて、そのまま空虚に自宅のドアを開けた。
「壱樹が楽しく仕事できるといいな」
外を叩きつける雨の音の憂鬱さに引き摺られて、次の担当の資料を見ずにベッドに寝転がる。俺が初めて見つけた原石はすっかり宝石として羽ばたいていて、もう研磨師の役割は必要なくなってしまった。
ピンポーン、
「、はい、いま出ます、て……え?」
「あきらさん、開けて」
「あ、うん!いま開けるからっ!」
液晶画面に映るずぶ濡れの壱樹は傘すらも持たずに俯いていた。雨が嫌いで濡れることは大嫌いだと雨の日の撮影は口角を下げていたのに滴るほどに濡れた姿に慌ててタオルで包む。髪の毛を拭いながら額を測れば熱はないことに心底安心するが、俺の目を見つめる壱樹の様子がおかしいことに心配が募る。
「そんな、どうした!?送迎車は!?体調は大丈夫!?」
「なんで迎えに来てくれなかったんですか」
「あれ、社長から送迎車出すって、伝わってなかったかな。ごめんな」
「あんな車乗りたくない。マネージャー変更するって言われるし、晶さん連絡しても出てくれないし」
車酔いが酷いからといつもは俺が運転するけれど、今日ばかりは壱樹の慣れのためにも送迎車を出すと言われていた。今朝も伝えたはずだけれど返事がなかったことを思い出す。完全に俺の失態だと端末を確認すればそこには数百件のメールと履歴が残されていた。マネージャー変更の件の追及から始まる文章から取り乱す様子が感じられて胸が締めつけられる。
ぎゅうと掴まれた手首の圧は壱樹の不安を表しているようで、宥める間にもうるうると涙の膜が張っていく姿に衝動のまま冷たい身体を抱きしめた。
「いままで寝てたんだよ。ごめんな」
「うそ。俺のこと捨てて新しいモデルといたんでしょ」
「そんなことない。俺が壱樹を捨てるはずがないだろ」
「なんで変更なんて受け入れたの。あきらさんは俺と離れたいの?」
「離れたくなんかない。でも、今後を考えたらより仕事がとれる人がマネージャーの方がいいだろ?」
「そんな人よりあきらさんがいい」
「一生、一緒だっていったのに。マネージャーだからいけないんですか?」
「そんなことは、」
「マネージャーだからあきらさんは俺の気持ち受け入れてくれないんですよね?もう、マネージャーじゃないならいいですよね?」
「え、ぁや、だめ……」
「だめ、ですか?」
長い睫毛に縁取られた大きな瞳に覗き込まれると思わず言葉が詰まる。ダメだと線を引かなくちゃいけないのに。はくはくと酸素を求めるように開閉するだけで拒絶を吐けなくなってしまった。
絡め取られた指先から伝わる冷たさは触れるたび、燃えるような熱を灯す。ぎゅう、と腰に回る腕の震えに胸が締め付けられて、離れなきゃいけないのに伝わる温度が恋しくて気づけば壱樹の胸に顔を埋めていた。
「すき。ねえ好き。俺、あきらさんが思ってるより重い男だから離してあげられない」
「で、もっンぅ、」
「すき、あきらさんすき、すき。こんなに好きにさせたんだから責任とってくださいよ」
受け止めきれないほどの好きが頭を溶かしていく。茹だる頭がおかしくなる前に懇願するようにやめてと顔をあげれば、待ってたように降り注ぐ唇の柔らかさをどうしようもなく甘受してしまう。それすらも見透かしたように甘い言葉を振りかけながらやわい唇を耳から頬に触れさせる壱樹は天使のように美しく、堕ちる姿を待ち望む悪魔のようだった。
「ん、ぅっ……ぁ、」
「すき、すき、あきらさんは?」
「っ、す、き……っはなれたくない」
覗き込む瞳に囚われて、酸欠になった頭は欲望のままに言葉が溢れ出す。言った、言ってしまった。離してあげなくちゃいけないのに。言葉を取り消すことはできなくて、自分から拒絶したくせに未練がましい自分を罵る意識が苦しくて、滲む視界に壱樹が歪む。
「ッやっと言ってくれた!もう離しません」
「ぃ、いっ、いちき……」
「恋人えっちしましょうね?」
「ッぁ、う……はひ、っ」
軽々と腰を抱かれて持ち上げられてしまった身体は一直線に寝室へと運ばれる。恋人という甘い響きに酔わされて、だめなのに抗えない俺はマネージャー失格だとわかっているのに、触れる肌の温かさが全てを絆していく。
「あきらさん、あきらさんすき、ちゅ、ん……すき、は、かわいい」
「ぁ、ッあひ、っんぅ、うッいち、きっぁ、すきっ~ー、!」
「あきらさんッ、!すきッあいしてる、一生はなしませんから、っ、ふ」
「ぉ、ぃひっあ、ッふ、いちきぃぁ~、いちきッおれも、あいしてる、ッぁあッ!?っーッイ、いっちゃ、ぅッ~ーー~ッ!!」
どろどろに体温が混ざり合って、境界線すらもわからない。触れられる場所が熱くて、ひたすらに注がれる愛が恥ずかしくてたまらないのに壱樹の本心なのが嬉しくて、ねだるように唇を寄せれば絡みつく甘い舌の虜になってしまった。際限なく浴びせられる好きは媚薬のように身体を高めて、蠕動する襞を抉られる快楽に反った背中がシーツに押さえつけられる。
「ずっと、ずっとッこうしていましょうね?あきらさん、俺しかいらないでしょう?」
「ん、ッうん、!っいちき、いちきしかいらにゃいッぃッ~ー、!?ぁ、ひ、ぁぁあっ~~ッ!!、」
何もかもうやむやになって、ただただ恋に溺れる快楽は脳をぐちゃぐちゃに蕩して獣のように背中を掻き抱いた。いじわるに抽挿を繰り返す腰つきはひたすらに弱点をえぐりあげるから押し出されるように喘ぎが上擦る。何度も何度も肌を吸いだす舌先が乳首にたどり着けば、がくッと跳ねた身体を嬉しそうに愛撫される。
「は、んッまた、離れようとしたらおれ、あきらさんのこと監禁しちゃうかも、」
「ぁ、ははっ、かわいい、んぃッ、~ーっ!ちゅ、ぅッ、~ー~~ッぁあぁんッ!!」
「かわいいのは、っあきらさんのほうでしょ、」
拗ねたように尖らせた唇に吸い付けばがぶ、と喰らいつく舌に翻弄される。呼吸さえも独占しようとするように強引に上顎をくすぐり、舌先から根元までなぶり犯す快感にめろめろで、明滅する視界いっぱいの壱樹に多幸感が押し寄せる。
こんな幸せを知ってしまったら離れられない。壱樹に捨てられない限り、俺はきっとこのままずるずる続けてしまうだろう。後先なんて考えられないほど愛で浸されて快楽漬けにされてしまった脳は本能剥き出しに壱樹を求めている。壱樹が求めてくれるのが幸せで首筋につい、吸いついて付いた跡で焚きつけてしまった壱樹に揺すられる。
翌朝にも残る身体中の鬱血痕と手痕に青ざめるよりもいつまでも残って欲しいと願ってしまった俺はもう手遅れだと自覚する。けれど、壱樹の美術品のような身体に残ってしまった爪痕に血の気がひいて、土下座をする前にベッドに引きづり込まれた。
「今度は若手の担当になってもらおうと思って」
突然の宣告に口を開けて驚くことしかできない。確かに、マネージメントにおいて長期的に同じ者が務めることはデメリットも発生するけれど、急に自分が言われると受け止めきれない。
「大丈夫、晶くんの壱樹くんはもう立派に育ったし」
「で、も……、はい。わかりました」
どうにか取り消せないかと口を開いたがどうせこの社長のことだから決定事項だと口を閉ざした。一から育てた俺の可愛い壱樹はついに巣立ってしまうらしい。スカウトから表情管理、メンタルまで手塩に育て今やトップモデルとなった壱樹はもはや可愛すぎてマネージャーとモデルの関係が壊れてしまっていたから、逆に今回はいい機会かもしれない。そろそろ俺も壱樹に依存するのをやめないと。
「あきらさん~、終わりました?」
「んっ、いい子で待ててえらいな」
「えへへ、もっと褒めて~」
廊下に出れば壱樹に抱きしめられる。恵まれた体格と涼しげな容姿に反して性格は甘えん坊な壱樹は触れ合うことと褒められることが大好きだ。刷り込みのように俺に懐いた壱樹の仕草に無いはずの母性が芽生えて毎回ドキドキしてたまらなくなる。担当モデルにこんな感情を抱くなんて良くないことはわかっていたけれど、いざ離れるとなるとつらい。同じ事務所なんだから四六時中は会えなくても話をすることはできるから、何とか頑張ろう。
「ん~?あきらさん何かありました?」
「いやなんでもないよ」
変更の件は社長から告げるらしいから俺から何も言うことができない。それにあっさりした反応だと俺の心が壊れてしまうかもしれなくて怖い。
「あきらさん、吸わせて?」
「っ、もちろん」
チュパッチュッ、レェッチュ、ヂュヂュッパッ
「んっ、んぅ……ッ~、ひっ、あ……ッんぁ、っ!」
「ん、は……っあきらさん、っちゅ、あきらさんのおっぱいあまい、っんちゅ、」
望まれるままに露わになった胸に吸い付く姿は赤ちゃんのように可愛らしい。けれど、響く音と乳首に纏わりつく舌技は厭らしくぞくぞくとした快感が背筋を駆け上る。
仕事場である楽屋で憧れの的である壱樹とこんな行為をしていることに背徳感と優越感でぐちゃぐちゃになって、全てに興奮してしまう。膝枕に乗っけられた頭の重みと腰を抱く腕の体温が大好きで前のめりに抱きしめれば、強まった吸引にびくんっと肩を跳ねさせる。
「は、あきらさんのおっぱい、大きくなっちゃったね」
「ぁ、ひっ、いちきがっ、ぁ……いっぱい吸うからぁ、っ~、」
「俺のせいであきらさんの身体えっちになっちゃったの嬉しい」
ちゅっと音を立てて離れた唇に纏う唾液が乳首を濡らしていると思うと、舌先がひどく疼いた。浅ましくキスを求める自分の欲に誤魔化すように、もっとと口にする。疲れた壱樹に漬け込んで始まったこの爛れた関係はもうすぐ終わってしまう。
「あきらさん?なに、考えごとしてるの?」
「んぅ、?いちきは、いつでも綺麗だから」
「ごまかした?、」
「ん、ーぃっ、なんでもないよ、ほんとうに」
「ちゅ、まあいっか」
壱樹には隠し事がバレてしまう、隠しているつもりなのに。無意識に寂しさがでていたのか、髪を撫でる指先に整えられた指先が絡められる。咎めるように甘噛みされた快感で押し殺す声が鼻に抜ける。
壱樹には及ばない演技力でへら、と頬を緩めれば、追及は後に伸ばされた。
「ふ~、ちゅ、はッ……あきらさん、だいすきっちゅ、っ、あきらさんは?」
「ぅんんッ、っ~ー、はぅ、ンッ、俺も、ひッぃあっ、~~ッぁ、」
自分から見ても膨らみも筋肉もない貧相な胸を揉まれ、吸われるたびにどうしようもない多幸感と罪責感に襲われる。見上げる壱樹の可愛さを独り占めしてるなんて、何かの罰が下されるべきだ。その罰はマネージャーを外れることなのだろう。
「ぁ、は……ぅ、いちき、んッ」
「あきらさんえっち、抱きたい」
「ひ、ぅ……し、ごとあるんだから、だめ、~~ぁ、う、っ」
赤く腫れた乳首が唾液に濡れ、吐息に触れるたびにジン、と甘い痺れが走る。熱い吐息は媚薬のように触れるたびに感度を引き上げ、覗く舌に肌が粟立つ。
「ッぅ、は……ンぃ、っい、ちきぃ、もっそろそろ、ぉッあ、!」
「やだ、まだいちゃいちゃしたい」
いつまでもこうしていたいけれど、今は合間の時間で後が迫っている。わがままで可愛い一言一言は甘えているだけだとしてもときめいてしまうこっちの身も案じてほしい。
時間がないことをわかっているくせに唇を離さない壱樹を静止する手は絡まった指先に拘束されている。
「ぁ、あとで、すきなことっしていい、ぁッからね?」
「言いましたからね」
「ん、?ぅん、いった」
強めに確認されたそれに頷けば、壱樹はやっと離れて身支度を整え始めた。晒された肉体美に鳴らした喉を気づかれないよう、思考を逸らす。次は雑誌の撮影だから、私情を挟むのはいけないと分かっていても、毎回気分を上げてしまう。
「俺の一番綺麗なとこ見ててね」
「っ、うん」
ポージングができないと半泣きになる壱樹に「壱樹が一番綺麗だよ、自信持って、」と慰めていた言葉は今も残って、切り替えはその言葉でできている。何度も何度も周りの厳しい言葉に砕けそうになって泣く壱樹を繋ぎ止めて、持たせた自信は絶対のものとなってトップモデル壱樹を作り上げた。もう周りからの評価は最高で俺なんかに聞かなくてもいいのに、終わりには「どうだった?綺麗?」と必ず問う壱樹は綺麗という言葉が大好きなようで何よりも綺麗で壱樹だけが一番だと語れば、嬉しそうに破顔する。そこには下心などなく、純粋な綺麗という言葉への喜びでできているもんだから、自分の生まれてしまった下心でその美貌にどき、と跳ねる心臓が疚しい。
「晶さん、夜ご飯は俺の家でいいですよね?」
「あー、うん」
「?俺の料理はやですか?」
「ぁえ、そんなことない!壱樹の料理はめっちゃ美味しい!から好きだよ!」
断じて、壱樹の料理が嫌というわけではないけれど、壱樹の料理がもう食べられなくなると思うと寂しくて言葉に詰まった。いつの日か突然始まった壱樹の自炊は俺を味見役に毎日続けられ、いつのまにかその腕はかなり高く、自炊の味を超えて誰しもが絶賛するものになっていた。けれど、それを趣味だと公表するわけでもなく俺だけに振る舞われるのは些かもったいないと感じてしまう。
「んふふ、今日は晶さんの大好きな親子丼ですよ」
壱樹の親子丼はほんのり甘くて鶏肉がぷりぷりで卵がふわふわでどこの店よりも俺好みで美味しい。思わず緩んだ表情に笑う壱樹の可愛さといったら何年一緒にいても目を奪われてしまう。
「おいしいですか?」
「もう、壱樹が作るの以外食べられないぐらい美味しい」
「俺が、一生作ってあげますからね」
「それは嬉しいな」
よく流れで壱樹が一生と言ってくれる言葉にいままでは甘えていたけれど、冗談でももう望むことができないのは少し悲しく感じることに気づいてしまった。けれど、それは今後マネージャーを続けるとしても必ず起こっていたことでいつかは壱樹が見つけた見合う人に振る舞う料理を笑顔を、おこぼれで貰ってしまっていただけだ。
「ごちそうさま」
「俺が洗うからいいんですよ」
「俺がやりたいからだめ」
なぜかお金を受け取ってくれない壱樹に妥協案として皿洗いは俺がやることに決めた。料理も片付けも全てやってもらうなんて堕落して壱樹なしでは生きていけなくなっちゃうからだめだと言ってるのに聞いてくれない。
「ッ、こら」
「俺のご飯いっぱい食べて、晶さんがもちもちになってくれて嬉しいです」
両脇から差し込んだ腕を腹に巻きつけて、覆い被さる身体の大きさとか体温に意識して、さわさわと撫でる掌に焚き付けられそうになる簡単な身体が恨めしい。浮いた骨が無いかと確認するように何度も何度も指先を這わせ、伸びる皮膚をむにむにと揉まれるとじわじわと熱を孕んだ奥に、はッと声が上擦る。バレないように声を堪えるのに前のめりになった身体がはしたなくナカに質量を求めて擦り付けてしまう。
「ほしいですか?」
「、ぁっあ……え、っんんぅ」
「ナカの気持ちいいとこいっぱい擦られて、」
「ッ~ー、!」
「深くてダメなとこをぐちゃぐちゃにドチュドチュッて突かれて、」
「ッ!ぁふ、ッ~~、」
「奥にいっぱい出されて種付けされたいですよね?」
「~ーぁっは、ひっ……~っほし、ぃ」
ぐい、ぐい、と突かれる快感を意識させられるままに求めたナカが疼いて何も考えられない。僅かな刺激を呼び水に身体を煽ろうとシている時の声色で思い出させるように、流し込まれる甘言に敗北する俺は既に壱樹の虜になってしまっている。
「抱っこしてあげます」
「ぇ?ぁ、ッ~~、」
ほんとに壱樹はずるい。そんなのかっこよすぎてだめなのに軽々と横に抱かれた身体と顔の近さに直視できない。
「知ってました?俺このためにジム通ってるの」
「~ーっうそ、いわないの、」
冗談でもそんなこと言われたら頭が蕩けてしまう。熱くて仕方がない顔を見られたくなくて必死に覆いながら自分の好きの重傷具合を悟る。担当モデルと爛れた関係になった末に私情でしか見られなくなったなんて、あるまじき事態すぎる。
「ぁッ~~、!は、ひっッぁいちき、いちッんッぅあッ、むぅっ!んッんん、ぅ~~ーッ!!」
「はッは、あきらさんっかわいいッ、ちゅー好きですか、ぁ?」
「す、ちゅッぃ、ちゅぅしてッぇ~、んむッんんっ~、!!」
パチュッパチュッと捏ね回される奥が気持ちよくてぱか、と開いた唇を塞ぐ舌先に恍惚として差し出した舌が愛撫される。戯れに逃げれば甘噛みで躾けられてべろ、と舌体を合わせ、とろとろの唾液が混ざり合えば媚薬を飲んだように身体が高まった。
「ぉ~っ、!?ぁッは、それぇっだめになっひゃうぅッ、~ーッぁああ!!」
「ふふ、だめになって?」
「な、ぁるッぇ、ぃうッ~、!いく、ッ~~ーっ!?ぉおッいちひ、んんんぅ~ーッ!!」
何度も何度も突かれる弱点に頭が真っ白になって、快楽で塗り潰される感覚に精液を吐き出す。シーツに縫いつけられた掌で感じる体温が嬉しくて、恋人のように絡まる指同士を締め付けた。
「あ、いちっいちき、きもちぃ?っ~ぁ、!はげし、ぃッ、~ーッ!?ッ!!!」
「気持ちいい、ですよっ!ずっと、えっちしましょうね?」
「ん、~ッする、ッぅ、!いちきろ、えっちしゅる、ッ!~ーッぉ、~~ぁああッ!!」
この瞬間だけは独り占めできていると思ってしまう俺はどこまでもずるくて、巧言だとわかっていても歓喜に身体を震わせた。
「晶さん、なんか社長から一人で来いってきたんだけど、無視しちゃダメ?」
「いい話かもしれないよ」
「えー、あきらさんも一緒に行きましょうよー」
不機嫌に唇を突き出した壱樹はどうしても俺も連れていきたいと駄々を捏ねている。拒否の連絡を送ろうとするから代わりに了承を送る。すると、より拗ねて長い手足が身体に巻きついて、封じられてしまった。
「なんで、送っちゃったの。いい話ならあきらさんも一緒でいいのに」
普段から人の機微に過敏な壱樹なりに察しているらしい。壱樹は人との関わりを毛嫌いするから、マネージャー変更は確かにいい話ではない。騙すような形で別れるのは責任感もなくて、最低だと思うけれど会ったら縋ってしまいそうだから仕方ないと思うしかない。
「いってらっしゃい」
「終わったら連絡しますから」
すっかり不貞腐れてしまった壱樹に苦笑いを返して引き継ぎの資料に加えておくことを思い出す。甘えん坊でコロコロと機嫌が変わる壱樹に手を焼いたことも多かったけれど、俺自身も楽しく仕事をすることができた。案外、俺が無意識に壱樹の人見知りを利用して担当変更を遠ざけていたのかもしれない。
後で次の担当の引き継ぎをするからと帰宅を許された身でどこにも行けるのに久々の僅かな休暇でも何もする気が起きなくて、そのまま空虚に自宅のドアを開けた。
「壱樹が楽しく仕事できるといいな」
外を叩きつける雨の音の憂鬱さに引き摺られて、次の担当の資料を見ずにベッドに寝転がる。俺が初めて見つけた原石はすっかり宝石として羽ばたいていて、もう研磨師の役割は必要なくなってしまった。
ピンポーン、
「、はい、いま出ます、て……え?」
「あきらさん、開けて」
「あ、うん!いま開けるからっ!」
液晶画面に映るずぶ濡れの壱樹は傘すらも持たずに俯いていた。雨が嫌いで濡れることは大嫌いだと雨の日の撮影は口角を下げていたのに滴るほどに濡れた姿に慌ててタオルで包む。髪の毛を拭いながら額を測れば熱はないことに心底安心するが、俺の目を見つめる壱樹の様子がおかしいことに心配が募る。
「そんな、どうした!?送迎車は!?体調は大丈夫!?」
「なんで迎えに来てくれなかったんですか」
「あれ、社長から送迎車出すって、伝わってなかったかな。ごめんな」
「あんな車乗りたくない。マネージャー変更するって言われるし、晶さん連絡しても出てくれないし」
車酔いが酷いからといつもは俺が運転するけれど、今日ばかりは壱樹の慣れのためにも送迎車を出すと言われていた。今朝も伝えたはずだけれど返事がなかったことを思い出す。完全に俺の失態だと端末を確認すればそこには数百件のメールと履歴が残されていた。マネージャー変更の件の追及から始まる文章から取り乱す様子が感じられて胸が締めつけられる。
ぎゅうと掴まれた手首の圧は壱樹の不安を表しているようで、宥める間にもうるうると涙の膜が張っていく姿に衝動のまま冷たい身体を抱きしめた。
「いままで寝てたんだよ。ごめんな」
「うそ。俺のこと捨てて新しいモデルといたんでしょ」
「そんなことない。俺が壱樹を捨てるはずがないだろ」
「なんで変更なんて受け入れたの。あきらさんは俺と離れたいの?」
「離れたくなんかない。でも、今後を考えたらより仕事がとれる人がマネージャーの方がいいだろ?」
「そんな人よりあきらさんがいい」
「一生、一緒だっていったのに。マネージャーだからいけないんですか?」
「そんなことは、」
「マネージャーだからあきらさんは俺の気持ち受け入れてくれないんですよね?もう、マネージャーじゃないならいいですよね?」
「え、ぁや、だめ……」
「だめ、ですか?」
長い睫毛に縁取られた大きな瞳に覗き込まれると思わず言葉が詰まる。ダメだと線を引かなくちゃいけないのに。はくはくと酸素を求めるように開閉するだけで拒絶を吐けなくなってしまった。
絡め取られた指先から伝わる冷たさは触れるたび、燃えるような熱を灯す。ぎゅう、と腰に回る腕の震えに胸が締め付けられて、離れなきゃいけないのに伝わる温度が恋しくて気づけば壱樹の胸に顔を埋めていた。
「すき。ねえ好き。俺、あきらさんが思ってるより重い男だから離してあげられない」
「で、もっンぅ、」
「すき、あきらさんすき、すき。こんなに好きにさせたんだから責任とってくださいよ」
受け止めきれないほどの好きが頭を溶かしていく。茹だる頭がおかしくなる前に懇願するようにやめてと顔をあげれば、待ってたように降り注ぐ唇の柔らかさをどうしようもなく甘受してしまう。それすらも見透かしたように甘い言葉を振りかけながらやわい唇を耳から頬に触れさせる壱樹は天使のように美しく、堕ちる姿を待ち望む悪魔のようだった。
「ん、ぅっ……ぁ、」
「すき、すき、あきらさんは?」
「っ、す、き……っはなれたくない」
覗き込む瞳に囚われて、酸欠になった頭は欲望のままに言葉が溢れ出す。言った、言ってしまった。離してあげなくちゃいけないのに。言葉を取り消すことはできなくて、自分から拒絶したくせに未練がましい自分を罵る意識が苦しくて、滲む視界に壱樹が歪む。
「ッやっと言ってくれた!もう離しません」
「ぃ、いっ、いちき……」
「恋人えっちしましょうね?」
「ッぁ、う……はひ、っ」
軽々と腰を抱かれて持ち上げられてしまった身体は一直線に寝室へと運ばれる。恋人という甘い響きに酔わされて、だめなのに抗えない俺はマネージャー失格だとわかっているのに、触れる肌の温かさが全てを絆していく。
「あきらさん、あきらさんすき、ちゅ、ん……すき、は、かわいい」
「ぁ、ッあひ、っんぅ、うッいち、きっぁ、すきっ~ー、!」
「あきらさんッ、!すきッあいしてる、一生はなしませんから、っ、ふ」
「ぉ、ぃひっあ、ッふ、いちきぃぁ~、いちきッおれも、あいしてる、ッぁあッ!?っーッイ、いっちゃ、ぅッ~ーー~ッ!!」
どろどろに体温が混ざり合って、境界線すらもわからない。触れられる場所が熱くて、ひたすらに注がれる愛が恥ずかしくてたまらないのに壱樹の本心なのが嬉しくて、ねだるように唇を寄せれば絡みつく甘い舌の虜になってしまった。際限なく浴びせられる好きは媚薬のように身体を高めて、蠕動する襞を抉られる快楽に反った背中がシーツに押さえつけられる。
「ずっと、ずっとッこうしていましょうね?あきらさん、俺しかいらないでしょう?」
「ん、ッうん、!っいちき、いちきしかいらにゃいッぃッ~ー、!?ぁ、ひ、ぁぁあっ~~ッ!!、」
何もかもうやむやになって、ただただ恋に溺れる快楽は脳をぐちゃぐちゃに蕩して獣のように背中を掻き抱いた。いじわるに抽挿を繰り返す腰つきはひたすらに弱点をえぐりあげるから押し出されるように喘ぎが上擦る。何度も何度も肌を吸いだす舌先が乳首にたどり着けば、がくッと跳ねた身体を嬉しそうに愛撫される。
「は、んッまた、離れようとしたらおれ、あきらさんのこと監禁しちゃうかも、」
「ぁ、ははっ、かわいい、んぃッ、~ーっ!ちゅ、ぅッ、~ー~~ッぁあぁんッ!!」
「かわいいのは、っあきらさんのほうでしょ、」
拗ねたように尖らせた唇に吸い付けばがぶ、と喰らいつく舌に翻弄される。呼吸さえも独占しようとするように強引に上顎をくすぐり、舌先から根元までなぶり犯す快感にめろめろで、明滅する視界いっぱいの壱樹に多幸感が押し寄せる。
こんな幸せを知ってしまったら離れられない。壱樹に捨てられない限り、俺はきっとこのままずるずる続けてしまうだろう。後先なんて考えられないほど愛で浸されて快楽漬けにされてしまった脳は本能剥き出しに壱樹を求めている。壱樹が求めてくれるのが幸せで首筋につい、吸いついて付いた跡で焚きつけてしまった壱樹に揺すられる。
翌朝にも残る身体中の鬱血痕と手痕に青ざめるよりもいつまでも残って欲しいと願ってしまった俺はもう手遅れだと自覚する。けれど、壱樹の美術品のような身体に残ってしまった爪痕に血の気がひいて、土下座をする前にベッドに引きづり込まれた。
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