88 / 225
VS王国+勇者
マガマガシイモノ
しおりを挟む魔王国アディス
魔王城 正門前
『ガンッ!!』
「………ぐっ!」
縮地で距離を詰めグラサン(エルム)を殴りつけるが、銃を十字にして受け止められた。
だが俺は構わず拳を振り抜く。
「おらっ!」
「ぬぅっ!」
グラサンは少し浮き、後ろに吹き飛ぶもバランスを崩す事なく足を地に着け、態勢を戻す。
「………チッ」
銃も硬えし、態勢も崩さねえか…。
俺は舌打ちを一つ打ちながら、死角から撃ち込まれたビームを左手のひらで受け止める。
ちょっと熱い…。
「………………」
ビームを死角から撃った奴(ヒイロ)は特に顔色を帰ることなく、俺の死角、死角へと移動を続けるが…
「(お前の相手は後だ………とりあえずグラサンを…なっ)『縮地』っ!」
既にこちらに銃を向けていたグラサンの右側に移動。気付いたグラサンは直ぐに反応し右手の銃を振ってくるが…。
「遅いっ!!」
『ガンッ!!』
「ぐあっ!?」
銃ではなく、右手の甲を左拳で打つ。
グラサンは銃を落とすも、左手の銃を俺に向けようとする。
「それも遅いっ!」
左手の銃口が向けられる前に、俺は右拳を振り抜いた…。
『ドゴォッ!!』
「っ!?」
グラサンの右頬を直撃し、サングラスは割れ顔から外れる。
グラサン(もう外れているが)は大きく吹き飛び地面を何度も転がり、そのまま起き上がらないのを確認する前に…
「…ぉっとぉ」
『バシィッ!』
俺が拳を振り抜いたところを間髪入れずにビームを撃たれるが…。
俺は避けずに打ち消す。
「………………」
「(無愛想な奴だな…。さっきもだがビームを打ち消されてもかわされても、仲間がやられても表情一つ変えやがらねぇ…)」
俺が一歩動くと同じだけ動いて、自分の距離を保つ………俺が縮地で一気に距離を詰めるのを見ていてるのに戦法を変えないとは…。
縮地に対する手段でも持っているのか?
一人を倒したので俺の死角を取るのは止めて、一定の距離を保ち、移動しながら二丁の銃で交互に撃ってくる…。
「………………」
「………………」
避け、打ち消し、距離を詰めようとするも、やはり縮まらない…。
それだけでもあの無愛想な少年兵の強さが窺えるが…縮地に対する手段が有ろうが無かろうが、とりあえず飛び込もうかっ!
「『縮地』っ!」
一気に加速し距離を詰める…
「………それを待っていた…」
~~~~~~~~~~~~~~~~
魔王城 正門前
「………ふっ!」
「………はっ!」
『ガッ………ゴッ………ガガガッ!!』
高速で動く、二人の勇者。
攻撃を放つもお互いの防御技術が高く、クリーンヒットは無い…。
お互いがまだ様子見であるのも理由の一端ではあるが…。
「(………これは………侮れないね。たかがギルドのトップ、そう思ったのだけど…。元勇者は伊達じゃない………か)」
「(………なかなかヤる。お互い様子見なのも分かっているだろうが………技術は高いな。勇者というだけのことはある。だが…)」
『ガンッ!!』
お互いの右拳をお互いの左腕でガードする。
一瞬目を合わせた後、距離を取る。そして…
「………………」
「………………」
少しの沈黙の後、シュウヤが口を開く。
「………フフ、『盾』との戦闘で武器が無くなったのかい?」
マサシの腰の鞘を指差す。
「………ああ。別に気にしなくても大丈夫だ…」
気にせず答えるマサシ。
「良いのかい?簡単に答えて。それとも余裕?」
「余裕とは違うが………武器はちゃんとあるからな」
「フフ…なら遠慮なく使わせてもらおうかな…」
そう言い、腰の鞘を掴み、柄に右手を添える。
『スラァッ』と抜いたその両刃の長剣は…
「………フフフ」
「………………っ」
黒とも赤とも言えない………そんな禍々しい輝きを放っていた…。
~~~~~~~~~~~~~~~~
魔王国アディス
衛星都市への街道
その頃、トーイチは…
『そこまでだ!………………畳み掛ける!………………いけえぇぇっ!!』
「(………今度、俺も使おう)」ウン
タブレットで動画を視て、自分の中では戦闘の勉強をしているつもりになっていた…。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
手のひらで受け止める=ちょっと熱いで済んだらしい
シュウヤ剣を抜く=禍々しい
トーイチ=勉強中(笑)
シリアスが襲撃中。
逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ。
次回もよろしくお願いします。
21
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。