異世界召喚されました……断る!

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VS王国+勇者

ウチハナツモノタチ

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 魔王国アディス
 魔王城 正門前


「………………」

 ヒイロは焦っていた…。
『大型魔導銃:双極』………『意思持つ武器《インテリジェンスウエポン》』としての特殊能力『未来予測』が働いているにも関わらず、こちらの攻撃は尽く避けられ、防がれているからだ。

 生来からなのかどうか、ヒイロは焦りを微塵も表情にださないが、感情は焦りを持ち、その『未来予測』以上に自分が攻撃している事に苛立ちも募っていった。

 しかし一方でまだ少年(の見た目)にも関わらず、思考の一部は冷静に戦況を観察、分析していた。
 
「(………焦る必要はない。必ず勝機がくると"零"が言っている)」

 焦りを、感情を、意思の力で抑え込み、勝機をじっと待つ…。






 そして………その"時"がやってくる。

「『縮地』っ!!」

 縮地で距離を詰めてから攻撃までの一瞬の『間』を。
 "零"が教えてくれた勝機が、俺には見えている…と。




「………それを待っていた…」




~~~~~~~~~~~~~~~~


 魔王城 正門前

 
 俺は縮地で一気に距離を詰めた。
 相手の正面ではなく、やや斜め後方………相手の死角になるように。
 だが…

「………それを待っていた…」

 俺を待っていたのは…

「………ターゲットロック…最大出力」

 大型の銃を合わせていた…

「………発射」

 銃口だった…。

『ブウゥゥゥ………』

 零距離射撃っ!?狙われたっ!?

「っ!?こんのおぉっ!!」

 俺は流れる様に『身体強化:改』を発動。
 右拳を下から振り、銃口をかち上げる。

『ガンッ!』
『………ズドオォオォッ!!』

  極大のビームは直上に放たれ、魔王城正門前に光の柱が立ち上がる。
 そして…

 銃と一緒に跳ね上げられた腕が戻る前に、俺は一歩前に踏み込み、振り上げた右拳を戻しながら相手の襟元を『グッ』と掴む。
 と同時に左拳を相手の体に密着させる。

「………っ!?」

「おおおぉぉっ!!」
『ズンッ!!』

 密着させた拳から相手の体内に衝撃を撃ち込む、俺の得意技の一つ。
 日本にいた頃は出来なかった、憧れの技の一つでもある。
 英語にすると『タイガーキャノン』と若干ダサいが…それはしょうがない。




「………………がふっ」

『ドサリ…』と吐血し、俺に凭れる様に倒れる少年兵を地にソッと寝かせる…。
 
「ふっ………アウトレンジだけで俺に勝てると思ったのが大間違いだったな…」

 聞こえているかは分からないが俺はそう言い、視線をもう一つの戦闘へ向ける。

「………………やっぱりマサシだったか。なら俺は高みの見物とさせてもらおうかね」

 俺は正門横の壁に背中を着けて、胡座をかいて見物を決め込むことにした。
 もちろんタブレットでタバコとビール、おつまみを用意したのは言うまでもない。




~~~~~~~~~~~~~~~~


 魔王城 ?????


「………で、あなたは裏門に来て何をするつもりかしら?」

「これはこれは………私に気付いていましたか。気配は完璧に消せていたと思っていたんですがね…」

「気配は消えていたわよ。ただ私の眼が特別なだけ…」

「………魔眼………ですか」

「ソレはソレとして、質問に答えてくれないかしら?」

「答える必要が?」

「フフ………無いわね。あなたを倒せば良いだけだもの…」

「面白い事を言う………貴女に出来るのですか?」

「戦れば分かるわ…」






『魔王姫』と『博士』の戦いが静かに始まろうとしていた…。


〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓


"零"=ゼロでもレイでもオケ
身体強化:改=界◯拳三倍的な
タイガーキャノン=アレ
先輩=寛ぎ始める。TVで野球的な
魔眼=満を持して登場的な

対ヒイロ決着。
そして新たな戦いが…。もう一つはまだ終わってないのに…。
魔眼は『魔眼』って使いたかっただけなのは秘密です。
そして、主人公またもや出番なし!

次回もよろしくお願いします。
 
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