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教国残党狩り特殊精鋭部隊
REUNION
しおりを挟む魔王国アディス
魔王城 謁見の間
玉座に座る男は魔王国アディスのトップ、魔王ルシファス・ヴィ・サタニア。
その対面には、この世界で最強の一角である冒険者ギルドのギルドマスター、もしくはグランドマスターであり『戦神』の二つ名を持つ日本人マサシ・コバヤシ。
そしてもう一人…
アライズ連合国の重鎮、旧エルフ国の現大公であり、魔術師ギルドのギルドマスターもしくはグランドマスター。
この世界で最強の魔術師『妖精』の二つ名を持つリディア・フォン・エルフリアがいた…。
「アライズでも行方不明者が増えてきてねぇ。やっぱりエルフが狙われやすいのか、旧エルフ国………つまり私の領地が一番多いのよね…」
「帝国はそうでもないが、行方不明者はいるな。まあ、ダンジョンとかも含めての話だが…」
「アディスでもそれなりにいるな。特にサキュバスやヴァンパイアが多い気がするな…」
どうやら各国の近況報告のようだが、内容は明るい話題ではないようだ。
「………となると狙われているのは魔族と亜人族か…」
「アライズは獣人の行方不明者も多いわね。こちらは特に子供が多いかしら…」
「同時期にこれだけの被害………単独犯だとしたら被害が大き過ぎる。なら…」
「それなりに大きい組織…。しかし…」
「各国の国境には、その出入りの形跡が無いのよね」
「当然、偽装はしているのだろうが…」
「それよりも…」
「転移石ね…」
「高額ではあるが普通に流通しているからな…」
「その線で調査してみよう」
「まあ、おおよその見当はつくけれどね」
話は進み、転移石を利用した誘拐だと当たりをつけ、その流通経路から調査することに纏まったようである。
そして『おおよその見当』、それは…
「………ポークレア王国、そして…」
「教国の残党…」
「多分ね…」
リディアの言葉に「まあ、そうだろうな…」という顔をする二人。
そして…
「………で、もちろん私も怒ってはいるんだけれど…」
「「………だけれど?」」
「『獣王』がキレちゃっててねぇ…」
「「あぁ…」」
アライズ連合国三人のトップの内の一人。
一人はこの場にいるリディア。もう一人は『鍛治王』や『鍛治神』と呼ばれている旧ドワーフ国の男。
そして話に出た『獣王』と呼ばれる、旧獣人国で最強の男。
その男が今回の誘拐事件での事で相当お怒りとの話である。
事件の話が出た時には直ぐに調査部隊(という名の攻撃部隊)を組織して王国に攻め込もうとしたそうだが、リディアの魔法に拘束されドワーフの一撃で気絶。
簀巻きにして会議室のソファーに放ったらしい。
「いやいや…」
「お前らの方が怖ぇよっ」
そんなルシファスとマサシの声を無視して話を続けるリディア。
「………で落ち着いたあとは冷静に話をして、特殊部隊を組織して、しっかり調査しようって…」
「まあ…」
「妥当かな…」
三国合同で動くのとは別に独自の部隊でも動くという報告であった。
そして可能なら情報の提供・共有をお願いしたいとも…。
「………で、被害はウチやアディスが多いんだけど、逆に調査するのは人族の方が良いんじゃない?って話も出ていてね…」
「意外と冷静だな…」
「………つまり帝国に調査の人員を貸して欲しいと…」
「うんうん。………で顔が売れてる人だと駄目だし、万が一の時を考えると…」
「それなりの実力者…か」
「………………」
この時、マサシの脳裏には一人浮かぶも、直ぐに「いや、あの人は駄目だな…」と諦める。
しかし…
「それで『トーイチ』って転移者の事………知ってる?」
………マサシが諦めた人物の名前がリディアの口から出てきた。
もちろんこの後…
「マサシっ!謀ったな、マサシっ!」
とリディアに腕を掴まれ(捕まれ)魔王城の廊下をズルズルと引き摺られていくトーイチが叫んだのは言うまでもない。
そしてそれを聞いて(見て)いたソウシ・ベルウッドは…
「(意外と余裕あるなトーイチ…)」
と思ったとかなんとか…。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
シリアスさん再来………が最後までもたず。
REUNION=再会。英語で書くとカッコいいが中身は…。
謀ったな、マサシっ!=某少佐のオマージュ。
次回もよろしくお願いします。
※録り貯めしてたダイ大を視聴。ミストがCvこやすサンでしたね。
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