128 / 225
魔王国アディス~アライズ連合国
準備期間三日目~五日目
しおりを挟む魔王国アディス
魔王城 客間(トーイチ)
準備期間に充てられた三日目、四日目もこれでもかと遊び倒ゲフンゲフン………待機して準備に勤しみつつ、たまに外に出て気分転換をしていた。
そして五日目…
『コンコンコンコン』
「トーイチ様、魔王様がお呼びです。執務室までお願いします」
「はーーーい」
………何で女神様が返事するんですかね?まあいいけれど…。
つーか、またいるし何故俺のベッドで漫画読んでるんですかね?
一体何時還るのだろうか?
飲んでいたコーヒーを飲み干しテーブルに置き、立ち上がり扉に向かい、ノブに手を掛けると…
「あっ、トーイチさん、行ってらっしゃーい」
女神様のお言葉。
俺はチラッと女神様を見るが…
寝っ転がったまま漫画から目を離していなかった…。
「………………」
お送りの言葉にちょっといいな、と思ったのは完全に間違いだと思い知らされた。
あんなチョロ可愛いけれど、ぐうたら女神は無いわ。
「………行ってきます」
俺は「はぁ」と小さくため息を吐きつつ客間を出た。
魔王城 執務室
『コンコンコンコン』
「………入れ」
「失礼しまあす…」
「おお、トーイチか。すまないな呼び出して…」
ノックの後、返事を待ってから入室。
執務室にはルシファス、マサシ、リディア。そして大臣と宰相だっけか?オッサン二人の計五人がいた。
「ああ、別に構わないよ。それで用件は?」
「人員の件なんだがな…」
ルシファスが「はぁ」と嘆息しつつ続ける。
「………なんと言うか…。………魔王国ってその………アレだ。………脳筋が多いだろう?」
何故、今ぶっちゃける?
「それでどうも…その………な。諜報活動とかが苦手な者ばかりでな…」
「………なるほど。いや、分かった。これ以上無理して言わないでいい」
凄い言い淀んでいたからな………言いづらいのはよく分かった。
「要するに魔王国に適性のある人員がいないってことだろう?」
「………すまん」
「すまないトーイチ殿」
「適性のある者は要職に就いているか、既に諜報部として活動している者しかいなくてな…」
ルシファスが頭を下げ、大臣と宰相がそれに続いた。
続けてマサシが…
「実力者で顔が売れていない、っていう条件は結構厳しいですね。冒険者ギルドでも探してみたんですが、それなりの冒険者っていうとやはり…」
まあ、だろうな。
しかしみんな間違っている。
それは…
「まあ言いたい事は分かったけれど…。………前提が間違ってるぞ?」
「「「………前提?」」」
俺はコクリと一つ頷き、続きを話す。
「必要な人員は調査部隊のだろう?何か潜入が前提になっていないか?」
「「「………あっ」」」
そう。
顔バレしていない、顔が売れていない………そんな条件だからか潜入が前提で考えられていた。
今回の部隊はあくまでも調査だ。
調査であれば顔バレしていても、顔が売れていても、寧ろソレで情報が手に入る可能性があるかも知れない。
「有名税………ですか…」
マサシの呟きに応える。
「そうだな。有名税だって悪いことばかりじゃない」
そして俺は続ける。
「これで余計な条件は取り除けただろ?ということは?」
「………寧ろ必要なのは」
「臨機応変な対応力…」
大臣と宰相が続き…
「よし、人選の見直しだ。グランドマスター二人も一応見てくれるか?」
「「了解」」
こうして五日目にして人員は決まらないも、先に進んだ………ような気がする俺だった。
さて…
昼飯は何かな~?
昼食まではまだ少し時間があるものの、俺は足取りを軽くし客間に戻った。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
三日目四日目を飛ばし五日目に突入。
ネタ切れではないんですよ。ホント
ここで調査部隊結成委員会が間違いに気付かされました。顔バレしていない→じゃあバレないように→潜入できる奴だな、と連想してしまったワケです。
そして結局この話し合い以外は遊び倒しているトーイチ達…。
次回もよろしくお願いします。
20
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。