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魔王国アディス~アライズ連合国
調査隊『ティターニア』人気
しおりを挟むアライズ連合国
森林都市サルトゥス
目を覚ますと、もちろん知らない天井だったりするワケだが、口に出したりはしない。
ここはサルトゥスのリディアの本宅らしい。
リディアは普段は港町プエルトの別宅にいるらしいのだが、それは海の魔物に対する為であり、旧エルフ国の首都であり現在役所が設置されているサルトゥスに本宅が無いワケがない…。
やたらと寝心地の良いベッドから出て着替え、賢者モードで重い頭と瞼を働かせて、既にベッドにはいないリディアの元へ向かう。
『マップEX』で見る限りでは一人ではなさそうなので変な場面に出くわすことはないだろう。
リディアのいる部屋の前に到着する。
室内にはリディアとは別の気配………というか俺の知っている気配だな。
『ガチャリ』とノックも遠慮もなくドアを開け室内へ。
中にはリディアとリディアの弟であり元王族であり現警備隊隊長のエジル・フォン・エルフリアの姿があった。
「あっ、おはようトーイチ」
「おはようございますトーイチ殿。いや、義兄さんと呼んだ方が?」
「おいばかやめろ」
オッサンハイエルフのイケメンマッチョが朝から揶揄ってくる。
そういえば…
「………リディアのこの辺りのこと、黙っていやがったな?」
「いやいや………その辺は私も知らない所ですよ?」
「ホントかよ…」
「なに?私の話?」
「なんでもない…」
部屋はリビングだったようでリディアとエジルはテーブルを挟んでソファーに座りお茶を飲んでいたようである。
エジルから「何か飲みます?」と声が掛かったので「コーヒー、ブラックで濃いやつ」と頼んだ。
エジルはメイドさんを呼んで準備を頼んでいた。
朝からエルフのメイドさんとか眼福である。
メイドエルフさんにコーヒーを用意してもらい、一口………うむ、濃い。が目が覚める。
コーヒーを飲んで、タバコ吸いてぇなぁ…とぼんやり思っていると…
「それで今日は何の用で?」
とエジルから質問。
「………いや、別にないけど…」ズズズ
「………はい?」
「………リディアに無理矢理連れてこられただけだから用は特別ねぇよ」ズズズ
「姉さん…何やっているんですか」ハァ
「えへへぇ」テレ
「褒めてねえよ」ズズズ
「褒めてないですよ」
コーヒーを飲み終わったあと、エジルから是非にということで朝食もいただき、エルフリア本宅を出る。
『マップEX』で人気の無い所を確認し移動。もちろん、もう仕方ないのでリディアを連れているワケだが…。
「おっ、リディア様。おはようございますっ!」
「リディア姉ちゃん、おはよーっ!」
「おはようリディア様。アンタッ、リディア様のコレかい?」
おばちゃん、小指立てんな…。
リディアを連れているせいか、人気の無い所に向かっているはずなのに、まわりに人が増えていった。
結局そのままサルトゥスの門をくぐるまで、人は入れ替わり立ち替わりリディアにあいさつをしていった。
まあ、みんな「おはよう」とあいさつしてくるあたり、リディアが慕われているのはよく分かったけれど。
俺が生暖かい目でその様子を見ていると…
「………ん?惚れた?」
「ヤカマシイ」
『ビシッ』とチョップしたのは言うまでもない。
サルトゥスを出てから人のいない所に移動し、そこから港町プエルトに『転移』した。
さようならNo.1ダークエルフさん。俺は再びサルトゥスに訪れることを誓った。
まだ朝市はやっているだろうか?
俺は体を撫でる潮風とその匂いに逸る気持ちを抑えつつも、少し足早に港に向かった。
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変な場面=ラッキースケベ的な
メイドエルフさん=美人さん
No.1ダークエルフさん=何がとは…
人気の無い=『にんき』ではない
サブタイ=『にんき』と『ひとけ』と両方だったり
エジルさん久々の出番。
エジルさんの「義兄さんと~」でトーイチは言葉を崩すことを決定した。
次回もよろしくお願いします。
応援ありがとうございます!
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