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アライズ連合国~ポークレア王国
推理と報復
しおりを挟むアライズ連合国
旧獣人国領
交易都市を出て数日…
集落を発見。しかし…
「誰も………いない…?」
入口らしい入口があるワケではないが、囲みの切れ目の場所にも、そして囲みの中に入っても人影が無い…。
建物が数件あるので手分けして、その建物に足を運ぶ。が…
「いないな…」
まだ使えそうな荷物は残っているし、最近まで生活していたであろう痕跡もある。ただ…
人がいない…。
リュウジとリディアと合流して他の建物の様子を聞くも、俺が見た状況と変わりはないようだ…。
今までの情報で集落や村など、まるごと人が誘拐されたようなことは無かったはず…。
だが現実にこの集落には誰もいない。
そのままの荷物。
最近まで生活していたであろう痕跡。
導き出される答えは…
「事件の匂いがす」「どうやら村か町に避難したようね」「でしょうね」「………………えっ?」
顎に手を当て決め顔で言おうとした俺を遮り、二人が結論する。
俺の決め顔………どうしてくれるんだ…。
~~~~~~~~~~~~~~~~
集落を出て、次の地へ歩を進める。
先ほどの無人の集落については…
「誘拐事件が発生して危険を感じたのでしょう」
「獣人は情が深いし仲間意識も強いからね」
「なので近隣の村なり町なりに助けを求めるとともに、集落という少人数だからこそできる丸ごと避難………という選択肢をとった」
「で、助けを求められた側も解決出来ず情報が上にあがってきた………ってとこかなぁ」
「そして俺達………ってことか…」
俺はてっきり神隠しとか黒い服装の奴らとか、いろいろ考えちゃったよ………ん?
リュウジとリディアがこちらを見ている。
「………………何だ?」
「事件の匂いがす」「………………えっ?」
「「ぶふぅっ…」」
「決め顔でしたよね?」
「そうね。その後の目を見開いた顔も…」
「「ぷっ…」」
「………………」
「ごめんごめんトーイチ………ぷっ」
「すいませんトーイチさん………ぷっ」
「………………」
「「………………あ…あれ?」」
「………………『結界』」
「「うわっ!?」」
『カキンッ』と二人の首から下を結界で拘束する。
俺を揶揄うとは………良い度胸じゃあないか。
俺は両掌に魔力を込め輝かせる。
「「えっ?ちょっ………まっ!?」」
「Sフィンガーver雷属性付与…」
光輝く俺の掌はさらに雷を纏い『バチッ』と音を鳴らす。
そして…
「「止めっぎゃあああぁっ!!」」
~~~~~~~~~~~~~~~~
『『シューーー………』』
煙を出し横たわる二人を見下ろし…
「フンッ………揶揄う相手は選ぶんだな…」
パンパンッ………と手を叩き言い放った。
「………理不尽…」
「………酷ぉい…」
「ほう?まだ余裕があるようだな…」
「「え"っ!?」」
俺はとある物をタブレットで購入する。
『キュポンッ』とキャップを外し、二人の目の前にちらつかせた。
「なぁに、ソレぇ?」
「形はペン………でも先が太い?」
「クックックッ…」
「ちょっ………止め?」
『キュッ………キュキュキュ…』
そう………マジックペン(油性)である!
まずはリュウジから………と顔に落書きをして終わったら鏡を見せてやった。
「なっ!?………なんてことしやがる…」
もちろん額に『肉』は忘れていない。
そして…
「さあ………次は…」
ぐるりと首を曲げ、リディアに視線を移す。
「えっ?ちょっ…」
「クックックッ………安心しろ。お前には赤も使ってやろう…」
「全然安心出来ないっ!?ちょっ………イヤアアァッ!?」
こうして俺の報復は終わった…。
もちろんリディアの額には赤で『中』と書いたのは言うまでもない…。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
トーイチ=揶揄われる
Sフィンガーver雷=ほとんど◯切or◯鳥
理不尽=確かに
『肉』=マッスルな人
『中』=ラーメンな人
いつも通り話が進まない。
落書きは額以外はどうなったかは各自にて補完してください。
次回もよろしくお願いします。
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