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第一話
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「ジーナ、お前はもっと派手なことはできないのか?」
派手なことって何ですか?
抽象的過ぎてわかりません。
「仮にも聖女だろ、どんな病気も治したり、結界を張ったり、なんかもっと派手なことが出来るだろ」
どんな病気も治すってそれもう神様の域に達していますよ。
そんなことできたらお医者さんいらないじゃないですか。
あと結界って何ですか、魔物なんていないこの世界でそんなもの必要ですか?
「なあ、どうして努力しない。もし俺が聖女なら今の現状に満足はしないぞ」
聖女ならってマルクス様は男じゃないですか。
「俺はお前の婚約者で恥ずかしいよ」
またこれだ。
今まで何度聞いたことか。
事あるごとに自分を磨けなど俺に恥をかかせる気かなど私に言い放ってはすぐこのお決まりのセリフを吐く。
「申し訳ありません、これからはマルクス様に釣り合うよう一層努力してまいります」
「俺に釣り合うわけないだろう」
…本当になんなんだこいつは!一体何を言えば満足するんだ!!
私はジーナ、聖女になるべく生まれ幼い頃から聖女として訓練を積んできた。
ここで誤解してほしくないのだが聖女の力は万能ではない。
私が出来ることなんて肩こりや腰痛を治す程度なのだ。
私の婚約者マルクスはとにかく自分のことしか見ていない。
自分が大好きすぎて毎朝鏡にキスをしていると噂が流れるほどだ。
マルクスは私に様々な無理難題を言ってくる、もちろん出来るわけがない。
そのたびにマルクスは失望した、婚約者の俺に恥をかかせる気かなんて言葉を放つ。
正直もう限界だ。
私は今街に来ていた。
活気のある商店街にある一店のカフェで一人の女の子と対面して座りながら会話をしている。
「聞いてよルナ!マルクス様に酷いことを言われた」
「今回はどんなこと言われたの?」
「『俺はお前の婚約者で恥ずかしいよ』」
「またあのセリフか、本当に飽きないね。それだから同じ貴族の間でも嫌われているんだよ」
ルナは貴族の娘だ。
貴族とは思えないほどの人情深い性格で私はルナのことがすぐに気に入り友達になった。
今ではこうやって婚約者の愚痴を話すほどの中である。
「やっぱり嫌われているんだ」
「うん、家柄は高いから取り巻きは多いけど好んでつるんでいる奴なんて一人もいないよ」
「私も嫌い。どうにか婚約破棄できないかな」
「もう聖女をやめて転職しちゃえば?」
「え?聖女ってやめれるの?」
「知らなかったの?この街から北に馬車で一週間くらいのところに神殿があのよ。そこは転職の神殿って呼ばれててあなたみたいに生まれた時から職業を決められていた人たちが転職のために訪れるらしいわ」
「…いいかもしれないわね」
この時の私は本気ではなかった。この時はまだ。
派手なことって何ですか?
抽象的過ぎてわかりません。
「仮にも聖女だろ、どんな病気も治したり、結界を張ったり、なんかもっと派手なことが出来るだろ」
どんな病気も治すってそれもう神様の域に達していますよ。
そんなことできたらお医者さんいらないじゃないですか。
あと結界って何ですか、魔物なんていないこの世界でそんなもの必要ですか?
「なあ、どうして努力しない。もし俺が聖女なら今の現状に満足はしないぞ」
聖女ならってマルクス様は男じゃないですか。
「俺はお前の婚約者で恥ずかしいよ」
またこれだ。
今まで何度聞いたことか。
事あるごとに自分を磨けなど俺に恥をかかせる気かなど私に言い放ってはすぐこのお決まりのセリフを吐く。
「申し訳ありません、これからはマルクス様に釣り合うよう一層努力してまいります」
「俺に釣り合うわけないだろう」
…本当になんなんだこいつは!一体何を言えば満足するんだ!!
私はジーナ、聖女になるべく生まれ幼い頃から聖女として訓練を積んできた。
ここで誤解してほしくないのだが聖女の力は万能ではない。
私が出来ることなんて肩こりや腰痛を治す程度なのだ。
私の婚約者マルクスはとにかく自分のことしか見ていない。
自分が大好きすぎて毎朝鏡にキスをしていると噂が流れるほどだ。
マルクスは私に様々な無理難題を言ってくる、もちろん出来るわけがない。
そのたびにマルクスは失望した、婚約者の俺に恥をかかせる気かなんて言葉を放つ。
正直もう限界だ。
私は今街に来ていた。
活気のある商店街にある一店のカフェで一人の女の子と対面して座りながら会話をしている。
「聞いてよルナ!マルクス様に酷いことを言われた」
「今回はどんなこと言われたの?」
「『俺はお前の婚約者で恥ずかしいよ』」
「またあのセリフか、本当に飽きないね。それだから同じ貴族の間でも嫌われているんだよ」
ルナは貴族の娘だ。
貴族とは思えないほどの人情深い性格で私はルナのことがすぐに気に入り友達になった。
今ではこうやって婚約者の愚痴を話すほどの中である。
「やっぱり嫌われているんだ」
「うん、家柄は高いから取り巻きは多いけど好んでつるんでいる奴なんて一人もいないよ」
「私も嫌い。どうにか婚約破棄できないかな」
「もう聖女をやめて転職しちゃえば?」
「え?聖女ってやめれるの?」
「知らなかったの?この街から北に馬車で一週間くらいのところに神殿があのよ。そこは転職の神殿って呼ばれててあなたみたいに生まれた時から職業を決められていた人たちが転職のために訪れるらしいわ」
「…いいかもしれないわね」
この時の私は本気ではなかった。この時はまだ。
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