裏切られ追放されたけど…精霊様がついてきました。

京月

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 パナは焦っていた。

 貴族令嬢にとって命の次に大切なのは何か。

 それは人脈である。

 貴族として大成するために必要なのは夫の経済力と妻の人脈であると言われるほど人脈は無くてはならないものなのだ。

 ジークから精霊の力の話を聞かされた時、パナは『ディーロ』の力に着目した。


 水を自由にできるのなら、美容に役立てることが出来る。
 貴族令嬢は普段から美容に最大限気を使っているため、その手の話には必ず食いついてくるはず。
 そしたら私は感謝され、自分よりも位の高い貴族様からお声がかかるのは間違いない。
 神水、これは絶対に手に入れるわ!
 飲めばたちまち全盛期の若さに戻るなんて水、貴族の女性なら絶対に欲しがるはず!


 パナは野心家であり、上の位にしか興味が無かったのだ。

 ジークの作戦通り、学園に入学してきたアンネの親友を演じた。
 
 貴族ばかりが集まる学園で農民が勉強をすることは難しい。

 当然のごとくアンネはいじめられ、パナはここぞとばかりにアンネをかばった。


 学園は人脈を作るうえで最高の環境。
 それを無駄にするのは正直怖い。
 でも、こんなバカな子にかまうだけで将来が約束されるなら今は耐えましょう。
 私の陰口を言った子の名前と顔は絶対に忘れてやらないから。


 パナの周りに人は寄らなくなったが、おかげでペンダントを奪うことに成功した。

 これで最高の未来が、と思っていた自分をパナは呪った。


「パナ!!これはどういうことだ!何故学園を卒業したのにも関わらず、どの貴族からも縁談の話が来ない?人脈作りがどれ程大切か、散々教えただろう!!」
「ごめんなさいお父様…」
「どうするの!?隣の領地の娘さんは既に縁談が成立したらしいわよ。しかも相手は公爵令息様!それなのにうちの子は」
「ごめんなさいお母様…」


 パナは家の中でも立場をなくした。

 どうして、どうして私がこんな目に…。


◇◇


 アンネは廃村で一番きれいに残っている家を探し、補修作業をしていた。

 そこに『ディーロ』がやってくる。
 

「お疲れ様なのです!お水を持ってきたのでどうぞです!!」
「ありがとう!うん!とてもおいしい!!」
「当たり前なのです!これは神水ですからね」
「神水?」
「はい!飲めばたちまち疲れも吹き飛ぶ最高の水なのです!」
「そうなの?ありがとう『ディーロ』」
「えへへ」


 頭を撫でられ喜ぶ『ディーロ』。


 今日も今日とて平和な日。
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