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1章 始まりの高2編

八千代の誕生日だって忘れてない?

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 お化け屋敷を1時間近くかけてゴールした僕たちは、ぐったりした僕の為にカフェでお茶をしていた。
 朔が、温かいココアを買ってきてくれた。僕以外はコーヒーなんだ。なんだか、僕だけ子供っぽいな。

「ねぇ、コーヒーって美味しい? 苦くないの? 僕、コーヒー牛乳でもちょっと苦いなって思うんだけど」
 
「美味いよ。俺は砂糖もミルクも入れるから結構甘いし。まぁ、コーヒー牛乳よりかは苦いけど」

 猫舌の啓吾は、ちびちびとコーヒーを啜る。

「俺はブラックがいいな。甘いのはあんま得意じゃねぇからな。コーヒーが好きなわけじゃねぇけど、甘ったるいのよりは美味いな」

 とか言いながら、八千代は火傷しないか心配になるくらい、ぐびぐびとコーヒーを飲む。

「俺もブラックだな。コーヒーは美味いけど、よく紅茶にしようか迷う。どっちも好きなんだ。俺も甘いのは苦手だからな」

 なんて言っている朔だけど、ケーキや和菓子は好きなのだ。甘い飲み物が苦手なのかな。

「なんか皆、大人だなぁ····」 
 
「俺はミルクだけだなぁ。シロップ入れたら変な味するからやだ。ゆいぴも飲んでみる?」

「ううん。コーヒー飲んだらお腹痛くなるから飲めない」

「お前は生態まで可愛いんだな」

 足を組んでオシャレに珈琲を啜る朔が、理解不能な発言を落とした。

「ごめんね。朔が何言ってるのか、よくわかんないんだけど」

「わかんないのは結人だけだよ。俺らにはわかる」

 啓吾まで。りっくんと八千代も、それに頷く。僕と皆とじゃ、決定的に感性に差異があるようだ。
 
「なぁ。次、何乗るんだ? 乗るならちゃっちゃと行かねぇと、そろそろ結人が腹空かすだろ。って結人、気分はもう良いのか?」

「うん。もう大丈夫だよ。復活だぁ! 皆、ありがとうね」

「よし。そんじゃ最後はやっぱ、アレじゃね?」

 啓吾が締めは観覧車だと言い張って、皆で乗ることになった。観覧車に辿り着くまでに、たくさん寄り道をしたけれど。
 大きめのゴンドラで5人乗り。全員で乗れて良かった。観覧車から一望する夕方の街並みが、日頃の喧騒から僕たちを切り取って癒してくれるようだ。普段抱えている悩みだって、この一時だけは忘れられる。

「夕焼け綺麗だね。八千代、今日楽しかった?」

「おう。思ってた以上に楽しかったわ。我儘言って悪かったな。クソさみぃのに、遊園地とかふざけてるよな」

「なんで謝るの? 確かに、初めは勇者かと思ったけど、すっごく楽しかったよ。皆で遊園地ってのも叶ったしね」

「まぁでも、もうちょい暖かい季節が良かったな。ジェットコースター寒かったもんな~」

「そうだねぇ。あれは寒かった。啓吾、めっちゃ鼻ズルズルだったし」

「僕は暖かくても、もうジェットコースターには乗らないよ」

「お前、顔引きつってたもんな。一回転した時、お前見たら真っ青で焦ったわ」

「八千代が手握っててくれたからなんとか耐えれたんだよ? 乗り物なんて、あんな命懸けで乗るもんじゃないよ····」

「けど結人さ、絶叫系もお化け屋敷もダメだと、遊園地楽しめなくね?」

「そんな事ないよ。コーヒーカップ楽しかったよ? メリーゴーランドも」

「コーヒーカップは、啓吾がアホみたいな勢いで回すから酔ったよね。ホント、バカ啓吾」

「そう言う莉久だって、仕返しとか言ってめっちゃ回してたじゃん」

「スタッフの人、すっごく怒ってたよね。2人がバカみたいにぶん回すから」

「大畠も莉久も、ガキみてぇにはしゃいでたな」

「そう言う朔はさぁ、メリーゴーランドでリアルに白馬の王子様だったな。ハマり過ぎてて面白かったから、ほら、写真撮った」

 啓吾がスマホで撮った写真を見せてくれた。

「うっわ。すげぇな。私服でこれはウケるわ。俺、便所行ってて現物見てねぇ」

「啓吾、それ後で送ってね。僕、りっくんと馬車に乗ってたから撮れなかったの」

「おっけ。で、これが場野のカッコイイ写真ね」

「え? ちょっと待って。これいつ撮ったの?」

 啓吾が見せてくれた写真には、アトラクションの柵に寄り掛かり、煙草を吸っている八千代が写っていた。喫煙は問題だが、それを凌駕するほどカッコイイ。憂いを帯びた表情で、煙に目を細めているのが最高に良い。

「お前、ふっざけんなよ。結人に見せてんじゃねぇよ」

「え、ダメなの? 結人、こういう感じ好きかなって思ったんだけど」

「悔しいけど好きだよ。好きだけどね! 八千代、煙草やめたんじゃなかったの?」

「いや、やめたけどな。今日はなんか吸いたくなって····わりぃ」

 なんだろう。センチメンタルな感じだったのだろうか。写真に写る八千代は、なんだか物悲しそうだ。

「啓吾、それも送っておいてね。て言うか、今日撮った写真全部送って。僕の以外」

「あいよ~。結人以外····あんまねぇな」

 啓吾と一緒にアルバムを見る。今日だけで何枚撮っているのだろう。

(うわぁ····。ホントに僕ばっかり撮ってたんだ。りっくんといいトコ勝負だなぁ)

「あ、それ、りっくんだ」

「え、どれ? ····ちょっ、恥ずかしいんだけど。なんでそんなの撮ってんの?」

 りっくんが寒さに震えながら鼻を真っ赤にして、ベンチに座って缶コーヒーを飲んでる横顔。その瞳には何を映しているのか、真剣な眼差しで何かを見つめている。

「これ、りっくん何見てたの?」

「え、や、えーっと······、ゆいぴがクレープ食べてた時かな。もう! 啓吾こんなんばっか撮ってたの?」

 なんて顔で僕を見ているんだ。どういう感情を抱いてる表情なんだ。普段は見ないイケメン過ぎるりっくんの表情に、胸の高鳴りが治まらない。

「結人が喜びそうなんは撮っとこうと思って。結人さ、俺らのかっこいいトコ好きだろ?」

「自分で言うのはどうなの? ······けど、うん。好き。ホント、全部待ち受けにしたいくらいだよ! なんっで皆そんなにかっこいいの!? 僕のカッコイイ写真はないの!?」

「······あはっ。ごめん、無い」

 啓吾は、本当に申し訳なさそうに目を伏せた。わかっていたけども、酷な現実を突きつけられてしまった。けれど、皆のカッコイイ写真をゲットできたから、今日は気に病まないでおこう。

「あれ? 啓吾のカッコイイ写真は?」

「まさか。俺、自撮りしないよ?」

 これは由々しき事態である。啓吾の写真だけ無いなんて嫌だ。

「誰か、啓吾の写真撮ってない?」

「あるよ」

 そう言って、りっくんがスマホを見せてくれた。写っていたのは、ゲームコーナーでバスケのシュートをキメた瞬間。これが入って、僕が欲しいと言った景品をとってくれたのだ。

「撮ってたんかよ。結人、これも欲しいの? 俺カッコイイ?」

「かっこいい····。皆、ホントにかっこいいね。こうやって改めて見たら、モデルとかやっててもおかしくないレベルのイケメンだよ」

(僕にはもったいないよ。僕なんかが独り占めしていい人種じゃないよね······)

「あだっ····」

 啓吾に正面から軽いチョップをされた。啓吾はムッとした顔をしているが、他の3人は呆れた顔をしている。

「まーたしょうもない事考えてんだろ。結人がそんな顔する時は、だいたい無駄な事考えてんだよな」

「無駄って······」

「どうせ、自分が俺たちを独占して良いのかとか思ってんだろ。良いんだよ」

 朔がはっきりと断言した。その言葉に迷いはなく、僕の不安を拭ってくれる。けど、何故思っていた事がわかったのだろう。

「おい、そろそろだぞ」

 八千代に言われて外を見ると、もう間もなくてっぺんに着くところだった。そして、唐突にジャンケンが始まった。

「なっ、なんのジャンケン!?」

「ゆいぴとキスする順番」

「観覧車のてっぺんつったらキスだろ? やった! 勝った~」

 皆、こういう所の息がピッタリなんだ。何の打ち合わせもなく突如として始まるのだから。いつも、僕だけがポカンとして放置される瞬間だ。
 という事で、順番は啓吾、八千代、朔、りっくん。皆の前で、改めてするって言ってからするキスは恥ずかしい。結婚式の誓いのキスって凄い度胸だと思う。
 啓吾が僕を隣に座らせて、頬に手を添えた。

「結人、クサイこと言ってみていい?」

「ふふっ、何?」

「ずっと一緒に居ような」

「は、はい····」

 笑って誤魔化せなかった。だって、僕をまっすぐ見つめて、まるでプロポーズの様に言って優しいキスをくれたのだから。普段賑やかな啓吾の静かさは、僕にしか見せない特別感がある。耳まで熱くて、初手がこれかと思うと先が恐ろしい。

「ん····はぁ······」

「結人トロンてしちゃったな。次、誰だっけ?」

「俺だ。結人、こっち来い」

 八千代に呼ばれ、隣に座る。

「目、瞑れよ」

「うん····」

「愛してる。一生離さねぇからな」

 なんなのこれ。プロポーズ大会なの!? しかも、舌を絡ませる濃いキス。だんだんフワフワしてきた。

「んん····ふぁ······」

「場野、長ぇ。代われ」

「お、わりぃ」

 夢中になっている八千代をいさめ、うずうずしている朔に代わる。

「なんかこれ、ドキドキすんな。結人、目ぇ瞑ってくれ」

「はい····」

「お前、ちょっと流されやす過ぎんな。まぁ、俺が一生守ってやるからいいけどな」

 朔も舌を絡めてきて、大きな舌で喉まで犯される。互いの零れる吐息が熱い。

「朔も長いから。てっぺん過ぎちゃったでしょ」

「わりぃ。ガッついちまった」

「りっくん、てっぺんじゃなくてもいいよ。キスしよ?」

「あぁ····可愛いゆいぴ。俺から離れないでね。あぁもう、一生離さないからね」

 結局、誰よりも長く深いキスをしたのはりっくんだった。最後というのもあって、誰も止めないんだもの。

「ん····ふぁぁ····んぇっ」

「んぁ····ゆいぴ、舌で喉いけちゃうね。お口小さいなぁ」

 うっとりと僕の口内を見つめ、再び舌を奥まで滑り込ませてくる。

「ふぇ····ぇ゙っ····はぁ······」

「結人、飲んで····」

「ふっ····はっ······んくっ····」

 りっくんは、僕に唾液を飲ませるのが好きだ。逆もまた然り。変態過ぎて引くけど、フワフワしてる時はむしろドキドキしてしまう。

「莉久、たまーに結人って呼ぶよな。つーか、呼べるんだな」

「悪い?」

「んぅ······りっくんね、えっちな時だけ呼ぶんだよ。僕がドキドキするの知ってて意地悪するの」
 
「莉久にしかできねぇ特別感だな。俺もゆいぴって呼ぼっかな~」

「やだよぉ。りっくん以外に呼ばれると気持ち悪いよ」

「えぇ~。 莉久だけ特別なの?」

「うーん····、幼稚園の頃からだから、慣れただけかな」

「なるほどなぁ。そんじゃ俺も、俺だけができるトキメかせ方探そ~」

「なにそれ。普段からトキメいてるんだけど。それが4人分だよ? 僕の心臓が持たないよ」
 
「お前、そんなトキメいてんのか。そういうのは顔に出ねぇよな」

 朔は驚いた様子だが、とても嬉しそうだ。

「そりゃ、恥ずかしいから一生懸命隠してるもん。ぶっちゃけね、トキメキっぱなしだよ。皆、言動がいちいちイケメン過ぎるんだもん」

「そうなんだ。へぇ~····。そうなんだぁ」

 啓吾がやらしい目で見てくる。なんだか腹が立つ。

「啓吾、なんか意地悪な事考えてるでしょ」

「別にぃ。俺もさ、あんまドキドキさせれてねぇなって思ってたのよ。恋人にはいっぱいドキドキしてほしいじゃん?」

「それを言うなら僕のほうこそだよ。僕がドキドキさせた事なんてないでしょ」

「あるよ。いっぱい」

 りっくんが優しく微笑んで言った。

「う、嘘だぁ····。僕、かっこいい所見せれたことないもん」

「ドキドするのってさ、かっこいい時だけじゃないでしょ?」

「そう····かもしれないけど。僕だって、男なのに····」

「お前が俺に反発してきた時ドキドキしたぞ。俺に意見する奴なんか、身内以外で初めてだったからな」

「場野、どんな人生歩んでたんだよ」

 りっくんが引き気味で言った。それに続いて、朔も言いたい放題に言う。

「学校一の不良だったもんな。今でもビビられてるみたいだけど」

「場野にビビるトコつったら、威圧感くらいだよな。慣れたけど」

 啓吾は、朔よりも言いたい放題だ。
 
「お前らが初めてだわ。俺にビビんねぇで、んなに長ぇ間一緒に居んの」

「場野、下僕はいても友達はいなそうだもんな」

 どうして、啓吾は余計な一言をぽんぽん言ってしまうのだろうか。

「友達ねぇ····」
 
「今は僕たちが居るもんね! まぁ、僕は恋人だけど」

「そう、それな。前からちょっと思ってたんだけど、俺らと結人は恋人だけどさ、結人なしにした俺らの関係って何? めっちゃ友達ってほど絡んだりしてなかったよな」

「そうだね。俺と啓吾は1年の時クラス一緒だったから仲良かったけど。うーん····、ゆいぴ繋がりの友達って事でいいんじゃない? 親友とか言い出したら気持ち悪いし。そうやって考えたら、今こうなってんのって不思議な縁だね」

「友達って言うのも微妙だな。恋敵でもあったわけだしな。今は、運命共同体って感じじゃないか? まぁこの縁は全部、結人のおかげだな」

「関係性って、言葉にするとハマらない事ってあるよね。えっとね、僕のおかげじゃないよ。八千代が僕に好きとか言い出した、奇特な人だったからだよ」

「奇特ってお前、ここにいる全員お前に惚れてんだぞ。俺が奇特なんじゃねぇよ。こんなん必然だろ? それにお前が流されて····ん゙ん゙っ、受け入れてくれたからだろ」

「流されたからだよねぇ····。それより、皆が僕に関して寛容過ぎるんだよ」

「それは否定できねぇな」

 八千代はケラケラと笑った。自分たちの異質さには自覚があるようだ。かく言う僕も然り。

「お、そろそろ下に着くぞ。結人、コケるなよ? 手握っててやるからな。気をつけて降りろよ」

「朔、過保護すぎるよ····」

 と言いながら、見事に踏み外してしまった。偉そうな事を言う割に、皆の過保護には助けられてばかりだ。

 観覧車を降りた僕たちは、ライトアップされて綺麗に彩られた遊園地を後にした。夕飯は、八千代が肉を食べたいと言ったので焼肉屋さんへ行った。

 食べ放題だから、沢山食べれるぞ。なんて思っていたけど、この後はお泊まりだ。満腹になるまで食べると、絶対後悔するだろう。腹八分目くらいにしなくちゃ。

「結人、焼けたぞ。腹いっぱい食えよ」
 
「え、うん。いただきまーす」

 八千代がどんどん焼けた肉をくれる。わんこそばみたいだ。

「お前、猫舌だろ? 火傷すんなよ」

「ねぇ、今日は僕が焼くよ。八千代、誕生日だって忘れてない?」

「······忘れてたわ」

「もう····。今日は僕が甘やかすの!」

「マジか。そりゃ嬉しいけどな。俺はお前が美味そうに、腹いっぱい食ってんの見る方が嬉しいんだけど」

「う、あー、えぇ····なんか恥ずかしいなぁ。それに、お腹いっぱいはちょっと····」

「ははっ。だと思った。あんま激しくしねぇからいっぱい食え」

 八千代は優しく微笑んで、優しく抱く宣言をした。そう言っておいて、結局いつも激しくなってしまうのだが。

「俺らも加減するから大丈夫だよ。ゆいぴ、お腹いっぱい食べてね」

 気がつけば、りっくんたちはかなりガッツいている。八千代はのんびり僕の肉を焼いて、合間に自分も食べている。誰も、八千代に焼いてあげないのが皆らしい。

「この後さ、まっすぐ帰んの? まだ7時だけど」

 啓吾が肉を頬張りながら聞く。

「バッティングセンター行かねぇか? 俺、行ったことねぇんだ」

「朔も? 僕も行ったことないや。行ってみたいな····。八千代は? 行ったことある?」

「桜華が好きだったから、しょっちゅう連れてかれてた」

「俺もあんま行ったことないなぁ。啓吾は?」

「俺は中学ん時、友達とよく行ってた。ホームランも出したことあるよ」

「すごーい! 八千代、後で行こ?」

「おう。食後の運動にちょうどいいんじゃね?」

 こうして、たらふく食べてバッティングセンターへと向かった。もはや、外で手を繋がないだとか、そういう初期のルールが完全に消滅している。
 かくいう僕も、手を繋ぎたいから繋ぎ、触れていたいから腰を抱かれても文句を言わない。ごく普通のカップルだ。男同士で、多対一というイレギュラーを除けば。


 バッティングセンターに着くと、皆が俄然やる気モードに入った。皆の本気な顔に、体育祭のリレーを思い出した。一体これから、何が始まるのというのだろうか。
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