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2章 覚悟の高3編

酔っぱらいだって····

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 朔に『好きに喉を使って』だなんて、我ながら後先を考えずに言ってしまったとは思う。けど、本当に壊れてもいいと思ったんだもん。
 知らない誰かに壊されるくらいなら、大好きな皆に壊されたい。そんな僕の想いが伝わってしまったのか、朔も八千代も同時に激しさを増した。

 2人は容赦なく僕を壊そうとする。りっくんが止めているようだが、耳がボワーッとしてよく聞こえない。
 そして、僕はその直後に意識を失ってしまった。


 タンッタンッと、小気味良いリズムで快感が打ち込まれている。ナカに居るのは八千代だ。覆い被さるようにして抱き締められている。肌と肌が触れ合っているのが凄く心地良い。
 気絶する前とは打って変わって、とても優しいセックス。僕を愛でるように頭を撫で、浅い所を擦っている。

「はぇ····八千代やちぉ····」

「お、起きたか。お前、寝ながらイキっぱだったけど大丈夫か?」

「んっ、らいじょぶ····あっ、はぁ··ン、あぁっ」

 心配しつつも、突くのをやめない八千代。状況がわからない。
 まだ少し、頭がフワフワしている。お酒の所為なのか、えっちの所為なのかは定かではないが、とても気持ちが良い。

「あぇ? 朔は?」

「あー····今ベランダで頭冷やしてるよ」

 りっくんが、ベランダへ視線を送りながら言った。どういう事だろうか。

「朔··ろうしたの?」

 ベランダの方を見ると、ガラスに映る啓吾が見えた。ほっぺに湿布を貼っている。

「んぇっ!? 啓吾、ほっぺろうしたの!?」

「ぁはは····。朔に殴られちった」

 啓吾は、にへっと笑って誤魔化そうとする。キレた朔に思い切り殴られたのだと、りっくんが呆れ顔で教えてくれた。よく見ると、部屋が少し荒れている。

「ら、大丈夫らいじょーぶ? ほっぺ··ひぁっ··やちぉ、待って」

「待たねぇ。アイツのは自業自得だからな」

 なるほど。アレがバレたのだろう。
 それならば、僕だって共犯だ。拒否しきれず流された挙句、快楽に身を委ねて共に愉しんだのだから。

「らったら僕も、朔に殴らぇてくるぅ!」

「「なんでだよ····」」

 啓吾と八千代が声を揃える。僕も共犯だというと、それは違うと諭された。流されやすい僕を、誑かした啓吾が悪いのだと言う。
 いやいや、そんなワケないじゃないか。皆の感覚がおかしいとは思っていたけれど、よもやここまでとは····。

みんにゃバカなの? どう考えたって、僕も同罪ろうじゃいれしょ」

「大畠は見られてんの分かっててヤッたんだろ。俺らはお前を守んのが最優先なんだ。なのに、流されんのを利用してヤリたい放題ヤッた挙句、結人が危険な目に遭ったんだぞ。今回ばかりは許せねぇ」

 ベランダから戻った朔が言う。朔の言う事は尤もだ。けど、やっぱり僕にだって責任の一端はあると思う。

 
 状況を聞くと、僕が気絶している間に、啓吾は自分から今回の件を告白したそうだ。
 話し終えると、ひたすら謝っていたらしい。けれど、激高した朔が気持ちを抑えられず、ついに手が出てしまったそうだ。
 啓吾がどう説明したのかは知らないが、やはり僕も一緒に怒られるべきだと思う。


 八千代が、僕の奥で静かに沢山射精し終えるのを待ち、僕は皆に思いを伝える。

「あにょね、僕も一緒にえっちたのしんらんらよ? 流されちゃったけろ、受け入れたのは僕にゃんらよ? なんれ僕は怒られないの?」

「所構わずヤッてたのは良くないけどな。1番重要なのは、バレてんのがわかってんのに続けた事だ。そん時にちゃんと対処してりゃ、あんな事にはならなかったかも知れねぇだろ」

 それは概ね、朔の仰る通りなのは分かる。
 だけど、所構わずえっちをした事に関しては、僕も怒られるべきだろう。そう伝えると、りっくんに滾々こんこんとお説教された。

 そして、あらかた話終えると、今度は意味のわからない事を言い出したりっくん。

「ゆいぴさ、そのえっちな目やめて。さっきから上目遣いでうるうるさせてんの、お説教しにくいからホントやめて」

「そんな目してない····」

「してる··よ····。なんで今ちんこ見たの?」

「またおっきくなってるなぁって····。ぁ····ごめんなしゃい」

 指を咥えて言ってしまい、ハッとして謝る。すると、何かが吹っ切れたかのように、りっくんの雰囲気が軽くなった。

「わかった。酔ってるゆいぴに何言ってもムダだったね。······せっかくだし、ゆいぴがしんどくないなら楽しもっか。夏休み最後の“朝までえっち”ね」

あしゃまれえっち····してくぇうの?」

「はぁぁぁ~~······。その代わりさ、俺らの耳元でえっちな事言って煽って」

「「「「····は?」」」」

「もうさ、なんかバカらしくなってきちゃった。ゆいぴは酔ってて何言っても分かってないだろうし。たぶん朝には殆ど忘れてるんでしょ? それに、啓吾と朔がギスギスしてたらゆいぴが泣きそうだし」

「それは俺が悪いから····。マジでごめん」

「啓吾がヘコんでのが1番気持ち悪いんだよ」

「確かにな。バカだバカだとは思ってたんだから今更か。けど、今度やらかしたらマジで場野に締めてもらうからな」

「俺よかお前のが容赦ねぇだろ····」

「俺は一発で済ませたぞ。それもかなり軽めだ」

「え。啓吾吹っ飛んでたけど、あれで軽いの?」

 人を吹っ飛ばすような軽いパンチって何だ。朔の“加減”は恐ろしいのがよくわかった。

「んで莉久、耳責めろって何だよ」

 折角、話が逸れていたのにわざわざ戻すなんて、八千代のバカ····。
 
「ゆいぴに誘われたくない? 酔ってる時しかやってくんないよ? あと、そういうお仕置き」

「今の結人でお仕置きになるのか?」

「まぁ、酔ってるから積極的にはなってるし、恥じらいも薄いけどねぇ。それはそれで貴重だから良くない?」

  
 という事で僕は、順番に皆の耳元でえっちなお誘いをする事になった。そして、皆はそれに耐えるという、理解不能な我慢大会が始まった。
 僕にホイホイ煽られない特訓なんだそうだ。本当に、おバカしか居ないんだから····。

 まずは言い出しっぺのりっくん。
 座って待つりっくんに股がり、首に手を回して耳元へ唇を這わせる。そして、吐息混じりに言葉を流し込む。
 
「ねぇ、りっくんも僕の声だけでイってほしいな····」

 早くも、りっくんのおちんちんが跳ねる。お尻に当たるそれを感じ、普通に欲しくなってしまった。

「ねぇ、莉久····やっぱり僕のナカれイッてほしんぁっ、おっぱい触っちゃらめぇ」

「おい、触んのなしだろ。全然耐えれてねぇじゃねぇかよ」

 八千代が言うと、りっくんは顔を覆って後ろへ倒れ悶絶した。

「あぁぁぁんなの耐えらんないってぇぇぇ!! 無理だってぇぇぇ!!」

 言い出しっぺのくせに激弱だ。

「あっはは! りっくんちょろ~い」

「んじゃ、次俺ね」

 まだ少し落ち込んでいて静かな啓吾。ここは、僕が一肌脱いで元気づけてあげなきゃ。

「けーいご♡ 啓吾のおっきぃおちんちんれぇ、ガン掘りして濃い雄汁いーっぱい飲ませて? ンやぁっ、お尻揉んららイッちゃうよぉ」

「くっそ····こんなん我慢できるわけないじゃん! 耳元で言われんのヤッッバッ!!」

 啓吾は叫びながら僕のお尻を揉みしだく。少し元気が出たみたいだ。啓吾に教えてもらった誘い文句が役に立った。
 僕は後ろから八千代に回収され、半回転して膝に乗せられる。膝で僕のおちんちんを刺激しながら、後頭部を持って耳元に寄せた。

「八千代····んっ······」

 僕は、八千代のおちんちんを握って言う。

「おっきぃの早く欲しい····。これ、僕のおちんちんらよね?」

 そして、耳輪をはむっと食べてみた。八千代は僕のお尻を開き、アナルに亀頭を押し当てる。

「おい。挿れるなよ」

 朔が、八千代のおちんちんを握って制止する。

「ぉわっ!? 何握ってんだよ!」

「わりぃ。けど、俺だって握りたくて握ったんじゃねぇ。気持ちわりぃ····」

「テメェ····勝手に握っといて何だよその言い分は····」

「挿れようとした場野が悪い。よし、次は俺の番な」

 朔は僕を抱き上げ、お姫様抱っこの様に抱えて胡座に収める。僕は、コソコソ話をする様に囁く。

「朔、あのね、朔のおちんちん食べていーい? おっきぃので僕の喉奥、またちゅぶしてほしぃな♡」

 朔は僕をベッドに降ろすと、そそくさとズボンのファスナーを下ろす。

「はは、みんな惨敗だね。ゆいぴ強すぎだよ····」

「んぇ? 僕つぉいの? やったぁ~」

「結人、誰のちんこから欲しいんだ? 今日はお前の我儘全部聞いてやるぞ」

 朔は僕に覆いかぶさり、頬に唇を這わせながら言う。聞いておいて、自分が挿れる気満々なんだ。

「順番はジャンケンらねぇ」

「····ふはっ。ジャンケンか。選んで強請んねぇのかよ」

 朔が笑っている。刺々しい雰囲気が少し和らいだ。僕は、それに安心して両手を伸ばす。

「ん? 俺からでいいのか?」

「朔がね、もう怒ってない」

「あぁ····、そうだな。わりぃ。怖かったか?」

「ちょっとらけね。そぇより、朔と啓吾が仲直りれきなかったらどうしよって······」

 不安が溢れ出したのか、安心したからなのか、涙が勝手に溢れてきた。朔はそれを優しく拭ってくれる。

「すげぇムカつくし、今後の行動次第だけどな。別に仲違いするつもりはねぇぞ」

「そっか。良かった····。あのね、僕も気をつけるね。ホントにごめんな··しゃ····ぃ」

 突然、ふわっと眠気に襲われた。

「結人? どうした!?」

「眠い····」

「え、おい····嘘だろ······」

 朔の落胆する声を最後に、僕は眠りについてしまった。

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