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2章 覚悟の高3編

やっと。

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 おばあちゃんや真尋の事でゴタついていた頃、朔から言われた事がある。

「俺の誕生日、場野と一緒でいいぞ」

 だって。勿論、丁重に断った。すると、僕のメンタルがこれ以上疲弊しないようにするのが最優先だ、と言われた。それも、結構キツめに。
 プレゼントで尋常じゃないくらい悩むのだろうと、どうやら読まれていたらしい。そう、図星だった。
 僕を想っての申し出だ。我儘など言えるはずがない。だから、朔の誕生日をちゃんと祝えずにいたのだ。
 当日は、日付が変わった時にビデオ通話で『おめでとう』と言っただけだった。それ以外は、断固としてさせてくれなかったんだもの。その時は、不貞腐れながらも諦めた。


 そして、あれから約2ヶ月。漸くこの日がやって来た。クリスマスイブである前に、八千代の誕生日。僕にとっては、イブより大事な日。
 昨日、終業式が終わってから、夕方までショッピングモールで遊んだ。荷物を取りに1度帰り、それから僕たちはずっと八千代の家に居る。
 今年はサプライズではなく、ダブル誕生日会をすると前もって宣言していた。けれど、朔と八千代の要望でケーキはひとつだけ。
 2人とも、派手に祝わなくていいと言う。ひとつだけ、僕がお願いを聞けば充分なんだそうだ。今年はそれで良しとしたけれど、来年はそれぞれ、絶対派手に祝ってやるんだから。

 去年と同じで、クリスマスもお泊まり。今年も、三日三晩抱き潰されるのかな。なんて思っていたのだけれど、昨夜は予想外に平和で、えっちが随分淡白だった。
 おかげで、日付が変わると同時に『おめでとう』と八千代に言えた。そして、一巡すると『今日はおしまいだ』と朔に言われた。呆然とする僕は、ちゃっちゃと綺麗にされお布団に仕舞われる。
 そうして昨日は、朔と八千代に抱き締められて眠った。怖いのは、今朝起きがけに八千代から『今晩楽しみにしてろな』と言われた事。夕べ大人しかった分、何かキツい事をされるのだろうか。



 そして今、僕はりっくんと2人で買い出しに来ている。
 今日の夕飯は、僕が肉じゃがを作るんだ。作り方は母さんに聞いたし、啓吾が手伝ってくれるらしいから安心だ。
 材料は全部買えた。あとは、ケーキを引き取って帰るだけ。

「りっくん、重くない? 僕、お菓子しか持ってないから、もっと持てるよ」

「大丈夫だよ。ゆいぴはケーキ持ってね」

 主役と言っても過言ではない、誕生日ケーキを任されるなんて、これは責任重大だ。
 ケーキ屋さんに着くと、りっくんがお菓子の袋も持ってくれた。僕は、緊張で強ばりながら、ケーキを大切に抱き締める。


 八千代の家では、啓吾がサラダを作っていた。ヘルシーな豆腐サラダ。
 最近、八千代がまたデリバリーばかりだと聞いて、野菜を食べさせたいと言ったのだ。僕が言えば食べるもんね。

 準備が整って、いざ誕生日パーティの始まりだ。
 皆、肉じゃがを美味しいと言って食べてくれる。けれど、レシピ通りのはずなのに、母さんの味とは違う。不思議だ。
 それから、僕が抱えて持ち帰ったケーキを出す。崩れていない事をアピールしておいた。皆笑っていたけど、僕はどこかでやらかすと思っていたから、無事に2人の前に出せた事を自慢したかったのだ。
 そして、2人にプレゼントを渡す。えっちする前に渡しておかないと、日付が変わっちゃそうだもんね。
 
 八千代には、バイクの鍵に付けるキーホルダー。僕イチオシの豚のキャラが、交通安全の御守りを持っている。凄く可愛いんだ。

「これ、シメジコ豚か。お前これ好きだな」

「可愛いでしょ? 見て見て、僕の厄除けの御守りとお揃いなの」

「ふーん。お前から貰えりゃ何でもいいけどな。お揃いなんは悪くねぇ。けどお前、厄除けって····」

「僕ドジだからさ、ちょっとでもカバーできたらなって。ケーキが無事だったのも、これのおかげかもしれないよ?」

「ははっ、だとしたらすげぇな」

 八千代はとても楽しそうに笑った。それを見て、僕の心が熱くなって弾んだのは言うまでもない。

「俺もゆいぴとお揃い欲しい····」

「えぇ····。また今度ね」

 りっくんは、歯を食いしばりながら耐えていた。早めに何か買いに行こう。そう思わざるを得ない面倒臭さだ。
 それはさて置き、朔にはシンビジウムの鉢植えを。最近、玄関に花を飾るのが趣味なのだと言っていた。少しお値段が張ったので、りっくんと啓吾にも助けてもらい、3人からのプレゼントという事にしてもらった。
 
「このピンクの花びらのはね、サザナミって呼ばれてるんだって」

 豆知識を披露しながら、育て方の冊子を手渡した。

「へぇ、綺麗だな。ありがとう。····ん、強くはねぇけど、いい匂いだな。で、これの花言葉は俺か?」

 朔は、花の香りを嗅ぐだけで優雅に見える。で、どうして花言葉の事が分かったのだろう。花言葉を知っていたのだろうか。

「え、うん。朔っぽいなぁって思ったの。だからね、これなら凜人さんも喜んでくれるかなぁって」

 シンビジウムの花言葉は、『飾らない心』『高貴な美人』『誠実な愛情』などで、どれも朔を連想させる。凜人さんなら、花を朔だと思って大切にお世話してくれるだろう。

「ふっ····。結人は優しいな。大切に育てるから、満開になったら見に来てくれるか?」

「俺ら同伴な」

 八千代がすかさず口を挟む。朔は、それでもいいと言った。僕には断る理由がない。
 朔も八千代も、プレゼントを喜んでくれたようで良かった。八千代なんて、早速鍵につけてくれたのだ。それから、上機嫌で僕を膝に乗せケーキを食べさせてくれた。もうお腹いっぱいだ。

 片付けを終えて、少し休憩する。つもりだったのだが····。

「結人、腹いっぱいになったか?」

 プレゼントを受け取った時の、ふわっとした表情から一転。雄の顔になった朔が迫ってくる。聞きながら、僕をベッドに押し倒しているじゃないか。返事など聞く気がないのだろう。

「だ、大丈夫。朔、ね、待って? お風呂····」

「そうだな。けど、我慢できねぇから先にちょっとだけ····」

 僕の乳首に吸い付き、胸だけで数回イかされた。それから洗浄に連れられて、ベッドに戻る頃には早くもクテクテだ。

 誕生日えっちと言えば、考えるまでもなく僕は朝まで時間をかけて潰されるはず。覚悟はしてきた。だから、早めにプレゼントも渡したんだ。
 あとは、八千代と朔に満足してもらうだけ。そう思っていた。

 朔と啓吾が2人がかりで僕を蕩けさせる。啓吾が僕の乳首を舌先で転がし、朔が僕のおちんちんを扱きながらお尻を解ぐす。
 僕の声が甘くなるほど、朔の息も荒くなる。僕は、屹立きつりつしたそれを、いつ挿れられるのかとお尻をヒクつかせさせながら待つ。

「大畠、結人くれ」

「ん。結人、起こすよ」

「はぇ····あぃ」

 朔のおちんちんがアナルを滑る。早く欲しくて、お尻を開いて強請った。

「朔ぅ····意地悪しないでぇ。早く··ナカぐちゃぐちゃにしてぇ」

「ん゙ん゙····。結人、今日は優しくシてやりてぇから、あんまり煽るなよ」

「優しく····なんで?」

 てっきり、ゴリラコンビの事だから、再起不能なまでに犯し潰されるのだと思っていた。優しくだなんて、僕に気を遣っているのだろうか。

「今日はセックスの後が本番だからな。お前が潰れたら困るんだ。だから、今日は気持ちいいだけのセックスしような」

 えっちの後に何があると言うのだろう。いつも、気絶するか力尽きて寝てしまうかだから、後と言われてもよく分からない。

「苦しいのも痛いのも····シないの?」

「なんでそんな残念そうなんだよ。······今日はそういうのはシねぇ····つもりだ」

「自信ねぇんかよ。結人、抱き潰すんは明日やってやっから安心しろ」

「······八千代のばぁーか」

 なんだか、僕が抱き潰して欲しがっているみたいじゃないか。僕は、覚悟をしてきただけなんだ。
 だから、そんなハレンチな事なんて思ってないもん。ちょっと拍子抜けしただけだもん。

 朔は大概、僕が泣くまでイかせてから挿れる。だが、今日はイきすぎないように加減をしているらしい。それでもたっぷりイかせてから挿れた。
 押し拡げて入ってくる、朔のおちんちんの大きさを感じる。ゆっくりだと、形が分かるのが気持ちイイ。奥の扉を開けてしまわないように収まると、ギュッと抱き締め合って互いの温もりを堪能する。
 ガツガツしてるのもいいけど、こういう甘いのも好きだ。大切にされていると実感する度、胸の隅っこから擽ったくなる。
 けれど、そんな甘い時間は長続きしなかった。

「結人、そろそろ動くぞ」

「んぇ? ひぁっ····んぅ゙」

 ゆっくりずろろろっと引き抜いては、ぐぷぷぷっと押し込んでくる。確かにゆっくりだ。だけど、大きく動かれるとその分、ストロークの長い快感が深く下腹を掻くように響く。
 この調子じゃ、激しくなくたって余裕でイキ狂ってしまいそうだ····。


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おまけのシメジコ豚
皆には共感してもらえない、結人イチオシの可愛い豚さん。
よつば作なので、クオリティはご容赦ください💦


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