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3章 希う大学生編

“あてぼり”って怖いね

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 啓吾から与えられた新しい快楽の激しさで、僕は少し気を失っていた。けれど、それはほんの一瞬だったようだ。
 どちゅっと、鈍い衝撃がお腹に響いて目が覚めた。カッと見開いた目に映ったのは、額や首に青筋を浮かべた八千代だった。
 伸びた後ろ髪を束ねている。あぁ、本気で攻めてくるやつだ。ぼんやりした頭で、そう確信した。

「大畠は遊び優先なんがぬりぃわ。なぁ? 喋る余裕ねぇくらい、イイトコ当ててやっから覚悟しろよ」

「ひぇ····」

 いつもは執拗い責め方をしない八千代。僕が息を忘れるほどイクと、体位を変えて色んな所に快感をくれる。
 そんな八千代が、本気で僕のイイ所を探って、そこを抉り続けるんだ。考えただけで下腹がキュンと疼く。

 太くて長くて、ガチガチに硬くなったおちんちんで、結腸口の手前を突き続ける。ガン突きってやつだ。
 もう出ないと思っていた潮が、また勢い良く噴き出す。

「んっとにココ好きだな。おい、あんま目ぇこすんな。腫れんだろ」

 そう言って、八千代が優しく拭ってくれる。けれど、涙は一向に止まらない。気持ちイイと、勝手に溢れ出すんだもん。

なみられ··八千代やちぉ見えないんらもん····ひぐぅッ····ひゃっ、あっ、あ゙ぁ゙っ!! 待っ··八千代やちぉぉ! しょこ··なんか変ッ! やぁっ····らめぇ!」

 僕の声など聞こえていないかのように、容赦なく突き続ける八千代。少しずつ擦り上げながら徐々に角度を変え、結腸口に近づき遂に奥を貫いた。
 その瞬間、とても深い絶頂を迎え、シャワーの様に潮を噴き上げる。その直後、やらしい笑みを浮かべたりっくんが来て、おもむろに僕のおちんちんを握った。
 そして、掌で亀頭をぐりぐりと、それはそれは執拗く撫で回すじゃないか。僕は、絶叫しながら潮を撒き散らす。

 腰がガクガクと痙攣し、八千代のが奥に入っているものだから、自分で奥をグイグイこねくり回す結果になっている。最早、どこでイッてるのか分からない。
 おそらく、快感が叩き込まれている箇所全てでイッているのだろう。深い絶頂と甘イキを、尋常ではない間隔で交互にし続けている。1秒も休ませてはもらえない。

 僕は大粒の涙をひた流し、何度も『やめて』と懇願する。汚い嬌声に混じえて、言葉にならないような叫びで訴え続けた。
 けれど、恍惚な表情で僕の痙攣を眺めるりっくんに、僕の悲痛な音吐は届いていないようだった。

「ひに゙ゃあ゙あ゙ぁ゙ぁ!!! りっくんひっぅ゙ん··もぉ゙ッ··やめ゙でぇ! にゃい! イ゙げにゃい゙ぃに゙ゃあ゙ぁ゙ぁ゙ぁ!!」

「お前··鬼かよ」

 あまりの執拗さに、八千代がひやりと言葉を漏らした。こんな中、奥を抉り続けている八千代に、微塵の説得力も感じないが。

 2人の執拗な責めに、呼吸の仕方を忘れた僕は酸欠で吐き戻す。流石にマズいと感じた八千代が、りっくんの髪を鷲掴んで制止する。
 涎を垂らしそうなほど夢中だったりっくんも、ハッと我に返り手を止めた。『目、ガンギマリじゃん。莉久やべぇ』と啓吾は笑ったが、笑い事じゃないんだよ。

 僕は浅い呼吸しかできず、八千代に抱き起こされ水を飲ませてもらう。口移しでゆっくりと、僕が飲み込むのを待ちながら流し入れてくれる。

「ん··はぁ····ふぅー··」

「息、できるか?」

「うん。大丈夫らいじょーぶ

「うっし、続きすんぞ」

 八千代が僕を横たえると、怒りを剥き出しにした真尋が声を荒らげる。

「まだヤんのかよ!? 休ませてあげないの?」

「アホか。ここで休んだら満足しねぇんだよ。よく見てろガキが」

 言葉足らずな八千代に代わり、啓吾が補足の説明をしてくれる。

「結人はさ、追い込まれるまで求められたら、そんだけ“愛されてる”って実感すんの。苦しいのが好きなのはドMなのもあるけど、手っ取り早く堕ちれるからなんだと思うよ」

「あとねぇ、普段は甘やかしっぱなしの俺らが、ゆいぴに酷い事するのって相当な覚悟が要るわけ。それを押し殺して、ゆいぴにキツい事してお互いに快楽貪って、そういう覚悟··みたいなのが安心するんじゃないかな」

「結にぃを····堕とす覚悟?」

「そ。口先だけじゃなくて、色んなもんすっ飛ばした目に見える覚悟。結人って遠回しな事しても気づかねぇだろ? だからそれがないと、こんだけ愛してんのにすーぐ不安になんの。めちゃくちゃ厄介だろ♡」

 啓吾とりっくんの話を聞いて、真尋が項垂れた。酷く落ち込んでいる様だ。
 僕自身、今の話を途切れ途切れに聞き、そうだったのかと自分の言動を振り返った。再び八千代の甘い当て掘りをくらいながら、僕は啓吾とりっくんの言葉を咀嚼する。

 2人の言う通り、皆の覚悟を見ることで、より深い愛を感じる節はあると思う。けれど、それは単純に皆の性癖や本能的なものであって、同時に僕への躾の一環なのだと思っていた。
 無知な僕に、沢山気持ちイイ事を教えてくれているのだとも思っていた。それを受け入れて溺れる事で、僕が皆に縋って服従しているのだと誤想していたのだ。
 まさか、僕の弱虫な心を満たす為だったなんて、そんなの全然気づかなかった。もしかして、皆に嫌な事をさせていたのかな。

「まーたお前は余計な事考えてんだろ」

 八千代に見透かされ、息も絶え絶えに、至った考えを話す。突く勢いをほんのちょっぴり緩めてくれたとは言え、腰を止めないのが八千代らしいや。


「アホか。俺らがやりたくてやってんだわ。単純に、お前を潰してぇんだよ」

「ひゃうっ····」

 耳元でそんな事を言われると、イッてしまうのだから遠慮してほしい。それでなくとも、八千代はいつだって話し方がえっちなのだから。

「お前もな。まーた言葉足らずなんだわ」

 啓吾が嘲弄する様に言った。八千代から飛んでった枕が、顔面に直撃する。

「ゎっぷ····いってぇな!」

「テメェが喧嘩売ってきたんだろ」

「売ってねぇよ。でもお前マジでさ、結人相手に言葉足りなさすぎな。もちょっと噛み砕いて説明してやんないと、まーた勘違いすんだろ。いい加減学習しろよなー」

 啓吾はおどけて言う。が、八千代は図星と言わんばかりに、苦虫を噛み潰したような顔で『うるせぇ』とだけ返した。
 それを聞いていた真尋は、パッと顔を上げて言った。

「俺もさ、もっと結にぃといっぱい一緒に居て、結にぃの事知りたい。俺の気持ち、もっと結にぃにゆっくり伝えていきたい。そんで、本気で心から愛してるって想われたい」

 やっぱり諦めないんだ。そう思ったのは僕だけではないだろう。だけど、今までと少し様子が違うのは、焦燥に駆られた雰囲気が削がれたからだろうか。


 真尋の言葉を、皆それぞれに飲み込む。
 八千代は満足ゆくまで犯しきってから、グデグデになった僕を朔に明け渡す。その時に、八千代が『もういい気もするけどな』と言った真意は分からない。
 けど、朔には伝わっているようだ。晴れ晴れとした顔で『そうだな』と返しておきながら、当て掘り大会は滞りなく続行された。
 先に真尋の話を聞いてあげたいのだけれど、どうもそうはいかないらしい。

 待ちに待った朔が、僕に覆いかぶさって深いキスを交わしてくる。口内を、大きな舌で余す所なく舐め、奥まで犯すんだ。息をするタイミングが分からず、あっぷあっぷして朔の胸を押し返す。
 ゆっくりと舌を離すと、唾液が糸を引く。それが切れる前に、再び舌を絡める。どれだけ待ちきれないんだか····。

 キスだけで何度もイかされ、とろっとろに蕩けてしまう。おちんちんを挿れる為に離れる朔に、両手を伸ばして“待って”と合図する。
 朔は僕を抱き締めながら、動き辛そうに挿入する。ごめんねって思いながらも、離れるのはやっぱり嫌なんだよ。
 抱き締められているのと、おちんちんが入ってくるのと、両方の圧迫感が気持ち良い。そして、朔は僕の頭の上で手を組み、早々はやばやと奥を抜いた。
 耳元で、何度も『愛してる』と囁き、僕の名前を甘く呼び続ける。僕もそれに応え、朔を呼んで求め続けた。

しゃくぅ····気持ちぃ··好きぃ♡ れももぉ··しょこやらぁ····」

「ツライか?」

「イクの、止まんにゃ··んあぁっ··おっきしゅぎぅの··お願····待っ──」

「待てねぇ」

 耳元で、低声を流し込むように言う。それがとても艶かしくて、僕は心臓を握り潰されながら連続イキをして失神した。

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