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3章 希う大学生編

まだまだこれから

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 ぱちゅぱちゅと、水音混じりの肌を打ち合う音が微かに聞こえてくる。それと、揺すぶられる感覚で目を覚ました。寝ている僕を犯しているのは誰だ。
 少し見回して、甘いピストンで遊んでいるのが啓吾だと知る。りっくんは、少し離れたところで爆睡している。きっと、満足してくれたんだね。
 八千代は、僕の乳首を舐めまわしている。僕が起きた事に気づくと、カリッと噛んだ。背中を浮かせてイッてしまう。
 おかげで、前立腺を抉られてしまった。もう出ないはずの潮が、しょろっと溢れる。
 それと同じくして、下腹にキンと変な感覚が走った。朔が、おへそを舌でグリグリしているんだ。
 膀胱の辺りがジクジクするから、奥までするのはやめてって何度も言ってるのに。それでも、僕がイクからシちゃうんだよね。しょうがないなぁ。

 僕はボーッとしたまま、小さな嬌声を漏らし続ける。自分でも驚くくらいの高い声。これじゃ、本当に女の子みたいだ。
 ふわふわしすぎでワケが分からなくて、自分の指をしゃぶっていると八千代がそれを抜いて指を挿れてきた。

「んぇ゙····ぇ゙··ぁ゙····」

 人差し指と中指で喉の奥を触る。嗚咽が溢れるが何も吐けない。夕飯は、もう消化したのだろうか。今何時なのだろう。

 テレビ台に置いてある、アナログの時計をチラッと見てみる。4時を過ぎたところだ。
 朔、寝なくて大丈夫なのかな。まぁ、先にりっくんが運転するらしいから、その間に寝るつもりなんだろうな。
 それより、啓吾の動きがもどかしい。意地悪く焦らすような甘い動き。連続で何度も軽いナカイキをさせられる。

「結人ぉ、腰動いてっけど。もっとちゃんと動いてほしい?」

「ぇ··ぅ゙····」

 僕は、小さく頷く。

「だって。お前らちょっと離れて」

 そう言うと、僕の腰を持ち上げる啓吾。数回大きくピストンすると、徐々にそれを速め、僕がイクと同時にバチュンッと奥まで貫いた。
 ダメだ、息が止まる。イッた上に深い快感を叩き込まれ、変なイキ方をした。お腹の奥でイき、やはりおちんちんからは何も出ない。
 それから、突かれる度にイクのだが、ずっとお尻でイッている。噴きながらイクよりも、体力がごっそり削られるからしんどい。1回の絶頂がそれだけ深いのだろう。

「け、ご··も、イケにゃ····にゅ····アタマ、変にゃゅ····んぅ゙」

「頭、イカれていいよ。俺もイカレてるから」

 啓吾は僕の首を絞め、恍惚な表情で僕を見をろしながら、とびきりの甘い声で残酷な言葉を放つ。

「今、このまま、お前のこと殺したい。俺のちんこで死ねって思ってる。····ごめん」

 どうして謝るのだろう。それほどの激情を正面からぶつけられて、僕は今もイッているのに。
 僕がイクと、首を絞める手にグッと力がこもった。

「は、ぅ··ァ····こにょまま····死ぬちにゅぅ····」

 僕の首を絞める啓吾の手をそっと掴み、僕は全てを委ねるつもりで『しゅきにて』と声を絞り出した。

 啓吾は、僕の首をパッと離す。酸素が脳に巡り、僕は少し咳き込んだ。

 とても悲しそうな表情で僕を見つめる啓吾。また、自分の加虐性とかを気にしてるのかな。

「啓吾、僕ね、くぅしいのも痛いのもしゅきらよ」

 啓吾は何も言わず、まんぐり返しっていうのにして上から深くまで突き挿した。また一瞬、呼吸ができなくなる。

「はっ、ぅ゙ぅ····」

「結人はさ、俺らにだったらマジで殺されてもいいと思ってんだろ。それが怖ぇんだよ。いつか加減間違えそうでさ」

 とか言いながら、僕が話せないくらい強く、強く奥を抉るんだ。支離滅裂が過ぎるよ。
 まったく、啓吾は急にメンタルが落ちて困る。こんな体勢なのに、抱き締めたくなっちゃうじゃないか。

「そんなに心配だったら優しくシてやればいいだろ」

 馬鹿げた話だと言わんばかりの顔で朔が言う。自分だって、激昂した時は僕を壊しかけて後悔するくせに。けど、だからその分、普段は凄く優しいんだよね。
 啓吾だって優しいけれど、少し種類が違う。それに啓吾は、えっちしている時も普段も関係なく、接し方も扱いもが変わらない。良くも悪くも、だ。そこが、啓吾らしくて好きなんだよね。

「······まぁ、そうなんだけどさ」

 だから、感情の起伏が激しくていいんだよ。好きなように愛してくれればいいんだ。僕は、そういう啓吾が大好きなんだから。

 啓吾は少し落ち着きを取り戻し、僕の腰を下ろした。緩く奥を押し潰したまま、開ききらない扉をグリグリしていじけているみたいだ。
 それがなんだか可愛くて、胸がギュゥッと締めつけられる。啓吾への愛おしさが、爆発しそうなほど一気に昂った。

「れも、そぇじゃ満足まんじょくれきないんらよね····。啓吾も、僕も」

 僕は、涙でぐしょぐしょだけど『えへっ』と笑って見せた。大層汚い顔をしているのだろう。そんな顔で分かったふうな事を言ったんだと思うと、少し恥ずかしさや。

「お前ら··クソめんどくせぇな。わーってっから好きにヤりゃいいだろ。お前がミスる前に俺が落としてやっからよ」

 八千代の優しさは乱暴だ。啓吾の意識を飛ばせばいいだなんて、もっと穏便に解決できないのだろうか。凄く心強いけどさ。

「ははっ、怖ぇ~」

 そう言いながら、啓吾は安堵したようにカッと笑う。こういう時、この関係性のありがたみを実感するんだよね。
 それぞれの欠けているところを補い合っている。だから、僕は安心して身を委ねられるんだ。

 そして、僕は啓吾に両手を伸ばし“おいで”とアピールする。

「結人は包容力あんねぇ。ちんこだけじゃなくて、俺の全部包み込んでくれんのな。ハァ··すげぇ安心する」

 可愛い事を言って、僕を優しく抱き締める。啓吾の腰が止まらない所為で、僕は軽イキし続けていて返事もできないんだけどね。

 調子を取り戻した啓吾は、唇が腫れてしまいそうなほど吸いついてくる。時々舌を絡め、口内を犯しながら。
 キスは勿論、ドキドキするのも気持ちが良いんだけど、本当に執拗い。息ができないんだってば。
 朦朧としながら、指を絡め繋がれた手の熱さと力強さにトキメく。そして、首筋や肩を吸ったり噛んだり好き放題しながら、奥を貫いて啓吾はたっぷり射精した。

 
 そろそろ寝ると言っておきながら、朔が『次は俺がヤる』と言って、八千代を退け僕を犯しに来た。寝なくて大丈夫なのかな。 
 と思いながらも、下腹部を指で撫で押され、甘イキさせられる所為で嬌声を零す事しかできない。

 僕を啓吾から奪い、四つ這いにすると肩を掴んで布団へ押さえつける。突き上げたお尻に、くちゅくちゅ、ぬぷぷと音を立てながら入ってきた。
 奥まで挿れると朔は、耳元で『すぐ腹いっぱいにしてやるからな』と囁いて、僕の下腹をいやらしく撫でる。つまりは、短期決戦だ。これ、八千代の番まで起きてられるかな。


「結人、旅行、楽しかったか?」

「んぅ゙、ぇ゙··あっ♡ しょこ、もうらめぇ····」

 朔が何か聞いているけど、ずっと奥をぐぽぐぽされてイキっぱなしの僕は、何を言われても上手く聞き取れない。だって、自分の喘ぎ声が煩いんだもの。
 僕が答えないと、奥をグリッと抉ったまま止まり、耳元でもう一度聞き直してくれる。優しいんだか意地悪なんだか分かんないや。

「旅行、楽しかったか?」

「ひぅっ! た、楽ちかったぁ♡」

「そうか、良かった。俺も、結人との旅行、楽しかった」

「ふ、はぁ、んぁ゙っ····うん、また、来たい、ね」

「あぁ、また来ような。けど、今はもっとお前に気持ちイイ思い出作ってやりてぇ」

 朔は、おバカな事を言って僕の項に吸いつく。これ以上に気持ち良い思い出だなんて、本当に帰りたくなくなっちゃうじゃないか。
 そういえば、この旅行でいつもと1番違ったのは朔だ。はしゃいでたのかな。ずっと楽しそうだったし、いつもより感情表現が激しかった気がする。

 皆が楽しそうだと僕も楽しい。皆が幸せそうだと僕も幸せ。そんな時間を、もっともっと一緒に過ごしたい。
 まずは、朔ともうひとつ思い出を作ってからおやすみをしよう。居眠り運転なんてされちゃ、たまらないものね。
 それに、僕はまだこれから、八千代の相手という大一番が残ってるんだ。朔に失神させられないよう踏ん張らなくちゃ。

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