転移したら獣人たちに溺愛されました。

なの

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第2章

第68話

ノアは学校に行かなくても毎日楽しそうに過ごしていた。
朝も普段通りに起きて、リアムと一緒に運動したりお昼ご飯を考えたり、そして昼になると昼ごはんを作り、ナイル先生からの課題をこなし、夕方から夕飯までの間、先生と勉強をしている。毎日忙しいのか夕飯を食べてお風呂に入るとすぐ寝てしまうため、俺とゆっくり話すこともないし、お風呂も……いまだに一緒に入れていない。

今日は特に忙しく動いていたからか夕飯を食べながらウトウトしている姿が見えた。

「ノア疲れたな。もう寝ようか」
そう声をかけたがノアは首を振って大丈夫と答えていた。
どうみても大丈夫ではない気がするが……深い眠りにつくまで抱っこをせずに待っていた。父上がノアが寝てるのを確認して話しかけてきた。

「カイル、お披露目会は2ヶ月後にやることにした。お前の誕生日だ。ノアに辛い思いをさせた日をいい思い出に変えたいと考えて時期を早めることにした。このままだとノアが怖がって一歩も外に出られないような気がしてな。街での噂がノアの耳に届くのも時間の問題だから少し早いが仕方がないだろう」

「わかりました父上」
確かに外に出るたびに結婚はいつなのか言われることが多かった。でもノアの耳に届くのはまだ先だと思ったが……嬉しい誤算だ。これで堂々とノアと一緒に手を繋いで街に行ける日が来るかもしれない。

ノアはあれから一歩も外に行きたがらなくなった。ある時、聞いてみると他人の視線が怖いと言っていた。初めのうちは平気そうな顔をしていたけど夜うなされることもあるし、学校での出来事はノアの心に大きな傷となって残ってしまった。ノアが早く元の生活に戻れるといいのだが……いつの間にか俺にもたれかかって寝てしまったノアを抱きしめ俺の部屋に連れていった。最近は一緒に寝てくれるようになった。今日も一緒に眠りにつこうとしたら……ノック音がしてライナスがやってきた。

「王子、来週からの訓練はいかがいたしましょうか?カール様にお願いした方がいいでしょうかね?」
そういえばそうだった。ノアのことで忘れていたが訓練の時期だった。今の状態のノアを置いていくのは心苦しいが仕方がない。ノアには言い聞かせていくしかないと思い翌日、ノアに話すと……

「僕も訓練に参加してもいい?」
驚く答えが返ってきた。それはまずい、大いにまずい。俺がノアを必死に止めるとノアは不貞腐れるかもしれないと覚悟をしていたが……

「わかった。じゃあ訓練には参加しない」
今回はすんなり諦めてくれた。俺はノアも大人になったと思ったが、そうではなかった。ノアは俺たちは想像できない考えを持っていたことに驚かされた。

とうとう俺は訓練で3日間も家を空けることになった。早朝にもかかわらずノアは見送りに起きてきてくれた。俺が行く時、珍しくノアは俺にしがみついてきた。やっぱり寂しいと思ってくれてると思うと嬉しかった。
「ノア行ってくる。いい子に待っててくれ」
「うん。帰って来るの待ってるね。だからこの服かして?」
ノアは俺が朝まで着ていたTシャツを握っていた。
「もちろんだ。俺のはなんでも使っていいぞ」
そう答えると笑顔で笑ってくれた。
しばらく抱き合って俺たちはお互いのおでこにキスをした。そして俺は迎えにきたカールの背中に乗った。


◇◆◇◆◇


「行っちゃった……」
「そうですね。寂しいですね」
カイルが行ってしまった空を僕はしばらく見ていた。でも僕にはやることがある。それをやるにはリアムがどうしても邪魔だった。こんなことをみんなが知ったら絶対に怒られる。でも僕は……どうしてもカイルの誕生日にあげたいものがあった。でもそれは幻と言われてるからあるかどうかなんてわからないけど……でも行くなら雨上がりの朝がいいと聞いたから……

「ねぇリアム久しぶりにかくれんぼしよう」
「かくれんぼですか?」
リアムが不思議そうな顔をしていた。

「昔はすぐに見つかっちゃったのはリアムは鼻がいいからでしょ?だからリアムが鬼になったら目と鼻を塞いでよ」
するとリアムは笑いながら塞いでもすぐに見つけますよ。と言われてしまった。悔しい。でも絶対に見つかるわけにはいかない。
「じゃあ、最初はグー、ジャンケンポイ」
僕はパー、リアムはグーを出した。リアムは昔から最初はグーを出すのだ。

「じゃあリアムが鬼ね。100回まで数えてから探してね。じゃあこれ被ってて」
「これはっ」
それはカイルの朝まで着ていたTシャツだ。きっとカイルの匂いが付いてるから時間稼ぎができる。動揺しているリアムを無視してそれを頭から被せて僕は走った。


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