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誕生日会4
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僕の声が出ないのに気づいた結城先生は2人が言っていたが気にせずに家の中に入った。
大きな玄関を入ってすぐの部屋に連れてってくれた。
「純平くん…何が辛い?何が苦しい?心配することなんて1つもないから安心して。ここは怖くないからね。」と頭を撫でてくれた。
「何か伝えたい事あるなら…」とノートと鉛筆をくれた。
僕は今の状況がわからなくて…でも1つだけ伝えたい事を書いた。
「郁人、おたん生日おめでとう」
「ありがとう。これ郁人に渡していいかな?」
声が出ないので首を縦に振るしかなかった。
トントン
部屋のノック音がしてドアに視線を向けた。
「純平くんいらっしゃい。オレンジジュースは飲める?」
年配の女性が入ってきた。
「初めまして郁人のおばあちゃんです。よろしくね。」
柔らかい笑顔で挨拶してくれた。
僕はうなづいた。
「純平くん、とりあえずジュース飲もうか?」
施設ではほとんどジュースなんか出ないから嬉しかった。
とても甘くて、でもちょっと後から酸っぱくて、美味しかった。
「純平くん、声が出なくなったのは精神的ストレスが関係してると思うの。でもきっと一時的だかよ。また、いっぱい喋れるようになるから、それまで気にしなくて過ごしてていいんだからね。
月曜日まで様子見て、それでも声が出なかったら病院に行って検査してみようか?
とりあえず郁人も奏くんもいるから、あっちのお部屋でお誕生日会しない?きっと2人も心配してるだろうから…」
僕は横に首を振った。今の状態の僕は2人に会いたくない。会えない。このまま施設に帰りたい。
「しせつに帰りたいです」
そうノート小さく書いた。
「そっか…会いたくないの?そんな気分じゃないかな?残念だけど…」
またノック音がした。
「お母さん…純平は?まだ?」
郁人の声が聞こえた。思わずビクッと肩が上がってしまった。
先生は「大丈夫」と言いながら背中を撫でてくれた。
「純平くん、まだちょっと無理だから先にはじめなさい。奏くんとお父さんとご飯食べていいから」と言ってくれた。
2人は何も関係ないのに…2人の幸せそうに笑う顔は今は見れない。とても悲しくて心が冷たいのに、
それでも…涙1つ溢れなかった。
「純平くん1つ提案です。
このまま施設に戻らず、郁人と一緒にこのお家で住むのはどうかしら?」
「…」びっくりして俯いてた顔を上げ結城先生を見た。
なんで?昨日はそんな事何も話してないのに…
「びっくりするよね?でも、ちょっと施設長の事で悪い噂がたくさんあってね。これから警察に行くの。きっと今頃、警察で話を聞かれてると思うの。同じ施設の子とは離れちゃうけど、違う施設やお家に行くことが全員決まってるから安心して。…で純平くんは私たちが引き取ろうって勝手に決めちゃって…その話をしたかったんだけど多分、郁人のお父さんに会って威圧感を感じたのもストレスになっちゃって、声が出なくなっちゃったのかな?」
「純平くんはここに住むのは嫌?」
嫌です。そう答えられたらどんなにいいだろう。でも今は声が出ない。紙に書くのも…できない。
朝の登校も帰りの下校も郁人と一緒にしないといけないの?奏と付き合ったよ。と聞かされるの?抱き合ったりキスしたり…そんな話を聞いたり、もしかしたらまた見たりするの?
どんどん悪い方向に気持ちが持っていかられて…僕は耳を両手で塞いだまま首を横に振った。
そのうちにだんだん僕は…
息をするのが辛くなってきた。
先生が「純平くん大丈夫。大丈夫。ゆっくり呼吸しよ。」と声をかけながら背中をさすってくれたけど、目の前が暗くなってそのまま僕は意識を失った。
大きな玄関を入ってすぐの部屋に連れてってくれた。
「純平くん…何が辛い?何が苦しい?心配することなんて1つもないから安心して。ここは怖くないからね。」と頭を撫でてくれた。
「何か伝えたい事あるなら…」とノートと鉛筆をくれた。
僕は今の状況がわからなくて…でも1つだけ伝えたい事を書いた。
「郁人、おたん生日おめでとう」
「ありがとう。これ郁人に渡していいかな?」
声が出ないので首を縦に振るしかなかった。
トントン
部屋のノック音がしてドアに視線を向けた。
「純平くんいらっしゃい。オレンジジュースは飲める?」
年配の女性が入ってきた。
「初めまして郁人のおばあちゃんです。よろしくね。」
柔らかい笑顔で挨拶してくれた。
僕はうなづいた。
「純平くん、とりあえずジュース飲もうか?」
施設ではほとんどジュースなんか出ないから嬉しかった。
とても甘くて、でもちょっと後から酸っぱくて、美味しかった。
「純平くん、声が出なくなったのは精神的ストレスが関係してると思うの。でもきっと一時的だかよ。また、いっぱい喋れるようになるから、それまで気にしなくて過ごしてていいんだからね。
月曜日まで様子見て、それでも声が出なかったら病院に行って検査してみようか?
とりあえず郁人も奏くんもいるから、あっちのお部屋でお誕生日会しない?きっと2人も心配してるだろうから…」
僕は横に首を振った。今の状態の僕は2人に会いたくない。会えない。このまま施設に帰りたい。
「しせつに帰りたいです」
そうノート小さく書いた。
「そっか…会いたくないの?そんな気分じゃないかな?残念だけど…」
またノック音がした。
「お母さん…純平は?まだ?」
郁人の声が聞こえた。思わずビクッと肩が上がってしまった。
先生は「大丈夫」と言いながら背中を撫でてくれた。
「純平くん、まだちょっと無理だから先にはじめなさい。奏くんとお父さんとご飯食べていいから」と言ってくれた。
2人は何も関係ないのに…2人の幸せそうに笑う顔は今は見れない。とても悲しくて心が冷たいのに、
それでも…涙1つ溢れなかった。
「純平くん1つ提案です。
このまま施設に戻らず、郁人と一緒にこのお家で住むのはどうかしら?」
「…」びっくりして俯いてた顔を上げ結城先生を見た。
なんで?昨日はそんな事何も話してないのに…
「びっくりするよね?でも、ちょっと施設長の事で悪い噂がたくさんあってね。これから警察に行くの。きっと今頃、警察で話を聞かれてると思うの。同じ施設の子とは離れちゃうけど、違う施設やお家に行くことが全員決まってるから安心して。…で純平くんは私たちが引き取ろうって勝手に決めちゃって…その話をしたかったんだけど多分、郁人のお父さんに会って威圧感を感じたのもストレスになっちゃって、声が出なくなっちゃったのかな?」
「純平くんはここに住むのは嫌?」
嫌です。そう答えられたらどんなにいいだろう。でも今は声が出ない。紙に書くのも…できない。
朝の登校も帰りの下校も郁人と一緒にしないといけないの?奏と付き合ったよ。と聞かされるの?抱き合ったりキスしたり…そんな話を聞いたり、もしかしたらまた見たりするの?
どんどん悪い方向に気持ちが持っていかられて…僕は耳を両手で塞いだまま首を横に振った。
そのうちにだんだん僕は…
息をするのが辛くなってきた。
先生が「純平くん大丈夫。大丈夫。ゆっくり呼吸しよ。」と声をかけながら背中をさすってくれたけど、目の前が暗くなってそのまま僕は意識を失った。
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