12 / 28
12
しおりを挟む
王都の高級サロン。
そこは、選ばれし高位貴族の婦人や令嬢たちが集い、優雅にお茶と会話を楽しむ社交の聖地である。
……というのは表向きの顔だ。
実態は、マウント合戦、派閥争い、そして噂話という名の情報戦が繰り広げられる、血塗られた戦場である。
その戦場に、私は足を踏み入れた。
「……あら、あれは」
「まさか、あのアークライト家の……」
「王太子殿下に捨てられた女が、どの面下げて……」
私が会場に入った瞬間、さざ波のようにヒソヒソ話が広がっていく。
扇子で口元を隠した令嬢たちの視線は、針のように鋭い。
だが、私は動じない。
私の隣には、最強の護衛(と書いて『最終兵器』と読む)がいるからだ。
「……うるさいな」
私の腰に手を回し、周囲をギロリと睨みつけたのは、ラシード様だ。
その一睨みで、会場の気温が五度下がった気がする。
「放っておけばいい。雑音(ノイズ)だ」
「ええ、問題ありませんラシード様。想定内の環境音です」
私はニッコリと微笑んだ。
今日の私は、先日支給された「制服(イブニングドレス)」を完璧に着こなしている。
深い青のドレスは、ラシード様の礼服とカラーコーディネートされており、誰が見ても「私たちはペアです」という強烈な主張を放っていた。
(ふふふ……この視線、悪くないわ)
私は内心で計算機を叩く。
(私への注目度が高いということは、ここで私が「クライシス公爵家は盤石である」とアピールできれば、領地の信用格付けが一気に上がる。これはお茶会ではない。投資家向け説明会(IR活動)です!)
「さあ、行きましょう」
私はラシード様のエスコートで、会場の中央へと進んだ。
すると、待ち構えていたように、数人の令嬢が道を塞いだ。
中心にいるのは、派手なドレスを着た伯爵令嬢だ。
「ごきげんよう、ミリュー様。……あら、随分と顔色がよろしいこと」
嫌味たっぷりの挨拶だ。
「婚約破棄されて、さぞやお嘆きかと思っておりましたのに。すぐに公爵様に乗り換えるなんて、相変わらず……『計算高い』こと」
周囲からクスクスと笑い声が漏れる。
「計算高い」は、社交界における私への最大の侮蔑語だ。
感情を持たない機械のようだ、と。
しかし、私は扇子をパチリと閉じて、満面の笑みで応じた。
「お褒めいただき、光栄ですわ」
「……は?」
「計算高さとは、すなわち『先を見通す知性』の証。無計画に感情で動いて破滅するより、計算通りに幸福を掴む方が、生物としての生存戦略として正しいでしょう?」
「なっ……!?」
令嬢が言葉に詰まる。
私は畳み掛ける。
「それに『乗り換えた』という表現は不正確ですね。正しくは『より条件の良い優良物件にヘッドハンティングされた』です。王太子殿下(ブラック企業)との契約が満了し、公爵様(ホワイト企業)に転職した。……これの何が問題でしょうか?」
「ブ、ブラック……? ホワ……?」
意味が分からずポカンとする令嬢たち。
そこに、別の夫人が割って入ってきた。
「まあ、相変わらず口が達者だこと。でもね、ミリュー様。噂で聞きましたわよ? 貴女、公爵邸で……使用人のような『労働』をしているそうですわね?」
夫人は勝ち誇ったように鼻を鳴らした。
「庭の草むしりをしたり、書類仕事に追われたり……。公爵夫人ともあろう方が、下々の者の仕事をするなんて。やはり、王太子妃になれなかった女は、品位も地に落ちたのかしら?」
周囲から「まあ、はしたない」「泥仕事なんて」という嘲笑が聞こえる。
ラシード様の眉間に、深い谷が刻まれた。
彼が口を開こうとしたのを、私は手で制した。
(ここは私が。……この程度の煽り、数字で黙らせて見せます)
私は一歩前に出た。
「労働、結構なことではありませんか」
「え?」
「私は、自分の住む環境を、自分の手で最適化することに喜びを感じます。それに、私の『労働』が生み出した経済効果をご存知ですか?」
私は指を折って数え始めた。
「庭園の改修により、害虫被害が減少し、近隣農家の収穫高が5%向上しました。書類整理により、公爵領の行政コストが20%削減されました。さらに、資材調達の見直しで浮いた予算は、領民への減税として還元される予定です」
私は夫人を真っ直ぐに見つめた。
「私は汗を流し、知恵を絞り、確実な『利益』を生み出しました。……さて、皆様は?」
「な、なによ……」
「毎日お茶会で他人の噂話をして、高価なドレスを消費し、生産性のない時間を過ごす……。それで『品位』を保っているとお思いですか? 私には、それが単なる『社会的資源の浪費』にしか見えませんが」
「ぐぬっ……!」
夫人の顔が真っ赤になる。
「な、生意気な! そんな理屈、社交界で通用すると思って……!」
夫人が扇子を振り上げた、その時だった。
ドォォォォン……。
地響きのような、重苦しいプレッシャーが会場全体を圧迫した。
「……通用する」
低く、絶対零度の声が響いた。
ラシード様だ。
彼は私を背に庇い、夫人たちを睥睨していた。
その青い瞳は、完全に「敵を排除する目」をしていた。
「ミリューの言葉は、我が公爵家の総意だ。彼女の労働は、尊い。彼女が生み出す成果は、宝石よりも輝かしい」
「こ、公爵閣下……?」
「彼女が庭いじりをしている時、その手についた土さえも、私には黄金に見える。彼女が書類と格闘している時の鬼気迫る表情は、女神のように美しい」
ラシード様は真顔で、とんでもないことを言い出した。
「お前たちには分からんのか? 何も生み出さず、ただ着飾っているだけの人形と、自らの手で未来を切り拓く機能美あふれる彼女と……どちらが本当に『品位』があるかを」
「ひっ……!」
夫人たちが後ずさる。
ラシード様の言葉は、愛の告白なのか脅迫なのか分からないが、その迫力は凄まじかった。
「私の妻を侮辱することは、クライシス家への宣戦布告とみなす。……その覚悟がある者だけが、口を開け」
シーン……。
会場が静まり返った。
誰一人、声を発する者はいない。
扇子を落とした音さえ聞こえそうだ。
(……やりすぎです、ラシード様)
私は苦笑しながら、彼の袖を引いた。
「そこまでで結構ですわ。これ以上やると、今後の外交に支障が出ます」
「……フン」
ラシード様は鼻を鳴らし、殺気を収めた。
私は凍りついた夫人たちに向き直り、ニッコリと微笑んだ。
「というわけで、我が家の経営方針(ポリシー)をご理解いただけましたでしょうか? 私たちは『実利』と『効率』を愛しております。もし、皆様の中に『生産的な提携話』をお持ちの方がいらっしゃいましたら、いつでも歓迎いたしますわ」
私は懐から、公爵家の新しい名刺を取り出した。
「こちら、私の名刺です。領地経営に関するコンサルティング、資産運用のアドバイス、なんでも承ります。初回相談は無料ですので」
私は呆然とする夫人たちの手に、強引に名刺を握らせた。
「それでは、皆様ごきげんよう。……ああ、そのドレス、素敵ですが素材の通気性が悪そうですわね。肌荒れにはご注意を」
捨て台詞の代わりに実用的なアドバイスを残し、私はラシード様の腕を取ってその場を離れた。
背後で、夫人たちが「負けた……」「勝てる気がしない……」と崩れ落ちる気配がした。
◇
バルコニーに出ると、夜風が心地よかった。
「……すまない、ミリュー。つい熱くなってしまった」
ラシード様が反省したように頭を下げる。
「私のせいで、君が孤立してしまったかもしれない」
「孤立? いいえ、逆です」
私は手帳を開き、満足げに頷いた。
「見てください。先ほどの騒ぎを見ていた数人の貴族男性が、こちらを伺っています。彼らは実利重視の派閥……おそらく、私の『コンサル提案』に興味を持ったのでしょう」
「……は?」
「つまり、ターゲット層への宣伝(アピール)は成功したということです。あの夫人たちは、私の優秀さを引き立てるための『踏み台』として、良い仕事をしてくれました」
「…………」
ラシード様は呆れたように私を見つめ、それから吹き出した。
「くくっ……ははは!」
「何かおかしいですか?」
「いや……君は本当に強いな。そして、頼もしい」
彼は私の肩を抱き寄せた。
「君を敵に回さなくて本当によかった。……ジェラルド殿下は、本当に惜しいことをしたな」
「そうですね。彼が失ったのは、単なる婚約者ではなく『歩く国家戦略局』ですから」
私が冗談めかして言うと、ラシード様は私の額にキスを落とした。
「そして私は、最高の『幸福』を手に入れた」
「幸福? ……ああ、業務効率化のことですね?」
「……まあ、そういうことにしておこう」
ラシード様は苦笑いしながら、夜空を見上げた。
こうして、私の社交界デビュー戦(商談)は大勝利に終わった。
悪役令嬢という悪名は、いつしか「冷徹なる女参謀」という、より恐ろしく、より実用的な異名へと変わっていくことになるのだが……それはまた別のお話。
今はただ、この隣にいる不器用な上司(夫)と共に、次の「改善案件」を探すのが楽しみで仕方なかった。
そこは、選ばれし高位貴族の婦人や令嬢たちが集い、優雅にお茶と会話を楽しむ社交の聖地である。
……というのは表向きの顔だ。
実態は、マウント合戦、派閥争い、そして噂話という名の情報戦が繰り広げられる、血塗られた戦場である。
その戦場に、私は足を踏み入れた。
「……あら、あれは」
「まさか、あのアークライト家の……」
「王太子殿下に捨てられた女が、どの面下げて……」
私が会場に入った瞬間、さざ波のようにヒソヒソ話が広がっていく。
扇子で口元を隠した令嬢たちの視線は、針のように鋭い。
だが、私は動じない。
私の隣には、最強の護衛(と書いて『最終兵器』と読む)がいるからだ。
「……うるさいな」
私の腰に手を回し、周囲をギロリと睨みつけたのは、ラシード様だ。
その一睨みで、会場の気温が五度下がった気がする。
「放っておけばいい。雑音(ノイズ)だ」
「ええ、問題ありませんラシード様。想定内の環境音です」
私はニッコリと微笑んだ。
今日の私は、先日支給された「制服(イブニングドレス)」を完璧に着こなしている。
深い青のドレスは、ラシード様の礼服とカラーコーディネートされており、誰が見ても「私たちはペアです」という強烈な主張を放っていた。
(ふふふ……この視線、悪くないわ)
私は内心で計算機を叩く。
(私への注目度が高いということは、ここで私が「クライシス公爵家は盤石である」とアピールできれば、領地の信用格付けが一気に上がる。これはお茶会ではない。投資家向け説明会(IR活動)です!)
「さあ、行きましょう」
私はラシード様のエスコートで、会場の中央へと進んだ。
すると、待ち構えていたように、数人の令嬢が道を塞いだ。
中心にいるのは、派手なドレスを着た伯爵令嬢だ。
「ごきげんよう、ミリュー様。……あら、随分と顔色がよろしいこと」
嫌味たっぷりの挨拶だ。
「婚約破棄されて、さぞやお嘆きかと思っておりましたのに。すぐに公爵様に乗り換えるなんて、相変わらず……『計算高い』こと」
周囲からクスクスと笑い声が漏れる。
「計算高い」は、社交界における私への最大の侮蔑語だ。
感情を持たない機械のようだ、と。
しかし、私は扇子をパチリと閉じて、満面の笑みで応じた。
「お褒めいただき、光栄ですわ」
「……は?」
「計算高さとは、すなわち『先を見通す知性』の証。無計画に感情で動いて破滅するより、計算通りに幸福を掴む方が、生物としての生存戦略として正しいでしょう?」
「なっ……!?」
令嬢が言葉に詰まる。
私は畳み掛ける。
「それに『乗り換えた』という表現は不正確ですね。正しくは『より条件の良い優良物件にヘッドハンティングされた』です。王太子殿下(ブラック企業)との契約が満了し、公爵様(ホワイト企業)に転職した。……これの何が問題でしょうか?」
「ブ、ブラック……? ホワ……?」
意味が分からずポカンとする令嬢たち。
そこに、別の夫人が割って入ってきた。
「まあ、相変わらず口が達者だこと。でもね、ミリュー様。噂で聞きましたわよ? 貴女、公爵邸で……使用人のような『労働』をしているそうですわね?」
夫人は勝ち誇ったように鼻を鳴らした。
「庭の草むしりをしたり、書類仕事に追われたり……。公爵夫人ともあろう方が、下々の者の仕事をするなんて。やはり、王太子妃になれなかった女は、品位も地に落ちたのかしら?」
周囲から「まあ、はしたない」「泥仕事なんて」という嘲笑が聞こえる。
ラシード様の眉間に、深い谷が刻まれた。
彼が口を開こうとしたのを、私は手で制した。
(ここは私が。……この程度の煽り、数字で黙らせて見せます)
私は一歩前に出た。
「労働、結構なことではありませんか」
「え?」
「私は、自分の住む環境を、自分の手で最適化することに喜びを感じます。それに、私の『労働』が生み出した経済効果をご存知ですか?」
私は指を折って数え始めた。
「庭園の改修により、害虫被害が減少し、近隣農家の収穫高が5%向上しました。書類整理により、公爵領の行政コストが20%削減されました。さらに、資材調達の見直しで浮いた予算は、領民への減税として還元される予定です」
私は夫人を真っ直ぐに見つめた。
「私は汗を流し、知恵を絞り、確実な『利益』を生み出しました。……さて、皆様は?」
「な、なによ……」
「毎日お茶会で他人の噂話をして、高価なドレスを消費し、生産性のない時間を過ごす……。それで『品位』を保っているとお思いですか? 私には、それが単なる『社会的資源の浪費』にしか見えませんが」
「ぐぬっ……!」
夫人の顔が真っ赤になる。
「な、生意気な! そんな理屈、社交界で通用すると思って……!」
夫人が扇子を振り上げた、その時だった。
ドォォォォン……。
地響きのような、重苦しいプレッシャーが会場全体を圧迫した。
「……通用する」
低く、絶対零度の声が響いた。
ラシード様だ。
彼は私を背に庇い、夫人たちを睥睨していた。
その青い瞳は、完全に「敵を排除する目」をしていた。
「ミリューの言葉は、我が公爵家の総意だ。彼女の労働は、尊い。彼女が生み出す成果は、宝石よりも輝かしい」
「こ、公爵閣下……?」
「彼女が庭いじりをしている時、その手についた土さえも、私には黄金に見える。彼女が書類と格闘している時の鬼気迫る表情は、女神のように美しい」
ラシード様は真顔で、とんでもないことを言い出した。
「お前たちには分からんのか? 何も生み出さず、ただ着飾っているだけの人形と、自らの手で未来を切り拓く機能美あふれる彼女と……どちらが本当に『品位』があるかを」
「ひっ……!」
夫人たちが後ずさる。
ラシード様の言葉は、愛の告白なのか脅迫なのか分からないが、その迫力は凄まじかった。
「私の妻を侮辱することは、クライシス家への宣戦布告とみなす。……その覚悟がある者だけが、口を開け」
シーン……。
会場が静まり返った。
誰一人、声を発する者はいない。
扇子を落とした音さえ聞こえそうだ。
(……やりすぎです、ラシード様)
私は苦笑しながら、彼の袖を引いた。
「そこまでで結構ですわ。これ以上やると、今後の外交に支障が出ます」
「……フン」
ラシード様は鼻を鳴らし、殺気を収めた。
私は凍りついた夫人たちに向き直り、ニッコリと微笑んだ。
「というわけで、我が家の経営方針(ポリシー)をご理解いただけましたでしょうか? 私たちは『実利』と『効率』を愛しております。もし、皆様の中に『生産的な提携話』をお持ちの方がいらっしゃいましたら、いつでも歓迎いたしますわ」
私は懐から、公爵家の新しい名刺を取り出した。
「こちら、私の名刺です。領地経営に関するコンサルティング、資産運用のアドバイス、なんでも承ります。初回相談は無料ですので」
私は呆然とする夫人たちの手に、強引に名刺を握らせた。
「それでは、皆様ごきげんよう。……ああ、そのドレス、素敵ですが素材の通気性が悪そうですわね。肌荒れにはご注意を」
捨て台詞の代わりに実用的なアドバイスを残し、私はラシード様の腕を取ってその場を離れた。
背後で、夫人たちが「負けた……」「勝てる気がしない……」と崩れ落ちる気配がした。
◇
バルコニーに出ると、夜風が心地よかった。
「……すまない、ミリュー。つい熱くなってしまった」
ラシード様が反省したように頭を下げる。
「私のせいで、君が孤立してしまったかもしれない」
「孤立? いいえ、逆です」
私は手帳を開き、満足げに頷いた。
「見てください。先ほどの騒ぎを見ていた数人の貴族男性が、こちらを伺っています。彼らは実利重視の派閥……おそらく、私の『コンサル提案』に興味を持ったのでしょう」
「……は?」
「つまり、ターゲット層への宣伝(アピール)は成功したということです。あの夫人たちは、私の優秀さを引き立てるための『踏み台』として、良い仕事をしてくれました」
「…………」
ラシード様は呆れたように私を見つめ、それから吹き出した。
「くくっ……ははは!」
「何かおかしいですか?」
「いや……君は本当に強いな。そして、頼もしい」
彼は私の肩を抱き寄せた。
「君を敵に回さなくて本当によかった。……ジェラルド殿下は、本当に惜しいことをしたな」
「そうですね。彼が失ったのは、単なる婚約者ではなく『歩く国家戦略局』ですから」
私が冗談めかして言うと、ラシード様は私の額にキスを落とした。
「そして私は、最高の『幸福』を手に入れた」
「幸福? ……ああ、業務効率化のことですね?」
「……まあ、そういうことにしておこう」
ラシード様は苦笑いしながら、夜空を見上げた。
こうして、私の社交界デビュー戦(商談)は大勝利に終わった。
悪役令嬢という悪名は、いつしか「冷徹なる女参謀」という、より恐ろしく、より実用的な異名へと変わっていくことになるのだが……それはまた別のお話。
今はただ、この隣にいる不器用な上司(夫)と共に、次の「改善案件」を探すのが楽しみで仕方なかった。
36
あなたにおすすめの小説
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……
タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。
「美しい女性(ヒト)、貴女は一体、誰なのですか?」・・・って、オメエの嫁だよ
猫枕
恋愛
家の事情で12才でウェスペル家に嫁いだイリス。
当時20才だった旦那ラドヤードは子供のイリスをまったく相手にせず、田舎の領地に閉じ込めてしまった。
それから4年、イリスの実家ルーチェンス家はウェスペル家への借金を返済し、負い目のなくなったイリスは婚姻の無効を訴える準備を着々と整えていた。
そんなある日、領地に視察にやってきた形だけの夫ラドヤードとばったり出くわしてしまう。
美しく成長した妻を目にしたラドヤードは一目でイリスに恋をする。
「美しいひとよ、貴女は一体誰なのですか?」
『・・・・オメエの嫁だよ』
執着されたらかなわんと、逃げるイリスの運命は?
前世の記憶しかない元侯爵令嬢は、訳あり大公殿下のお気に入り。(注:期間限定)
miy
恋愛
(※長編なため、少しネタバレを含みます)
ある日目覚めたら、そこは見たことも聞いたこともない…異国でした。
ここは、どうやら転生後の人生。
私は大貴族の令嬢レティシア17歳…らしいのですが…全く記憶にございません。
有り難いことに言葉は理解できるし、読み書きも問題なし。
でも、見知らぬ世界で貴族生活?いやいや…私は平凡な日本人のようですよ?…無理です。
“前世の記憶”として目覚めた私は、現世の“レティシアの身体”で…静かな庶民生活を始める。
そんな私の前に、一人の貴族男性が現れた。
ちょっと?訳ありな彼が、私を…自分の『唯一の女性』であると誤解してしまったことから、庶民生活が一変してしまう。
高い身分の彼に関わってしまった私は、元いた国を飛び出して魔法の国で暮らすことになるのです。
大公殿下、大魔術師、聖女や神獣…等など…いろんな人との出会いを経て『レティシア』が自分らしく生きていく。
という、少々…長いお話です。
鈍感なレティシアが、大公殿下からの熱い眼差しに気付くのはいつなのでしょうか…?
※安定のご都合主義、独自の世界観です。お許し下さい。
※ストーリーの進度は遅めかと思われます。
※現在、不定期にて公開中です。よろしくお願い致します。
公開予定日を最新話に記載しておりますが、長期休載の場合はこちらでもお知らせをさせて頂きます。
※ド素人の書いた3作目です。まだまだ優しい目で見て頂けると嬉しいです。よろしくお願いします。
※初公開から2年が過ぎました。少しでも良い作品に、読みやすく…と、時間があれば順次手直し(改稿)をしていく予定でおります。(現在、146話辺りまで手直し作業中)
※章の区切りを変更致しました。(9/22更新)
十年間虐げられたお針子令嬢、冷徹侯爵に狂おしいほど愛される。
er
恋愛
十年前に両親を亡くしたセレスティーナは、後見人の叔父に財産を奪われ、物置部屋で使用人同然の扱いを受けていた。義妹ミレイユのために毎日ドレスを縫わされる日々——でも彼女には『星霜の記憶』という、物の過去と未来を視る特別な力があった。隠されていた舞踏会の招待状を見つけて決死の潜入を果たすと、冷徹で美しいヴィルフォール侯爵と運命の再会! 義妹のドレスが破れて大恥、叔父も悪事を暴かれて追放されるはめに。失われた伝説の刺繍技術を復活させたセレスティーナは宮廷筆頭職人に抜擢され、「ずっと君を探していた」と侯爵に溺愛される——
投資の天才”を名乗る臣民たちよ。 その全財産、確かに受け取った。 我が民のために活かそう』 〜虚飾を砕く女王の経済鉄槌〜
しおしお
恋愛
バブルに沸くアルビオン王国。
「エルドラド株」を持たぬ者は時代遅れ――
そう嘲笑いながら、実体のない海外権益へ全財産を注ぎ込む貴族たち。
自らを“投資の天才”と称し、増税に苦しむ民を見下す日々。
若き女王リリアーナは、その狂騒を静かに見つめていた。
やがて始まる王室監査。
暴かれる虚偽契約。
崩れ落ちる担保。
連鎖する破綻。
昨日まで「時代の勝者」を気取っていた特権階級は、一夜にして無一文へ。
泣きつく彼らに、女王はただ微笑む。
――“皆様の尊いご投資、確かに受け取りましたわ”
没収された富は国庫へ。
再配分された資源は民へ。
虚飾を砕き、制度を再設計し、王国を立て直す。
これは復讐譚ではない。
清算と再建の物語。
泡沫の王国に、女王の鉄槌が下される。
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる