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第5章
心からごめんなさい…
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ヨミ・ランスロットーー
透明感のある金髪に、深紫色の瞳。目元はキリッとしていて、鼻も高くてすっとしてる、優しそうな顔のイケメン。
物語上では、ルシアのことが大好きで、ユリアのことが大っ嫌い…という設定だ。
そう…設定してもらったのだ。
本当は、ヨミが登場することはなかった。というのも、ヨミは私が登場させたキャラだからだ。
ある日、どき胸を作った会社からアンケートが来た。内容は普通に、困ってることがありますか、というものだ。他にもいろいろな質問があった。
そのアンケートの最後に、何か運営に希望はありますか、という回答欄があった。その回答欄に、私は『イケメンの悪役が欲しい』と書いた。
すると、その案はみごと採用され、『ヨミ・ランスロット』という悪役ができたのだ。
つまり、ヨミがここにいるのも、ルシアのことが死ぬほど大好きなのも、百パーセント私のせい。
全力で今目の前にいるヨミに謝りたい。
ごめ…いや、軽すぎるな。
すみませ…もっと気持ちが伝わるように。
懺悔します…あ、これだ。
懺悔します。心から謝ります。
「…?どうかした?ルシア」
「いえ、なんでもないです」
ヨミはルシアのことが死ぬほど大好きだから、ルシアのためならなんでもする。
例えば…ルシアのために、外国へ行って毒を研究してくる、とか。
…私のせいだってわかってるけど、そこまでやらなくてもいいんじゃない?
しかも毒って…
「ランスロット伯爵…いえ、ヨミ」
「……!うん、何!?」
下の名前で呼べば、ぱああっと表情が輝いた。
前はヨミって呼んでたから、違和感のないようにそう呼んだんだけど。
…なんだか、ちょっといいことした気分。
「あのね、私はユリアのことが嫌いじゃないわ」
「じゃあ何?」
「好きになったの」
「冗談でしょ?」
そんな即否定しなくても…
「だって、前に僕に言ったじゃない。ユリアが嫌いだって」
「いつ?」
「ルシアが高等学部一年になった頃かなぁ」
二年前……まだルークに恋に堕ちていなかったけど、ユリアが邪魔だと思ってた時か。
あの時に、前世が思い出せていればなぁ…
「ルシア、本当にユリアのことが好きになったの?」
「え?うん」
「そっか…」
しょぼんとしてしまったヨミを見て、少し申し訳なくなる。
「僕がいない間に洗脳されちゃったんだね…」
「……?へ?!」
え、洗脳!?いや、されてないけど…!
「ふふ…安心して、ルシア。僕が必ずルシアを助けてあげるからね」
「洗脳なんか…」
「毒の研究をしていて色々学んだことがあるから、それをルシアのために活かすことができて嬉しいよ」
「ユリアを好きになったりとかは…」
「無理。ルシアが嫌いなら僕も嫌い」
「……」
だから、好きになったって言ってんじゃん!
まあでも、これも私のせいだよね…本当にごめん、ヨミ。
ヨミは、ユリアを絶対に好きになったりしない。好きになっちゃ、いけないんだ…。
自己満足でもいいから、せめて責任は感じさせてほしい。
「あ!着いたよ、ルシア」
「……うん」
先に降りてスッと手を差し出してくるヨミの顔は自信に溢れていた。
どんな手を使うのかはっきりしてない部分もあるが、少しでもわかってるんだから、手の打ち用はある。
絶対にヨミを悪役なんかにしないんだから。
透明感のある金髪に、深紫色の瞳。目元はキリッとしていて、鼻も高くてすっとしてる、優しそうな顔のイケメン。
物語上では、ルシアのことが大好きで、ユリアのことが大っ嫌い…という設定だ。
そう…設定してもらったのだ。
本当は、ヨミが登場することはなかった。というのも、ヨミは私が登場させたキャラだからだ。
ある日、どき胸を作った会社からアンケートが来た。内容は普通に、困ってることがありますか、というものだ。他にもいろいろな質問があった。
そのアンケートの最後に、何か運営に希望はありますか、という回答欄があった。その回答欄に、私は『イケメンの悪役が欲しい』と書いた。
すると、その案はみごと採用され、『ヨミ・ランスロット』という悪役ができたのだ。
つまり、ヨミがここにいるのも、ルシアのことが死ぬほど大好きなのも、百パーセント私のせい。
全力で今目の前にいるヨミに謝りたい。
ごめ…いや、軽すぎるな。
すみませ…もっと気持ちが伝わるように。
懺悔します…あ、これだ。
懺悔します。心から謝ります。
「…?どうかした?ルシア」
「いえ、なんでもないです」
ヨミはルシアのことが死ぬほど大好きだから、ルシアのためならなんでもする。
例えば…ルシアのために、外国へ行って毒を研究してくる、とか。
…私のせいだってわかってるけど、そこまでやらなくてもいいんじゃない?
しかも毒って…
「ランスロット伯爵…いえ、ヨミ」
「……!うん、何!?」
下の名前で呼べば、ぱああっと表情が輝いた。
前はヨミって呼んでたから、違和感のないようにそう呼んだんだけど。
…なんだか、ちょっといいことした気分。
「あのね、私はユリアのことが嫌いじゃないわ」
「じゃあ何?」
「好きになったの」
「冗談でしょ?」
そんな即否定しなくても…
「だって、前に僕に言ったじゃない。ユリアが嫌いだって」
「いつ?」
「ルシアが高等学部一年になった頃かなぁ」
二年前……まだルークに恋に堕ちていなかったけど、ユリアが邪魔だと思ってた時か。
あの時に、前世が思い出せていればなぁ…
「ルシア、本当にユリアのことが好きになったの?」
「え?うん」
「そっか…」
しょぼんとしてしまったヨミを見て、少し申し訳なくなる。
「僕がいない間に洗脳されちゃったんだね…」
「……?へ?!」
え、洗脳!?いや、されてないけど…!
「ふふ…安心して、ルシア。僕が必ずルシアを助けてあげるからね」
「洗脳なんか…」
「毒の研究をしていて色々学んだことがあるから、それをルシアのために活かすことができて嬉しいよ」
「ユリアを好きになったりとかは…」
「無理。ルシアが嫌いなら僕も嫌い」
「……」
だから、好きになったって言ってんじゃん!
まあでも、これも私のせいだよね…本当にごめん、ヨミ。
ヨミは、ユリアを絶対に好きになったりしない。好きになっちゃ、いけないんだ…。
自己満足でもいいから、せめて責任は感じさせてほしい。
「あ!着いたよ、ルシア」
「……うん」
先に降りてスッと手を差し出してくるヨミの顔は自信に溢れていた。
どんな手を使うのかはっきりしてない部分もあるが、少しでもわかってるんだから、手の打ち用はある。
絶対にヨミを悪役なんかにしないんだから。
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