12 / 25
第5章
スキ…??
しおりを挟む
あの事件から三日目の今日。明日からは連休で、本邸に帰る予定だ。
本邸に帰るのは、ただの気分だけど。
「さようなら、ルシア様」
「さようなら」
今日も何事もなく終わった…と思った時。
「あ!ルシア、やっと来た!!」
「えっ…」
待って、この声は…
「ランスロット、伯爵…?」
「うん!」
なんでここに彼がいるの!
ここ学校!教師でもないんだから、不審者扱いされても仕方がない場所。
それにほら、周りの子も、なにあの人みたいな目で…
「あの人カッコよくない!?」
「ほんとね!」
…見てなかった。
むしろ、来てくれてありがとう!て感じになってる。
……イケメンって得だなぁ。
「あの、なぜこちらに…?」
にこにこしながら私を見つめている伯爵に、恐る恐る聞いてみる。
「また後日改めてって言ったでしょ?」
「言いましたが…」
「ちゃんと来たよ!」
この人、なんかテンション高い…
「さ、帰ろう!馬車はそこに手配してあるから」
「はい?」
「だって、本邸のほうに帰るんでしょ?なら僕もついでに行くから、ちょうどいいかなーって思って」
「はぁ…ありがとう、ございます…?」
「それに、聞きたいこともあったしね」
聞きたいことってなんだろう…
どことなく不安を感じながらも、導かれるまま馬車に乗り込む。
今更だけど、結婚前の娘が男と二人っきりってどうなんだろう…
「最近、どう?」
「…はい?なんのことですか?」
主語もなく急にふられた話題に、なんのことか困惑する。
どうって、学校が楽しいかってこと?いじめられてないか、みたいな?
…親?
答えがわからず、とりあえず学校が楽しいと答えようとした…が。
「何?そのとぼけてる顔…可愛い」
「かわっ……と、とぼけてなんてないです」
声が上ずってしまった。
急にかけられた可愛いと言う言葉に悶絶して赤くなっていると、伯爵が近づいてきて、そっと耳の近くでささやいた。
「ユ、リ、ア」
「……!」
なんで、ユリアのこと…
「そ、それは…」
「まだ、嫌いなんでしょ?」
「……」
「ふふ…僕も手伝ってあげる。そのために帰ってきたんだから」
「なんで、そこまで…」
「なんで?そんなの……」
手をきゅっと握って、見つめてくる。
「ルシアが好きだからに決まってるでしょ」
……は?
好き?私を?スキ??
「……!!!」
口がパクパクしてさらに顔が赤くなる。
ひ、開いた口が塞がらない…!
「だから、絶対に僕がルシアの期待に答えてみせる」
「き、きき、期待っ?」
あああ、だめだ、舌が回らないよ…!
「大丈夫だよ?バレないようにやるから」
違う、そうじゃない!
そんな心配もしてな……!
「…あ……」
「ん?」
思い出した、かも。
ルシアのことが大好きで、ユリアを嫌う、人物。
ヨミだ。ヨミ・ランスロットだ…!!
本邸に帰るのは、ただの気分だけど。
「さようなら、ルシア様」
「さようなら」
今日も何事もなく終わった…と思った時。
「あ!ルシア、やっと来た!!」
「えっ…」
待って、この声は…
「ランスロット、伯爵…?」
「うん!」
なんでここに彼がいるの!
ここ学校!教師でもないんだから、不審者扱いされても仕方がない場所。
それにほら、周りの子も、なにあの人みたいな目で…
「あの人カッコよくない!?」
「ほんとね!」
…見てなかった。
むしろ、来てくれてありがとう!て感じになってる。
……イケメンって得だなぁ。
「あの、なぜこちらに…?」
にこにこしながら私を見つめている伯爵に、恐る恐る聞いてみる。
「また後日改めてって言ったでしょ?」
「言いましたが…」
「ちゃんと来たよ!」
この人、なんかテンション高い…
「さ、帰ろう!馬車はそこに手配してあるから」
「はい?」
「だって、本邸のほうに帰るんでしょ?なら僕もついでに行くから、ちょうどいいかなーって思って」
「はぁ…ありがとう、ございます…?」
「それに、聞きたいこともあったしね」
聞きたいことってなんだろう…
どことなく不安を感じながらも、導かれるまま馬車に乗り込む。
今更だけど、結婚前の娘が男と二人っきりってどうなんだろう…
「最近、どう?」
「…はい?なんのことですか?」
主語もなく急にふられた話題に、なんのことか困惑する。
どうって、学校が楽しいかってこと?いじめられてないか、みたいな?
…親?
答えがわからず、とりあえず学校が楽しいと答えようとした…が。
「何?そのとぼけてる顔…可愛い」
「かわっ……と、とぼけてなんてないです」
声が上ずってしまった。
急にかけられた可愛いと言う言葉に悶絶して赤くなっていると、伯爵が近づいてきて、そっと耳の近くでささやいた。
「ユ、リ、ア」
「……!」
なんで、ユリアのこと…
「そ、それは…」
「まだ、嫌いなんでしょ?」
「……」
「ふふ…僕も手伝ってあげる。そのために帰ってきたんだから」
「なんで、そこまで…」
「なんで?そんなの……」
手をきゅっと握って、見つめてくる。
「ルシアが好きだからに決まってるでしょ」
……は?
好き?私を?スキ??
「……!!!」
口がパクパクしてさらに顔が赤くなる。
ひ、開いた口が塞がらない…!
「だから、絶対に僕がルシアの期待に答えてみせる」
「き、きき、期待っ?」
あああ、だめだ、舌が回らないよ…!
「大丈夫だよ?バレないようにやるから」
違う、そうじゃない!
そんな心配もしてな……!
「…あ……」
「ん?」
思い出した、かも。
ルシアのことが大好きで、ユリアを嫌う、人物。
ヨミだ。ヨミ・ランスロットだ…!!
0
あなたにおすすめの小説
婚約破棄された際もらった慰謝料で田舎の土地を買い農家になった元貴族令嬢、野菜を買いにきたベジタリアン第三王子に求婚される
さら
恋愛
婚約破棄された元伯爵令嬢クラリス。
慰謝料代わりに受け取った金で田舎の小さな土地を買い、農業を始めることに。泥にまみれて種を撒き、水をやり、必死に生きる日々。貴族の煌びやかな日々は失ったけれど、土と共に過ごす穏やかな時間が、彼女に新しい幸せをくれる――はずだった。
だがある日、畑に現れたのは野菜好きで有名な第三王子レオニール。
「この野菜は……他とは違う。僕は、あなたが欲しい」
そう言って真剣な瞳で求婚してきて!?
王妃も兄王子たちも立ちはだかる。
「身分違いの恋」なんて笑われても、二人の気持ちは揺るがない。荒れ地を畑に変えるように、愛もまた努力で実を結ぶのか――。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
9回巻き戻った公爵令嬢ですが、10回目の人生はどうやらご褒美モードのようです
志野田みかん
恋愛
アリーシア・グランツ公爵令嬢は、異世界から落ちてきた聖女ミアに婚約者を奪われ、断罪されて処刑された。殺されるたびに人生が巻き戻り、そのたびに王太子マクシミリアンはミアに心奪われ、アリーシアは処刑、処刑、処刑!
10回目の人生にして、ようやく貧乏男爵令嬢アリーに生まれ変わった。
もう王太子や聖女には関わらない!と心に決めたのに、病弱な弟のために王宮の侍女として働くことに。するとなぜか、王太子マクシミリアンは聖女ミアには目もくれず、男爵令嬢アリーを溺愛し始めて……。
(頭を空っぽにして笑えることを目指したコメディです。2020年に執筆した作品です。本作を読みたいというお声があったため再掲します)
私をいじめていた女と一緒に異世界召喚されたけど、無能扱いされた私は実は“本物の聖女”でした。
さら
恋愛
私――ミリアは、クラスで地味で取り柄もない“都合のいい子”だった。
そんな私が、いじめの張本人だった美少女・沙羅と一緒に異世界へ召喚された。
王城で“聖女”として迎えられたのは彼女だけ。
私は「魔力が測定不能の無能」と言われ、冷たく追い出された。
――でも、それは間違いだった。
辺境の村で出会った青年リオネルに助けられ、私は初めて自分の力を信じようと決意する。
やがて傷ついた人々を癒やすうちに、私の“無”と呼ばれた力が、誰にも真似できない“神の光”だと判明して――。
王都での再召喚、偽りの聖女との再会、かつての嘲笑が驚嘆に変わる瞬間。
無能と呼ばれた少女が、“本物の聖女”として世界を救う――優しさと再生のざまぁストーリー。
裏切りから始まる癒しの恋。
厳しくも温かい騎士リオネルとの出会いが、ミリアの運命を優しく変えていく。
悪役令嬢になったようなので、婚約者の為に身を引きます!!!
夕香里
恋愛
王子に婚約破棄され牢屋行き。
挙句の果てには獄中死になることを思い出した悪役令嬢のアタナシアは、家族と王子のために自分の心に蓋をして身を引くことにした。
だが、アタナシアに甦った記憶と少しずつ違う部分が出始めて……?
酷い結末を迎えるくらいなら自分から身を引こうと決めたアタナシアと王子の話。
※小説家になろうでも投稿しています
悪役令嬢に転生したけど、知らぬ間にバッドエンド回避してました
神村結美
恋愛
クローデット・アルトー公爵令嬢は、お菓子が大好きで、他の令嬢達のように宝石やドレスに興味はない。
5歳の第一王子の婚約者選定のお茶会に参加した時も目的は王子ではなく、お菓子だった。そんな彼女は肌荒れや体型から人々に醜いと思われていた。
お茶会後に、第一王子の婚約者が侯爵令嬢が決まり、クローデットは幼馴染のエルネスト・ジュリオ公爵子息との婚約が決まる。
その後、クローデットは体調を崩して寝込み、目覚めた時には前世の記憶を思い出し、前世でハマった乙女ゲームの世界の悪役令嬢に転生している事に気づく。
でも、クローデットは第一王子の婚約者ではない。
すでにゲームの設定とは違う状況である。それならゲームの事は気にしなくても大丈夫……?
悪役令嬢が気付かない内にバッドエンドを回避していたお話しです。
※溺れるような描写がありますので、苦手な方はご注意ください。
※少し設定が緩いところがあるかもしれません。
婚約者を奪い返そうとしたらいきなり溺愛されました
宵闇 月
恋愛
異世界に転生したらスマホゲームの悪役令嬢でした。
しかも前世の推し且つ今世の婚約者は既にヒロインに攻略された後でした。
断罪まであと一年と少し。
だったら断罪回避より今から全力で奪い返してみせますわ。
と意気込んだはいいけど
あれ?
婚約者様の様子がおかしいのだけど…
※ 4/26
内容とタイトルが合ってないない気がするのでタイトル変更しました。
悪役令嬢の逆襲
すけさん
恋愛
断罪される1年前に前世の記憶が甦る!
前世は三十代の子持ちのおばちゃんだった。
素行は悪かった悪役令嬢は、急におばちゃんチックな思想が芽生え恋に友情に新たな一面を見せ始めた事で、断罪を回避するべく奮闘する!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる