【完結】推しに命を奪われる運命ですって?

楽歩

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第2章

21中庭にて

『ノエル様!』

芝生に座っているだけなのに、絵になるという艶やかさ。今日もありがとうございます!


『アリー、生徒会の仕事は終わったのかい?』

『きりがいいところで、抜けてきましたわ。』


敷物と、お弁当をマジックバックから出し、広げる。


『…私は、殿下とマース男爵令嬢を護るため、護衛騎士になったわけではないのに…殿下がアリーの傍にいないだなんて…』


『まあまあ、結果、ランチは傍にいてくださるわけですから』
と、言うより勝手に傍に来ているわけですが。


********************



『ねえ、これっていったいどういう状況なの―』

この気が抜けるような言い方は…

『ブリス様!と、オレリア様…。』

首をかしげるブリス様と口元に手をあて唖然としているオレリア様。


『見たままですわ。皇太子殿下と男爵令嬢様が中庭で楽しくランチをしているところを護衛騎士であるこちらのノエル様と一緒に監視、護衛している状況ですわよ。』


『えー、婚約者の2人が、それぞれ違う人とランチを一緒に過ごしているってことー?』


くっ!その通りだけど人聞きが悪いわね。


『…ブリス様、お黙りになって。あなた、この状況を見てなぜそのようなことが言えるのです。日の当たる明るい中庭で、未婚の男女があんなに密着して楽しそうにしている。この国の皇太子殿下が、婚約者でもない女と!!一方、あの2人が見える垣根の影で、地面に座り、小声で話しながら時を過ごす…いつから、いつからですの?こんな辛い状況を耐え忍んでいたのは。私はてっきり、幸せな時間を過ごしているのだと…うぅ…』


ああ、オレリア様が泣き出してしまった…。ごめんなさい、全く辛くなく、ご褒美タイムを満喫していたとはいえず。


『ごめんね、アイリーン嬢、そういう意味で行ったんじゃなくて…』

ブレス様もしゅんとしてしまった。

『でも、アイリーン嬢。ずっとこんなことをしていくの?やっぱり、皇太子に言ってやめてもらったほうがいいと思うけど?』

まあ、普通そう思いますわよね。


『うーん、何て言いましょうか?婚約者とでもない方と過ごすのは…と言っても、学院の者と交流を深めているだけだとおっしゃられそうですし、私と言うものがありながら…と言っても、政略結婚だろとおっしゃられそうですし…何かよい台詞はありますでしょうか?』

『…もちろん、私も何度も何度も苦言を呈してきているのだ。部外者が安易なことを話すものではない!!』


あら、ノエル様が珍しくお怒りだわ。


『…ブレス様、察しが悪いのは命とりですわよ。言ってやめるような常識ある人間というものは、初めからこんな非常識なことはやらないのですよ。仮にも、王族たる者が!!』


あらあら、将来王宮の文官を目指しているオレリア様もお怒りだわ。


美形2人から刺すようなまなざしで睨まれたブレス様。ぷるぷる震え、追い詰められたネズミのようね。



「…お、おなかがすいてきちゃったな…あ、あははは、ランチにしない?」



今、その台詞は悪手ですわよ。ほら空気の温度が、急激に下がっていきましたでしょ。まったく。


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