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49.王命 sideフロランス王女
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雨が降り続く王都。私は、窓の外を眺めながら、頭を抱えていた。
この雨のせいで、頭は痛み、めまいがする。気分も落ち込むわ。
医者は、天気痛だというが、こう雨が続くと薬も効きやしない。少しの音でも、こめかみに響き、耐えがたいほどの痛みとなっていた。
雨は一向にやむ気配がなく、心もまた、どんよりと曇っている。
「王女様、婚約者のアークウッド公爵令息様が来ておりますが…」
少し横になろうかとしていた時、使用人がやってきて、控えめな声で言った。
頭痛を抑えるようにこめかみに手を当て、座り直す。返事を待たずに慌てた様子で部屋に入ってきたフィリップが口を開く。
「フロランス!今日、急に国王陛下に呼び出されたが、何か知っているか?」
ああ、頭が痛い…苛立ちを隠せずに言葉を返した。
「頭に響くから少し声を押さえて!…私も呼び出されているけど、聞いていないわ…もうすぐ、卒業だから、結婚式の話でしょ」
そう返すと、フィリップは不安を隠せない様子で眉をひそめた。「そうか、でも…」彼は何か言いかけたが、その言葉は曖昧なままだった。とにかく呼びに来るまで待つしかないわ。
***********
フィリップと共に呼ばれた場所は、国王の私室だった。王妃である母も同席している。まるで、何か重大なことが起こるかのような、張り詰めた空気が漂っていた。
お父様は、重々しい声で切り出した。
「まだ、内密な話だから、私室に呼んだ。これからお前たちに王命を下す。正式な手続きは後日だ」
こんなところで王命?何か胸騒ぎがする。
「お前たちには婚約を白紙に戻してもらい、それぞれ別の相手と結婚してもらう」
「「え?」」
思わず、フィリップと私は同時に声を上げた。白紙に戻して、別な人?フィリップと顔を見合わせる。彼の顔にも、私と同じような困惑が浮かんでいた。
「…なっ…どうして…」
あまりのことに声が震える。まさかこんなことが起きるとは夢にも思わなかった。
「だから王命だと言っているだろう。相手はだな…」
「納得できません!!!」
嫌よ!嫌!私の心の中で反抗の声が渦巻く。
お父様はため息をつき、少し険しい顔つきで言葉を続けた。
「わかった、理由を説明しよう。この王都に振り続ける雨、いったいどう思う」
雨?
「頭は痛いし…早く止めばいいと…」
「そうだな、だが、ここまでやまないのは異常だ。我が国でも総力を挙げて調べ、対策を練ったが、何も効果がない、どうにもならない」
自然現象ですもの、当たり前じゃない
「しかし、救いの手が現れた。隣国のリューグランド国の皇子が、策を提案してきてくれたのだ」
「つまり、その見返りに隣国へ嫁げと…」
国を助ける見返りに、婚約者のいる私を求めるなんて!いったい何番目の皇子よ!私の中で怒りと不安が入り混じる。
「いや、お前が嫁ぐのは隣国じゃない。話が進まないから、まず、私の話を聞け」
何なのよ
「策を提案した隣国の第5皇子は、魔法はもちろん、魔道具を作る天才でな。王都を覆っている雨雲を封印する魔道具を提供すると言ってきた」
そんなものが…
「しかし、魔道具はあくまで依り代で、それだけでは封印ができず、この国にいる闇魔法使いの協力が必要だそうだ。依り代に封印できる闇魔法使いが」
その闇魔法使いが、私たちのどちらかを望んだってこと?全然話の流れが見えないわ。
「その闇魔法使いは、ヴァルデン侯爵令嬢だ。」
この雨のせいで、頭は痛み、めまいがする。気分も落ち込むわ。
医者は、天気痛だというが、こう雨が続くと薬も効きやしない。少しの音でも、こめかみに響き、耐えがたいほどの痛みとなっていた。
雨は一向にやむ気配がなく、心もまた、どんよりと曇っている。
「王女様、婚約者のアークウッド公爵令息様が来ておりますが…」
少し横になろうかとしていた時、使用人がやってきて、控えめな声で言った。
頭痛を抑えるようにこめかみに手を当て、座り直す。返事を待たずに慌てた様子で部屋に入ってきたフィリップが口を開く。
「フロランス!今日、急に国王陛下に呼び出されたが、何か知っているか?」
ああ、頭が痛い…苛立ちを隠せずに言葉を返した。
「頭に響くから少し声を押さえて!…私も呼び出されているけど、聞いていないわ…もうすぐ、卒業だから、結婚式の話でしょ」
そう返すと、フィリップは不安を隠せない様子で眉をひそめた。「そうか、でも…」彼は何か言いかけたが、その言葉は曖昧なままだった。とにかく呼びに来るまで待つしかないわ。
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フィリップと共に呼ばれた場所は、国王の私室だった。王妃である母も同席している。まるで、何か重大なことが起こるかのような、張り詰めた空気が漂っていた。
お父様は、重々しい声で切り出した。
「まだ、内密な話だから、私室に呼んだ。これからお前たちに王命を下す。正式な手続きは後日だ」
こんなところで王命?何か胸騒ぎがする。
「お前たちには婚約を白紙に戻してもらい、それぞれ別の相手と結婚してもらう」
「「え?」」
思わず、フィリップと私は同時に声を上げた。白紙に戻して、別な人?フィリップと顔を見合わせる。彼の顔にも、私と同じような困惑が浮かんでいた。
「…なっ…どうして…」
あまりのことに声が震える。まさかこんなことが起きるとは夢にも思わなかった。
「だから王命だと言っているだろう。相手はだな…」
「納得できません!!!」
嫌よ!嫌!私の心の中で反抗の声が渦巻く。
お父様はため息をつき、少し険しい顔つきで言葉を続けた。
「わかった、理由を説明しよう。この王都に振り続ける雨、いったいどう思う」
雨?
「頭は痛いし…早く止めばいいと…」
「そうだな、だが、ここまでやまないのは異常だ。我が国でも総力を挙げて調べ、対策を練ったが、何も効果がない、どうにもならない」
自然現象ですもの、当たり前じゃない
「しかし、救いの手が現れた。隣国のリューグランド国の皇子が、策を提案してきてくれたのだ」
「つまり、その見返りに隣国へ嫁げと…」
国を助ける見返りに、婚約者のいる私を求めるなんて!いったい何番目の皇子よ!私の中で怒りと不安が入り混じる。
「いや、お前が嫁ぐのは隣国じゃない。話が進まないから、まず、私の話を聞け」
何なのよ
「策を提案した隣国の第5皇子は、魔法はもちろん、魔道具を作る天才でな。王都を覆っている雨雲を封印する魔道具を提供すると言ってきた」
そんなものが…
「しかし、魔道具はあくまで依り代で、それだけでは封印ができず、この国にいる闇魔法使いの協力が必要だそうだ。依り代に封印できる闇魔法使いが」
その闇魔法使いが、私たちのどちらかを望んだってこと?全然話の流れが見えないわ。
「その闇魔法使いは、ヴァルデン侯爵令嬢だ。」
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