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先輩と私
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今日、私の大切な人が亡くなった。
私の大切な人……
それは、高校時代の先輩であった。
高校時代私はバスケ部のマネージャーをしていた。
元々、スポーツを見るのが好きだったわけではない。
私は、その先輩を見て、マネージャーになろうと決めたのだ。
先輩は、バスケが上手い人だった。だが、勉強は全くできず、大学に行くのを諦めたほどだ。
先輩が卒業した後、私はバスケ部のマネージャーをやめた。
先輩が卒業してからしばらくは、連絡をとっていたが、次第に連絡する頻度が減っていった。
だが、私は先輩の事を忘れてしまうほど勉強に熱心に取り組んでいたため、さほど気にしてはいなかった。
そして、私は希望の大学に入学し、先輩の事など、忘れてしまっていた。
そんなある日、真夜中にLINEがきた。
「僕は死ぬかもしれない。死にたくない」
あんな元気だった先輩が死ぬわけない。
また、からかっているのかと思い、冗談はやめてくださいと返信した。
今まで、何度かからかいのLINEがあったからだ。
しかし、返信には、病院の名前が来た。
仕方ないので、翌日私は先輩の言っていた病院へ向かった。
すると、先輩は、弱々しい姿でベッドに横たわっていた。
「よく、来てくれたね。僕は半年前、家で倒れて運ばれたんだ。そして、癌だと診断されたんだ。僕はもう長くない。」
先輩がからかいのLINEを始めたのはちょうど半年前…
私は、その話を嘘だと決めつけてしまっていた。
本当だったんだ…
先輩に謝らないと…
次の日、私は先輩の病室を再び訪ねた。
先輩、嘘だと思っていてごめんなさい。
先輩は、笑いながら言った。
「大丈夫だよ、でも、君はなにか償いをしないとだめな性格かな?だったら、僕と付き合ってよ。返事は明日でいいからさ」
償いで付き合っていいのかな?
家に帰りながらそう考えた。
明日、償いとして付き合うというのは断ろう。
そして、先輩に償いとしてではなく付き合いたいと言おう。
そう決めて、その日は寝た。
翌日、私は先輩の病室へ再び向かった。
だが、病室には彼はいなかった。
部屋が変わってしまったのだろうか。
私はナースセンターへ聞きに行った。
ナースは、悲しそうに言った。
「彼は昨日あなたが帰ったあとお亡くなりになりました。半年間癌と戦いましたが、その戦いが終わってしまいました。彼はよく頑張りましたよ」
私は、先輩に気持ちを伝えることができなかった。
なぜ昨日返事ができなかったのだろう…
もし、返事をしていたら…
そう悩んでも、もう遅い………
私の大切な人……
それは、高校時代の先輩であった。
高校時代私はバスケ部のマネージャーをしていた。
元々、スポーツを見るのが好きだったわけではない。
私は、その先輩を見て、マネージャーになろうと決めたのだ。
先輩は、バスケが上手い人だった。だが、勉強は全くできず、大学に行くのを諦めたほどだ。
先輩が卒業した後、私はバスケ部のマネージャーをやめた。
先輩が卒業してからしばらくは、連絡をとっていたが、次第に連絡する頻度が減っていった。
だが、私は先輩の事を忘れてしまうほど勉強に熱心に取り組んでいたため、さほど気にしてはいなかった。
そして、私は希望の大学に入学し、先輩の事など、忘れてしまっていた。
そんなある日、真夜中にLINEがきた。
「僕は死ぬかもしれない。死にたくない」
あんな元気だった先輩が死ぬわけない。
また、からかっているのかと思い、冗談はやめてくださいと返信した。
今まで、何度かからかいのLINEがあったからだ。
しかし、返信には、病院の名前が来た。
仕方ないので、翌日私は先輩の言っていた病院へ向かった。
すると、先輩は、弱々しい姿でベッドに横たわっていた。
「よく、来てくれたね。僕は半年前、家で倒れて運ばれたんだ。そして、癌だと診断されたんだ。僕はもう長くない。」
先輩がからかいのLINEを始めたのはちょうど半年前…
私は、その話を嘘だと決めつけてしまっていた。
本当だったんだ…
先輩に謝らないと…
次の日、私は先輩の病室を再び訪ねた。
先輩、嘘だと思っていてごめんなさい。
先輩は、笑いながら言った。
「大丈夫だよ、でも、君はなにか償いをしないとだめな性格かな?だったら、僕と付き合ってよ。返事は明日でいいからさ」
償いで付き合っていいのかな?
家に帰りながらそう考えた。
明日、償いとして付き合うというのは断ろう。
そして、先輩に償いとしてではなく付き合いたいと言おう。
そう決めて、その日は寝た。
翌日、私は先輩の病室へ再び向かった。
だが、病室には彼はいなかった。
部屋が変わってしまったのだろうか。
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「彼は昨日あなたが帰ったあとお亡くなりになりました。半年間癌と戦いましたが、その戦いが終わってしまいました。彼はよく頑張りましたよ」
私は、先輩に気持ちを伝えることができなかった。
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