Tell my feeling

流輝星

文字の大きさ
4 / 6

先輩と私

しおりを挟む
今日、私の大切な人が亡くなった。

私の大切な人……

それは、高校時代の先輩であった。

高校時代私はバスケ部のマネージャーをしていた。

元々、スポーツを見るのが好きだったわけではない。

私は、その先輩を見て、マネージャーになろうと決めたのだ。

先輩は、バスケが上手い人だった。だが、勉強は全くできず、大学に行くのを諦めたほどだ。

先輩が卒業した後、私はバスケ部のマネージャーをやめた。

先輩が卒業してからしばらくは、連絡をとっていたが、次第に連絡する頻度が減っていった。


だが、私は先輩の事を忘れてしまうほど勉強に熱心に取り組んでいたため、さほど気にしてはいなかった。


そして、私は希望の大学に入学し、先輩の事など、忘れてしまっていた。

そんなある日、真夜中にLINEがきた。

「僕は死ぬかもしれない。死にたくない」

あんな元気だった先輩が死ぬわけない。

また、からかっているのかと思い、冗談はやめてくださいと返信した。

今まで、何度かからかいのLINEがあったからだ。

しかし、返信には、病院の名前が来た。

仕方ないので、翌日私は先輩の言っていた病院へ向かった。

すると、先輩は、弱々しい姿でベッドに横たわっていた。

「よく、来てくれたね。僕は半年前、家で倒れて運ばれたんだ。そして、癌だと診断されたんだ。僕はもう長くない。」

先輩がからかいのLINEを始めたのはちょうど半年前…

私は、その話を嘘だと決めつけてしまっていた。

本当だったんだ…

先輩に謝らないと…

次の日、私は先輩の病室を再び訪ねた。

先輩、嘘だと思っていてごめんなさい。

先輩は、笑いながら言った。

「大丈夫だよ、でも、君はなにか償いをしないとだめな性格かな?だったら、僕と付き合ってよ。返事は明日でいいからさ」

償いで付き合っていいのかな?

家に帰りながらそう考えた。

明日、償いとして付き合うというのは断ろう。
そして、先輩に償いとしてではなく付き合いたいと言おう。

そう決めて、その日は寝た。

翌日、私は先輩の病室へ再び向かった。

だが、病室には彼はいなかった。

部屋が変わってしまったのだろうか。

私はナースセンターへ聞きに行った。

ナースは、悲しそうに言った。

「彼は昨日あなたが帰ったあとお亡くなりになりました。半年間癌と戦いましたが、その戦いが終わってしまいました。彼はよく頑張りましたよ」

私は、先輩に気持ちを伝えることができなかった。

なぜ昨日返事ができなかったのだろう…

もし、返事をしていたら…

そう悩んでも、もう遅い………






しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

片思い台本作品集(二人用声劇台本)

樹(いつき)@作品使用時は作者名明記必須
恋愛
今まで投稿した事のある一人用の声劇台本を二人用に書き直してみました。 ⚠動画・音声投稿サイトにご使用になる場合⚠ ・使用許可は不要ですが、自作発言や転載はもちろん禁止です。著作権は放棄しておりません。必ず作者名の樹(いつき)を記載して下さい。(何度注意しても作者名の記載が無い場合には台本使用を禁止します) ・語尾変更や方言などの多少のアレンジはokですが、大幅なアレンジや台本の世界観をぶち壊すようなアレンジやエフェクトなどはご遠慮願います。タイトル変更も禁止です。 ※こちらの作品は男女入れ替えNGとなりますのでご注意ください。 その他の詳細は【作品を使用する際の注意点】をご覧下さい

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

熟女教師に何度も迫られて…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
二度と味わえない体験をした実話中心のショート・ショート集です

処理中です...